富士山公園の思い出
夕焼けひとりきり、始まりました。
昭和、二桁生まれのパーソナリティー、ミッキーロンリーがご案内します。
昭和レトロ、今は懐かしい思い出。
明日の心配もせず、駆け抜けた昭和の時代。
温かく、優しい昭和の情景。
心を思うままに、お話しできれば、と思っています。
どうぞお付き合いください。
今日は、大きな滑り台がシンボルの富士山公園の物語。
子供たちが広場で、噴水の近くのにぎやかな輪を作っている。
そして、一人の昭和玩具の達人、ホープさんを囲んで、子供たちがけん玉したり、駒回ししたり。
そして、ホープさんが子供たちの目線に合わせて膝立ちして、できない子、まだ初心者だという子供たちには、寄り添う手取り足取りを教えている。
そんな、ぬくもりのある光景だ。
私、ミッキーがそばにいて、様子をお伺いしたいと思います。
時は、昭和60年代、大きな滑り台の富士山公園。
子供たちが様々な遊びをしている。ボール遊びしたり、けんけんぱ。
そして、噴水広場の横では、昭和玩具の達人、ホープさんを囲んで、子供たちがけん玉。
ボールを赤い玉、黒い玉、各自が世界一周したり、日本一周したり、挑戦している。
コマ回しで、お互いに誰もが勝つまで、そんな中の光景だ。
ホープさんが、一人の男の子の肩に手を回して、みんなに紹介する。
みんな、いいかい。紹介するよ。
お、転校してきた。お友達なんだ。仲良くして。
マキオくんって言うんだ。マキオくんは文字もしながら、ぺこり。
そして、みんなは拍手でパチパチパチ。
そして、一つ気になったのは、コミュニケーションを問うのが、上手ではないということ。
そして、けん玉のグループ、コマ回しのグループ、竹馬のグループで、それぞれ短時間であるけれども、
ホープさんは、マキオくんのためにみんなに、一緒にやることを勧めるけど、どれもこれもうまくいかない。
そして、マキオくんは、みんなから少し遠ざかるような微妙な空気が漂う。
でも、一人、小さな、手学年の男の子。
実は、けん玉が、糸が切れたり、乱暴に振り回してたら切れて、泣きべそをかいている男の子がいる。
みんなは気がつかなかった。
マキオくん、その彼のもとに歩み寄る。
自分が、その紐をきれいに結び直してあげる。
そして、手学年の子に、ポンポン、そうだ、マキオくんは、上級生なんだ。
その様子を見て、ホープさんは、うんうんってうなずいている。
決して、遊びでは、みんなと楽しく、まだ緊張気味でなじめなかったんだけれども。
そして、マキオくんは、また別の駒回しのところで、泣きべそをかいている手学年の駒回しの子に、
この駒、僕、前から持っているんだ。使ってごらん。
そしたら、手学年の子が、とても嬉しそうに、いいの?マキオくん。いいよ。あげるよ。
そして、もらった手学年の子は、2回目に無事勝利を収めることができます。
手学年の子にとっては、本日初めての勝利。
マキオくんは、その彼に親指を突き出して、この手学年の子も、とても嬉しそう。
そして、本日の昭和元号の達人のホープさんが、みんなに言います。
みんな、集まって、楽しく駒回し、けん玉、できたかな。
まだ、勝ってない子いないかな。
そして、みんな、勝った勝ったって、原骨、空に伸ばして手をかざす。
そして、お互いにハイタッチする子もいるけども。
そして、ホープさんは、みんな、マキオくんは、実は、今日、僕が頼んできてもらったんだ。
彼は、まだ転校してきて間もなかった。
今日、1日だけなんだ。
マキオくんは、実は、親の都合で、また転勤が決まっている。
でも、たった1日だけでも、彼は、みんなと別れるのが辛いけれども、
でも、その別れも出会いもなれた様子。
そして、ホープさんは続ける。
マキオくん、みんな、気づいてたかな。
彼は、みんなが楽しんでいるかどうか見てたんだ。
それは、親の転勤の中で身につけていたことかもしれないね。
そして、落ちこぼれ、そんな自分も、その気持ちが分かる。
そして、自分の剣玉の糸が切れた。
また、コマンは、うまく回らない子のことを気にしていたんだ。
そして、彼は自分にできることとして、何か力を、低学年の子に授けたかったんだ。
そんなマキオくんは、ホープさんに紹介されて、
頭ポリポリ。そして、みんなと、
今日が最初で最後の昭和玩具の達人のホープさん。
みんなと、マキオくんはハイタッチして、その夕日の中、見送られていきました。
転校生マキオくんの優しさ
今日は、富士山公園で昭和玩具の会。
ある転校生が短い間だけども残したもの。
それは、人への思いやり。そして、自分にできること役割。
そんなマキオくんの優しさがあれば、また次の転校先でも、
誰ともコミュニケーションうまく取れるのではないか。そんな気がしました。
夕焼け一人きり。みんな気をつけて帰るんだよ。
このあたりで本日終わります。お付き合いしていただき、ありがとうございました。
次回の番組、お楽しみに。