#016|もりおか座映画祭|盛岡|11月20日〜22日|古川祭|夜祭|日本夜景遺産|171カ所から14カ所|提灯|起こし太鼓|世界の空港建築|クアラルンプール|黒川紀章|森の中の空港|バクー|木の繭|北京大興|ザハ・ハディド|35万㎡|17万個|8分以内|楽天トラベル|不正アクセス|260万件|8つの光庭のある家|ヴェネチア|ジョアン・ミッチェル|ジャスパー・ジョーンズ|建築|映画|祭|旅
2026-10-28 21:55

#016|もりおか座映画祭|盛岡|11月20日〜22日|古川祭|夜祭|日本夜景遺産|171カ所から14カ所|提灯|起こし太鼓|世界の空港建築|クアラルンプール|黒川紀章|森の中の空港|バクー|木の繭|北京大興|ザハ・ハディド|35万㎡|17万個|8分以内|楽天トラベル|不正アクセス|260万件|8つの光庭のある家|ヴェネチア|ジョアン・ミッチェル|ジャスパー・ジョーンズ|建築|映画|祭|旅

本日2本目のMeeFM。テーマは「通り過ぎる場所が、目的地になる」。映画を観に街を歩く3日間――盛岡の「もりおか座映画祭」(第1回・11月20日〜22日)は、映画館・ホール・商店街・ミュージアムを街ごとつないで開かれます。岐阜・飛騨市の古川祭は、提灯の灯りと起こし太鼓の「夜祭」が全国171カ所の候補から14カ所に選ばれ、日本夜景遺産に認定されました。旅の入口では、楽天トラベルの不正アクセス(最大260万件)から、デジタルな通過点の安全と個人でできる対策を考えます。そして「搭乗待ち」が旅のハイライトになる世界の空港建築――黒川紀章のクアラルンプール国際空港「森の中の空港」、木の繭が点在するバクー、ザハ・ハディドの北京大興国際空港(35万㎡の屋根、最遠ゲートまで8分)。個人住宅「8つの光庭のある家」がヴェネチアの国際建築展へ招待され、出展費をクラウドファンディングで募る話まで。通過点が目的地に変わる仕掛けを、水曜ペアのHanaとDaichiが掘り下げます。リクエストコーナーでは、匿名希望のリスナーさんからの「ジョアン・ミッチェルとジャスパー・ジョーンズの話を聞きたい」というリクエストに応え、視線の通過点だったキャンバスを目的地に変えた2人の話をしました。この番組を作っているチームのアプリ「Moshilin」では、世界中の映画好き・旅好きと音声ルームで直接話せます。ダウンロードはGoogle Playから。iPhoneの方は、Webブラウザから safekids.win にアクセスすればそのまま試せます。https://play.google.com/store/apps/details?id=com.moshilin💌 番組へのメッセージ募集中:感想や取り上げてほしい映画・展覧会・旅の話題を、Spotifyのコメント欄から送ってください♪今日の1曲:ジャズ(番組中盤)■参照サイトコングラント/もりおか座映画祭 活動報告 - https://congrant.com/project/moriokazacinema/24642/reports映画の力プロジェクト/もりおか座映画祭 第1回 - https://www.eiganochikara.com/中劇(盛岡中央映画館)公式 - https://chugeki.jp/南部興行 公式 - http://www.nanbukogyo.jp/Japan Foundation/世界のミニシアター 日本編 - http://wochikochi.jp/english/report/2024/03/079-genda.phpnippon.com/Japan's Indie Mini Theaters - https://www.nippon.com/en/in-depth/d00865/朝日新聞/古川祭が日本夜景遺産に認定 - https://www.asahi.com/articles/ASVBV3S6YVBVOHGB007M.htmlJAPAN COOL INSTITUTE/Furukawa Matsuri - https://japancool.org/japanfestival/yama-hoko-yatai/matsuri/en-furukawa.htmlMOSHI MOSHI NIPPON/Furukawa Festival - https://www.moshimoshi-nippon.jp/99189nippon.com/Float Festivals UNESCO - https://www.nippon.com/en/features/h00157/UNESCO/Decision 20.COM 7.b.52 - https://ich.unesco.org/en/Decisions/20.COM/7.b.52川越まつり公式/UNESCO Intangible Cultural Heritage - https://www.kawagoematsuri.jp/English/unesco.htmlMATCHA/Traditional Festivals in Gifu - https://matcha-jp.com/en/list?region=121&category=104GaijinPot Travel/Takayama Spring Festival - http://travel.gaijinpot.com/takayama-spring-festival/Yahoo!