1. London Tech Talk
  2. Bluesky and the AT Protocol ..
2024-04-06 1:02:20

Bluesky and the AT Protocol (Yusei)

spotify apple_podcasts

新しい SNS として期待されている Bluesky のアーキテクチャについて、論文 "Bluesky and the AT Protocol: Usable Decentralized Social Media" が公開されました。本論文を読んだ感想を Yusei Nishiyama さんと議論しました。Bluesky の特徴のみならず、SNS の社会に与える悪影響や Benefits Corporation に求められる属性などについても話が広がりました。

サマリー

本エピソードでは、SNSのブルースカイについての話題が取り上げられ、Yuseiさんが作成した論文をきっかけに、ブルースカイやSNSの社会的な側面について議論されます。 プロトコルをオープンに公開するBlueSkyの目指す理想と現実のギャップ、PDSの役割とネットワークのインデックス化に関する議論、BlueSkyのマネタイズの問題が話されました。 普通に作った日からインフラ日がどんどんどんどん垂れ流しになってくると思うんですよね。マーケターがフィードバックを入れていくためのツールとしてアットプロトコルを活用できる。 BlueSkyがDIDを導入しており、PDSを通じてデータを所有および管理できることがわかる。しかし、DNSに関連するリスクやフィッシング詐欺に注意が必要である。 Web 2.0の登場以降、ブログやSNSが人々の情報交換や交流の場となってネットコミュニティが大いに盛り上がっています。そこで技術ブログを通したマーケティングの有効性が高まりを見せています。

ブルースカイフィーチャー編
ken
はい、リスナーのみなさん、こんにちは。London Tech TalkのKen Wagatsumaです。
本日は、SNSのブルースカイフィーチャー編ということで、ゲストにYuseiさんをお呼びしています。
Yuseiさん、今日はよろしくお願いします。
Yusei Nishiyama
よろしくお願いします。
ken
はい、ということでね、唐突にちょっとブルースカイについて語っていくエピソードを収録していこうということになったんですが、
実は今回のトピックを話そうと思ったきっかけは、Yuseiさんが作ってくれたんですね。
London Tech TalkのDiscordで、DDIAの輪録会を昔してたんですけれども、
そこにある日Yuseiさんが、こんな論文がMartin先生から出たよということで共有してくれましたね。
Martin先生というのはDDIA本のオーサーなんですけど、
それからそのBluesky and the AT Protocol、Useable Decentralized Social Mediaという論文が出て、
それまで実は僕はブルースカイはアカウントも作ったことがなかったんですけど、
これを読んで、Martin先生の、何て言うんですか、
Martin先生推し活してるので、大ファンなので、これは読むしかないぞと読んで、
面白かったので、それを元にちょっとブルースカイってなんだろうねとか、
SNSなんだろうねとか、Twitter後のSNSの社会ってどんなんだろうねということをYuseiさんとお話ししたいなと思っていました。
Yuseiさん、この論文はどんなきっかけで知ったんですか?
Yusei Nishiyama
これはですね、僕も同じ感じでブルースカイ別に使ってなかったんですね。
で、ちょうど2月の6日にブルースカイ一般公開されて、インビテーションがいらなくなったタイミングで、
パブリックのブログポストが出てたんで、気になって読んでたんですけど、
そしたら、論文へのリンクが貼ってあって、
DTIAのマーティン・クレップマン先生が技術顧問で入ってますみたいなことが、
わざわざパブリックのポストに、サービスのポストなのに書いてあって、
そこを推してるんだなって、そもそもテクノロジーの部分を結構推してるんだなっていうのもあって、
そういえばこの番組、DTIAの読解もずっとやってたし、
すごい熱心にみなさん勉強されてたんで、もしかしたら興味あるかなと思ってシェアしたんですけど、
2月6日が一般公開で、論文の日付も2月5日とかなんで、
割とフレッシュな感じなんですよね。
これなんか結構タイムラインがそもそも面白くて、
2月1日にアメリカの上院で校長会があったのって、
たぶん結構ニュースになったんで見られた方もいるかなと思うんですけど、
SNSの要するに問題になってるぞみたいな、
特に子どもへの影響が問題になってるぞみたいなので、
アメリカの上院の校長会があって、
マーク・ザッカーバーグとかTikTokのCEOとか、
そういう人が呼ばれて、
アメリカの上院の校長会って、
ボロかすっていうか議員の人がめちゃくちゃ詰めるみたいな感じのスタイルなんで、
コンテンツのモデレーションどうなってんだとか、プライバシーどうなってんだとか、
そういうソーシャルメディアで子どもが自殺したとか、性被害に遭ったみたいな人とかが後ろで聞いてて、
マーク・ザッカーバーグが結局謝らされるみたいなシーンもあって、
結構スキャンダラスなニュースになったんですね。
ただその翌日にメタの株価が急上昇するっていう地獄みたいな流れがあるんですけど、
その数日後に一般公開して論文も出てるんで、
もしかしたらタイミング的には意図があるのか、
深読みしすぎかもしれないですけどね、
ちょっと意図があるのかなっていう記載しますね。
結局SNSの問題点みたいなのっていうのは、
主要な関心でずっとあり続けたと思うんで、
このタイミングでやっぱりそういう既存のSNSの問題、
一応解消しようとするような新しいSNSですよっていうのは、
宣伝したいタイミングなのかもしれないなっていうような気もしますね。
ken
なるほど、そんなことがあったんですね。
僕全然知らなかったですね。
論文を共有してくれた後で、
マーティン先生のブログみたいなのを公読してて、
そこから通知が来てて、
彼も自分のブログの方でこんな論文を出しましたという紹介をしていて、
その後Blue Skyのトップページ、
BSKY.socialの方ですね、
行ってみたら技術顧問で論文も公開しましたみたいなことは書いていて、
なんかBlue Skyチームとしても、
彼が入ってくれてることを推してるんだなっていうのはすごい分かって、
ただマーティン先生を推してマーケティングしても刺さるのって、
多分だいぶ一部の人、
それこそ僕みたいな人ぐらいだと思うんで、
なんかこう、ユーザー数増加には寄与しなそうな感じがしますけど。
Yusei Nishiyama
そうですね、ある意味では逆にターゲット、
割とそういうテクニカルな人とか、
やっぱりそういうのが、言ったら感度が高い人がやっぱりまだターゲットなんだなっていうようなところもちょっと透けて見えてきますね。
ken
そうですよね。
なんか論文に数字は出てましたけど、
2024年の1月時点で3ミリオンのレジスタードユーザーがいるということで、
まあまあ多いけど、多分メタとかと比べると全然少ないよねっていうところですよね、多分。
ちなみに元々は、ゆうせいさんはSNSはどんなものを使ってました?
