今月のゲストはヴァイオリニスト、作曲家、そして画家という多彩な顔を持つ葉加瀬太郎さん。
前編では、なぜ彼はいつまでも中学生のままでいたいと語るのか、そのユニークな人生観に迫ります。
秒速の変身やスケジュールをあえて知らない仕事術。
クラシック少年がパンクと出会った衝撃の原点。
そして音楽と絵画の創作活動に見出す決定的な違いまで、
根底に流れる人生哲学を紐解きます。
キーワードは、越境。
さあ、今日はですね、葉加瀬太郎さんをお迎えしています。
葉加さん、よろしくお願いします。
どうぞよろしくお願いします。
インタビューは20年やってきましたけど、今までこれほど緊張したことがなくてですね。
なんでかなと思うと、もちろん、葉加さんにお話を伺えるのもなんですけど、
インタビュー、これからしたい方に先にインタビューされるというかですね。
先にJWの番組を読んでいただいて。
そういうケースが今までないので、ちょっとものすごい緊張してるんですが、
早速、今日お手柔らかにおしゃべりのようにいきたいと思うんですけど。
でも、JWで、僕はそれまでは知らなかった。
あの番組はずいぶん長い間やってるんだけど。
それで、来たゲストの中で、あの番組を通じて出会いじゃないですか、ある意味。
面白い男だなと思って。
何も出てこないから大丈夫ですか?
別に期待してないからいいけど。
それで、何だろうね、その後ちょっとやり取りしてた。
それで、面白い男だなと思ってたんで。
話を聞いてもらえるということで、僕もとても楽しみに。
でも、一番驚いたのが、博士さんのまめさとスピードに驚いて。
何がですか?
JWの番組が終わった後に、ライン交換しようって言ってくださって。
その後にやり取りとかしてた時に、ちょうど博士さんの音楽祭とかも色々あって、めちゃくちゃ忙しい時だったと思うんですけど。
九州とかでやってた時とか、その終わった後にお疲れ様でしたみたいなのを送ったのに、すぐ帰ってきて、寝てたり休みますか?
もちろん寝ますし、休みますけど。
スマホ持ってる時にライン来たやつは、もちろんすぐチェックするじゃないですか。
それで、すぐ返した方が楽で忘れないじゃない?
レスは早いと思うよ。病だよね。
でも、実際こうやってずっと業界で色んな人と仕事してるけど、こうやって変な言い方だけど、仕事できる奴はみんな早い。
早いっすよね。
病で帰ってくる、みんな。
結局、例えば読むんじゃない?どんな用事であろうと。
でも、ああいいやと思ってて忘れちゃうこともあるしね。
だから一つ一つ、逆に僕は、これは自分の信念としてだけど、
日々のスケジュールを詳しく知らないようにしてるんですよ。
もっと言うと、1ヶ月後何をしてるかとかは、漠然とは分かっていても、
スケジュール帳を毎日眺めるっていうのがすごく、自分にとっては無駄だなと思った時期があって、
それから辞めてるの。もう辞めて10年ぐらい経ってるんだけど。
それやるとすごい気になって、もう即色々やっちゃうかなとかですか?
