「突然、死ぬかもしれない」――その感覚は、なぜ人を支配するのか。パニック症の歴史シリーズ②。フロイトが提唱した「不安神経症」の概念を軸に、パニック発作と広場恐怖がどのように理解されてきたのかを辿ります。さらに、精神科医の外来診療で見えてきた“逃げ場のない恐怖”の本質や、現代にも通じる治療の知恵を深掘り。歴史と実践の両面から、パニック症の理解を更新します。
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サマリー
このエピソードでは、パニック症の歴史と理解の変遷を辿ります。フロイトが「不安神経症」の概念を提唱し、パニック発作と広場恐怖を区別したことが、パニック症の理解に大きな進歩をもたらしました。現代の精神科医の視点からは、パニック症は外来診療で多く見られ、治療法も確立されてきていることが語られます。また、安全バイアスや個人の脳の特性が発症に関わる可能性についても触れられています。
パニック症の歴史的背景とフロイトの貢献
精神科の知識を学べる番組、歴史から学ぶ精神科ラジオ。 この番組では、精神科医療を作った人々、現在のトピックスを精神科医が解説します。
精神科専門医30年、医学博士で現在、開業医のマリモ等。
その姉で、障害を持ちの方の就労支援事業所を経営していて、今月1歳の誕生日を迎える、初孫に会いに行く予定を楽しみにしている、サクラがお送りします。
パニック症の発見と進歩の歴史の話です。
はい、ありがとうございます。
前回の続きからお送りします。
フロイトさんというのは、ウェストファールよりもですね、23歳年下なんですね。
でも同年代の方ですね。
そのお互い生きている時代には現役だったようなんですけど、まあでもだいぶ後輩ですよね、ウェストファールからしたら。
そうですね。
ウェストファールが広場恐怖を提唱して23年後なんですけど、この時にフロイトがですね、不安神経症という概念を提唱します。
1894年と言われているんですけれども、この時ちょうどフロイトも39歳。
39歳、はい。
これどうでもいいんやけど、ウェストファールが広場恐怖を提唱した年齢と同じなんですよね。
そう、だから私今ちょっと反応してしまいました。
たまたまなんですけど。
すごいね。
やっぱりね、偉い先生っていうのは若い時からすごいのよ。
そうやね。
39歳から若いかどうか問題あるけど。
いやでもお医者さんになってまだ20年経ってませんもんね。
そうです、まさにそう。
すごいな。
だから偉い先生っていうのは若い時から偉いのよ。
そうやね、そういうことやわ。
晩年が偉い先生もいてるんですけど、天才方の先生方っていうのもいてるのよね。
このフロイトは不安神経症というのを提唱したんですけど、これは何をどうしたかというと、
急性の不安障害というやつと広場恐怖というのを区別した。
それだけっちゃそれだけなんですけど。
それまではウエストファイルが言うたのは広場恐怖とか不安症っていうのを出したんですけど、
これとパニックっていうのはごちゃごちゃに考えられてたんですけど、
フロイトっていうのはこのパニックコースターっていうのがこの病気の本体であるっていうことを言ったわけですよ。
パニックコースターっていうのが起こるから、そこから派生していろんな不安症っていうのが出てくるんちゃうかというね。
現状はそんなふうに考えられてて。
ただパニック症がない単にこの広場恐怖だけ出てくるっていうものもあるらしいっていうのも最近わかってるんですけど、
主流っていうのはパニックコースターがあってからいろんな恐怖症が出てくるっていうのが一般的みたいですね。
この急性のパニックコースターっていうのは突然の気持ちの恐怖とか死の恐怖っていうのが出てきたりとか、
体の動機とか呼吸困難とか発汗とかっていうのが出てくるって言われてます。
このパニックコースターっていうのは脳の発作で起こるんですけど、
だいたい決まってるんですけど、人によってちょっと区別ありますわ。
気持ちの方が中心に出る人と、死ぬんちゃうかなっていう方を中心に出る人と、
体の方が中心に出る人と、体の症状でも目前が中心の人と、動機が中心の人と、息止まる系の人と、
なんか顔面が変な感じをするとかっていう人とか、その人によって割と系と違うんですけど、
パニック発作の症状と個人差