Yusei Nishiyama
僕は、主要なものはアカウントはあるんですけど、
Twitter、Facebook、Instagramなんかはアカウントがあって、
ただ、やっぱりSNS使いたくないなっていうのは、
やっぱり自分の中でこの数年っていうのはあって、
ちょっとずつ利用を減らしていって、
今だとTwitterもたぶん1日1回見るかな見ないかなぐらいの感じなんですね。
そういうタイミングだったんで、
Twitterオルタナティブみたいなのっていうのもあんまり触手は伸びなくて、
別にスレッツとか、ブルースカイもそうだしマストドンとかも別にそんなに触ってたりはしなくて、
むしろSNSいらないんじゃないかなみたいなのとか、
結構ネガティブな面っていうのの方がやっぱり気になってたんで、
そういう意味ではブルースカイがそういうのを解決しようっていうのは、
ブルースカイの登場とマーティン先生の論文
Yusei Nishiyama
そこは賛成できるんですけど、
そもそもSNSの必要性とはみたいなことを考えてるフェーズではありますね。
ken
それめちゃくちゃ同意ですね。
たぶん僕もほとんど同じような状況で、
幸いはポッドキャストをしてるし、
ポッドキャスト中心の気持ちいいDiscordコミュニティもあるし、
他にグックパッドの元同僚が作ってるような、
Xグックパッドみたいなサーバーとかにもあって、
結構クローズドな場で気持ちよくコミュニケーションできているので、
あんまりスレッドとかマストドも作らなかったし、
ブルースカイも作らなかったんですよね。
僕はミーハーなどでマーティン先生が関わってると聞いた瞬間にアカウント作ったんですけど、
それ以外はフェイスブックもあんまり使ってないしということで、
たぶん大体同じような状況ではあったんですけど、
ここ数年でSNSに対する大人の見方も結構変わってきて、
SNSから距離を置こうっていう人とかも増えてきたんじゃないかなと思う。
一方でSNS以外のサービスにソーシャライジングの機能も付いてきてると思うんですよね。
例えば最近デュオリンゴ始めたんですけど、
フォローフォロイしながらコミュニケーションできたりとか、
ルボロックスみたいなゲームプラットフォームにも、
実質ソーシャルをベースとして他の友達とゲームをするみたいなところもあるし、
単純にソーシャルネットワークって聞いたときの
TikTokとかTwitterとかだけじゃないところでも議論はされていくのかなというのは最近思ってて。
例えばりゅうせーさんも子供がいるし、僕も子供がいるし、
そういった風向きの中で子供にSNS使わせたくないなと思っていても、
Twitterからはやらなくても、
ルボロックスとか他のサービスで似たような話が出てきてしまうのは避けられないなとは思ってたりしますね。
Yusei Nishiyama
子供っていうところで言うと、さっきもちょうど話した感じなんですけど、
やっぱりかなり悪影響があるっていう研究が結構上がってきてますね。
僕は好きなんで、自分の話になりますけど、
ジョナサンハイトっていう社会学者なのかな、政治学者みたいな人がいて、
その人は今、子供の鬱とSNSの関係っていうのを調べてて、
明らかに相関があるみたいな、
特に女の子はSNSに、その人は16歳以下では触れるべきじゃないみたいな主張をずっとしてるんですけど、
でも確かに、そういう一瞬期の大事な時期に、
ソーシャル上のいろんな人格に出会うっていうのは、
普通に考えたら確かに結構、僕らからは想像できないですね。
僕らが15とか6の時っていうのはそういうのはなかったんで、
でも今やっぱりそういうのが直接、
思春期とかそういう若い世代の人たちに直接影響を与えてるっていうところもあるんで、
僕なんかもやっぱり子供とかには、
あんまり早い段階で使ってほしくないし、
使うべきじゃないかなっていうふうに思ってますね。
ken
なるほどね。
そのジョナサンハイトの著作とか、アウトプットは僕全然わかんないんですけど、
彼のアプローチってのはどんなアプローチ?
社会学的なアプローチなんですか?
そういうのも結構、脳科学的なアプローチとかで結構批判するかな。
例えばSNSを使ってるとこういうホルモンが出てみたいな。
Yusei Nishiyama
そういう意味では、かなり社会学的なアプローチだと思います。
その人だと、例えばイギリスでの子供のディプレッションですね。
うつのデータみたいなのをずっと研究してて、
要するに、わりとビヘビアルな感じだと思うんですね。
SNSの問題点とブルースカイの解決策
Yusei Nishiyama
こういう統計がありますと。
たぶんそういう子供とかを、親とかをインタビューして、
そっからその相関とかを見ていくみたいな感じなんで、
わりといろいろ、そういうこともしてるかもしれないですけど、
電極を指してどうのみたいなのっていうよりかは、
わりとデータとかを調べて、
ここに多分相関がありそうだっていうようなタイプのアプローチの人ですね。
ken
なるほど。難しいですよね。
だってティーネイジャーって、そもそも自分のリアルの世界での人格みたいなのを形成してる時期だと思うので、
それが出来上がる前に、バーチャルで別の人格を作り上げていった時に、
どういう影響があるのかっていうのは全く未知ですよね。
どう起こるかわからないというか。
Yusei Nishiyama
そうですよね。特にやっぱり他人が気になる時期だし、
コンプレックスとかもあるし、それこそSNS上でいじめとかがあったり、
さっき話した話の中でもやっぱりSNSが原因で自殺した人とかがいたりとかっていうのもあるんで、
そういう多感な時期に、
そういう他の人の目とか、他の人の考えとかっていうのをガーって直接浴びるっていうのは危険だなっていうのは思いますね。
だからそういう意味では、この論文の、いろいろブルースカイの思想っていうのが出てきますけど、
そこに関しては結構同意できるなっていう気はしますね。
特にモデレーションとか、
オンライン上でのやっぱりハラスメントとか、
そういうものに対して何らかしらの中央集権的でないメカニズムがいるんじゃないかっていうところに関しては、
課題意識はあって然るべきものだなって気がします。
ken
そうですよね。リスナーの方向けに簡単にどんな機能が謳われているかって、
僕もちょっとブルースカイ自体は浅いんですけど、論文を読んだところから理解すると、
モデレーションフィーチャーっていうのを結構しっかり推していって、
コンテンツフィルタリングとか、ミュートとか、あとは嫌なユーザーのブロックとか、
あとはインタラクションゲーティング、あとはテイクダウン、カスタムフィードみたいなのをちゃんと実装していくよっていう中で、
一つ多分推していたのは、そのブルースカイのアプローチとして、
オファーセレクションフィードアルゴリズムということで、
そのフィードのアルゴリズムを自分で選べるようになるよっていうのと、
そのアルゴリズムを作る側も、
