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2025-06-18 06:12

【架空ラジオ】漠然と医療の話

最近、思うことを中心に

サマリー

このエピソードでは、精神科医が医療の複雑さ、特に精神科医療の診断プロセスについて掘り下げています。医療費や高齢化社会といった大きなシステムの問題にも言及し、医療の質と社会の価値観の関連性を考察しています。

精神科医療の診断の複雑さ
さて今回はですね、ある現役の精神科医の方から、非常に率直な語りの記録を提供いただきまして、これをもとに医療、特にその中でも精神科医療の診断の複雑さですとか、
あとはもっと大きなヘルスケアシステム全体について、ちょっと深く考えていきたいなと思っています。
なかなか聞けないお医者さんの内側からの視点ですよね。
そうですね。診断っていうのは、単なる検査結果の数字を見るだけじゃなくてですね、患者さんの言葉、その経験、あと石窯の知識とか、洞察とか、そういうものがどう組み合わさっていくのかっていうそのプロセス自体が非常に興味深いですよね。
まずこの精神科医の方がですね、なぜ精神科を選んだのかっていうその理由が面白いなと思ったんです。
体力的な負担が比較的少ないっていう現実的な面と、あとはやっぱり知的好奇心、これを満たせる点だと。
単にうんうんって話を聞くだけじゃなくて、その言葉の裏のあるものを知識とか経験をフル動員して分析していく。そこに面白さがあるんだっていうふうに語られてますね。
まさにその聞くっていう行為が、受け身じゃなくてすごく能動的な分析的な技術なんだっていう捉え方ですよね。
精神分析的な視点も取り入れつつ、神田さんの言葉遣いとか関係性の中に、例えばご自身の母親をたたり紙みたいにメタファーで表現する。その裏にある人生のパターンとか。
そういうのを読み解こうとするメタ的な視点、これがこの分野の醍醐味の一つなんだと。
日常会話の聞くとはもう全然違う次元の話ですよね。
その聞く上で、じゃあ患者さんからの情報が大事になるわけですけど、ここにも難しさがあると。
そうですね。
例えば患者さん自身が、私高血圧なんですとか、うつ病なんですみたいな。
はいはい、自己診断のような。
そう、自己診断っぽい言葉で伝えてくるけど、それってお医者さんが本当に知りたいこととはちょっとずれてる場合が多いんだって。
それは多くの医師が感じることかもしれないですね。欲しいのは診断名そのものじゃなくて、今具体的にどう感じてますかっていうその生の情報なんです。
生の情報ですか。
例えば首の後ろがなんかズーンと重い感じがするんですとか、そういう具体的な描写。
なるほど。
あるいはこっちが聞いた質問、例えば痛みはどの辺ですかとか、痛みの強さ0から10だといくつぐらいみたいなVASスケールとか。
はいはい。
そういう客観的な指標にちゃんと答えてもらうこと。患者さんが医学用語を自己流で使われるとちょっとうーんってなることもあるって正直に語られてましたね。
そして診断っていうのは決して検査だけで決まるもんじゃないんだっていう点、これも強調されてました。
それは本当にそうですね。
コロナの時のPCR検査を例に出されてましたけど。
分かりやすい例ですよね。
偽陰性も偽陽性もあるし、そもそも検査を受ける前の段階でその人がどのくらい感染してそうかっていう事前確率。
ええ、事前確率。
これを考えないと検査結果だけ見ても意味がないんだと。
まさに検査結果が陰性でも症状とか周りの状況とかそういう臨床的な情報から総合的に判断してみなし陽性で対応することもありましたよね。
ありましたね。
あれが示すように検査っていうのは万能じゃなくてあくまでも判断材料の一つでしかない。
うーん。
最終的には色々な情報を統合する医師の臨床判断っていうのがどうしても不可欠になる。
特に精神科だとその傾向はより強いんでしょうか。
そうですね。精神科の場合その瞬間の症状、いわば横断面だけじゃなくてその人が生まれてから今までの人生のストーリー、縦断面ですね。
縦断面。
これを丁寧に聞き取っていくことが診断の鍵になったりするので、より一層その総合的な視点が必要になるかなと。
なるほど。ここまでは個々の患者さんとの向き合いの話でしたけど、話はもっと大きな視点にも及んでましたね。
医療システムと社会の価値観
ええ。
日本の医療費の問題とか高齢化社会とか、そういう構造的な話に。
そうですね。平均寿命が伸びてそれは素晴らしいことなんだけど、同時に医療費が増え続けているっていう現実。
そして人生の最後の段階でどこまで医療をするのかっていうこれは本当に重い問いかけですよね。
うーん。難しいですね。
根本的な問題はやっぱり高齢化に伴う医療費の増大であって、一部で言われるような例えば外国人利用者の影響っていうのはデータを見る限り限定的だと。
はい。
もっと本質的な議論をしないといけないのに、安易に医師の給与を下げればいいみたいな短絡的な話になりがちだと批判もされていました。
うん。
本来社会全体で考えるべき、じゃあどこまで寿命を延ばすのがいいんだろうかとか、どういう最期を迎えたいのかっていうその姿勢感に関わるような議論が日本ではちょっと避けられがちじゃないかと。
あー。
そこへの懸念を示されていて、これは非常に重要な指摘だなと感じましたね。
今回この精神科医の方の生の声を通して見えてきたのは、医療、特に精神科の診断とか治療っていうのがいかに多層的で複雑か。
単純な科学的データとか検査だけでは成り立たない、深い人間理解とか経験に基づいた判断が求められる世界なんだなということでした。
そうですね。そしてその一つ一つの臨床研磨での判断が、実はもっと大きな医療制度とか社会全体の価値観みたいなマクロな構造と深くつながってるんだっていうことも示唆されました。
うん。
最後にこの音声記録の中でも投げかけられていた問いを、これを聞いているあなたにもぜひ考えてみていただきたいなと思います。
はい。
寿命をただ長くすることを目指す医療と、その人らしい幸福な時間を支える医療は、果たして常に同じ方向を向いているものなのでしょうか。
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