試合の音環境
みなさんこんにちは。作曲家で大学教員の小松正史です。
今日はですね、バスケットボールを行っている、ゲームの試合の中の音環境について、ちょっと考えてみたいなというふうに思うんですけれども、
3月の23日の日曜日なんですけれども、京都ハンナリーズと長崎ウェルカーのバスケットですね。
BLEAGUEの試合を見に行ったんですね。
これ、京都市の片岡アリーナという、京都市体育館のところなんですけれども、
西京国という、京都駅から西側の方に行ったところで見たんですけどね。
初めて見ましたね。
京都ハンナリーズは前々からあるバスケットチームで、地元でも有名なところなんですけど、
プロバスケットチームの音環境というか、これどんなものかというのをすごく興味深く見に行ったんですね。
予想としてはですね、僕は中学校の時にバスケットボールをやってまして、地域の地元の中学校のクラブだったんですけど、
結構しっかりと強いチームでありましたし、体育館中心でいろいろ音が醸し出されていましたので、雰囲気は分かってたんですよね。
バスケットシューズをバッシュと言いますけど、バッシュが木材の床面の上を動く、キュキュキュキュというような音であるとか、
もちろんバスケットのバウンドの音、ボンボンボンボンという音であるとか、
あとはですね、ゴールにボンと当ててですね、シュートをする時のドーンという音とか、あと掛け声ですよね。
この試合中はね、選手同士がね、メンバー同士が声掛け合ってバスケットを回したりとか、ドリブルしたりするというところがあるので、
そういう音とか、人間が出す音ですよね。選手の音、そして声。
試合中ですと周りの観客の人がですね、わーとかね、わーみたいな感じの、こういうのは他の競技でもあると思うんですけど、それをね、意識していったんですよ。
で、僕もね、音フェチなので、録音機持って行ったんですけども、結果ですね、この京都ハンナリーズと長崎ベルカの音がですね、まるっきり違ったというね、
これ結論的には何かというと、場内のアナウンスですね、の人であるとか、あとはBGMです。その音がものすごくあってですね、
結果ですね、まったくそういう先ほどのね、人が出すヒューマンな音、これ機嫌の音って言いますけど、この音がですね、なかったっていう。
音の影響
いやー、本当にびっくりしましたね。全然聞こえないんですよ。で、声援がね、わーっていうのはもちろんあるわけで、それはもちろんいいわけなんですけども、
それもね、今回4,000人ぐらい、春休みもあってですね、4,000人ぐらいが見ててですね、かなり声援を出すわけなんですよ。で、もうBGMもものすごいびっくりですよね。
これもう本当ショー、ロックコンサートぐらい大きな音だったですね。もう耳ちょっとビリビリしました。あの鼓膜がビリビリして、音量が大きいとね、すっごいね、ビリビリって音がしてね、
ちょっと耳を塞いでしまうんですけど、そんな場面もちょっとあったかのような、本当に音の曝露量やばいかなっていうね、騒音系もって言ってなかったんですけど、おそらくね、大きい時には90dB近く、80は言ってましたね。
そんな中でね、この選手もよく集中力を持ってされるなっていう、簡単に言うとですね、声援の量を超えてる、声援する応援の音のレベルを完全に超えてると、やりすぎじゃないかみたいなね、そういう感じがして、
僕はこうね、なんかヒューマンな感じでゆっくり見たかったなっていうのがあるんですけどね、もうね、バスケットのボンボンボンっていう音がね、あの本当は心地よいところなんですけど、もうね、ウーハーっていう低音を中心に出すスピーカーがですね、もうそこら中に散りばめられていましたし、
あとですね、あの場内アナウンスももうプロレスとかね、格闘技みたいですね、もうね、レディース&ジェントルマン、オーイェイイェイという感じでですね、びっくりだなっていうね、本当そんな感じでね、選手の応援をするような感じでございましてね、
途中途中ね、あのバスケットって割とね、中断すごく早いんですよね、もうすぐファールしたりとか、相手のボールになったりとかして、もう一つ一つの持続性っていうのがサッカーとか野球と比べて短いですね、もう10秒とか5秒とかね、長くても本当に30秒以内で何かが止まるっていう感じなので目まぐるしく変化するんですよ。
しかもね、距離というかね、面積ね、このコートの面積が割と狭いので、すごくね、コンパクトなわけですね、ただ今回は4,000人も入っているので、ものすごいたくさんの数の人がね、周りを見守っているって感じだったですね。
僕はですね、ゴールのすぐ後ろのめちゃくちゃいい席でね、見させてもらったという感じで、いやー本当にね、一度見たいなと思いながらね、幸運にもね、チケットをね、確保することができましたので。
えっとね、意外と高いんだよね、もう2,000〜3,000円でいけるかなと思ったら、いや1万3,000円とか1万5,000〜6,000円ぐらいですね、一番特等席のところでね、見させてもらったんですけど、そこに行くとね、そこでも本当にフラットな状態だったらね、戦士の声とかね、このバッシュのね、バスケットシューズのキキキって音もすると思うんだけど、いや全くしなかったですね。
そんな感じでびっくりしました。
で、しかもオフェンスとディフェンスっていうのがありますよね。
オフェンスっていうのは攻める側ですね。
攻める側の時の音と、あとディフェンスって言って守る側ですね、その状態にくるくるくるくる変わっちゃうので、もうそれがね、京都ハンナリーズのホームグラウンドっていうこともあるので、もう京都ハンナリーズ軸で、ハンナリーズが攻めたらダダダダダっていう音がするし、守りの時はちょっと守りますよみたいな、ちょっとこう音もね、ビート溢れる音だったんですけど、それが目まぐるしく切り替わるっていう感じですね。