Allow anybody to create own feed generatorということで、
BlueSkyの理想とギャップ
ken
どっかの会社が中央市的に作ったサービスでブラックボックスのアルゴリズムが動いてるわけじゃなくて、
プロトコルをオープンに公開することで、
どういったアルゴリズムが動いてるかっていうのをオープンになりかつ、
それをユーザーがセレクティブに動けるよみたいなのを技術的には達成しようとしているというところで、
僕も全く同じで、理想はすごいいいなと思ったんですよね。
ただその理想と現実はやっぱりかけ離れてしまうし、
現実じゃ中央主権的になってないのみたいな議論はあると思うんですけど、
理想としてはすごいやっぱり今の流れも組んでるし、
ネガティブな面を解決しようとしてるなとすごい感じましたね。
Yusei Nishiyama
さっきのブラックボックスっていうところは、
もちろんユーザーから見ると、
Blue Skyであっても結構ブラックボックス的なところは変わらないと思うんですけど、
やっぱりあらゆるサービスに、
今って人工知能的なアプローチがありますし、
何らかしらの形で常にコンテンツが推薦される、
その出どころがわからないっていうのはやっぱり危険だなって思いますし、
同業種のソフトウェアの世界にいる人からすると、
なんとなくこういうことやってるんじゃないかなとか、
強調フィルタリングがどうだとか、
そういうのをなんとなく裸でわかる人はいいと思うんですけど、
全くわからないまま、
なんとなくそれが実際の現実の世界の写しみたいになってると思って、
エコーチェンバーみたいな風になってる人っていうのは結構いると思うんですよね。
やっぱりそれはすごい怖くて、
やっぱり今のTwitterの4Uみたいなフィードとかって、
あれに関しては僕ももうどうなってるのか正直よくわかんないですね。
多分押したりすると、開いたりすると、
それがいっぱい出てくるようになるみたいな感じだと思うんですけど、
もう何を見せられてるんだみたいな状態にすぐなっちゃうんで。
ken
わかるわかる。
Yusei Nishiyama
このカスタムフィードっていうのは結構面白いアプローチだなと思いますね。
それを一応みんなが作れるようにはなってるみたいな。
ken
そうですよね。本当に共感して、
あえて批判的に見ると、
カスタムフィードがうまく使える人ってやっぱり限られちゃうんですよね。
ユウセさんもちらっと触れてましたけど、
アルゴリズム自体を理解できるかどうかも多分、
ちょっと技術を知っているかどうかにもよるし、
13歳の普通の一般的な学校に通っている子どもが
アルゴリズムの裏を知って選択できるかもしれないと思うんですよね。
選択の科学とか選択肢とかについての書かれている本とか読んでみても、
別にたくさんの選択肢を与えすぎると人間って麻痺してしまうと思うんですよね。
逆に結構楽をする上に、
ヒューリスティック経験則とか誰かが選んだそれっぽい選択肢を選ぶことで、
なるべく認知負荷をなくして日々を生きていくっていうのが、
人間の基本的な動き方っていう説明している本もあったりするので、
じゃあフィードが100ありますよ、1000ありますよ、好きなものを選んでください。
はい、どうぞって言われて、
まずサービスとしてそれが機能するのかどうかっていう点と、
その1000、2000あるフィードの中から、
本当に自分にとって害のないフィードを選べるかっていうのがまた別問題になってきて、
じゃあそれを誰かがセレクトしたりモデレートしたり、
レコメンドするようになってくるよねみたいな、
それはじゃあ本当にBlue Skyが目指したかった理想が、
現場レベルでちゃんと機能しているかっていうのはまた別の議論があるなと、
なかなか難しいというか、
僕個人的にはBlue Skyの目指している理想が共感できるからこそ、
現場とのギャップにもどかしさを、
多分彼らも感じているのか分からないですけど、
なかなか難しいよなと思いながら見てましたね。
Yusei Nishiyama
確かに結局フィードを選ばないといけないっていうのは、
まさにその通りですよね。
ただフィードがいいなと思うのは、
コンテンツとユーザーが切り離されるっていうところは、
納得できるかなっていうところがあって、
Twitterとかってこれ多分みんな思うと思うんですけど、
知っている人は、
例えばけんさんが突然、
今日の夕焼けとか写真を例えばあげるとするじゃないですか、
それはけんさん、
今日こんな感じだったんだ、午後はみたいな感じで、
それは面白く感じれるんですけど、
知らない人が別に夕焼けの画像をあげても、
別に見たいと思わないんで、
例えばその有益な情報を時々出してくれるんだけど、
個人としては知らないみたいな人が、
普通に一貫性のない投稿をされると、
なんとなく見る気がなくなってくるっていうところはあって、
それはその人となりようの、
そもそも知ろうとしないみたいなところに問題があるのかもしれないと思いつつ、
でもこの人から聞きたいのはこういうことなんだけどな、
みたいなところとギャップがあったりするケースとかっていうのはあると思うんで、
そういうのが多分嫌だから、
アカウント切り替え、使い分けたりとか、
逆にセルフブランディングのために、
自分の価値に、
資本的な価値にならないところは切り捨ててしまって見せるとか、
そういうことを、
逆にそのネットワークに自分を合わせていくみたいなことをしないといけない人もいるし、
見る側からするといらない情報が混ざるし、
みたいなことで、
多分そこの攻めぎ合いがあるんですけど、
フィードがもしうまく機能すれば、
こういう情報だけ知りたいって思ったときに、
それを取りにいけるのかもしれないっていう、
ちょっとした、そこは使い道が見えるなって気はしますね。
で、もちろんおっしゃってるみたいに、
本当に機能するかはわかんないですけど、
アイディアとしてはやっぱりわかるなっていう気がします。
ken
確かにそのコンテンツとパーソナリティの分離っていうのはすごい良い観点ですね。
僕もその見方はちょっと言語化できてなかったんですけど、
だから自分がツイートするときもそこはすごい意識してて、
本当はなんか食べて美味しかったケーキとか写真とかツイートしたいんですけど、
結構友人もフォローしてるから、
なんか友人との絡み方と、
そのポッドキャストの配信の絡み方全然違うんですよね。
だから今んとこツイッターは、
例えばロンドンテックトークのリスナーと交流するように、
もうそこで注目、注力してやってる一方で、
じゃあその他の友人とどうやって絡んでるかって、
例えばLINEとかDiscordとかクローズドなコミュニティでの使い方になってきて、
だからその他のコンテンツ、
じゃあテックニュースを置いたりとか、
イギリスの転職市場界隈を置いたりとなったときに、
フィードごとに追えるっていうのは確かに一つ解決策かもしれないなと思いましたね。