てかやっぱり、マネージャーもいて、
管理してもらえるものは管理してもらった方が、
頭の中が整理しやすいっていうか、
局角にしてもそのこと考えてればいいんで。
でもそれがいくつも宿題があるとか、
全部抱えながらそれぞれの締め切りだとか、
気にしてると発想の自由さがなくなっていくからね、当然ながら。
情報量がなるだけ少ない方がいい。
そんな博士さんにLINEして即返事してもらうとかなり恐縮なんですけど、
あれ、AI博士太郎とかじゃないですよね。
すごい速さで回答。
でもそれはね、先輩たちのそういう人たちに憧れて、
気をつけてることはところがあると思います。
本当は昨日ね、リマインドさせていただこうと思ったんですけど、
お忙しいんでそのリマインドも失礼かなと思ったら、逆にリマインド、
明日よろしくねって入ってきた。本当に恐縮しちゃったんですけど。
たまたま田中くんから明日こういう時間ですよっていうのが、
明日のことだけ教えてくれるんで。
ああそうか、明日早く会うんだなと思って、
ああだったら一言入れとこうかなと。
今、博士さん、ロンドンはご自宅もありますよね。
最近というか何年か前に増築されて3階も作ったというわけで。
その家はね、3階まで作った家もあったんですけど、
その家は実は借りてた家だったんだよ。
でもそこのほんとすぐ近くにまた新しい同じような家を買って、今はそこに住んでる。
そこも3階だったけどね。
今って、ちょっと差し支えなきゃいけないんですけど、
僕の中では博士たちはやっぱりロンドンに長くて、
ロンドンがベースでなのかなと。
ただその後コロナとかあったから、今はどうなんだろうね。
2007年にロンドンでの生活を始めて、
その時はまだ40出前だったと思うんですよね。
そんな感じでしょ?40歳ぐらいの時だと思うんですけど。
そこからは行ったり来たりで、
割と頻繁に行き来していたのが10年ぐらい続いたんじゃないですかね。
その後は日本の仕事がどんどん忙しくなっていって、
それを断りづらくなって、
今は1年間で、多くて2回帰るぐらいですから。
今年なんかは1回でおしまい。
この間までちょっといたんですけど、3週間ぐらい。
それを1ヶ月ぐらいを1年のうちのオフととってるって感じですね。
現時点ではイギリスに帰った時はコンサートもしないし、
本当に夏休みみたいな感じかな。
あとは冬に帰る時が、帰れたら帰るという感じです。
今回改めてお話を伺うに至って、
20年ぐらい前のインタビュー記事とかを見てきたんですけど、
掲示じゃないんですけど、その時からおっしゃってることが
やっぱり年間100日かもうちょいかな、いわゆるツアーというか、
ほとんど飛んでるみたいな感じなんですけど、それは変わってない?
変われないんですよね。
別に講演回数が増えたり減ったりするってのはそれほどなんだろうけど、
要するに毎年ルーティンって言い方変だけど、
同じように組んでいくっていうのがやっぱり、
それってやらせていただけてるっていうことですけど、
それが例えば去年のコンサートだったら、
去年のコンサートが終わる前にも
次の年のプランが全部立てなきゃならない。
ちょっと減らしましょうなんていう機会がなくなる。
タイミングがなくなる。
組んであるみたいな。
組んである。もちろん、来年どうしましょうねって言われるんですけど、
事前に。やってる時っていうのは、ツアーとかやってる時って
かなり体力的にも精神的にも辛くなってくる時もあるんで、
はーもう疲れたよ、来年は少し休みたいなーなんて、
じゃあそうしましょうかーみたいな話をするんですけど、
じゃあちょっと来年こんな風なスケジュール組んでみたんですけど、
これが通常通りのものとして、
それから今度少し減らしたものと2つABパターン出すとしましょうなんて。
Aパターンでいくと、スタッフを含めみんなハッピーですと。
こっちはちょっと減ってくるんで、
今後のことを考えたらこういう年があってもいいんじゃないですかなんて。
足されるとするじゃん。
僕は次の質問としては、
通常通り、例えば秋の4ヶ月のツアーで50本ぐらい切るとして、
懸売とかは心配ないですか?それはきっと大丈夫だと思いますよ。
じゃあやるか。っていつも言っちゃうんだよね。
そこが、そこが。
マネージャーのこと笑ってますけどね。
じゃあやるか。みんなのこともあるしなーっていうのが本心ですね。
正直ここ数年というか、ここ10年ぐらいは、
もちろん自分のやりたいことをやっているのは間違いないんですが、
やっぱり気にするのは、
屋台本来と申しますか、
僕のチーム、みんなのことを考えるというか。
