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精神科の知識を学べる番組、歴史から学ぶ精神科ラジオ。
この番組では、精神科医療を作った人々、現代のトピックスを精神科医が解説します。
精神科専門医30年、医学博士で、現在開業医のマリモと、
その姉で、障害を持ちの方の就労支援事業所を経営していて、
最近、初孫が鼻の下を伸ばす顔を写真で送ってきてくれて大笑いした桜がお送りします。
石井亮一・筆子の障害
日本初の知的障害がある方の施設を作った、石井筆子・亮一の障害です。
この方たちは?
はい、ありがとうございます。
今回はですね、明治の時に日本最初の知的障害のある方の施設を作った、
滝の川学園という、今もあるんですけど、
この施設を作った石井亮一さんと、その妻の石井筆子さんの障害をたどろうかなと思います。
前回の続きからお送りします。
じゃあこの石井筆子・亮一の障害を振り返っての雑談会を始めたいと思います。
よろしくお願いします。
まずですね、そうだな。
知的障害のある方の、例えば割合とかってどのくらいだと思います?という話ですね。
それは知らないですね。どれくらいなんやろう。
大体ですね、日本で言われているのが2%くらいかなって言われてます。
2%なんですね。
つまり100人がいると2人くらいの方は知的障害をお持ちなんじゃないかなって言われてて、
そのうち0.9%くらいが手帳を持っているという方ですね。
大体言われていますね。
この軽度の知的障害の方っていうのはあんまりこう目立たないっていうこともあるんですけれども、
一応まあやっぱり適切な支援が必要な方がやっぱりそこそこいるなということですね。
そうですね。
最近はそれこそ福祉教育とかが進んでいるので、一定の支援がなくても色んな社会生活を送れる方がたくさんはいてるんですけれども、
ただでもやっぱり一定の支援が必要だったりする方もいているということですね。
そうですね。
この障害を認定とかするときに小児科の先生だったりとか精神科の先生とかが登場してですね、
認定の書類だったりとかそういうことをやるんですけどね。
中にこの病気が起こってしまって障害を持たれるという方もあるので、
その病気の方については医学が当然フォローしたりとか、その後病気を持ちながら知的障害を守ってという方も多いので、
そっちの方は医者もフォローしていくということになりますね。
この障害を持たれている方の病気のこととかを見ていて、
時々僕は思うんですけど、この病気ってなんだろうってね、逆にね。
病気っていうことと障害の違いって言い方はあれだけれども、
病気ってなんだろうなっていうことで考えたときに、
医者として感じることが一つあって、
病気ってね、自分の人生から言うと異物なんですよ。
自分の人生ってあるじゃないですか。
生まれて育って、老いて死んでいくという一つの差があるじゃないですか。
病気っていうのはそこから違うものなんですよ。
つまり異物として病気が突き刺さってくるわけですから。
なるほど。
それのせいで、例えば障害を受けることもあるんだけれども、
例えばがんでもそうだし、あるいは胃海陽とかでもそうだし、
あるいは精神疾患とかでもそうなんですよ。
その方の人生と関係のないところで精神疾患がガッと出てきてしまうということなんですね。
そのせいで障害を受けるということにもなるということで。
だから医者の根本的なイメージっていうのは、
異物を何度か除去して、その方がそのまま送れるようなところを目指すっていうのが、
西洋的な医者の医学の姿勢なわけですよ。
なるほど。
外科で悪いものを取っていくとかっていうそういうイメージ。
精神疾患でもお薬とかを使って、病気の病理を止めてしまおうという思想なんですよね。
ただ障害っていうのは、そういうものとはちょっとまた違うわけですよ。
その方が持っている機能だったりとか、あるいは環境とか、あるいは社会とかと相互作用して出てくるものなので、
そいつをどうフォローしていくかっていう話になってくるので、
より広い領域なんですよね、障害のことっていうのはね。
だから、医者はその障害の一部分を受け持つことはできるけど、
障害のすべてが分かっているわけではないなっていうのは日々感じることなので、
福祉の支援者の方々、あるいは家族とか、
あるいはもっと大きないろんな社会の方々と一緒になって支援していかないといけないなっていうのは日々感じるところですね。
本当にそうですね。
その人の周りにチームがあってっていう考え方ですもんね。
今の、あるいはこれからのでもいいんやけど、
福祉の考え方っていうのはどういう感じになりそうなのっていうのが、
さくらさんの思いでいいと思うんですけど。
いやいや、福祉業界ですよ。
福祉業界の現在と未来
現在の福祉業界、障害を持つ方を支援する福祉業界ってあるじゃないですか。
ありますあります。
実際の社会福祉法人もあるし、さくらさんのように株式会社をやってる人もあるし、
もっと大きな企業が入ってきているのもあるし。
これどういう考え方、今はどうなってて今後どうなるんかなみたいなことってあります?