PDSの役割とネットワークのインデックス化
ken
その一方でフィードを提供する側の会社のことも結構議論してみたいんですけど、
Blue Skyのアーキテクチャを読んで、
理想パターンは多分彼らがどこを目指してるかっていうことなんですけど、
論文の中にちょっとしたアーキテクチャもあって、
まずBlue Skyのツイートと呼ばないか、
いろんなメッセージとかをサーブするサーバーのことを、
パーソナルデータサーバー、PDSみたいな呼び方をしていて、
PDSの役割っていうのは、
上がってきたメッセージを必要なところにインデックシングしたり、
受け渡ししたり、あとはラベリングしたりしてユーザーに見せるよ。
多分彼らが革新的なアプローチだと言っているのが、
PDSはBlueSky.social以外も運営することができて、
いろんなプロトコルは公開しているから、
BlueSky以外の競合というか、他の思想に共鳴してくれると、
ここはPDSを出してくれる。
ユーザーはBlueSky PDSを使わなくてもよくて、
Ultimate PDSも自分で選択して使っていけるようになるみたいなところではあると思うんですね。
これも多分理想として、
一つの中央集権的な会社に、
閉じない、それこそBlueSkyという名前が目指しているような、
開かれたネットワークを作ろうとしているというところに共感した上で、
例えば今日現時点で、
BlueSky以外に大きい競合のPDSがいるかというと、
多分いないと思うんですよね。
マネタイズの観点とかも必ず途中で入ってくると思うんですよ。
例えば今BlueSkyの運営しているインフラのサーバーコスト、
誰がどうやって払っているの。
これが未来英語を誰かが払い続けるということはないので、
どこかでマネタイズを入れなきゃいけない。
それが広告モデルなのか、ユーザーから課金するモデルなのかわからないですけど、
その観点が入ってきたときに、
今のような理想を追求し続けられるのかというのはすごい謎なんですよね。
マネタイズどうなっているか、
以前読まれたブログとかに触れられてたりしました?
Yusei Nishiyama
今のお話の中で結構触れたいところが何点かあるんですけど、
PDSの扱いに関しては、
例えば3-2とかに書いてますけど、
At the time of writing, BlueSky's indexing infrastructure only indexes repositories on PDS instances hosted by BlueSky's social PBC itself.
結局今、ブルースカイが管理していないPDSは、
インデックスの対象になっていないみたいなことも書いてあるじゃないですか。
発想としては、
自分でコンテンツをホストできるようなアーキテクチャーではあるんだけど、
結局ブルースカイ上では見れないみたいな。
結局ブルースカイのPDSを使わないと見れないみたいなことも書いてあるんで、
今後できるようにするみたいなふうには書いてますけど、
なんとなく叫びを、中央集権的なところと文山的なところの叫びみたいなのが、
ちょっと見え隠れしてる部分があるなっていうところと、
お金に関しては僕も本当に最初にお金が一番疑問に思いましたね。
この論文で、このアーキテクチャーの結構、
いくつか多分肝になるところがあると思うんですけど、
PDS自体、このデータ自体ホストするのは簡単だしコストも安いと。
要するにユーザーのデータは、
投稿したものとかフォローしたみたいな情報はPDSに閉じてる。
データの量も少ないみたいな感じだけど、
逆にインデックス側がかなり頑張らないといけないみたいなアーキテクチャーになってるわけですよね。
具体例は書いてありましたけど、
例えばAがBをフォローしたみたいな状況になると、
フォローしたっていう情報が各PDSに溜まるんで、
誰がフォローされてるかみたいな特定の人を、
誰がフォローしてるのかを調べるってなると、
ネットワーク全体のインデックスが必要になりますみたいな作りなんですよね。
ということは、リレーっていう全体をインデックスするようなコンポーネントっていうのは、
結構頑張らないといけないし、
多分コストもかかるだろうなっていう感じで、
結局こういうものをコストをかけてメンテナンスしていくインセンティブは、
ブルースカイにあるのかみたいなところがまず問題になってくると思うんですが、
そこで言うと、これちょっとケンさんのメモにも載ってましたけど、
これは何か、ベネフィットコーポレーションっていう形態なんですね。
普通、エイリー企業なんだけど、
一応会社としては社会貢献しないといけないみたいな、
これ多分日本はこんなんないです。
多分ヨーロッパとアメリカは何か、
多分アメリカの一部の市場とヨーロッパの多分国で何個か聞いたことがありますけど、
結局、要は株価、会社のバリューエーションだけじゃなくて、
BlueSkyのマネタイズの問題
Yusei Nishiyama
社会的なベネフィットっていうのを会社が追求するっていう前提で、
ただエイリー企業なんだけど、そういう部分も同時に持ち合わせてるみたいな会社形態なんですよね。
これがどれぐらい強制力があるのかっていうのは、僕はやっぱり全然わかんなくて、
そういういい感じに聞こえるけど果たして実際っていうところもありますし、
お金はやっぱり稼がないといけないんで、
ただ理屈としては、結局その企業の経営層が、
例えば会社のバリューエーションにつながらないような選択をしたときとかに、
要するにやめさせられるリスクっていうのは結構高いわけですよね。
そういうところを多分法律上で、何らかの形でそういうリスクを下げるみたいなことができるんじゃないかなっていう理解ですね。
要するに短期的な利益とかに振らなくても会社が存続できるような法律ではないですけど、
会社のDNAみたいな感じですよね。そこを変えられないように何らかの形でなっていて、
公共のベネフィットを追求するようなインセンティブが何らかの形で組み込まれるような会社の形態なんだろうなっていうところはあるので、
それが効くのであれば、こういう高コストなインフラを運用するインセンティブもあるのかなと思いつつ、
お金はやっぱり稼がないといけないので、結局本当はどうやってやるのかなっていうのは気になりますね。
でもこの会社形態、僕は全然勉強してないんでわかんないですけど、最近のオープンAIとかのやつもそうです。
オープンAIは多分非営利の団体に営利団体がいっぱい引っ付いてるみたいなやつで、
なんか今色マスクを訴えてるみたいなのもその辺とのちょっと絡みがあるみたいですけど、
結局会社のDNAみたいなのが最初に決めれるんだけど、そこに多分解釈の仕様もあるし、
結局途中で利益を追求せざるを得なくなったりして、
ken
そうですかね。
Yusei Nishiyama
歪みが出てくるみたいなことは十分にあり得るよなっていう気がするので、
