オールハザードの視点
不確実な影響はいつ始まるのか──オールハザードの視点で考える巨大なリスク構造。
この番組は、歴史、政治、経済、そして自然災害、これら一見バラバラに見える要素を、
オールハザード、あらゆる脅威という一つの視点で繋ぎ、世界に潜む不確実な影響を考察していくボッドキャストです。
最初に一つだけ約束させてください。
この番組の目的は、特定の国や思想を批判することでも、あるいは擁護することでもありません。
危険とは、どこで生まれ、どう広がっていくのか、その正体を、
防災やBCP、事業継続計画ですね、これは。
そのプロの視点から、私一応プロと名乗っていますけれども、プロとして解き明かしていきたいと思っています。
正直に申し上げれば、私自身も実は明確な答えを持っているわけではありません。
結論を出すことよりも、考え続けるプロセスそのものを皆さんと共有したいと思っています。
なぜなら、複雑すぎるこの現代において、理解しようとあがくことが、これこそが最強の備えとなると信じているからです。
皆さんは、危機がいつ始まると思いますか。
地震が起きた瞬間でしょうか。
戦争が始まったというニュースを見たときでしょうか。
危機管理の世界では、少し違う見方をしています。
こうした不確実な影響は、事件が起きるずっと前からすでに始まっている、こうした考え方を持っています。
それは、派手なニュースやそれにならない場所、統計数字にも現れない場所で、静かに淀みのように溜まっていきます。
今日は、その見えにくい不確実性の正体、それに迫っていきたいと思います。
最初の1回目は、中国です。
なぜ中国を最初の台座にするのか、それについて考えてお話したいと思います。
最初の考察対象として、あえて中国を選んだのですが、これは中国という国を採点する回ではないです。
いわば、巨大なリスク構造の標本として考えてみたいと思ったのです。
理由は、まず中国はこんな国ですね。
世界最大な人口と経済の規模を持っています。
そして、日本にとって切っても切れない鄰国であるということ。
そして、何より政治、軍事、経済、災害のリスクが一つの器の中で複雑に絡み合っている、そうした国です。
好きか嫌いかという感情を一度脇に置いて、この巨大なシステムが抱える不確実性を構造として観察してみようと思います。
まず中国の歴史ですね。歴史、思想、教育、こうした点についてなんですけれども、
中国の歴史を俯瞰すると一つのパターンが見えてきます。
それは長い安定と急激な断絶の繰り返しが始まっています。
広大な土地と人々を求めるために歴史が敷いた統制が必要だったといいます。
これは悪ではなくて、国家を維持するための彼らなりの合理性が働いたという結果だと思います。
しかし危機管理の視点で見れば、これは別の側面が見えてきます。
強く締め付けられたバネほど外れたときの反動は凄まじいということです。
統制が強ければ強いほど、内側からは外からは見えない不確実性が圧縮されていくという状況です。
そして経済、政治、軍事という増幅装置がこれに付け加えられるのですが、
中国のリスク構造
今世界は中国に依存して、中国もまた世界に依存しています。
この密接な結びつきが不確実性を増大させるスピーカーのようになっていきます。
中央集権的なシステムは平時には驚異的なスピードで物事を進めています。
日本では全く比べ物にならないスピードで政治的な要素も全部決まっていきます。
そうしたものを見ていると思います。
しかしひとたび誤算や読み間違いが起きたとき、それを止めるブレーキは非常に効きにくい。
こういう一つのほころびがあるのです。
政治、軍事、経済をまたいで、これがさらに連鎖反応を引き起こす。
これは中国に限らず強すぎる権力を持つシステムが共通で持っている脆弱性といえるかもしれないです。
さらに自然災害が重なったとき、これがどうなるか。
本当に予測不可能な自然災害というピースがここに入ってくると、
大地震や記録的な洪水や深刻な干ばつ、こうしたものがかかってくると、
この社会はさらに余裕をなくしていきます。
経済や政治がぎりぎりのバランスで保たれているときに、自然災害という最後の一手が加わる。
一刻の問題に留まらず、国境を越えたリスクとしてあふれ出してくるという状況が手に取れると思います。
これこそが私たちが直視すべき国家レベルのBCPの課題です。
さらにここに今私たちが抱えている問題で、移民という問題、これが関係してきます。
じゃあ移民ってこれはもう原因なんでしょうか、私たちにとって。そうとは言えないかもしれないですね。
移民についてこれも考えてみましょう。
移民は、いわば彼らの中国にとっては経済の行き詰まりであったり、政治の不安、そして災害、こうした生活基盤の損失に耐えかねた結果として人が動き出した状況。
つまり移民とは、その国の中で処理しきれなくなった不確実性が可視化された状態、可視化された姿と言えると思います。
まとめなんですけれども、私たちが今持つべきなのは感情的な反発ではないときっと言えると思います。
私もそう思っているだけなのかもしれないんですけれども、感情ではなくて理解をして、そして極端な主張ではなくて構造をまず把握して、
そして極端な恐怖感を持つのではなくて、ちゃんと理解して知識を持って備えていく。
相手を正しく知るというこの毅然とした態度、これをまず持つということが必要じゃないかなと思っています。
なぜそうなるかといえば、深く理解すれば、この相反するように思えるこの2つの同時のことなんですけれども、
毅然とした態度と深い理解、これらを持つことによって初めてこの不確実な時代を生き抜く、いわば出発点に立てると、
私は今現在何となくですけれども思っているからです。ということで、ここまでにしたいと思います。
次回はですね、この構造が私たちの日常にどんな影響を及ぼしてくるのか、これについてまた深く深掘りして考えていきたいと思います。
以上です。ありがとうございました。