えっとね、おそらくなんですけど、
就労の部門、私は就労支援の事業所なので、
働く方よね、そちらに特化して仕事してるんですけど、
この分野と居住とか生活するところっていうのは、
一人の人が全部使うからつながってはいるんだけど、
今はね、全部これが一職だになってるんです。
社会福祉法人で多分全部経営もできるし、
ただ営利法人で入所施設とか生活支援っていうところは、
おそらく手は出せないんですね。
これ利益を発生させるのが営利法人なので、
そこの部分はちょっと難しいかもしれない。
だから社会福祉法人が担当できる分野と、
営利法人が担当できる分野って、
これだんだん明確に分かれてくるんじゃないかなとは思ってます。
はい。
その福祉全体で見たときには、
昔はこの石井秀子さんとか梁一さんの時代からは、
社会福祉法人ができあがって、
全部丸がかいで福祉っていう考え方だったと思うんですけど、
この一般の人の方にだんだん交わらせていきましょうって、
社会生活をできるように持っていきましょうって苦労がしてるので、
ここの曖昧な部分っていうところに携われる方と、
逆にこう携わるといろんな支障が出てくるからっていう問題も
いまいっぱい出てきてると思うので、
ここの整理はどんな形になるかわかんないけれども、
課題として解決の方向に、
いずれかの方向に動いていくんやろうなとは思ってます。
問題っていうのはどういうことなの?
いろんな分野があるので、生活のところ、
それから住むところ、
あとお金の貧困の問題、
あと就労とか、世間一番一般社会に近い就労の部分とか、
細かく今、細分化されるようになってきたので、
ここのところでうまく移行できる方と、
やっぱりちょっとそれは難しいよねっていう人が出てくるんですよね。
それは事業所とかがってこと?
事業所のカラーにもよって違うし。
どういう支援をしていくかっていうことが、
ちょっとまだ方向性が、みんな同じ方向向いてないしっていうところですね。
個性がいろいろこれから出てくるかなっていうところと、
やっぱり私感じているのは、
障害認定を受けた方っていうのは割と福祉の支援が入るんだけど、
IQ75Aぐらいのグレーゾーンと言われる方たちは、
障害認定を受けずに一般のところでやっぱり生きにくいなとか、
苦労しているなという方もたくさんいらっしゃるので、
この人たちもやっぱりちょっと弱い人、支援が必要な人っていうふうに含んで
いかざるを得なくなってくるかなと思っているんです。
人がやっぱり少なくなってくるので、
それは顕著に出てくるかなと思っています。
福祉に従事する人もなかなか人手不足になってきているっていうことですね。
そうです、そうです。
すごく成熟されてきているはずなんだけど、
でも課題はどんどん新しい課題というか、
レベルアップされた課題というのはどんどん出てくるので、
うまく共生できればいいんだけど、
また日本も不景気になっていくし、
これからAIという知能が出てくるので、
AIの可能性と支援
これをどううまく障害福祉とかのところに取り入れていくのか、
これをうまく使えると私は思っているんです。
そういうのもどんどん取り込める人材を福祉の方にも入れていけば、
豊かな支援ができるのかなとも思うし。
そのAIが福祉を変えるという話って、
実は僕も興味を持っているんですが、
何か可能性あるんですか?
支援者がAIを使って、よくいろんなことができるようになるってこと?
具体的には何とも言えないんですけど、
どんなAIがあるか私もよくわからないし、
本当に障害になる方って繰り返し繰り返しなんですね。
もう繰り返し繰り返し、また忘れて、また繰り返してっていう支援がずっと続いて、
目に見えない成長っていうのがあるんですよね。
私よくアリの一歩とミトコンドリアの一歩っていう言葉を使って、
うちのスタッフ、支援者たちの研修を行うときに言うんですね。
支援をするものってやっぱり成果がご褒美なんですよ。
これを支援してできるようになったとか、お困りだったことが解決したとか、
それって目に見える成果なのでアリの一歩なんですよね。
だけどミトコンドリアって見えないじゃないですか。
でもミトコンドリアって生きてるし動いてるでしょ。
だから一歩ってあるんですけど、私たちの目には見えないので。
でもミトコンドリアだって一歩進むんですよね。
これが障害にもたれた方の一歩の時もあるよと。
なので、やっても成果出えへんやんと思ってやめるんじゃなくて、
繰り返し繰り返しやろうねっていうことをよく研修で話し合うんですけど、
この繰り返し繰り返し続けるっていうこと、結構人間苦痛なんですよね。
飽きてきたりとか、やっぱりご褒美成果がないと、
なかなか繰り返しできないんだけど、
AIって基本繰り返しで終わるんですよ。
そこはね。
そう。で、学ぶでしょ。
これ言ったけどダメだったとか、これは良かったとかっていうのが
どんどんインプットされていくので、
思いつきの支援ではなくて、
きちっと計画に沿った支援ができる可能性はあるなと、
なんとなく思ってるんです。
より賢い支援者にAIがなってくれる可能性があるよっていうことね。
そう。不完全な人間の感情とかイライラとかが入らずに、
とにかくその支援される方のためだけに
プログラムが組み立てられるなっていうのは思ってます。
なるほど。
マリモ先生はどんなことを想像してますか?