このブルース会がずっとお金を出して理想のSNSを作るためだけに頑張るっていうことは無理だろうなって気はしますね。
ken
いやー、そうですよね。だから本当に広い話で言うと、そのベネフィッツコーポレーションがこの資本主義社会の中で機能していくかみたいな壮大なチャレンジでもあるかもしれないですよね。
例えば、なんていうんですか、まあそもそもじゃあ今プライベートカンパニーでやってますけど、
どういった会社から資金調達してくるかによって、その資金調達した側の意図って必ず入ってくるでしょうし、
それこそじゃあするのかわかんないですけど、株式公開みたいな感じでしたら必ずその一般世間のお金を稼いでほしい、
ストックプライスを上げてほしいっていうインセンティブが強烈に働いてくるでしょうから、
そうするとじゃあどれぐらい赤字を垂れ流しているかとか、どうやってお金を巻き上げるかみたいな観点で絶対入ってくるので、
そうなってきたときにこの理想を追求し続けられるのかっていうのはかなり難しい問題。
だからこそ熱がある人たちにチャレンジし続けてほしいっていうのはもちろんあるんですけどね、
誰かが辞めちゃうとそういうのなくなってしまうので、難しいからこそ応援したい気持ちはすごい出てくるんですよね。
さっきも言ってましたけど、このコンポーネントがリレーっていう、
多分実際にやるとしたらストリーミングデータベースとか使ってくるんですかね、
ファイアフォースとか言ってますけど、リレーとあとはプレゼンテーションレイヤーのアップビューみたいなのが出てきましたけど、
BlueSky以外がじゃあこれを作ってマネタイズすること前提で作らないと、
普通に作った日からインフラ日がどんどんどんどん垂れ流しになってくると思うんですよね。
多分普段文さんDB触ってる、ゆうせいさんも僕もイメージつくと思うんですけど、
これは1、ホビーストプログラマーが週末サードパーティーのフリープランでちょっと作ってみるみたいな、
なかなかできないレベルだと思うんですよね。
最初からスケールを考えてデザインしてプラニングしてみたいなのをやらなきゃいけないと思うんで、
思いがある人が週末作ったら多分一瞬でクラウド破産するレベルだから、
もしくは普通にリミットかけちゃうと機能しないレベルになるからなので、
これやっぱり論文を公開しただけでは、
ついどこまでユーザーがソーシャルブルースカー以外のプレイヤーが入ってくるかというのはなかなか難しいかなと思ってますね。
これ多分結構論文の最後の方でも確か言ってたと思うんですけど、
これを公開することで他のアカデミアの人とか興味がある人が、
ブルースカイ上のデータを使って研究したりとか、
そんなユーザーが参入してくれることによってオープンネスを広げたみたいな、
TCCの思いみたいなのが入っていたと思うんですけど、
多分一本の論文を出しただけじゃなかなかハードルが高いなと思いますね。
Yusei Nishiyama
そうですね。今だとブルースカイありきのアットプロトコルっていう感じがしますね。
アットプロトコル自体の多分その射程は結構広くて、
もちろんさっきおっしゃってたみたいに、
誰かがもちろんその例えばブルースカイの方向性に疑問を持って、
例えば誰かがインフラを作れば、
もちろんこのアットプロトコル上で別のサービスを作ることもできるし、
多分なんならマイクロブロギング以外にも、
マイクロブロギングって多分Twitterみたいな、
例えば数百文字の投稿するだけのサービスじゃなくて、
多分もっと長文を書いたりするようなサービスもこの上に作れるみたいなことも書いてあるんで、
このプロトコル自体は多分そういう価値中立的なものを多分作ったんでしょうけど、
それを実際運用するってなると、
それなりの馬力があるところではないとできないようなっていうところですよね。
多分お互いそういうとこに落ち着いた気がしますね。
ken
プロトコルは美しいなと思うんですよね。
コンポーネントの話もあったときにすごい上手いなと思ったのが、
オピニオネイティッドのサービスとアンオピニオネイティッドのサービスを分けるみたいな言い方をしていて、
ちょっとさっきリレーとかアップビューも出てきたんですけど、
改めて言うとコンポーネントは大まかに言うと多分4つかな。
リレーとアップビューとラベラーとフィードジェネレーターみたいなのがあって、
リレーっていうのがとりあえずイベント受け取ってファイアフォースみたいな機能をして、
その後プレゼンテーションへのアップビューが入ってくるんだけど、
この2つはアンオピニオネイティッドのサービス、
本当にどんなデータが入ってこようがフィルターもしないしブロックもしないし、
とりあえずちゃんとインデックシングするというか、
ちゃんとデータを流していくっていうところに特化している。
でも論文でも言われてますけど、
とはいえやっぱりソーシャルネットワークを作る以上、
オピニオネイティッドのジャッジメント入らざるを得ないし、
そこがいわゆる面白いところでもあるから、
それはラベラーとフィードジェネレーターというところで、
このイベント、このメッセージはどういうラベリングなんだろうね。
例えばアジア系の人が言っているとか政治の話をしているテック系ニュースみたいなラベリングをして、
それらをもとにどういう見せ方をするかというフィードジェネレーターというコンポーネント。
このラベラーとフィードジェネレーターはいわゆるコンテンツフィルタリングと
ラベラーとフィードジェネレーター
ken
キュレーションするオピニオネイティッドなコンポーネントですよ。
いわゆる2つの分け方をしていて、
そこは綺麗なプロトコルとしてはすごく美しいなと思っていましたね。
だからさっきの話に戻っちゃいますけど、
それをとはいえ現実世界ってそんなに美しいものじゃないので、
そことのギャップを誰がどう埋めていくかというのは、
技術的なイノベーションだけで解決できるかというのはなかなか難しいなという、
理想が綺麗だからこそ難しさがどんどん増してくるなという感じはしますね。
ユイセンさんすごい面白いこと言っていて僕も同意なんですけど、
分散型のプロトコルの上に中央集権的なサービスを作っているように見えてしまうというのは、
これ多分Web3とかの方でも似たような議論になっているところもあると思っていて、
分散型ネットワークを作るみたいな初期のいわゆる盛り上げている人たちとか、
技術力のある人たちの理想っていうのは、
どっかの中央集権的なサービスに依存しないネットワークを作る。
でも現実問題それを運用していったり、ユーザー層を広げていったり、
マーケティングしていくってなると必ずどこかの体力がある会社に依存しざるを得なくなって、
それが実際中央集権的な企業とか団体になってしまうと。
そこのギャップってプロトコルが分散されているからだけじゃ到底達成できない理想なんだなっていうのは、
形を変えて語られているというか繰り返されている歴史でもあるかなと思っていて、
