1. 未来をつなぐものづくり
  2. #13早川精機工業(後編)
2025-08-05 15:00

#13早川精機工業(後編)

ものづくりの楽しさとは何か?多くの視点から話をしていただきました。製造業で働く方、工業高校からものづくりの分野へ進もうとする生徒たちへヒントになると思います。

サマリー

早川精機工業の後編では、製造業における楽しさや自己プログラミングによる効率的な作業環境を深掘りしています。また、実際の製造経験が営業活動に役立つことや、中小企業ならではの魅力についても考察しています。今回のエピソードでは、早川精機工業の社長が仕事における楽しさやその重要性を語り、働くことがただの対価の受け取りではなく、自分の人生において楽しさを見出すことの重要性が強調されています。

ものづくりの楽しさ
こんにちは。岐阜県の工業高校で教員をしている、すみです。
この番組、未来をつなぐものづくりでは、日本の製造業を支える企業の技術や、そこで働く人たちの思い、そして工業高校の教育の魅力をお届けしています。
さて今回は、早川精機工業の後編をお届けします。
ものづくりにおいての楽しさとは何か、そこを深掘りしてお話を伺っております。
製造業に携わる前の工業高校の生徒には、ものづくりを仕事としたときに、どんなことが楽しいのか、それが少しでも伝わればよいかと思っております。
プログラムを加工者に考えてもらって削ってもらうということをされていると思うんですけど、その辺はどんなようなお考えでやってみるんでしょうか。
普通はキャドキャムからデータが来て、そのままオペレーターが削るということが多いと思うんですけど、ちょっと効率が悪い感じになりますね、そうすると。
その辺はどのようなメリットがあったりとかするんですか。
生産技術の方がプログラムを作りまして、オペレーターの人がオペレートするだけですと、ほぼほぼ機械は8時間あれば8時間になると思うんですね。
でも弊社の場合、オペレーターの人がプログラムを作りますので、例えば1日8時間ありまして、4時間ずつで1個ずつ作るとしたら、1時間とか2時間とか考えていたり段取りしたりするわけなんですね。
なので、そういう意味では1日8時間って4時間しか動かないことになります。
でも、どうしてそれをやっているかというと、仕事をする人が自分でプログラムを作ったり、加工する方法を考えたりやるというのが非常に楽しいんじゃないかというのが早川精機の伝統でして、
なので、効率は悪いかもしれませんけども、仕事を楽しくやってくれる、もちろん好きな人じゃないとというのがあるんですけども、生産技術もやりながら、加工もしながら、出来栄え見ながらというところも楽しくやってくれるんじゃないかなと思っています。
最近はDXとか言っていて、機械の稼働率が何パーセントだって結構そういった数字を追っかけがちなんですけど、それとはちょっと逆行しているような感じですよね。
製造経験と営業の関係
実際生産現場では思う感じなんですかね。
そうですね。やはり稼働率を上げることは、やろうと思えばもちろんできるんですけど、先ほどプスで言われたように、自分で一から考えたものを作れるというのが楽しさ、それが技術とか個性も出しやすいかなと。
決まったことをただやるだけというわけではなくて、自分の裁量の中である程度自由度を持たせて、今日はこんな削り方をしたいなと。そういった改善も自分で考えていけるので、人が育つ環境はあるのかなと思っています。
工具選定、機械は今ある機械を現状で扱うしかないので、将来的にこんな機械を買ってほしいです。設備投資を非常にやっていただいているんですけど、今すぐできることってやっぱり工具選定条件だし、そこをやっぱり見解がないと言いますか、知らない工具が山ほどあります。
何かあったときのリカバリーは?
失敗は今までたくさんしてきたんですけど、またすぐ作り直すときに、自分で考えてまた自分でプログラムを組んで、すぐ自分でできるので、生産技術とかに一回依頼してプログラムを作り直してもらう。そのタイムラグがないので、すごくスピーディーに。
結果的に早い。そこはすごいメリットですね。経験を積んできた人にとっては、スピーディーにできる。
難しい仕事と言いますか、日々チャレンジをしていかないといけないですので、一回つけた知識をそのまま一生使い続けるってことは多分難しくて、やっぱり知識を常に入れるですとか、新しいことを覚えたり、アップデートしていくことが絶対必要だと思うんですね。
アップデートするために、これなんか僕こうした方がいいって思えるきっかけをやっぱり作ってあげたいなと思っていまして、何年か前ですけども、お客様の工場経験をお願いしたり、作っているものがどうお客様の役に立っているかわからないんですけども、
実際に工場にお邪魔させていただくと、僕も磨いてたやつがここでこんな風に使われているんですとか、ここでこんな風に役に立っているんだなというのが非常に刺激になるとですね、またちょっと頑張ろうかなとなりますので、やっぱり私は外の空気をたくさん吸ってもらうようにと考えています。
なるほど、刺激になるということですね。こうやって自分でいろいろ任されると学びも多くなってくると思うんですけど、高校時代の学びと社会時代の学びってだいぶ違うんですかね。
そうですね、人材育成に関わってくる話かどうかわからないですけど、僕も高校を卒業してこの会社ずっと入っている中で、入社して10年ぐらいですかね、製造現場にいてものを作っていたんですけど、そこから営業になってもう20年ぐらいですかね。
製造をやった経験というのは大きくて、作り勝手がわかりますよね。営業に行ったら今度は使い勝手がわかるようになってきますよね。そこで付き合わせができると、お客さんにいい提案だったりとか、お客さんが言っていることを聞き取りやすいだったりとかですね。
その後また製造と打ち合わせしてちゃんとしたものを渡せるとか、そういう意味では製造経験というのはすごく役に立っていますし、効率が悪いかもしれませんけど、うちは一人一人がちゃんと図面を理解してプログラムを作る、そういう環境というのはありかなとは思いますね。
中小企業の魅力