僕はね、その空想ですけれども、
多分でも起こるんちゃうかなと思っていることがあって、
あのさ、えっと、僕目悪いじゃないですか。
で、メガネかけてるでしょ。
メガネかけてなかったら、0.1ないんですよ。
だから視力全然見えないんですよね。
これと同じことが知的障害の方にAIで起これへんかなと思ってて、
つまりAIを使うことで、
知的障害の方の知的なところで足らないところが、
AIによって保管される。
もうちょっと言うと、僕らもどんくさくて抜けてるところが結構あるじゃないですか。
それがAIで、こんな風にした方がええよって教えてくれるパートナーになる未来っていうのが、
多分あるので。
絶対ありますね、それは。
それがあると知的障害の方って、
僕のメガネみたいに、いわゆる障害ではなくなる可能性も
そんなに遠くない未来にないかなとかって思ったりもして。
本当ですね。
それはすぐできそうな気がする。
今さ、僕10年くらい前かな、スマホがね、流行ってる頃に、
自分の患者さんとかで、スマホを使ってる人ってどのくらいいるかなって調べたことがあるんですよ。
僕は割と知的障害とか持ってる方見てることがあるんですけれども、
その当時ね、半数も持ってなかった、患者さん自身は。
あ、そうなんや。
でもね、今はね、ほぼ全員持ってるな。
AIの恩恵
全員という言い方はあれですけれども、持ってる人が多くなってますね。
ってことは、その可能性も十分あるのではという気もしてて。
確かにね、皆さんも今時使わない言葉かもしれんけど、ググってますよ。
わからないとき、漢字わからんとか、つづりわからんというときにすぐ使うし、
確かにそのメガネの役割っていうのはもうすぐ身近にあると思うんですよ。
一番その恩恵を受ける可能性があるのが、この知的障害の方なんちゃうかなという気もしてて、このAIのね。
確かにそう、確かにそうね。
もちろんね、僕たちもサポートしていただけるとありがたいところではあろうかなと思うんだけど、
それと同じように、より強くね、この漢字を持っている人たちに、
でもまあ何がどうなのかよくわからないんですけどね。
でもやっぱりニーズがあるところの研究はすごく進むから、
AIの領域ではきっと入ってくるだろうなとは思ってます、私も。
そうですね。本当にここ、まあほんまにね、
僕たちの研究に関しては、やっぱりね、
AIはもう本当に一気に来たので、
これから先はきっと想像できないぐらいの速さで進んでいくと思いますね。
この知的障害の領域も、AIによってプラスに進んでくれればいいし、
またそれによってね、いろんな波紋が出てくることによって、
大変な時代に入ったなって思うことは日々あるので。
リスナーの声
まあまあでもね、そこに留まってはいれないので、
やっぱりね、やっぱりね、
やっぱりね、
やっぱりね、
やっぱりね、
頑張って続いていくしかないもんね、僕らね。
このAIの時代をうまく乗り越えてというか、
共に時代を作っていきたいところですね。
お便りいただいたのがあるんですよ。
嬉しいです。ありがとうございます。
じゃあ、ラジオネームアンズさん40代の話、
ちょっと読んでいただいていいですか。
はい、ラジオネームアンズさん40歳代。
初めまして。
スポーティファイの検索でこのラジオを知った新参リスナーです。
私は歴史が好きで、なおかつ双極性障害で通院しているので、
この番組はまさにドスッとライク。
聞き始めた瞬間から大好きになりました。
お二人の話を聞いていると、
私が現在受けている治療も長い歴史の果てにあるものなんだ。
しかし、現在から見れば広かったと言われる過去の成人会臨床も、
成人たちの患者を良くしたいという思いから出ていたんだろうと感じられて、
なんだか感慨深いです。
私は女性で、私にも弟がいるのですが、
弟は今でも私には強く物を言わず優しいです。
姉と弟という兄弟は、姉が強くなりがちと聞きますが、
幼少期や現在のマリモさんとサクラさんはどうですか。
この番組で出会えて毎週の楽しみができました。
これからも更新をお楽しみにしています。
いつか気分障害の話も聞きたいです。
ありがとうございます。
嬉しいお便りをいただきました。
本当に嬉しいです。ありがとうございます。
本当にこんなお便りをいただけると、また作りがいがあるなと思いますね。
本当ですね。頑張ろうと思いますね。
気分障害の話は確かにしたいですが、気分障害ってなかなか難しくてね。
実際の医者は難しいし、また考えたいなという気もしています。
先人たちの先進化治療の話などを聞いて、
感慨深いと思っていただけるとありがたいですね。
僕らも勉強していたら、確かに感慨深いなと思いますね。
本当に私は毎週最初に難しいヨーロッパの精神科医療のところから始まっているんですけど、
でも思いは一つですもんね。
この患者さんを良くしたいという思いはずっと変わらずにあるので、
それはもう現在の先生方にも通じているから、
遠い話じゃなくて、まさに身近な話だなと思って聞いていただけると嬉しいですよね。
そういうことを昔のことを知ることで、今の自分にプラスにしたいというか、適切に医療にかかったりとか、
姉弟の関係
精神科の見たらしを上げてくれたらありがたいなと思いますね。
本当にそうです。身近な先生の治療にしていただいたら何よりかなと思いますね。
あと、この姉弟問題ですけれども、幼少期はどうでしたか?
