1. 未来をつなぐものづくり
  2. #21オープンスクール
2025-10-18 06:48

#21オープンスクール

年一回行われるオープンスクールが開かれました。

その様子で気になったことを話しています。

サマリー

今回のエピソードでは、岐阜県の工業高校が実施するオープンキャンパスの様子や、学生たちがものづくりを通じて得る学びについて語られています。また、工業高校の魅力や学生たちが感じる価値についても考察されています。

オープンキャンパスの体験
こんにちは。岐阜県の工業高校の教員をしている、すみです。
この番組、未来をつなぐものづくりは、地域の魅力ある企業や工業高校の教育現場、
そしてそこに関わる人たちの思いを伝えていくポッドキャストです。
今回は、週末に行われたオープンキャンパスの様子と、そこで感じたことをお話しします。
オープンキャンパスとは、夏休みに中学生に対して高校見学会ということを行うんですけれども、
そこはいろいろな学科を見て回るということで終わってしまいますが、
このオープンキャンパスは、もう少し体験をして、それぞれの学科の特色を知りたいという生徒が希望して参加してくれています。
約1時間の体験をするという形で実施しました。
私の担当する航空機械工学科は、航空機を題材としたものづくりの面白さを知ってもらおうと、
実習や施設の見学、実機の操縦席に座ってみたり、もしくはシュミレーターを動かしてみたり、
ドローンの操縦など盛りだくさんの内容でした。
私としては、航空機を題材としたものづくりということを強調したいので、
何か一つのことをものづくりの体験としてやってもらうというよりも、
いろいろなことをやっているということを体験してもらった方がいいかなと思って企画しています。
本当は溶接とか旋盤とかですね、実際に金属を溶かしてつけたり削ったりなんて非日常的なことを体験してもらったらめちゃめちゃ面白いと思うんですけども、
なかなか1時間でそこまでやりきることもできませんし、
それだけをやっている学科だということを思ってもらっても、ちょっと航空と離れてしまうので、
どんな学科が見えにくくなってしまうんじゃないかなということで、
いろいろなことを広く学んでいる学科だということを知ってもらいたいなというふうに思って実施しています。
高校生たちも案内役として参加してくれて、中学生や保護者の方々と笑顔で会話する姿がとても印象的でした。
主に高校3年生にその役割をお願いしましたけれども、積極的に中学生や保護者に話すということは、
こういった機会に経験として積んでおくことはすごく大事かなというふうに思っておりますので、
高校生のためにもなる2日間だと思っております。
中には3Dプリンターでゲームの中で使われている武器を実際に作ってみましたということで、
自慢ですね、誇らしげに自慢している生徒、高校生がいましたけれども、非常に生き生きとして語っていました。
最終的にはそういったことを通じて3D CADや3Dプリンターのことを学びましたということを一生懸命伝えていました。
やっぱり好きなことを伝えている姿っていうのは本当に輝いて見えますよね。
その他飛行機のことが好きな生徒は一生懸命飛行機について説明していました。
自分の好きなことを楽しそうに話すっていうのは聞く方にも伝わりますよね。
ただ今回その中で少し気になる会話も耳にしたんで、それをちょっと取り上げたいと思います。
中学生は高校生に勉強苦手だから工業高校に行きたいと話していました。
普通教科が苦手だから工業高校に行きたいんですと。
工業高校の魅力
それに対して高校生も工業高校は勉強少ないし赤点取っても大丈夫だよとかという話をしていました。
高校生は中学生の緊張感を解きほぐすためにそういったことを会話にしてたというところもあると思うんですけども、
工業高校の本当の価値ってまだまだ伝わりきれてないなっていうふうに感じました。
さらに工業高校っていうのは入試科目が苦手で点数が取れない生徒も多くいるのは間違いないんですけども、
だからこそ工業高校では別の能力を磨くことができるということが魅力だと思うんです。
それは手を動かしてものを作るとか何かをイメージして形にするとかそういったことなんですよね。
そしてそこから波及効果で逆に入試科目である数学やもしくは理科、そういった知識を学び直すという機会が訪れるということが大事なことなんじゃないかなと思います。
例えばある生徒は好きなものを作っているうちに調べたいことがYouTubeであると。
調べてみると英語のサイトばかりで自然に英語が耳に入ってきましたという生徒もいます。
また別の生徒は作りたい仕組みを理解するために物理や数学を学びたくなったと話してくれました。
そういった生徒は学ぶことに初めて意味を持ったのかもしれません。
そしてもっと学びたいという意欲が湧き出てきて大学へ進学して学びたいという意欲にもつながっていると思います。
勉強が目的ではなくやりたいことを実現するための道具になったという瞬間なんですよね。
だから私は思うんです。勉強が苦手でもいいというところで話を終わらせてほしくないなと思うわけです。
むしろものづくりを通じて勉強の意味を見つけていく。
そんな学び方ができるのが工業高校だと高校生にも伝えてほしいですし、中学生や保護者にも知ってほしいなというところです。
今回のオープンキャンパスの会話を聞いて、まだまだ私自身、伝え方や環境づくりをもっと考えていかないといけないなと感じました。
どうすればものづくりを通じて自分に自信を持てるようになるのか。
どうすれば学ぶことそのものを楽しめるようになるのか。
工業高校の教員としてもう一つ、二つぐらいもっとですね、工夫をしていきたいなというふうに思っています。
今回はオープンキャンパスの様子について話をさせていただきました。
どうでしたか。工業高校というのは非常に魅力のある学校です。
これからAIがいろんな仕事を作り、もしくは奪っていくというような時代になってきますが、
最後は人しかできないものが残るとするならば、ものづくりの人間が今になっている部分、そういったところが残ってくるんじゃないかなと思います。
ですから高専とか工業高校とか改めて注目される時も近いんじゃないかなというふうに私は思っています。
来週はですね、運動会があるんです。天気心配なんですけどね。
運動会はコロナ前とコロナ後とだいぶ変わってきたなというところがあります。
そこも踏まえて来週また話したいと思います。
ではまた。
06:48

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