そうすると縮小をしてられないなっていうのはあるんじゃないですかね。
やっぱり博士さんの中でも今日もいろんな顔が、
プロデューサー、音楽家、もちろん画家、その他も含めていろんな顔があると思うんですけど、
個人としての博士太郎はもちろんいるんだけど、
一歩引いてプロデューサーとしてというか、
その全体としての博士太郎みたいなものもあるっていうことです。
親方ですよ、だから。
博士太郎っていう名前でコンサートしてますけど、
一人で絶対できないですし。
みんなが僕の看板の下でチームワークで動いているものなので、
看板を背負っている親方はいつも旗を振ってなきゃならないんじゃないかっていうのが変わらず思っていることだと思います。
なるほど、ありがとうございます。
今日そんな中で、一応テーマを越境ということで、
やっぱり博士さん、ジャンルっていう意味ではクラシック、ポップス、民族音楽って定義が合ってるか分かりませんけど、
音楽のジャンルもそうですし、役割っていう意味でもバイオリンス作曲家、プロデューサー、
もっと言うとそこを越えて、画家とか会社、レーベル、ラッツとかもあったりとか、
もう本当にとらわれないなっていう感じで、そういう意味で教会を越えるっていうことが非常に今この時代大事かなというふうに思ってます。
博士さんもそれ意識されてたか分かんないんですけど、ずっとその中でやってきたので、
今日いろいろお話を伺いたいと思うんですけど、
あえて定義づけて教会を越え続ける、越境してきたっていう、そういう概念って言われるまであります?
うんうん。若い頃はそのことしか考えてなかったと思う。
それはなぜというか、原点というか。
それまででも一番ターニングポイントというか、僕にとってのポップメイキング的なことというのは、
やっぱり18歳で東京に出てきて、それまで知らなかった音楽も含めてカルチャーというか、
そういうものに出会って、そこに引き付けられて、そこに飛び込んだということなんで。
それまでは具体的に言うと、クラシックの音楽を愛している音楽小僧。
クラシック音楽小僧だったんで、それが大学進学とともに東京に出てきて、
それでいろんな音楽を知って、逆にそういう音楽を知る時間が必要だったんで、
それまでずっとどっぷりハマっていたクラシック音楽を一時期捨てたって言わないですけど、
離れて他の音楽に飛び込んでいったので、とにかくまさしく越境しなきゃならなかったですよね。
それこそあれですよね、大学入ったらセックスピストンですよね。
ピストルズのコピーバンドを聴いちゃったというのは、かなり僕にとっては面白いエピソードだと思うんですけど、
聴いただけでなくて、そこでやられたってことだよね。
正直言って、一言で言うとカルチャーショックだったから、
やっぱり18歳という多感な時期に、愛する音楽を見つける。
あるいは逆に言うと、音楽の扉が開く。
それまでももちろんテレビとかで掛かっている音楽は聞いていたけど、
音楽という認識はなかったんで、僕にとっては。
割とおたくな子だったから、クラシックの音楽ばっかりを追いかけていたんで。
ただそれはその世界に言うととても楽しい世界なんですけど、
その枠の外にもいっぱい面白い音楽があるということに気づいちゃったので、
それに飛び込んでいったという。
それだけがピストルズのコピーバンド、パンクを初めに聞いた時の衝撃は大きかったです。
やっぱりそこが一番大きいと思うんですけど、
最大の越境というキーワードで、今、今日、現在、博瀬太郎さんにもう一回聞くと、
やっぱりでも最大の越境はそこなんですか?
そうだね、きっかけはそこだけど、その後、要するに自分がバイオリニストとしてやっていくのか、
アーティストというか音楽家というか、何かこういうものを作って生きていきたいなと思わせてくれたのは、
大学の時の音楽家よりも美術の学生とものすごく密に付き合ってたので、
彼らみたいに自分の作品をどんどん作っていくことっていうのが、
僕はとにかくやっぱり演奏家だったんです、それまでは。
作曲をするということとか、イベントをプロデュースするということとか、
そういうところはもうそういう人たちの刺激です、単純に。
そういって自分の音楽を表現として作っていくっていうのが楽しくなっていったというか、
それのことを10代から20代の前半はそればかり考えていたと思う。
そういうことしか興味がなかったというか。
それは定義付けることじゃないかもしれないですけど、
何か超えたいとかジャンプしたいというより、
気づいたら出会った環境とか音楽がそうさせてたんですか?