姉弟は強いですよね。
弟も上手くやったけれども。
私は忘れられないんですけど、私が小学校3年生の後半、4年生の手前ぐらいに、
それまでずっとマリモ先生と喧嘩してきているわけですよ。
やりましたね。
テレビのチャンネル争いから始まり、
お風呂どっちが入るのか問題から始まり、
いろんなことで喧嘩している。歳が近いからね。
よくしてたんですけど、忘れられないのは、その3年生の終わりに、
それまでね、結構喧嘩になると叩き合いってしてたんですよ。体を。
顔とかは頭とかあんまり叩かなかったけど、割と小突き合いというか、肩ポンと押したりとか、
いうのがあったんですけど、その忘れられないときは、完全に体力で私は負けたんですよ。
マリモ先生って割と大人しい、優等生タイプの幼少期なので、
何だろうな、そんな乱暴じゃないし、本当にお利口さん、大人しいし、
暴れん坊でもなかったんですけど、その3年生の終わりに、
何だろうな、そんな乱暴じゃないし、本当にお利口さん、大人しいし、暴れん坊でもなかったんです。
どっちかというと、私の方が活発に外で遊ぶし、
膝小僧はいつも怪我してて、昔赤血ってあったでしょ、
イソジンの代わりなんですけど、真っ赤に足がなるんですけど、
ずーっと膝が赤い人だったんですよ。
なので、マリモ先生に喧嘩で負けるなんて、これっぽっちも思ってなかったんですけど、
その時に負けたんですよ。
すごい体力強い、すごい力が強くて、体叩かれたのかな、
すごい痛いし、怖いって思いをしたんです。
そうなんです。それ以来、私、殴り合いとか叩き合いの喧嘩をしなくなっているんです。
あんまり気を組んないでしょ、私とつかみ合いの喧嘩は。
いや、ちょっと残ってますよ。
ちょっと残ってる?
確かにでも、基本は口喧嘩系ですよね。
そうなんです。私、あんまりこれをしちゃうとダメだなっていうのがあったんですよ。
でも基本的に、口が立つから桜は、だから強かったような気がします。
あれに従ってましたわ、基本、私は。
でも、基本仲良しでしたもんね。
喧嘩をする時もあったけど。
一般的な兄弟よりは。あったけど、全体的に見たら、多分世間の兄弟の中では仲良しの方の兄弟なので。
で、このアンズさんの弟さんもすごく優しいですって書いてらっしゃるから、多分同じような感じなんかなって思いますけど。
最近でも私、周りの先生によく叱られることがあります。
あれ、そうかな。
そうな記憶はあんまりありませんけど。
あんまりない?結構ね、周りの先生に指摘されてるなみたいなことを。
まあまあ、ちょっと心配にはなるというのが正しいかもしれないですね。
そうですね、桜井が相変わらずやんちゃで、
ふでこさんほどではないですけど、自分がこうだと思ったらやっぱりそっちの方にやってみようって動いちゃうんでね。
大丈夫かなって心配してるっていうのがありますね。
ひやひやですよね。
まあまあ、そんな兄弟、姉弟でやっております。
そうです、そうです。
本当にありがとうございました。またこれに懲りずに聴いていただければなと思います。
楽しくこういう時間を持ちながらお送りしたいので、また聴いてください。
じゃあ今回はこれで終わりましょうかね。
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