思考にチャレンジするラジオ
サマリー
このエピソードで、精神科医の刺身ちゃんは自身の体験を通じてメンタルヘルスや自己理解について語ります。特に、マインドフルネス、ラディカルアクセプタンス、メタ認知の重要性に焦点を当てています。
刺身ちゃんの影響力
今回はですね、現役の精神科医でありながら、配信者としても活動されている、刺身ちゃんの配信記録を、ちょっと深掘りしてみたいと思います。
はい、刺身ちゃん。
リスナーの質問に、かなり率直に答えていく中で、自分の考え方にチャレンジしてみようよっていう、そういうメッセージが印象的なんですよね。
なので、ここからは、メンタルヘルスとか、あるいは自己理解について、何かヒントになるような部分を一緒に見ていけたらなと。
いいですね。まず、彼が精神科医としての臨床の経験と、マインドフルネスの実践を結びつけている点。ここがすごく面白いなと思ってて。
ああ、マインドフルネス。
ええ。週4日勤務の精神科医さんで、でも配信活動自体はお医者さんになる前からやってらっしゃったとか。
へえ。
で、彼が紹介しているレーズンエクササイズってありますよね。星ぶどう一粒、五感でじっくり観察するっていう。
ああ、聞いたことあります。あれ単なるリラックス法じゃないんですね。
そうなんです。もちろんリラックス効果もあるんでしょうけど、それ以上に普段僕ら見過ごしているような、その感覚に意識をしっかり向ける訓練という側面が強い。
なるほど。感覚に意識を向ける。
ええ。それで、さしみちゃんが言ってた、手放すにはまず掴まなければならないっていう言葉。
あ、それ、すんごく刺さりました。
ですよね。痛みとか不安も、なんかこう見ないふりするんじゃなくて、まず、あ、今こういう痛みがあるな、不安があるなって意識的にちょっと好奇心持ってみてみる。
うん。
それを受け止めることが結果的にそれを手放す第一歩になるんだと。
まずはちゃんと向き合うってことですね。避けるんじゃなくて。
まさにラディカルアクセプタンスって言ったりもしますけど、積極的な需要に近い考え方ですよね。嫌な感情でさえ、まあレーズンみたいにじっくり味わってみるみたいな。
ああ、面白いですね。
で、この姿勢って、彼が語る精神医学の不確かさへの向き合い方にもなんか通じてる気がするんです。
精神医学の不確かさですか。
ええ。例えば、うつ病の原因、これだって実はまだ完全にはわかってない。
そうなんですか。モノアミン仮説とかよく聞きますけど。
ええ。脳内の神経伝達物質のバランスが崩れるっていうあれですよね。
有力ではあるんですけど、まだ仮説の意義を出てないと彼は指摘してますね。
なるほど。意外とわかってないことも多いんですね。
そうなんです。そのわからなさが精神医学の現実であり、ある種の限界でもある。だからこそ診断基準、例えばDSMとかICDとかありますけど。
国際的な診断マニュアルですね。日本だと公的にはICDが使われることが多いんでしたっけ。
そうです。そういう診断名に過度にとらわれすぎない方がいいんじゃないかという視点が出てくるわけです。あくまで現状を理解するためのツールの一つだと。
診断名が全てじゃないと。
そういうことです。だから配信でもその疾病利得、病気でいることの無意識的なメリットの話とか。
はいはい。
あれは逆に最近ちょっとADHDの診断が安易に増えすぎてるんじゃないかみたいな懸念も話されてましたね。
ありましたね。統計的な診断基準の彼が言うところのガバガバさというか、その精度の問題点、あれはどう考えたらいいんでしょう。
彼は診断基準を知ること自体の重要性は認めつつも、その使い方にはすごく慎重なんですよね。
特にADHDみたいな診断が、ちょっと商業主義的な流れと結びついて、安易に広がりすぎてるんじゃないかと。
物忘れが気になるとか、そういう日常的なレベルまですぐ病気っていうラベルを貼っちゃうことへの継承というか。
思考の挑戦
なるほど。レッテル貼りに注意と。
大事なのはラベルそのものじゃなくて、あなた自身が具体的に何に困っているのか、それを多角的に見ることなんだと。
それでいよいよ本題というか、今回の革新でもある自分の考え方にチャレンジするというテーマですね。
これはさしみちゃん自身の体験談がすごく具体的でわかりやすかったです。
レジ待ちとか渋滞とかで、もうめちゃくちゃイライラしてたと。
ありましたね。激しい怒りを感じてたと。
それを曝露反応妨害法っていうアプローチで克服したという話。
これは認知行動療法なんかで使われる手法ですけど、要は怒りを感じる状況、曝露ですよね。
そこに身を置きながらも、その怒りに任せて何かを言ったりやったりする行動。
これを反応妨害、つまり意識的にやめてみる。
さらに彼はその状況って実は永遠には続かないんだってことを、時間を測ったりして客観的に確認して自分の考え方を修正していったと。
なるほど。どうせすぐ終わるって思うんじゃなくて、実際に測って確認するんですね。
そうなんです。恐怖とか不安も同じで、それを感じる状況にあえて身を置いてみて、大丈夫だったっていう経験を積み重ねていく。
実際にやってみることが大事なんですね。リスナーさんの階段が怖いっていう相談に対するアドバイスもすごく印象的でした。
ありましたね。降りるときに無意識に右左右ってやってしまう儀式みたいな行動。
それをやめてみることこそが本当の挑戦であり暴露なんだと。安全確認じゃなくて不安を打ち消すためのおまじないをやめてみる勇気。
その通りです。これってもっと広く言うと、メタ認知の力を鍛えることにもつながるんですよ。
メタ認知。自分の思考を客観的に見る力ですね。
まるでサッカーのVAR判定みたいに自分の思考パターンを一旦ちょっと待ったと止めてみて、それって本当にそうかな?他の考え方ってないかな?って問い直してみる。
VR判定わかりやすいですね。
彼が紹介してたセルフモニタリング。状況、感情、思考、行動を記録するやつ。あれもそのためのすごく有効なツールですよね。
自分がどんな状況で、どんなふうに感じて、何を考えて、どう行動したかを書き出す。
そうそう。客観的に分析する手助けになる。
なるほどな。日々の生活の中で自分がどんな自動思考にとらわれているかに気づいて、そこに優しく疑問を投げかけてみる。
無意識の思考フィルター
言うのは簡単ですけど、結構勇気が要りそうですよね。
だからこそ優しくチャレンジするっていうのがポイントなんだと思います。
サシリメジャンの語り口って人体を通して精神医学の知識はもちろんですけど、彼自身の思考錯誤の経験とか固定関連に挑戦し続けるっていうなんか真摯な姿勢が伝わってくるんですよね。
確かに。
それって結局僕ら自身がいかに無意識の思考フィルターを通して世界を見てるかってこと。
そしてそのフィルターの存在にまず気づいて、問い直してみる価値があるんだよって教えてくれてる気がします。
問題なのは状況そのものじゃなくて、それに対する自分の考え方が自分を苦しめてるのかもしれないって気づくことがまず第一歩なんですかね。
まさにそこが彼のメッセージの一番大事なところかもしれないですね。
さて、これを聞いているあなたが今無意識のうちにかけている思考のフィルターってどんなものでしょうか。
そして今日そのフィルターにどんなふうに優しくチャレンジしてみますか。
07:12
コメント
スクロール