それから結構意識的に規制概念とか超えようみたいな。
何ですよ、面白そうだった。
僕なんかはベトベン弾いたり、ブラムス弾いたり、モーツァルト弾いたり、
チャイコスキー弾いたりして、その中で自分の音楽を表現しようっていう世界にずっといたわけで。
ところがその美術の学生はどんだけピカソンに似てようが、
マチスに似てようが、これは俺の作品ですって出せばいいわけで。
自分の自由さっていうか、創作の自由さ。
その楽しさ。それにも安全に見せられてたので。
だったら自分で曲を書けばいいんじゃんっていうことだよね。
だから僕は専門的にアカデミックな作曲法とかっていうのは何も学んできてはいないんです。
そうなんですね。
全くです。
でも今の話聞いてるとそう。
全くです。絵もそうだし、別に何も習ってない。
だからその中で自分が書きたいものは何なのか、
自分が作りたい音楽が何なのかっていうのをずっと追いかけ続けてるっていうのは
未だに変わってないと思います。
ちなみにね、今日やっぱりその創作っていうことで今も少し話出てきてますけど、
ちょっと伺いたいんですけど、やっぱりその音楽家デビュー35周年。
はい、そうです。
定義がどこかってありますけど、7月21日でクライズランド。
そうなんだって。それはちょっと自分にはもうことなかったんですけど。
このお嬢様のひまわりさん7月20日誕生日ですよね。
えっとね、22ですね。
あ、22か。すみません。
いや、20日が予定日だったんだけどね。遅れたんだよね。
ありますよね。
で、8月6日に後でその話になります。アルバムも発売されますし。
7月、8月はちょっと楽しいかも。
そうね、あと息子が8月1日が誕生日なんで。
あ、ほんとですか。
なんかうちの子供は2人とも夏の子なんですよ。
なんでなんかやっぱり家族での時間みたいなものを夏やることは多いですね。
意味の上だったり。
着想の話をちょっとしたいんですけども、
赤さん、やっぱり音楽と絵画それぞれありますけど、
これ共通点と違いって着想する時に何かクリエイティブなのってあります?
共通点はおそらく作品を見てその後聞いてみて、
その後聞いた人、見た人が感じる僕のパーソナルであればいいと思う。
つまり僕が素直にどちらも作れればとってもいい。
ただ僕が制作者としてっていう話になると、
これはもう作り方が全く違うので、
音楽でも絵を描くように作っていらっしゃる方もたくさんいるとは思うんですが、
僕のスタイルは音楽は完全にプロダクションというか、
ライブにしてもバンドのメンバーがいなければできないし、
リコーディングをするにしても、まずゼロから1を生み出すときでさえ
僕にはパートナーがいるので、一人の作業があまりない。
もちろん頭の中でまず組み立てる、その瞬間は一人きりなんですけど、
もうその第三者に聞かせるっていうものを作る段階で、
2人とか3人とかで作り始めて、
わりと社会的に作っていくっていう。
家に小さなプリプロダクションをするスタジオを持ってるんですけど、
そこは僕はもうメカニックのことは全く分からないので、
もう電源すら入れられないような。
クライズランドカンパニーのデビューの時からずっと一緒に活動してきた
山木誠っていう男に、
おー山木、今日CD聴きたいんだけど、このタクのどのボタンを押してどうやればいいんだ?
っていうところからなんで、作ろうって言うときは山木に来てもらって、
今日はこの曲です、なんとなくペロペロンってこんな感じなんだよねって。
これ裏のテンポのとりあえず8ビートをちょっと出してみてくれない?
