映画の概要と魅力
みなさん、こんばんは。マカ・ママレードです。 今回取り上げる作品はこちら、【新幹線大爆破】。
今年2025年の4月23日にネットフリックスで独身配信されるリメイク版が話題ですが、その前にオリジナル版を見てみようということで取り上げます。
ストーリーは、高倉健演じる沖田をリーダーとする一味が、新幹線光109号に爆弾を仕掛けて身のしろ金を要求する。
一定の速度以下になると爆発するという爆弾を仕掛けた犯人一味の背景、そして必死で操作にあたる警察、乗客を守ろうと奮闘する鉄道関係者の姿が緊迫感あふれるタッチで描かれます。
まずこのタイトルがいいですよね。【新幹線大爆破】。
このタイトルだけで見たくなるし、あとは物語上もタイトルで爆発するって言ってるんだから、これ本当に爆発するのかなどうなのかなっていう恐怖も煽られるし、
それと同時に倫理観とは裏腹に、新幹線が爆発するところを、そのシーンを見てみたいっていう映画を観に行く人の欲望のところも刺激するっていうところがあると思います。
あと劇版も素晴らしくてですね、冒頭からすごく物悲しい音楽で始まるんですけど、これも犯人の一味の末路を暗示させるみたいで、もうこの爆弾を仕掛けた視点で彼らは住んでいたんだというのを表しているようで、この胸を締め付けるような切ないメロディーがいいんですよね。
他の曲もすごい名曲だらけですし、2時間半くらいの結構長めの上映時間なんですけど、工夫に富むこうする意味したシチュエーションを次から次へと繰り出すので、展開に飽きることなく最後まで見ることができたと思います。
週刊の新幹線が閉塞してね、お刀具の受け渡しをするシーンなんかも良かったですよね。
特撮のシーンも古くならないって言うと嘘になるんですけど、今見ても味があるし、特撮に頼り切るわけではなくて、ここぞという場面で効果的に使っていたと思います。
ミニチュアの場面も夜のシーンにするとか、なるべくリアリティを損れないように工夫していたと思います。
というわけで、現代の観客が見てもかなり面白く見ることができるんじゃないかなって感じました。
警察の描き方と回想シーン
ですけど、ちょっと不満点もあります。
まず、劇中で描かれる警察の行動が行き当たりばったりで、何をしたいのかが見ててよくわからないんですよね。
マスコミや鉄道関係者が出てきて、劇中の展開のエクスキューズのように、警察は何をやってるんだ、みたいなことを批判的にセリフで言ったりとかっていうシーンがあるにはあるんですけど、
それでには到底間に合わないくらいに、本当に警察がバタリ的な対応を連発します。
犯人を逮捕したいのか、犯人の言う通りにして人質の命を守りたいのか、よくわからないんですよね。
具体的には色々あるんですけど、例えば、みのしろ銀の受け渡しをするっていう展開の時に、たまたまそこに通りかかった中道部の学生に、
犯人を捕まえてくれっていうふうに、逮捕に協力してもらう展開があるんですけど、あそこが本当によくわからなくて、
あの時点で逮捕できたとして、金の受け渡しがうまくいかなかったとしたら、それで爆弾の解除方法を聞き出せなくなるかもしれないのに、
その前の会議で、犯人を逮捕しないっていう方針に固めたはずなのに、ああいう行動に出るっていうのがちょっとよくわからなくて、
上の決定が下まで降りてこなかったっていうことを表したいのかな、それにしてもちょっとよくわからなかったです。
あと、中盤、犯人の一人を捕まえようとするんですけど、その時に発砲するんですよ。
もしあそこで殺しちゃったりとかしたら、さっきも言ったように爆弾を外せなく解除できなくなってしまうわけで、
悪手にしか見えないし、今言った場面、どの局面でも大抵失敗しちゃってっていうのもあって、
もしかしたら、爆弾犯人側を酷く描いて、体制側である警察っていうのを無能に描きたかったのかもしれないですけど、
そういう描き方をしたいんだったら、警察の非常さ、情け容赦なさみたいなのを、
血が通ってない様子をもっと悲願的に描いた方が、ドラマとしてより盛り上がったと思うんですよね。
この描き方だと、物語上の不備にしか見えないですよね。
警察の描き方っていうのに不満が残りました。
また、回想シーンですね。
これが都度都度挟まる構成になってるんですけど、これも見ていて少しストレスでした。
回想が挟まる度に物語がストップしてしまうし、結構回想シーンが悲しいウエットな雰囲気になるんですよ。
なので、そこで結構映画の雰囲気も変わっちゃうしっていう感じで、
回想シーンでね、名セリフとかもあって見応えはあって、決してつまらないわけではないんですけど、
なんでこういう構成になったのかなっていうのは疑問に思いました。
作品の評価と人気の理由
じゃあ時系列で起きた順番に出来事を描いていけばいいのかっていうと、
それだと前半がだいぶ重くなるし、映画全体のトーンが結構違うものになっちゃうと思うんですよね。
だから大体案みたいなのは思いつかないんで、これが最適解だったのかもしれないんですけど、どうなんでしょうね。
僕は現時点で見られてないんですけど、聞いた話だと外国で上映された際のバージョンっていうのは、
高倉健演じる犯人1名の背景、回想シーンっていうのをバッサリとカットしたバージョンなんだっていう噂は聞いていて、
もしそれが本当だとしたら、本編を見た限りで気持ちはすごいよくわかるなと正直思います。
なんか徹底的にドライなバージョンも、その海外で公開されたバージョンっていうのを見てみたいなという感じはします。
あと、ご都合主義的な展開がちょっと多かったですね。
映画なんで別にそういうのがあってもいいんですけど、この今作に関してはいくら何でも多すぎやしないかという気がしました。
具体的に一つ一つ上げていくと多すぎてキリがないんですけど、偶然うまくいった、偶然うまくいかなかったっていう展開が立て続けに続いて、
見ているこっち側の気持ちがちょっと離れてしまいました。
特に終盤で喫茶店が火事になって書類が焼けてしまうっていう展開は、うーんと思ってしまいました。
後でその犯人にテレビで呼びかける展開につなげていきたいっていう作り手側の意図が、あまりにもくっきりと見えすぎてしまうというか、そこが明けつけだなというふうに感じてしまいました。
それからちょっとこれは細かい話かもしれませんが、役者一人一人の演技のトーンにバラつきがある気がしました。
演技のレベルっていうんじゃなくて、簡単に言うと、この人は抑えた演技をしてるけど、この人は表情豊かに演技するなっていうようにですね。
まあ人によって個性があるのは当然なんですけど、もうちょっとねこの演技の質というかバランス、統一感があった方が見やすかったかなとは感じました。
はいという感じでまあいろいろと指摘もしてしまいましたが、なんかねそういう引っかかるポイントもこの映画に関しては可愛げになるというか、
愛すべきポイントになるって言ってもいいくらい気にならなくなるくらい面白さはあるんですよね。
なので上手くいっていない部分も多々あるんですけど、上手くいっていない多くの部分もある種の魅力にできるくらいの魔力、パワーがある作品なのは間違いはないと思います。
この2025年にリメイク版が作られるぐらいですからね、それなりの人気を持つ理由っていうのはあるんだと思います。
はいというわけで、まだの方は一応この動画はネタバレありっていうことで出してますけど、決定的なネタバレはこの動画ではしてないつもりなので、もしまだご覧になってない方いらっしゃったらぜひぜひ見てみてください。
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