だいたいでもその人のパニックコースターっていうのはその人のパニックコースターですね。
個人差はあるんだが、その人に固定したものとしてはだいたい同じことが起こるんですね。
このパニックコースターの特徴っていうのは、突然発症して急速に増悪します。
短時間で最高潮に達して、だいたい5分から10分、長い人では30分かかる人もいますけれども最高潮に達して、
そこから10分、20分が最高潮になる人があるんですけれども、もうちょっと早い人もいますけど、5分ぐらいで収まってくる人もあるんですけど、
最終終わるまでには30分から数時間かかるっていうのが一般的かな。
もっと短くて軽い場合もあるんですけどね。
急性不安発作、現在のパニック発作っていうのはフロイトが明らかにしたわけです。
経験するからそういうのが怖くて、そういうのにつながるかもしれないような広場だったりとかトンネルだったりとかを恐れるということになったというのが実際なんですけどね。
現代だったらそうだな、コンサート会場とか急に逃げることができないところが怖いとかっていう人があるかな。
あと乗り物の電車とか新幹線とかね、そんなのが困る人もあったり。
高速道路が怖かったっていうのは何が怖かったかっていうと、高速道路で止められないじゃないですか、横に。
普通の一般道だったらしんどいときにはすぐに止まれますやんか。
ロカタとかコンビニとかあればね。
それはできないっていう状態が怖い。つまり逃げ場がないっていうのが怖いんですよ。
その状況ってね。
理性的に考えたらどうやねんっていうところがあるんですけれど、それは理性じゃなくて感覚なので。
そうね、これコントロールできないんですよね。
できないんですよ。だから広場のどこが怖いんと思うかもしれないけど、広場が怖いんですよ。
でもその人にとってはそこが本当に怖いことになるので、そこから逃げるっていうことになるんだよな。
そういう場に交差する感じですよ。
安全バイアスとパニック症の発症要因
全然ちょっと話違うかもしれないけど、安全バイアスって言葉あるでしょ。
本当に怖いときとかしんどいときに、私は大丈夫とか、きっとこれは大丈夫って思ってしまう。
例えば地震が起きたり災害が起きたときに、すぐ逃げなきゃいけないんだけど、それが起きて怖い怖いってなる方と、
全然大丈夫だよって、そんな何も起こらないよって思っちゃうっていうのも逆にあるじゃないですか。
ありますね。
私どっちかというとそっちなんですよ。危険やなって自分で思っちゃうんやけど。
災害のときとかね。
本当にダメだよっていうときに、すぐ避難しなきゃってならなきゃいけないんですけど、
だから怖いとか、さっきマリモ先生がスキューバーダイビングで海の中でちょっとなりかけたって言ったでしょ。
あれ、私もなんとなく経験があって、シュノーケリングだったんですけど、私。
やってたときに、やっぱり海の中が私はちょっと怖いんですよ。深く沈んじゃうと。浅いとこやったらいいんやけど、
スキューバーとかはちょっと怖くて要せんなっていうのがあって。
でもそのときに怖いってなったんだけど、安全バイアスが働いたんですよ。それ自分で自覚してて。
だからこれパニック放射になる人とならない人っていうのが、そういうのもあるんかなって今考えてたんです。
なるほど。
だってなる人ってコントロールできないわけでしょ。怖いって思う。
まあね、いろんな人があろうかと思うのだが、パニックとかに関して言ったら、いろんな人あるかな。
大丈夫かなって思う性格やと思うんですよね。
この安全バイアスがかかりやすい人とかかりにくい人があるかと思うんですけど、その人の認知というか性格と思うんですけど、
それよりももうちょっと深いところにパニック放射とかっていうのはあるかな。
つまり、そういう安全バイアスがかかりやすい人でもかかりにくい人でも、なる人はなるしならない人はならんかなとは思うんやけど。
そうなんやな。
たぶんもうちょっと脳の深いというか、脳のレベルでのなりやすさっていうのがあるから、単に気持ちの問題だけとはちょっと言いにくいかもしれんけどね。
なるほどね。
僕もね、自分がパニックになるまでは割となんでも大らかな方だったですよ。
だから体験ダイビングもしようと思ったわけなので、全然そういうのを恐れる感じじゃなかったんですけど。
車に乗るのも全然嫌いじゃなかったし、富士山まで乗っていくのも全然問題なかったんですけど、若い頃はね。