ニュース/世界の圧巻空港建築 - https://news.yahoo.co.jp/articles/49349b8d6cf6cab47fa571b45f9626692993eac7Hunter Douglas Asia/Kuala Lumpur International Airport - https://ap.hunterdouglas.asia/cn/en/project-details.php?id=103593Malaysia World Heritage Travel/KLIA - https://www.worldheritage.com.my/blog/2011/02/09/kuala-lumpur-international-airport-klia-malaysia/LCCT/A walk in the park (KLIA) - https://www.lcct.com.my/news/2009/a-walk-in-the-park/Dezeen/Heydar Aliyev International Airport Baku - https://www.dezeen.com/2014/07/25/heydar-aliyev-international-airport-baku-azerbaijan-autoban/Arch2O/Heydar Aliyev Airport Baku - https://www.arch2o.com/heydar-aliyev-airport-woods-bagot/News.az/Heydar Aliyev Airport most beautiful - https://news.az/news/heydar-aliyev-airport-is-among-worlds-14-most-beautiful-airportsArchitizer/Beijing Daxing International Airport - https://architizer.com/blog/practice/details/architectural-details-zaha-hadid-architects-beijing-daxing-international-airport/New Atlas/Zaha Hadid's starfish airport - https://newatlas.com/architecture/zaha-hadid-architects-beijing-daxing-international-airport/Hospitality Design/Beijing Daxing - https://hospitalitydesign.com/projects/beijing-daxing-international-airport/83059/Highsnobiety/Giant Starfish Airport - https://www.highsnobiety.com/p/zaha-hadid-starship-airport-opens-beijing/MotionGallery/8つの光庭のある家 TIME SPACE EXISTENCE 2027 - https://motion-gallery.net/projects/TIME-SPACE-EXISTENCEha(保坂裕信建築)公式/8つの光庭のある家 - https://hhaa.jp/project/yakh-3/Yahoo!ニュース/楽天トラベルで不正アクセス - https://news.yahoo.co.jp/articles/95f8c49f4555b65d9543f9b58c9e8ae00c54b4cbTRAICY/Rakuten Travel Unauthorized Access - https://en.traicy.com/posts/2026102641614/BigGo Finance/Rakuten Travel Hit by Unauthorized Access - https://finance.biggo.com/news/b53d39f7-58c4-4011-a61c-d2e2e25a9af9■声質変換:つくよみちゃん公式RVCモデル(CV.夢前黎) https://tyc.rei-yumesaki.net/work/software/rvc/■元の音声:本番組用に生成したDJナレーション音声

感想

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00:30
人間の行動を計算し尽くした結果の形なんだ。
ええ、圧倒的なスケールと機能性の両立…
あの皆さん、世界最大の屋根を持つ北京の大空港って歩いたことありますか?
ああ、北京大工国際空港ですね。あれはすごいですよね。
ええ、その広さがですね、なんと約35万平方メートルにも及ぶらしくて。
35万、ちょっとなんか想像もつかないスケールですよね。
そうなんですよ。でもその中心から一番遠い搭乗ゲートまで歩いてどれくらいかかると思いますか?