そこから一緒に作り始めるんで。
最終的にはそれをハケタさんなりいろんなプロデューサーに渡して、
そこで一緒に完成させてスタジオに入っていくその工程、過程があるじゃないですか。
最終的にはコンサートでお客さんに届ける、そこまでがひとつなんで。
いつも誰かがいるっていうか。
作ってる間でも、僕の場合今曲を書くというときには、
クライアントがいてっていうことが多いので、
すごくコマーシャルな部分を取り入れながら、
自分で今のやりたいことを反映していくということですよね。
それに比べると絵画は、まるで一人きりでアトリエにこもって、
単純に泥遊びから始まるんで、絵の具塗ったくって。
だからそこの違いがまるで違うし、
もちろんずっとプロデュースをしてくれてると言いますか、
面倒を見てくださっている画廊があるので、
こんな感じで何点ぐらい、なんていう話はチラッとあるんですけど、
ただ自由に描いたものを僕がプレゼンして、
それで個展で発表するっていうことなので、
そういう責任がないですね。
売り絵として描くっていう発想がまずないんで。
ただコレクションしてくださっているお客さんがたくさんいらっしゃるので、
それは大変嬉しいことですが、
お願いされて描く絵はほとんどないんで。
なのでそういう意味では、どっちも楽しいの。
なので飽きたらこっちに逃げるっていう感じをずっと続けてると思います。
じゃあやっぱり、僕村上春樹さんがすごい好きで、
春樹さんが基本は小説主旋徴ってあるじゃないですか。
でもやっぱり翻訳とかエッセイとか描くのが、
その辺が両方あるからいいっておっしゃってたんですけど、
ちょっとすいません、比べるの恐縮です。
いやいやいや、僕も春樹さん好きですけど、
当たり前だと思いますし、
これはどういう作業をしてる、
芸術をやってる人もそういうふうに逃げ道。
逃げ道、変だな。
そういうところで行ったり来たりして、
力を抜いたり出たり。
どちらがどちらっていうわけではないですけど、
それはとても面白い作業なんじゃないかと思います。
いろんな人たちとの付き合いが始まっていくとかいうのはとても楽しいことだと思うんだけど、
ちょっと僕にとってはそういう付き合い方ってのは希薄だなって感じたことがあって、
そうするとそういう時間っていうのは自分の時間にして使えるじゃないですか。
なので、仕事以外、あるいは音楽を作っているとか、
そういう創作の時間以外の使い方がまるっきり変わりました。
それいくつぐらいの時ですか?
いやもうずいぶん昔だよね。
30代後半ぐらいから全くそういうのをやめました。
やめたとはオーバーな言い方だけど、極力そういうのを少なくして、
どのパーティー行ってもメンツ一緒なんだもん。
結局来る方はね、全部。
そうそう、みんな好きだから行くんだけど、
どこ行ってもみんな同じメンツでいつも同じ話をしてて、
で、わりと薄っぺらい尺し良気な話が多くなるじゃないですか。
今度何々やりましょうねとかさ。
そういうのが飽きたとはありますね。
逆にね、すごい気を使われる方でし、
僕にもLINEとかをすごい速さで返してくださる方で、
そういう意味でも人との距離感って逆に大事にされてると思うんですけど、
いやこれ、そっち来るんですけど、
情熱大陸と引っ掛けるわけじゃないですけど、
情熱が湧かなくなるというか、
エネルギー枯渇する時ってありますよね?
いやそりゃ思いたくもないけど、
ただ確実に年を取ってるのは自覚あるから。
そうですか。
うん、それはある。
単純に無条件に飛び込んでいけたところに、
自分でリミットをかけないと、
全部はクリアできないなっていうのがあるんで、
そうすると何をするかというと、
無駄な体力を使わないとか、無駄な時間を使わないとか、
そういう諦めはいくつかずつ増えていってるような気がしますけど、
ただそれによって音楽とかはまだまだそこまでは侵略してないと思うんですけど、
やっぱりそれは50歳を越えてから早い。
早いですか?