今はちょっと遠くまで行くの嫌やなって感じになっちゃったかな。
これはパニックによる影響があるんだと思うんですけどね。
まあまあまあ、そういうのもあるかもしれないね。
フロイトによるパニック症の治療法とその評価
すいません、話それましたが。
フロイトがやってた治療っていうのは残っているので、患者さんにはまず4つ言ってて、
まず一つは生活調整。規則正しい生活とかご飯をしっかり食べたりとかっていうのをしましょうということ。
これはいいことかなと思うんですけどね。健康を高めるという意味でね。
で二つ目はね、性行動の正常化。フロイトでそんなこと言うんですよね。
はい、どういうことでしょう。
隠れたですね、性悪とか性衝動っていうのが割と抑えつけることっていうのがこの当時あったんです。
規範がね、割とヨーロッパ社会って厳しかったんですよ。
誰と付き合ったらあかんとかどうとかっていうこととかね。
キリスト教のまだ影響も強かったし、社会的な規範があったので。
だから変なふうに言わむ人っていうのは結構いてたんですけれども。
それをご自身の欲望を正常化、ちゃんと解き放ちましょうということです。
これは現代では効果がないと理解されています。
この点に関してはフロイトは間違っていたと言われていますが、その当時フロイトはそんなに考えてたと。
3つ目ですけれども、このパニックコースターっていうのは危険ではないよっていう説明をしてたと。
患者さんは死ぬんちゃうかなとかって思うし、実際死ぬほどの苦しみを味わうのだが、実際それで死ぬことはないよというふうに説明していました。
これは正しいですね。これはとても大切なことです。今もそんな心理教育をしますね。
ただ、心理教育をしたところでしんどいのは変わらないのですけれども、それが終わった後、大丈夫だなということを頭の中で知っておくことは大切かなと言われています。
あと4つ目の支持的な療法ということで、患者さんが自分で不安とかパニックとかを対処していくということを、
当然考えるんですけど、できるだけ少なくなるようにということを考えるんですけど、それを頑張ってやりましょうよということを支援するという感じなのかな。
つまり引きこもりがちになるのを、引きこもりがちではなくてちょっと出た方がいいかな、ちょっとずつ出ようかなと思ったときに、それがいいですねということで、
それがあなたの健康のためになるよというようなことを支援していたということですね。
成功度のことを除けば、現代から見てもまあまあそういうことをやってたかなということですけどね。
あとフロイトがお得意の精神分析というのがあるんですけど、フロイトは精神分析は不安心外症には効きにくいと述べていました。
心理両方の一種なんですけどね。
自分の幼少時とか、あるいはいろんな経験が屈折してですね、今の症状に出てるんちゃうかな、精神症状に出てるんちゃうかなというふうに考えて、
この自分のいろんな小さいときの思いとか歴史とかを自分の中で意識化していきましょうというのが精神分析なんですけど、
これをやってもあんまり不安心系症は治らないよねっていうことはフロイトはその当時から分かってたみたいですね。
治療をやっていたということですね。
パニック症の概念確立と現代の精神科医の視点
これが19世紀から20世紀の頭にかけてということです。
パニックコースターと不安症というのは、19世紀の後半から20世紀の前半にかけて精神学では確立しました。
ウエストファールから始まってフロイトにかけてパニックコースターと不安症の概念が確立しましたよ。
ちゃんとした症例としてはパニックコースターが起こって、その後広場恐怖などが起こってきますと。
広場恐怖以外の種種の不安症を生じることもあるんですけどねってことですね。
こういういわゆる神経症犬の病気っていうのは、幻覚とか妄想とかはないし、意識は生命で理解力もあるんですけれども、
不安発作とかを繰り返したりとか、広場恐怖で着こもりになったりとかっていう人があるので、
いろんな問題があるよねっていうことが、19世紀、20世紀の初めにかけてわかってきたってことですね。
平成に入ってから精神科医になった身としてはですね、パニック症ってね、あんまりちゃんとした病気って見てないんですよって言い方は問題がありますけれども。
でも患者さんとしてはたくさん来るんでしょう?