うーん、それだけ広いとやっぱり20分とか30分とか。
それがですね、なんと歩いて8分以内で着いてしまうそうなんです。
え、8分?そんな短い時間で?
はい、驚きですよね。なんか極端な広さなのにすごく身近な距離感というか。
あ、それからもう一つ、日本の岩手県では、街全体が一つの映画館になる3日間っていうのがあるらしくて。
街全体がですか。まさに空間の魔法ですね。
一見すると相反するような巨大さと地下さとか、日常の街と映画館とか、そこにはすごく緻密な設計の力が隠されているそうです。
そうなんです。ということで、これらの事実から見えてくる今日のテーマを宣言させてください。
今日のテーマは、「通り過ぎる場所が目的地になる」です。
なるほど、通り過ぎる場所が目的地に。
はい。私たちが普段単なる移動の通過点とか日常の空間だと思っている場所が、いかにして旅のハイライト、最高の目的地へと反転するのか、その謎をじっくり紐解いていきたいと思います。
面白そうですね。ちなみにこれは本日2本目のmeFMになります。
はい、そうですね。今朝公開された1本目のアート編と対になるような感じで、今回は映画とか建築を中心としたカルチャーニュースの回として、空間の面白さに迫っていきましょう。
そうですね。私は今日も好奇心全開でいきますよ。あなたはちょっと分析的な視点でバシバシ切り込んでくださいね。
えー、任せてください。
では早速なんですけど、冒頭で少し触れた街全体が1つの映画館になる3日間、このお話からいきましょうか。
岩手県森岡市の話ですよね。
はい。11月20日から22日にかけて記念すべき第1回が開催される森岡座映画祭というイベントなんです。
これ単一の巨大なシネコンでやるわけじゃなくて、既存の映画館とかホール、さらには商店街とかミュージアムまで、街全体をつないで開催されるそうなんです。
この仕組みとか背景がすごく興味深いんですよね。
03:02
あ、そうなんですか。
これ東日本大震災の後に大友博監督の呼びかけで発足した任意団体が企画しているんです。
なるほど。復興への思いから。
そうです。森岡には映画館通りっていう象徴的な場所があるんですけど、そこを中心に映画の力で街と市民を元気にするっていう完全に住民主導の仕組みで運営されているんですよ。
へー。住民主導で街全体を使うエネルギーは素晴らしいと思うんですけど。
あの、ちょっと待ってください。
はい、なんでしょう。
現実的な話をすると、11月下旬の岩手県って相当寒いですよね。
まあそうですね。間違いなく寒いです。
ですよね。
映画を見終わってまたその寒い外を歩いて次の会場のミュージアムに向かうのって。
観客にとっては効率の悪いというか。
ただ疲れるだけじゃないですか。全てをあの温かいシネコン一つに集約した方が絶対に快適だと思うんですけど。
まあ効率とか快適さだけを考えれば間違いなくシネコンに軍配が上がりますよね。
ですよね。
でも彼らがデザインしようとしているのは効率ではなくて体験なんですよ。
体験。
映画館から一歩外に出た時のことを想像してみてください。
冷たい冬の空気とか、商店街のオレンジ色の街灯とか、すれ違う人々の話し声とか。
これってある種のテーマパークのアトラクション化の移動みたいなものなんです。
映画を見終わった直後って日常の風景がちょっと違って見える感覚確かにありますね。
そうなんですよ。
映画館から次のミュージアムへと歩く商店街の道のりそのものが今見た映画の余韻を増幅させるフィルターとして機能しているんです。
フィルターですか?