そこはなかなか人類まだ答えを出していないところなんじゃないかなと思っていますね。
Yusei Nishiyama
そうですね。どこにお金が行くかで結局やることも決まってしまうので、
金が物を言うということでしかないのかもしれないですけど、
結局それは常にどんな形であれ舞い戻ってくる問題だなという感じがしますよね。
これなんかさっきちょうどラベラーの話が出たんで、
いまいちこれっぽくピンとこなかったのが、
フィードとラベルっていうのはこれは別なんですね。
フィードをサブスクライブすることもできるけど、
ラベルをサブスクライブするのはこともできるみたいな感じなんですかね。
ken
わかんないですけど、僕は違う理解、違うのという理解してて、
例えば僕が夕焼けの写真をメッセージポストしましたと、
それをリレーとかアップビューはコンテンツフィルタリングせずに流していきます。
ラベラーが来たときに、僕のメッセージにいろんなラベルを付けると思っています。
例えば夕焼けっていうラベルとか、
あとはロンドンっていうラベルとか、
あとは晴れっていうラベルとか、写真っていうラベルとか、
あとは謙和が妻でもいいし、
あとはアジア人男性みたいなラベルがまず付く。
でもラベルが付くだけ。
フィードジェネレーターっていうのもたぶんいっぱいいて、
写真を限定でまとめてキュレーションしていくフィードジェネレーターもあるし、
アジア人男性がやっていったようなフィードジェネレーターもあるし、
ユーザーが例えばその写真のフィードをフォローしてると、
プロトコルと現実世界
ken
その写真としてラベリングされたのでそこのフィードに出てくるし、
他のフィードジェネレーターをフォローしてるとそこに出てくるし、
だからそのメッセージに対してどんなラベリングをするかっていうのは、
どうしてもオピニオンエディットのジャッジメントになりますけど、
たぶんラベラーはラベルを付けるだけ。
フィードジェネレーターがそれをどうキュレーションするかというのは、
それはまた別の話な気がしています。
Yusei Nishiyama
僕もなんかそれが自然かなと思って、
そういうふうに読むべきなのかなと思ったんですけど、
図を見るとこのラベルからフィードへの線がないじゃないですか、
このラベルとフィードは別方向に伸びていて、
ラベルはその先アップビューの方に入ってるんですよね。
僕もなんかフィードに行く方が自然かなと思ってたんですが、
確かに。
この図でいうとなんかそうなってないんで、
このラベルは果たして一体どこでどういうふうに使われるんだろうっていうのは、
あんまり釈然としてない状態のまま、
今日の収録に挑んでます。
ken
確かにその通りです。
僕もアーキテクチャ図をこのまま詳細に見て、
これを真とするなら、
ラベラーとフィードジェネレーターはなんか線がない並列に動いてるような感じがしますね。
これどうなってるんですかね。
Yusei Nishiyama
オシャレだみたいなユースケースの方が自然だなと思うんですよね。
フィードジェネレーター側で夕焼けだけ出すやつがスッと作れるから、
それが自然かなと思うんですけどね。
ken
これちょっと実装によるのかもしれない。
コードを見てみないとわからないですね。
ラベラーとフィードジェネレーターの3.4で書いてますけど、
ちょろっとしか書いてないですよね。
文字数的に多分3,4センテンスぐらいしかないんで、
これはちょっと僕が間違ったことを言ってる可能性が大いにありますね。
実装を見てみないと。
Yusei Nishiyama
そうですね。
今のところUI上からもあんまりむちゃくちゃ使い始めたばっかりのユーザーなので、
何も参考にはならないですが、
パッと見、ここに使われてるみたいなのがパッとわかるような感じではないんですよね。
ken
僕もこれユーザー目線ですけど、
結局どのフィードをフォローしようかまだ迷ってます。
なんかスルーと眺めてて、アートとかキャットピクチャーとか。
なんかキャットピクチャーと、
このブルースカイのユーザー層を表してるような。
猫の写真みんな好きですけどね。
ポリティカルサイエンスとか、ゲームデブとか。
興味がないわけじゃないけど、
どれをフォローしようかちょっとまだ迷ってる感じですね。
Yusei Nishiyama
そうなんですよ。僕もだからちょっと興味があって使い始めたんですが、
この辺で何か打ってなって、
結局ちゃんと頑張らず姉妹で放置して終わったっていうところなんで、
結構あれですよね。最初の学習コストっていうか、
考え方はわかっても、
それを何か最適化すぐにできる感じはしないんで、
結構ハードル高いですよね。
ken
フィードも似たようなのも結構あると思うんですよね。
ニュースをキュレーションしましたっていうだけでも多分何百とあって、
じゃあどのキュレーターがいいのかってなってくると、
多分違うところのシグナルで判断するしかないんですよ。
例えば、もともと追ってるニュースキャスターがキュレートして、
彼のことは信じてるから彼のフィードをフォローしようとか、
BBC見てるからBBCの中の人がキュレートしたやつをフォローしようというか、
そこでもともと自分が好きな人とか好きな団体とか好きなオピニオンを持った人の
ものだけをフォローすると、
結局もともと持ってた思想がただ強化されていくだけだと思うんですよね。
その人たちがキュレートした情報なので、
例えばその人たちが信じているものに対して批判的なニュースとかは
キュレートしていかないと思うんですよ。
だからそれもでもそこまで批判的な価値観を持って
毎日ニュース見てますかというと、
見てない人が多分僕を含めほとんどだと思うので、
オープンで開かれてはいるものの、
なかなかフィードをセレクタブルにしたからといって、
すぐやってくる未来ではないなというのは思いますね。
Yusei Nishiyama
結局そこで誰がまとめている、
さっき個人とコンテンツの切り離しみたいな話をチラッとしましたけど、
結局まとめるキュレーションになっても、
誰がまとめているかみたいなのとかっていうのは、
結構重要な情報にはやっぱりなっていきますよね。
僕もこうやってフィードを眺めて、
別にこれをわざわざ選ぶ理由がないんだよな、
みたいな感じにどうしてもなってしまうんですよね。
だからここ、これがいいんだよっていうシグナルを
自分で見つけないといけないけど、
別に実はそれを自分では持ってないっていうことに気づかされますね。
でもこのフィードって、
結局一応誰が作ったかっていうのは見れますよね。
ken
アカウントとか、フィードバイ誰々って書いてますね。
Yusei Nishiyama
どっかに書いてありましたけど、
フィード自体も、だからこのDID、
そのアイデンティティ、
うちのアイデンティティと紐づいてるということなんで、
一応どのユーザーがどのフィードを作ってるかみたいな情報自体はあるっていうことですね。
ken
そうですね。
DIDとDNS