いや、そういうことがあるので、情報量がえらい多いんですよね。
で、一つ一つ選手がですね、例えばこうね、岡部選手にボールが行きましたとかね、あと入隊状とか、あとは選手交代とかも結構ありますよね。
岡田選手が今度は退場しますとかね、今度水野選手が来ますとかね。
川崎選手大丈夫でしょうか、今ちょっとファールが全体でチームで2回、川崎選手は、かばしま選手は1回とかね、そんな感じで一つ一つをもう劇的に喋っていくわけですよ。
すごくないですか、劇的にね、わーみたいな感じで。
試合の展開と音の多様性
情報量がすごく多い。
で、しかも途中途中でこれね、4クォーターありましたね。
1クォーターが10分で、前半後半ってあるんですよ。すごいでしょ、前半後半で1クォーターで20分でしょ。
で、2クォーターで前半後半で20分でしょ。
3クォーターで前半後半ということで、80分。
80分で途中途中でね、区切っていくので、まあ2時間超えましたね。
で、ここまで長い試合になってしまうのかっていう驚くばかりの試合展開なんですけど、
途中途中で何があったかというとですね、チアガールのスタッフさんがですね、これ専属の方ですけど、
もうね、毎回毎回ね、おられるというかね、出られるような感じでね、その時でも音がすごかったですね。
ハンナリンですね、オフィシャルチアダンサーハンナリンっていうのが14名の方でいらっしゃって、
オープニングタイムとかタイムアウトなど様々な場面で登場するという、そういう感じで本当に華やかな状態だったですね。
で、あとあの途中でね、マイズルかどっかの会場自衛隊っていうのがありまして、
そこの吹奏楽団さんも、いろいろなPRも含めて来られてましてですね、そこの演奏が途中10分ぐらいあったりとか、
別の競技の選手さんがね、オリンピックに出られた選手さんが来られてPRするとか、
CMが入るかのように次から次へと情報量が多いという、ここまでそんなに情報量が音から入ってくるのかっていうね、
そこにちょっとね、あの実はね疲れてしまって途中ボーッとしちゃってね、なんかあの記憶が飛んでる状態にまでなっちゃいましたね。
もう刺激のあるのが僕すごくね苦手で、もう本当感覚遮断してたんですかね、人はね、僕はね。
まあそんな状態になってしまいましたね。
結果、音環境的にはかなり商業的な状況、これもちろん商業的にしないと成り立たないので、これは絶対ね、新自由主義としては仕方ない大事なことだとは思うんですけど、
僕が中学校の時に感じていたバスケットボールの状態とは全く違う雰囲気。
しかも最近はね、なんとかリーグってかありましたね、Jリーグとかね、バレーボールのリーグとか、バスケットはBリーグって言いますけど、
まあそこまでかなり商業的な音環境、サウンドデザインにしなくちゃなんないのかなっていうのがちょっとね、どうかなっていうところは実はありましたね。
選手と観客の集中力
まあ結局その音のレベルが高いっていうね感じなんですね。
で、実はバスケットボールのドリブル音っていうのを測ったことがあって、これだいたい75dBぐらいなんですよ。
で、それよりも大きな音で聞こえなくなるっていうのがね、これちょっと危ないなっていうふうに思いました。
で、さらに指向性の高いスピーカーがね、使われていてですね、指向性ってある特定の範囲にだけ出していくようなスピーカーの音環境なんですけど、
まあそれが本当多数、僕スピーカーの数までちょっとね確認できなかったんですけど、30個あったと思いますね。
その仕様があったりとか、もうね、ここのスタジアムってね、他もそうなんですけど、ラインアレイスピーカーっていうものすごく高性能な、
これ野外のライブありますよね、フェスね、野外フェスね、音楽フェスで使うものとほとんど近いような感じのスピーカーだったですね。
この状態で選手ってね、周知力保ってるんですかね、途中のシュートがありますよね、反則した後でシュートするときに、
もうね、ブーイングみたいな声出すんですね、相手チーム、「おー!」とかね、いやこれもなんかね、スポーツマンシップって相手をけなすとか、そういうとこって僕嫌なんですよ。
静かに見守って、ちゃんとシュートをね、見守るしかないんだけど、そこがうるさかったみたいなね、びっくりしましたね。
相手へのリスペクトってないのかなっていうか、なんかね、そう、商業主義でバンバンバンバン急ぎすぎるっていうのはどうかなっていうふうなとこがあって、
選手さんとか、京都ハンナリーズさんとかね、Bリーグのね、野遊をしてるわけじゃないんだけど、音環境的にね、もうちょっとこうゆったりしたというか、
集中力持って、その試合そのものに意識を持っていきたい。それが外界の音環境によってですね、盛り上がるのはいいよ。盛り上がるのはいいけど、ちょっと違うんですよね。
ちょっとねじ曲がってるとこがあるんですよね。なので、次は行こうかなとは思いませんでしたというね、そんなお話でございました。
他のね、スポーツ観戦、あるいはいろいろな環境でね、イベントとかで音環境をね、活用していく、使って練習するっていうのはたくさんあるけれども、
サウンドデザインはね、やっぱり頃合いのデザインというか、そこを考えないと耳は常に開いてますからね。
どんなふうなものが人にとって一番番人によって好ましいのかっていうような、公的な視点でのサウンドデザインってめちゃくちゃ大事だなと思いまして、
今日はですね、バスケットボールのBリーグの試合観戦時の音環境の違和感についてお知らせというかお伝えしました。
それでは失礼いたします。