もしシネポンのエスカレーターを降りるだけだったらすぐに現実の日常に引き戻されてしまうじゃないですか。
確かにパッと現実に帰っちゃいますね。
でも街を歩かせることでただの移動経路だった道が映画祭っていう文脈によって歩くこと自体が豊かな目的地に書き換えられるんです。
なるほど。寒さすらも映画の余韻を味わうための演出の一部になっちゃうわけですね。
そういうことです。
ただの道が目的地に変わる見事な空間の反転ですね。
でも街が魔法にかかるのは何も昼間だけじゃありませんよね。もし街が夜の闇を利用して全く別の顔に変わるとしたらどうでしょう。
それは岐阜県日田市の古川祭りのことですね。
はいそうです。毎年4月19日と20日に行われる古川祭りなんですが、その宵祭りが全国171箇所の広報からわずか14箇所しか選ばれない日本夜景遺産に認定されたんです。
すごい倍率ですね。
お腹に響くようなお越し太鼓の音と、蝶神の明かりに照らされた屋台の巡行が特徴なんですけど、夜景遺産に選ばれるほどの圧倒的な空間になるそうですよ。
この祭りが面白いのはその空間を維持している仕組みなんですよ。
仕組みですか?
ええ、400年もの間各町内には会所と呼ばれる委員会が設けられていて、そこがルートの決定とか紅白幕の設置を取り仕切っているんです。当日は町内の人々がお揃いの衣装を着て綱を引いて。
06:07
すごい一体感ですよね。
しかもあの豪華な屋台の維持管理にかかる莫大な費用も全て町内単位で負担しているんです。
え?全部自分たちで?
そうなんです。
つまり強固な自律的オペレーティングシステムが一年中町の中で動いているっていうことなんですよ。
400年間も住民の力だけでそのシステムを回し続けているのは凄まじいですね。ただここでまた一つ素朴な疑問なんですけど、それだけ大金を継ぎ込んで維持している豪華な屋台なら、美しい木組みとか装飾の細部までく
っきり見える昼間の方がその価値を楽しめるんじゃないですか。
なるほど。なぜ夜景遺産に選ばれるほど夜であることが重視されるんでしょうか。
それはですね、闇が持つ圧倒的な編集機能のせいなんですよ。
編集機能?
ね。昼間の街には電柱とかコンビニの看板とかアスファルトの継ぎ目とか、私たちの意識を現代の日常に引き戻すノイズが溢れていますよね。
確かに。いくら立派な屋台を歩いていても背景にピカピカした蛍光灯の看板が見えたら一気に現実に引き戻されます。
そうなんですよ。しかし、夜の闇はそれらの日常の風景、つまりノイズをすべて黒く塗りつぶして覆い隠してくれます。
あー、なるほど。
闇という巨大な消しゴムが日常を消去して、そこに蝶神の温かな明かりとおこし太鼓の音だけを浮かび上がらせるんです。
闇がノイズを消し去る化粧風。
そうです。私たちが普段歩いているただの街が、闇と光のコントラストによって強制的に400年前の非日常的な目的地へと書き換えられるわけです。
だからこそ、蝶神の明かりの中へと完全に没入できるんですね。ただ、私たちがこうした素晴らしい非日常の目的地へ向かうためには、どうしても通過しなければならない現代の道がありますよね。
あー、それは予約サイトなどのデジタル空間という通り道のことですね。
ええ、そうです。実は先日、楽天トラベルで大規模な不正アクセスが確認されたというニュースがありました。
これかなり大きなニュースになっていましたね。
はい。海外ホテル予約で最大260万件、多言語サイトで最大86万件。
さらには宿泊施設の従業員情報も最大約4万件流出した可能性があると発表されています。
これは旅のインフラそのものを揺るがす深刻な事態ですね。
物理的な道がどれだけ安全でも、そこへ至るためのデジタルの通り道が崩壊してしまえば、私たちは目的地にたどり着くことすらできませんから。