ken
DIDのキーワードが出たんで簡単に触れていくと、
これ自体は多分マストドンとかと比べつつ、
ブルースカイの良さであるよっていうDIDの話も出てて、
これは多分オープンネスとはそこまで紐づいてる考え方かわからないですけど、
これ自体は賢いなと思ってて、
僕の理解だとマストドンはサーバーごとに分離されてしまって、
例えばサーバーを移管するハードルがめちゃくちゃ高い。
基本的にはユーザー名、ハンドル名にサーバーが付いちゃうので、
基本的に別アカウントとして作るか、
同じデータというか人格を持ったまま他のサーバーに移管するポータビリティがない。
一方、ブルースカイはDID、ディセントラライズドIDというものを導入していて、
これがあることによってBDS間を簡単に移動できるようになるよね。
例えば将来ブルースカイに対抗するような大きいBDSが出て、
ブルースカイの思想に嫌だから自分が置いたBDSに移管したいとなったときに、
DIDを、ディセントラライズドIDを変えないで移管できる。
それの実現方法としては、
ドメインを使ってる、DNSドメインを使ってるというのが僕の理解で、
DNSドメインというのは別のところで、
その人が持ってるよねっていう1位の情報として保証できますよね。
特にこれは会社とかにとってもいいと思うんですよね。
例えばTwitterで、今だとバリファイドユーザーというバッジを付けるためには、
お金払えば誰でもバッジを付けられちゃう。
一方で、このDIDの仕組みだと、
そのドメインを持っていないと本人だということが保証できないよね。
例えばとある会社がニュースサイト、
BBC.comでもいいですけどが、
自分たちのオフィシャルサイトを作るときに、
フェイクアカウントをみんな作ったとしても、
そのBBC.comのドメインを使ってテキスト、レコードを作って、
ボタンポチッとしてバリフィケーションするだけなんですけど、
それでここのアカウントが、
本物のBBCの中の人がやってるってことがバリフィケーションできるので、
そこは仕組みとしては賢いなと思いましたね、DID。
そうですね。
Yusei Nishiyama
早速使ってみましたけど。
このDNSのところは、結構肝だなっていう感じはしますね。
僕もこれ読んで、
要するにそのDIDに関しては一時なドキュメントがあって、
要はこのDNSが紐づいてるだけなんで、
これ自体はサクッと変えるみたいな形だということで、
僕もBlueSky Appではないドメイン、
自分のドメインを引っ付けてみたんですが、
簡単にできましたね。
テキストレコードを作って、
このアプリ上から認証すれば、
サクッと自分のドメインを変えることができたんで、
これは本当にそういう風に作られてるんだなっていうのが、
サクッと分かるようになってましたね。
ken
それは賢いですね。
Yusei Nishiyama
ただ結局、
要はverification equal DNSっていうことなんで、
フィッシング詐欺みたいなのが、
結局すでにあるわけじゃないですか。
そういう意味では、
そういう同じリスクがあるというか、
それっぽいアカウント面を作って、
人を騙せるみたいなこともあるんで、
そこを外に丸投げしてしまって、
DNS自体のリスクみたいなのを、
そのまま守ってきてしまうみたいな、
考え方もできますよね。
ken
そうですね。
それっぽいDNSレコードを作って、
フェイクな詐欺メッセージを出すというのは、
データの管理
ken
今まだにこう、
なんだろう、
よく来るし、僕も、
SMSメッセージとか、
例えば、
こっちのUKのTaxのやつかな、
HMRCって言うんですけど、
HMRC-official.comみたいなのが来られたとき、
これは本当にオフィシャルかなって思っちゃいます。
今だに。
嘘なんですけどね。
Yusei Nishiyama
日本の公共のサービスのURLとかって、
言って悪いですけど、
素人が考えたのかみたいなやつとかがあって、
ken
ローマ字読みとかね。
Yusei Nishiyama
本物なんだけど、
嘘っぽいみたいなやつとかもありますからね。
ken
わかる。
確かに。
英語じゃない言語でドメイン取ってたりするとね、
確かにこれはスパムかなって、
ご判定するようなプロセスも出てくるでしょうしね。
なかなか、
ちょっとこう、
論文を出て読んだときには、
胸が躍る熱い論文だったんですけど、
実際にアカウント作ってみて、
現実と照らし合わせて、
なかなか難しいなと思って、
今ですね。
引き続き応援はしていきたい。
SNS難しいな。
Yusei Nishiyama
そうですね。
データを自分が所有できるみたいな、
PDSは要するに自分で運用できる、
みたいなことなんで、
自分のデータが、
自分で管理できるみたいなのは、
悪くないなっていう率直な感想はありますね。
ken
結構、
Yusei Nishiyama
要はブログサイトとかって、
できては消え、できては消え、
していくじゃないですか。
今だと日本語圏だとノートとか、
そういうのを使ってる人が多いですけど、
結局、
そのデータがいつかはなくなってしまうリスクとか、
データをどういうふうに人が利用するか、
分かんないみたいなリスクとかもありますし、
そういう意味で自分とかは、
書き物に関しては、
人が見ようが見まいが、
自分のローカルに移して、
それをブログとしてホストしたりはしますけど、
基本的には自分の管理下にあるデータに、
特に日記みたいなものとかっていうのは、
10年後とか20年後に見直すこと自体に、
意味があったりするようなデータとかもあるじゃないですか。
そういうものが他人の管理下にあるっていうのは、
なんというかあんまり信頼できないなっていうところはあるんで、
データをやっぱり自分の管理下における、
もちろんさっきも話したみたいに、
現実そういうふうに作られてるかっていうと、
ちょっと怪しいんですが、
そういうことができるようなプロトコルだっていうのは、
これも評価はできるというところですね。
ken
それ全く同じですね。
僕もなので今までキータで書いたり、
ハテナで書いたりノートで書いたりしましたけど、
同じ理由で僕も自分のけんわがちゃん.com配下にやってますね。
例えば移行したいってなったときに、
そもそも自分が書いた過去の記事をエクスポートしてくれないサービスもあったりするし、
リスクと問題
ken
ノート.comとかってこれは理解はできるんですけど、
例えば有料記事を売るっていう動線があるじゃないですか。
なので物理削除ができないんですよね。
ノート.comで無料記事もそうで出して削除すると、
リンクを知ってると誰でも常に見れる状態になってしまうんですよね。
それはビジネスモデルを考えたときに完全に同意した上で、
とはいえ自分の書いた記事なのにコントロールできないっていう気持ち悪さはあって、
それでも完全にノート.comもやめてしまって。