50歳を迎える人は40代早かったって言うだろうと思うけど、
僕はもうすぐ、もうすぐというか今57歳なのかな。
でも50歳になった時、「おお、50歳か!」と思ったけど、
それからの1年が転がり落ちるように続いていくんで、びっくりする。
なるほどね。
だから今いくつですか?
45歳になります。早いです、すでに。
いやでも、まだ早いと思うでしょ?もう早いと思うでしょ?
そんなもんじゃないですか?
そんなもんじゃない。
40代に何とかやれることをどんどん突き進んでいっておかないと、
50歳は半分ぐらいのエネルギーしか出ないくらいに思っといた方がいいんじゃないのかなと思う。
なんか皆さんに言われますよ。あと5年死ぬ気で働けんから。
そうそうそうそう。
分かんないですよ、それ人それぞれですから。
でも僕の経験で言うと、その頃の勢いで頑張ってたものを、
今現時点においては周りが固めてくれてる。
やっぱりその一緒にいたスタッフたちに手伝ってもらえるから、
だんだんそういう意味では楽になるし、無駄な時間がなくなる。
それで自分の仕事に集中できる。
だから若い頃は何でもかんでも、もっと言うと20代の頃は全部自分でやりたかったから。
でも今は全部自分でやる回力も気力もないと思います。
その分だから自分が役割を担うところをどこまでやれるかということなんじゃないのかなと思う。
ありがとうございます。大きいところで今の時間ってこともそうですし、
それは30代の時にパーティーとかそういうのを少し減らしたってありましたけど、
じゃあ日々の中で、やっぱりこれだけ移動が多い中で、本当に一人の時間ってあるんですかね?
それを別に求めてないってこともないかもしれないんですけど。
例えば昔でいけばお風呂の本棚で本を読むのが好きっていうので、
この本をあげたの覚えてます?20年くらい前に。
本棚に置いてるよみたいな感じ。
今本棚お風呂に?
お風呂にはないね。
今のうちのお風呂テレビついてるからピッてくる。
そこはやっぱり現代化してますね。
テレビ見ながらお風呂入ってたり。
あとはもう小さなPC持ち込んで。
お風呂に?
そうそう。
あるじゃん、やめられないやつとか連続のドラマとか。
そっちですね。
みんながハマるやつ、ネットフリックスみたいな。
ああいうのになるとずっと持ち歩いて、
お風呂にも止められないよね。
それは皆さんと一緒だけど。
そういう状態になるけど。
でも、昌司さんとか椎名さんとかのエッセイっていうのは
僕の20代、30代くらいの自分の一番落ち着く時間だったな。
今も大好き。さっきも持ってきてくれたやつ。
35年分。
懐かしいなと思いながら10編くらい読みました。
良かったですね。
すごい良い時間ですよね。
そういう意味ではあれですか?
さっきお風呂にまで。
そういう意味では僕らと一緒っていうのもあれですけど。
つまり空白ってあります?
空白の時間っていうか、そもそも
これちょっと俗人的な概念なんですけど
やっぱり今、普通に生きてる人たちで仕事してると
スマホもいろんな面白い娯楽もいっぱいあるから
常にいろんなものをインプットして
意外と無になる時間がないみたいな。
無になるね。なるほど。
逆に博士さんもそういう概念がどんな感じなのかな?
そうね。ただずっと映画見てたり
寝る時間欲しいんでレンドラーずっと見てたりも
普通にしちゃうんで
別にそんなに普通の人と変わらないとは思うけど
やっぱり魚釣りも好きなんで
魚釣りね。
あの時間はちょっとスペシャルだと思う。
大自然の中で集中できるっていうのが面白いです。
なんか旅でも持ってくような
コンパクトな釣り竿もあるみたいな。
それもありますけど
この3年4年ぐらいはずっと船に乗って
台を釣るっていうことに集中してるんで
その時間はやっぱり
長いと10時間とかやるんで
ところがやっぱり
ただ海の上でボーっとしてるっていう時間も楽しいと思うんだけど
クルージングとかさ
あれも気持ちいいじゃん。
気持ちいい日差しを浴びて風を受けて
海を見て
そこでもずっとこの釣りっていうものに
集中してるっていうマインドが楽しいです。
何もしないとつまんないんだよねきっと。
ちなみにそういう意味で
飛行機とか新幹線内で何してるんですか?