中小企業だからこそ味わえるだとは思うんですけど、製造もやって営業もやっていろんなことがやれるというのは、その辺は何か面白さとか感じていますか?
感じます。僕には合ってたなと思います。
この営業が合ってた?
合ってたと思うんですし、製造に行った中でも3つぐらい部署を経験させてもらったので、そういったような幅は持てましたし、それを持って営業でそれを活かすこともできたので、中小企業限定かわかんないですけど、そういう意思決定というんですかね、そこらへんのフットワークの良さはならではかなと思いますね。
製造業というとみんなずっと工場にいるようなイメージがあるので、そうでもないということですね。
そうですね。
いろんな職種がありますということで。
なるほど。
突き詰めてずっと物を作りたいという人がもちろんいますから、それは全然ありだと思いますし、いろんなことをやりたいというタイプの人は良い環境じゃないかなと思いますね。
なるほど。
清水さんはそういったことはないんですか?
いや、私は製造が転職だなと。
そうなんですね。
やっぱりそれは人によって。
最初は僕はパソコンを触れれば何でもいいくらいの物作りが好きで、パソコンもCADを書いたりCADキャップを使ったり、好きなことが全部できる会社だなというふうに思ったんですけど、
やっぱりその不利は一生していないなと感じていますね。
なるほど。
大企業だったらまた違う働き方になっていて、同じ物作りでも違ったかもわからないですね。
そうですね。
ちょっと比較はできないと思いますね。
そうですね。
やっぱり決まったことをやり続ける大切さもあると思うんですよ。
やっぱり中小企業ならではのあまり大きなフットワークを活かしたというか、そこの方が自分は合っているかなと思います。
なるほど。
これは結構中小企業の良さみたいなことですね。
そうですね。
やりたいことをそういう中小に降りるまでできないとか、そういうのは僕多分あってないと思うんですよ。
とことんやめるってことですか?
そうですね。やりたいですって言ったらすぐ賞金いただけるので。
そこがスピーディー?
スピーディーです。
なるほど。
仕事の楽しさについて
勝手に言っちゃってますよね。
勝手に言っちゃってますけども。
他でかかることだけ賞金いただけますよね。
勝手に言っちゃってますね。
今の子たちって結構価値観というかすごい多様化してるんで、
昔みたいに大企業に行って安定した給料もらって休みもあってっていうレールに乗ったらOKじゃなくて、
そこじゃ満足できなくなってきてるような感じがして、
SNS見たらなんかみんなキラキラしとるなとか、
俺なんやろうなって思っちゃったりしてるような感じがしてて、
だから職業の選択もこれからちょっと変わってくるんじゃないかなと思っているんですけど、
自分らしさをいかに職業に出してくるかっていう意味では、
これ今変換期かなと思うように思うんですけど、
その辺とか感じられるところがあったら。
私も割合仕事は好きなんですよ、好きなんですよって言ってあげるんですけど、
仕事ってもともと面白いですなと思ってます。
なのでみんな面白く仕事してほしいなっていうのが一番なのです。
面白いってなんだろうっていうと、
やっぱり自分で決めることができて、
自分でやってみて、自分で結果を味わうっていうのが、
たぶん仕事の面白さの大部分かなと思います。
もう少し上の年齢になってマネージャークラスになると、
集団をどう動かすか。
経営者になると会社をどう決めていくか。
結局決めるってことが、
うちの会社ですと新入社員の人でも毎日自分で決めてると思うんですよね。
それはたぶん楽しいと思ってほしいなと私は思ってます。
毎日同じことをやる仕事もあるかもしれませんけども、
何らかの工夫したりですとかね、それはやってるはずなので、
そういう楽しい仕事をみなさんが見つけてくれて、
やってくれるといいかなっていうのが思ってます。
自己成長と楽しさの追求
続きになるんですけど、やっぱり仕事って楽しいなって思えた。
初めて僕が思えた時ってやっぱり本気で取り組んで、本気で達成できた時。
その時が初めて面白いなって思えたので、
せっかく毎日8時間会社にいるので、
その中でいかに本気になってやれるか、
その中で達成感を感じてもらえたら嬉しいなと思います。
そういった一人一人感じられる会社を目指してるっていう感じですね。
楽しくないといいものもできないみたいなそういったところもありますね。
では今日は早川関工業の宇須井社長、辻さん、小山さん、清水さん、貴重なお話いただきました。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。貴重な話をいただきました。
働く上で何が大事かということをもう一度考えさせられるような内容でした。
働くということは単に対価を得るということだけではなく、
自分の人生そのものの時間を使っているわけですから、
いかに自分の中で楽しさを見つけるかということはすごく重要なことだと思います。
またそのために経営側もそれを達成するためにはどうしたらいいのかということを考えていく姿勢がすごく共感できました。
楽しいという感覚は主体的なことですが、受け身の姿勢だけでは決して生まれてきません。
むしろ自分から楽しさを追求していくために積極的に取り組む必要があるのではないかと思っています。
今までの価値観で楽しいということだけではなく、初めてやってみることが楽しかったということもあります。
ですから業種、職種が変わっても、その中でやっていく中で見つかる楽しさというのもあるんだなということも気づかされました。
ですから自分で決めつけずにまずやってみる機会があるならば、ぜひチャレンジする姿勢を皆さん持ってくれればいいかなというふうに思っています。
このラジオからでも聞いてわかるように非常に雰囲気の良い中で話を進めることができました。
こういった雰囲気で仕事ができるというのも自分の人生の中で非常に重要なことではないかなというふうにも感じました。
改めて収録にご協力いただきましてありがとうございました。
15:00

コメント

スクロール