そうなんですよ。クレジットカード情報などは下4桁のみの流出数とのことですが、他の個人データと紐付けられるリスクを考えると、ちょっと背筋が寒くなります。
そうですよね。
私たちが非日常の目的地を安心して楽しむためには、このデジタルの通過点における強固なセキュリティ対策がいかに重要かということを痛感させられます。
その通りです。情報があふれていて、時に脅威も潜むデジタル空間の中で、どうすれば安全にかつノイズのない純粋な現地の情報にたどり着けるのか、物理的な距離とか言葉の壁を越えて現地の熱気を直接知る方法が今すご
09:14
く求められていると思います。
そこで活躍するのが、私たちが開発に関わっている言語交換アプリMOSHIRINですよね。
まさに、日田の古川祭りのリアルな熱気とか、森岡の映画祭でどんな作品が地元で話題になっているかとか、ガイドブックには載っていないようなローカルな情報を安全に知りたいとき、現地のネイティブスピーカーと直接
つながるのが一番ですからね。
MOSHIRINは22以上の言語に対応していて、リアルタイムのAI翻訳と字幕機能がついていますから。
そうですね。
だから、言葉の壁を気にせずに、音声ルームで気軽に現地の映画好きとかカルチャー好きと会話ができるんです。
それこそ、安全なデジタル空間を通って一瞬で現地の空気に入れ替わるような、そんな体験ですよね。
ここで今日の1曲をお楽しみください。
今日はジャズでお届けします。
現地の生の声を聞くことで、そこへ行く前の解像度が一気に上がりますしね。
さて、ここでリスナーの方からのメッセージを一つ紹介しましょうか。
はい。ペンネームはなはるかぜさんからのメッセージです。
お話に出てきたジョアンミシェルやジャスパの話も聞いてみたいです。
ありがとうございます。
ありがとうございます。彼らは抽象表現主義と呼ばれる美術運動を牽引した重要なアーティストですね。
これも実は今日の空間の反転というテーマにぴったりと重なるんですよ。
え、抽象表現主義と空間の反転ですか?
ジョアンミシェルのダイナミックなヒッチとか、ジャスパ・ジョーンズの国旗をモチーフにした作品は確かに強烈ですけど、どう繋がるんですか?
まず、キャンバスというものを想像してみてください。
真っ白なキャンバスって、言ってみれば何もない空っぽの高速道路みたいなものなんです。
空っぽの高速道路?
え、誰も気に留めないし、視線はただスッと通り過ぎていくだけ。
あ、なるほど。素材としてはただの布切れですからね。
しかし、ジョアンミシェルはそこに暴力的なまでの色彩とテクスチャをぶつけて、ジャスパ・ジョーンズは国旗という見慣れた記号を幾重にも塗り固めました。
12:04
彼らは視線が通り過ぎるだけの空っぽの高速道路に絵の具という物理的な障害物を築き上げて、私たちの視線を強制的にストップさせたんです。
強制的にストップさせる?
つまり、ただの布を感情が爆発する目的地へとエンジニアリングした人たちだと言えるんです。
なるほど。通り過ぎる視線を強制的に止めさせて目的地に変える。
そう考えると、彼らの絵の具の厚みとか筆の跡がまるで建築物のようにも思えてきますね。
そうなんですよ。
花春風さん、ぜひ今後の配信で彼らの特集も組んでみたいと思います。
この素材をどう目的地に変えるかっていう点では、今朝公開された本日の1本目第9話の話題とも見事につながりますね。
ああそうですね。今朝の第9話では素材と向き合うっていうのをテーマにしましたもんね。
木工家ジョージ・ナカシマの自然の輪郭を残したフリーエッジとか、彫刻家イサム・ノブチの和紙を使った灯りとか。