来るんですけどね。やっぱりさ、重症って言うたら精神病とか鬱病とかなわけですよ。
つまり入院しないといけない患者さん方っていうことを、僕たちはまず見ないといけないという、
はじめ精神科医でそういうところから勉強を当然するわけですよね。
メインっていうのは統合症症だったりとか相鬱病だったりとか認知症なんですよ。
そこで精神科病院とかでがっつり勉強するっていうのが精神科医の始まりとしてはあるんです。
パニック症の患者さんってあんまり入院しないんですよ。ほとんど入院しないと言ってもいいかもしれない。
なので、わかって、後からってあんまり見ることないんですよ。
外来を主に見てるっていうのは、割とベトナムの先生が多いしね。
あんまり重症の精神病ではないよっていうのは事実なので、
あんまり若手のうちからよく知ってるっていうのが好きだというセンスは少ないですよ。
むしろ若手のうちでパニック症が出会うっていうのは、平存疾患で出会うことが結構あるんですね。
例えばパニック症とか理性障害とかPTSDとかと合併したパニック症とかっていうのがあって、
そういったパニック症って結構治りにくいんですよね。
そうですね。
いろんな経験をそのせいですることがあって、あんまり得意じゃないなみたいな気持ちになる人が多かった。
僕はそうだった。20代、30代の頃はね、パニック症っていうのは一番。
ただ、外来を主にするようになると、外来の中ではパニック症単独で結構よく治る人っていうのはもちろんその人らの方が多くて、
そうなんや。
結構困る人っていうのがいてて、よく治る人もたくさんいてるっていうのが分かって。
今とか、僕たちは配慮医ですけれども、パニック症研の人っていうのが今の見ている患者さんの半数ぐらいかな。
半数はいいすぎか。3分の1ぐらいかな。
へー。
今やメインでね、このパニック症についての治療っていうのは、僕は50代ですけれども、やってるなっていう感じでね。
今や割と得意な方の一つの病気なんですけど、パニックさん来たかみたいな感じで治療できるんですけど、
若い頃中のあんまり経験しなかったなっていうのが、平成の初期から現在にかけて精神科医をしている僕らの経験ですわ。
なるほどです。
ただ、令和の時代で精神科医になった先生方っていうのは、いろんな働き方をされる先生がいてるから、外来中心に働く先生もいてるっちゃいてるから。
若い時からパニック症得意っていう先生もいてるかもわからんけどね。
なるほど。
ただ、実際パニックになってお医者さんにかかるっていうのは、大体外来クリニックとかが多いと思うので、そういった先生方っていうのはみんな得意だから。
神田さん方はそんなに心配しなくていいかなと思うんですけどね。
っていうのが現在のパニック症なんかな。大体イメージで語っただけなんですけど。
なるほどです。
パニック症との個人的な関わりと学び
私は本当に身近にいなかったんですよ、今まで。
そうなんですよね。
弟がそうだのに。
そう。
言わんしね、でもね。
そうやね、そうやね。
ちょっとそれらしき話はしてたじゃん、マリモ先生も。
だから高速道路が怖いんやって、途中で降りれないし、みたいなことを言った時に、
そういうものがあるんや、不安になったりするんやなっていうぐらいやったんですよ。
パニック症っていう言葉で、パニック障害とか言うけど、
そういうのって本当に障害福祉の仕事をするようになって初めて出会った言葉なんですよ。
で、実際これが診断された利用者さんがうちにいてたかっていうと、それこそ併用してるっていう感じかな。
メインが精神疾患があって、発作が起きたらこういうことになるかもっていう引き継ぎはあるんだけど、
でも実際それは起こらないし、通所してきてる間はね、
だからああ、なるほどねっていう感じ、本当に紙の上、紙ベースの話やったんですけど、
最近ちょっと身近に現れたんですね。
で、でもそのパニックの発作は私一度も見たことないし、いまだに。
これもだから紙面上の話なんですよ。
でも確かに行くのがちょっと辛いですとか、出てきにくいよとかっていう時があって、
でもそれがね、だんだんなくなってきてるんですね。
最初はそういうこと言って、初めて出会った時なんかはそれをすごい引き継ぎで言われたんですけど、
今はどこが?っていうぐらい全然そういうのがなくて、
ただなんか、頭が痛いですとか、やっぱり心配だから不安で心がザワザワするみたいなことは言われるけど、
全然今起きてなくて、ご自分でもすごく環境がいいのか調子がいいって喜んではいるんやけど。
なるほどね。仕事上での付き合いでそういう方が出てきたってことですね。
出てきて初めて見て、でもまだ実際その発作とかっていうのは見たことないので、
ちょっと勉強しとこうと思って。
勉強ほんとに真っ只中なんですよ。
それはそれは。
なんか旬の話題だなと思って。
ありがとうございます。
歴史とかすごい楽しく、楽しいって言葉ちょっと悪いですけど。
興味深くね。
とっかかり語りですもんね。
そうそうそう。身近な病気のつもりで聞きました。
勉強していただければなと思いますね。
じゃあ一旦終わりましょうかね。
ありがとうございました。
ありがとうございます。
20:34
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