やっぱり何か見てるんですか?
ドラマとか映画。
映画観ることが多いですね。
ちなみに差し支えながら今何かちょうど見てるもんって何ですか?
サバイバーですかね。
ホワイトハウス。
あーはいはいはい。
見てないです。
サバイバーっていろんなサバイバーが出てきて。
面白いですよ。
サバイバーかな。
突然大統領になっちゃうやつ。
あと去年ドハマリしてたのはブラックリフ。
みんなが好きな、止まらなくなるやつも好きだし、
ゆるゆるのYouTube、仲間っていうか友達でもあるような
釣り洋家でしょうとか、沖縄のハイサイ探偵団とか
ゆるーい釣りを中心とした
若者たちのYouTubeを毎日のように見ます。必ず。
いろんなステレオタイプは切っちゃいけないですけど、
僕無になるときって本当にランニングしたり散歩したりとか
物理的に作ってるんですけど、
博士さんは常にわざわざそのための空白を作るとか、
常にフローな感じなんですかね。
外から見ると動いてるような感じはするけど、
そもそも動く休みみたいな、あんまり一日の中では。
まあ一ヶ月ちゃんと休むとかそういうのあると思うんですけど、
日々の一日の中であんまり意識はされてないんですかね。
いや、これ言っちゃっちゃおしまいなんだけど、
そもそもヴァイオリン弾いてること自体が遊びなんで。
いいじゃないですか、言ってください。
いやいや、だから、曲書いたり遊んでるだけじゃないですか。
最初にプロデューサーとかレーベルの運営とか言ってくださるけど、
そういう運営も僕は特に首突っ込んでやってるわけではないので、
お金の計算もできないですし、スケジューリングもみんながしてくれるし、
要するに僕は、今日はヴァイオリンを持ってここで何かしてください。
今日はキャンバスと絵の具でここで遊んでください。
それは遊園地に行って、はい滑り台どうぞ、砂場どうぞ、
ブランコどうぞって言われてるのと何ら変わりがないので。
だから本当の話、釣りにハマるまではそれほど深いというか、
時間を使う趣味って持ったこともなかったので、
いろんな興味を持って魚を飼ってみたり。
魚好きなんでしょうね、水が好きなんですけど。
あとは服装のことを、とにかく洋服のことばっかり靴磨きずっとしてたりとか、
そういうふうにドンドンとハマる時期はあるんですけど、
基本的にはそういう意味では音楽も絵画も全部遊びのツールです。
お金ももう全部任せてってありましたけど、
情報が合ってるかわかりますけど、ご結婚されるかされる前の時に、
奥様のお母様が結構お金の管理をしっかりされてて、
博士さんの家の引っ越しとかのいろんな手続きもしてくれて、
サラダっていうところで、インスタとかね、いつも見ても楽しそうで、
かなり、誤解をすれずに食べたいものを食べて、
いらっしゃるように見えるんですけど、
いわゆる健康法っていうか、
博士太郎、健康、心がけとかあるんですか?
これ分かるよ。だって正直言って、ここ1ヶ月以上、
ものすごく食べたいラーメンを1回も食べてないもんね。
気を使ってますよ。
あのインストだけ見るとね、毎日ラーメン食べてるように見えますけど。
でもロンドンに帰る前に北海道で食べた味噌ラーメンを最後に、
1ヶ月以上ラーメン屋さん行ってないんじゃないかな。
意外と普段、でもそんなすごい節制してるようなイメージはないんですか?