金沢21世紀美術館での展示や絵画の保存修復についてもじっくり紐解きました。
彼らもまた切り出されただけの木材とか、ただの紙と竹ひごっていう日常では見過ごされてしまう素材に対して新しい引力を与えたわけです。
私たちが過去の素材や空間から何を受け取ってどうメンテナンスして未来へ残していくのか。
これは小さなキャンバスから巨大な都市計画まで貫かれる非常に重要な問いですよね。
そうですね。ではここから一気にスケールを広げてみましょうか。
キャンバスや木材から世界中の人々が毎日何十万人と通り過ぎる、現代最大のキャンバスともいえる巨大建築へ目を向けます。
搭乗待ちが旅のハイライトになる世界の空港建築です。
空港ですね。
皆さんも飛行機に乗るために空港の長い通路を歩いた経験ありますよね。
空港はまさに現代における移動のハブであり、究極の通過点ですからね。
今回は3つの圧巻の建築を取り上げましょう。
まず1つ目はマレーシアのクアラランプール国際空港です。
これは日本を代表する建築家黒川希翔さんの設計ですね。
サテライトビルの中央に熱帯雨林を丸ごと再現した森の中の空港として知られています。
2つ目はアゼルバイジャの首都にあるバクーのヘイダルアリエフ国際空港。
これはオートバンというデザインスタジオが出かけたんですが、
巨大な空間の中にオーク材の短板で覆われたダイヤ型の木製の眉黒雲がいくつも点在しています。
そして3つ目がオープニングでも触れた中国の北京大工国際空港ですね。
コ・ザ・ハハディロ設計による人出型の放射状デザインです。
これ屋根面積は約35万平方メートルで、使われた鉄骨部材は17万個超っていう、ちょっと脳の処理が追いつかない気もするんですよね。
本当ですね。でもこれほどの巨大建築だと当然ながら巨額の費用は国家とか運営部隊が負担しているわけですよね。
15:02
例えばバクーの空港はアゼルバイジャンの前大統領の名を冠しているくらいですからゴリゴリの国家プロジェクトです。
でもここが今日一番の私が納得いかないポイントなんですけど。
なんでしょう。
空港って言ってしまえばただの巨大な待合室ですよね。
私は飛行機に乗る前はコンセントがあって座れればそれで十分だと思ってしまうんですよ。
実用性だけで言えばそうですよ。
なのになぜ、ただの通過点に木製の古墳を作ったり、熱帯雨林を植えたりして、莫大な税金とか国家予算を投入する必要があるんでしょうか。
もっと機能的でシンプルな箱の方が歩きやすくていいんじゃないですか。
その感覚はすごくもっともです。
しかし、知性学的な視点で見ると、現代において空港はもはや移動の通過点ではないんですよ。
通過点じゃない、では何なんですか。
その国の文化、技術力、そして経済力を訪れた世界中の人々に一瞬で叩きつける最初の目的地なんです。
最初の目的地。
つまり国家のプレゼンテーションの場ですね。
そしてオートバンが幕府の空港に作った木の眉にはもう一つの重要な機能があるんです。
デザインだけじゃないんですか。
国家の一言をかけた空港の空間というのは人間にとっては巨大すぎて恐怖すら感じるスケールになりがちなんですよ。
ああ、広すぎて落ち着かない感じありますよね。
そこにオーク材という温かみのある素材で覆われた眉を置くことで国家の巨大なスケールを居心地の良い人間のスケールへと引き戻しているんです。
巨大空間における精神的なシェルターですね。
なるほど。国家の力を見せつけつつ利用者が不安にならないように空間のスケールを操作しているんだ。
じゃあ、北京のあの巨大な空港はどうなんですか。
35万平方メートルなんて歩くのが絶望的になりそうですけど。
そこがジャハハディドの人手型と呼ばれる放射状デザインの新骨頂なんです。
新骨頂?