もちろん買ってくれた人が読めるっていうのは読めるべきだと思う一方で、
例えば無料記事でも物理削除できないっていうのは、
書いたものを消すことの悪さもあると思うんで、
そこはそこで認めつつも、
感じたのは自分の記事なのに自分の記事じゃないみたいな、
そこの気持ち悪さっていうのがすごいありますね。
Yusei Nishiyama
そうですね。初めて知りました。
ポリシー自体が変わったりするリスクとかっていうのももちろんありますし、
本当にエクスポートできるのかどうかみたいなところがわからないっていうのも、
本当に不安要素の一つでありますよね。
ken
昔はてのつかつかエクスポートはできるんですけど、
形式がちょっと扱いプログラマブルじゃない、扱いづらい方法だったりとかして、
この考え方って実はマーティン先生も昔から、
昔と言っても2018年、19年ぐらいだと思うんですけど、
ローカルファーストソフトウェアという言い方で、
ブログとかいろんなところで提唱してた考え方だったんですよね。
ローカルファーストソフトウェアでGoogleって出てくるんですけど、
マーティン先生とかそれを提唱してる人たちが、
インクスイッチドットコムみたいなところに生命というか考え方をやっていて、
自分のデータなんか自分でオープンできるっていうのが基本だよね。
例えばクラウドアプリが広まってきて、
ブログやSNSの盛り上がり
ken
自分のデータをいろんなクラウドアプリ上に保存できるようになってきたけれども、
いざとなったときに自分が使いたいようにオーナーシップを持ってないっていうのはおかしいということで、
多分当時からこういうことをマーティン先生とか連名の声明ですけど、
当時からこういうことを考えてたんだろうなって思ってますね。
その後多分マーティン先生の追ってると、
分散データ構造としてCRDTっていうConflict Free Replicated Data Structureかな、
タイプかなっていうのを研究されてたようで、
なんでCRDTの勉強してんのかなと思ったら、
実はこういうローカルファーストソフトウェアの思想があり、
Blue Skyにも携わってということで、
僕としては点と点が紐づいて、
彼はこういう思想を持ってこういう研究をしていたんだなということが繋がったんですけど、
これはちょっと先が気になる。
マーティン先生はもともとLinkedInの人なんで、
SNS業界に至っちゃいた人なので、
もしかしたら当時からいろいろ思いがあったのかもしれないですね。
Yusei Nishiyama
LinkedInにいらっしゃったんですね。
ずっと研究、大学とかそういうとこにずっといた人なのかなと思ってたんですけど。
ken
ソフトウェアエンジニアなんですよ。
LinkedInの頃にストリーミングデータベースの開発に結構がっつり関わって、
途中でアカデミに転校した方なんで、
マーティン先生の研究
ken
キャリアパス的にもかっこいいなと思って見ていたんですけど、
なかなか答えの見えない問いを投げかけて終わるような収録になりつつありますが、
でもこれは難しいトピックなんで、また定期的に話していきたいですね。
やっぱりユウセさんはエンジニアでありつつも、
社会学の観点とか哲学の観点があるので、
技術を使って終わりじゃなくて、
これをどう使っていくのかみたいな観点でコメントくれるので、
普通に話しててめちゃくちゃ楽しいんで、
SNS回は定期的にやっていきたいかもしれない。
Yusei Nishiyama
楽しかったです。
ken
言い残したことないですか?
いっぱいあるかもしれないですけど。
そうですね。
Yusei Nishiyama
キリはいいかなと思いつつも、
いろいろなことを思いますよね。
すごいいろんなことを考えさせられる内容で、
これを聞いていらっしゃる皆さんも、
すごいテクニカルな内容ではないですよね。
どちらかっていうと、思想がはっきり書いてある。
なんでこういう風にしてるかみたいなところがしっかり書いてある。
もちろんそっちの方が主眼なのかなっていう感じの論文だと思いますし、
そういう今、SNSがいろいろ乱立してる中で、
このブルースカイ自体のポジショニングっていうのを
すごい明らかにしてる文章だと思うんで、
これを聞いていらっしゃる皆さんも興味があれば、
読んでおすすめできますし、
皆さんで一緒に考えていきたいような内容ですね。
ken
本当にその通りですね。
答えがないからこそこうやって一緒に考えていける人がいるっていうのは、
すごい個人的にもありがたいですし、
ゆうせいさんと僕はお互い父親でもあるので、
今日簡単に振りましたけど、
教育観点でもSNSどうなんだろうねとか、
そういった議論も引き続き、
同じ思いがある方々としていきたいなと思ってます。
Yusei Nishiyama
やっぱなんかテック系の人間なんで、
どうしても普通のって言うと変ですけど、
そういうわざわざこういうところに学習コストを払いたくない人っていうのもたくさんいると思うので、
子供っていう観点を持てばその辺が見えてくるんですけど、
自分だけがユーザーだと思うと、
少々めんどくさくても使えるような気がするし、
僕なんかでも逆にマストドンとかは、
これはちょっと難しすぎるだろうみたいなところは思ったりとかもしたんで、
このブルースカイに関してはやっぱりその分散型のものを、
普通の人も使えるように頑張ったぞっていうのが大まかなところですよね。
一番大枠はやっぱりそこなのかなっていう気がするので、
その間で見えてくる歪みみたいなのを多分僕たちがなんとなく感じて、
実際そんなうまくいけますかねみたいな気持ちにもなるような内容でしたね。
ken
本当にその通り。教科しかない。
ところでオッペンハイマーの映画見ました?
Yusei Nishiyama
いや見てないんですよ。なんか逆に怖いっていうか、
日本人的にはいろいろこう思うところがあるような内容っていうのを、
そういう描かれ方っていうのをいろいろネットで批判を見たりしたんで、
ken
なんとなく怖くて見てないんです。
多分僕らも形を変えてオッペンハイマー的な立ち位置になる可能性もあるなと思っていて、
例えばそのSNSを作ることで、
ティーネイジャーが自殺してしまう世界観が作られてしまうのであれば、
作る側としてどういう倫理感を持って、どういう哲学を持って作っていくかっていうのも、
エンジニアに求められるなっていうのが僕の考え方ではあるので、
ちょっとそこら辺一緒に考えていきましょうということで。
今日は長々と1時間ぐらいあっという間に経ってしまいましたね。
本当に難しいトピックだからこそ一緒に議論できる人がいるのは、
僕は個人的にすごいありがたいですし、
引き続きまた形を変えて難しいトピックに、
ゆうせいさんと他の方々と議論していきたいなと思います。
今日はゆうせいさんありがとうございました。
Yusei Nishiyama
ありがとうございました。
01:02:20

コメント

スクロール