もちろん。ただすごい節制した時期もありますし、
正直ちょっと去年かな、病気っぽくもなったんで、
その時はもう完全にみんなにコントロールしてもらって、
野菜食べて、肉食べて、糖分取らないみたいな、
脳質取らないみたいな、そうやって集中的にやる時もあります。
それはそれで楽しんでできますけど、
基本的には食いしん坊なんで、
食べることに関しての情報量がものすごい多いんで、
そうするとそこに誘惑がたくさんあるよね。
あれも食べてみたい、これも食べてみたいとかもあるし、
ロンドンから帰ってきて、このラーメン食いに来たいなっていうのもあるけど、
いやちょっと待てよ、体も大変だから、ちょっとギリギリまで我慢してみようかなとか、
そういう感覚はちょっとは持てるようになってきた。
昔はそんな何も考えなかったから、行けるとこまで行けって食べてましたけど。
そうするとやっぱりベースは丈夫、体力ある方なんですか?
たぶんね。たださっきもちょっと言ったように、
ちょいと前とはずいぶん変わった。
やっぱり感じます?
感じるよ。
これは別にそんなこと。
たださ、周りのおじちゃんというか先輩とか見てると、
この辺りからもってみんな復活するんだよね、何らか。
歓歴辺りから。
ラッツでしたね。
その中では最年少ですか?
いや最年少はもう1人。田中良人が一番若いけど、
僕、真ん中ぐらいじゃないですかね。
でも一番年はもう70前なんで。
でもみんななんか、よくそういう先輩方に話聞くと、
歓歴ってのはよく言ったもんで、
本当にもう1回、2週目が始まるみたいな感覚があるんだって。
そうするとみんな走ったり、
いろいろ体力作りとかジム行ったりとか、
そういうのみんなすごいやってるんで。
またモーメントがやってくるのかなっていう気はしないでもないけど、
今は本当に週に1回、あるいは2週間に1回ぐらいからスケジュールによって、
自分ですごく気に入ってるのがピラティスですね。
そうなんですね。
大変静かな地味なスポーツですけど、
すごく気に入っていて、心地いいです。
週に1回ぐらい。
じゃあマンツーマンかなんかで。
レッスンの場所に行くのに30分歩いて、
それで1時間レッスンして、また30分歩いて帰るっていう。
1時間のセットなんで、自分では心地がいいと思っています。
今、食の話も出てきましたけど、これはかなり難しいかもしれませんけど、
博士太郎のライフタイムベストの食って言ってなんか出てくるもの、人生で。
最後の晩餐でもいいんですけど、なんか具体的な。
いつもこれ冗談で言うけど、最後の晩餐大概ゼリー食いながら点滴打ってんのよ。
そっちか。
そっちのゼリーで。
そこそこ。
現実的にね。
現実的に。
うまいものはいっぱいありますけど、やっぱり僕は大酒のみなんで、
これも全然自慢できる話じゃないですけど、やっぱりウイスキーがないなんてイメージもできないんで。
毎日やっぱり夕方になるとソワソワするのはウイスキーが飲みたくなる。
ウイスキー、タバコはやめろって言われてもやめられると思うけど、
ウイスキーやめろって言われたらちょっと困るなってしますね。
これはもう本当にずっとなんで、若い時から。
僕の体を形成しているかなりのパーセンテージだと思います。
食べ物は、この食べ物っていうのもいいし、このレストランのここでもいいし、
なんかステレオタイプになっちゃいますけど、
濱田さんの何が出てくるの?
全国にいくつかあるおいしいラーメン屋は絶対上がると思うし、
あとは家で家内が作ってくれるトマトソースのパスタ。
これだけは譲れないですね。
そうなんですね。
これはもう、それさえあればいいってくらいうまいですね。
食べたくなるし。
この間、先日かな、イタリエ行って。
そうですよね。
ちょっと行ってきたんだけど、バカン。
日本中旅しててもトマトソースのパスタを食べる人が多いんで。
これ好きですね。
ライフアップデート