従来の空港は長い一本道にゲートが並ぶリニュー型が主流でした。
これだと橋のゲートに行くまでひたすら直線を歩かされます。
ええ、延々と動く歩道に乗せられるやつですよね。
しかし、人手型の場合、中心部にセキュリティとか免税店をひとつにまとめて、そこから放射状に通路を伸ばします。
すると乗客は中心から自分が行くべきひとつの橋の半径だけを歩けば済むんですよ。
あ、なるほど。
だから、あれほど圧倒的な巨大建築でありながら、中心から最も遠いゲートまで歩いて8分以内という驚異的な人間工学に基づいた動線が成立しているんです。
そういう仕組みだったんですね。巨大だから歩くわけじゃなくて、機科学的なデザインによって物理的な移動距離をショートカットしている。
単なる見た目の奇抜さじゃなくて、人間の行動を計算しつくした結果の形なんだ。
ええ、圧倒的なスケールと機能性の両立ですね。
しかし、人を引き寄せる引力を持つ空間というのは、国家予算を継ぎ込んだ巨大プロジェクトだけではないんです。
18:00
というと、その大局にある個人の住宅もまた世界的な目的地になり得るんですよ。
個人の住宅がですか?
はい。
例えば、2024年のグッドデザイン賞を受賞した建築家穂坂博信さんの《蜂の光庭のある家》という作品があります。
これがなんと、2027年にイタリアで開催されるベネツヤ国際建築展へ招待されたんです。
ベネツヤの建築展、建築界のオリンピックみたいなものですよね。
個人の住宅が選ばれるなんてすごいです。
ただ、出展料だけでも1万2千ユーロ、日本円で約220万円かかって、渡航費などを含めると総額300万円もの費用が必要になります。
国家プロジェクトの空港とは違って、個人の建築がこれを用意するのは大変ですよね。
そうですよね。
そこで彼は、モーションギャラリーというプラットフォームでクラウドファンディングを立ち上げて、その仕組みを使って資金を集め、世界へ発信しようとしているんです。
なるほど。スケールは全く違いますけど、数万人が行き交う国家の空港であれ、1人の建築家がクラウドファンディングで発信する小さな住宅であれ、優れた建築は空間の質を変える力を持っているんですね。
その通りです。優れたデザインとか人々の情熱は、通り過ぎるだけの単なる場所に強烈な引力を生み出して、世界中の人々が注目する目的地へと変えてしまう力があるんです。
今日の話題、本当に驚きの連続でしたね。
もし皆さんが世界の凄まじい空港建築とか海外のローカルな建築事情についてもっと知りたいと思ったら、ぜひ先ほど紹介したモシリンを使って現地の建築ファンと直接語り合ってみてください。
ガイドブックやニュースサイトを通り越して、現地のディープな目的地に一瞬でたどり着けるはずです。
そして今日の建築や空間デザイン、さらにはアートの歴史に興味を持たれた方は、私たちの姉妹番組である美術を面白く学ぶハッピーFM学芸員の事件簿もぜひ覗いてみてください。
これは一人の作家と一つの歴史的事件を物語形式で解き明かす教養番組なので、今日のような話題の裏側を知るのにぴったりだと思います。
さて、あっという間にお時間となってしまいました。
今日は森岡の街をまるごと使った映画祭、駒柄の闇に浮かび上がる夜桜の自立システム、そして国家の維新と人間工学が交差する世界の空港建築と様々なスケールの空間を見てきました。
これらはすべて私たちがただ通り過ぎるだけと思っていた場所が、デザインの力や少しの視点の変化によって最高の目的地になり得ることを教えてくれましたね。
はい。皆さんが明日、通勤や通学で何気なく通り過ぎるその場所。もしかすると、そこも視点を変えれば誰かにとっての特別な目的地としてデザインされた空間かもしれません。あるいは、あなた自身がそこを目的地に変
えることができるかもしれない。
21:02
皆さんにとっての隠れた目的地はどこですか?
ぜひその答えを探してみてください。
今日の感想や、こんな映画についてじっくり紐解いてほしい、この展覧会を取り上げてほしい、といったリクエストがあれば、ぜひSpotifyのコメント欄からメッセージを送ってくださいね。皆さんからの声をお待ち
しています。
それでは、また次回の探究でお会いしましょう。
21:55

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