1. 声の大人エレベーター「黒ラヂオ」
  2. Session11:沖田修一×高良健吾..
2023-06-12 22:22

Session11:沖田修一×高良健吾(後篇)

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人生、とは?

深くないようで深い、いい加減なようで意外と真面目なトークセッション。前回に引き続き映画監督・沖田修一さんと俳優・高良健吾さんの話がさらに盛り上がります。近年、監督業にも挑戦した高良さんが、監督の極意についての想いを沖田さんに質問する場面も。また沖田さんが常連の俳優を起用する理由や、役者としてオファーを受けた時の高良さんの気持ちなどから、今回は人生や幸せについて知るヒントがギュっと詰まった内容になっています。


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サマリー

ほんとうにそれぞれのペースで、年齢を重ねるにつれて人とのペースの差はますます大きくなります。マイペースで問題ありません。人生とは、自分自身を知り受け入れる状態であり、大人とは自分自身を説明できる人だと思われます。幸せも状況によって変わることがありますが、人々が集まる場所がなくなった今でも、幸せの形は変わり続ける可能性があります。

年齢とペースの差
でもほんと僕思うんですけど、ほんとそれぞれペースありますよね、人には。
ほんとだよ。
マイペースでいいじゃんって、僕最近すごい思いますね。
あ、そう?
いや、ほんと思います。やっぱペースみんな違うから、
より年齢重ねれば重ねるほど、人とのペースって差感じないですか?
人とのペース?
なんか中学校とか高校20代の時って人との差って、そのペースってそんななんとなくみんな近かったのに、
3,40ってなるとそれぞれのペースがもっと強くなるから。
みんなそれぞれたぶん心地いいペースを見つけてくるかな?
見つけてきますよね。
うん、なんか今結構現場離れたりして、地方に住むスタッフの人も多いしね。
監督もいますよね。
あ、そうだね。監督も。
俳優もいますよ。
あ、ほんと?
はい。僕だからマイペースって超大事な気がしてて。
へー。
自分マイペースなんで。
そうなんだね。
大人とは。幸せとは。人間とは。
人生のあれこれが聞けば聞くほどますますわからなくなる。
深くないようで深い。
いい加減なようで意外と真面目なトークセッション。
声の大人エレベーター。
黒ラジオ。
前回に続いて映画監督の沖田周一と、
俳優の甲羅健吾がお送りいたします。
後編もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
自己満足と評価のギャップ
自分としては大満足の敵なのに世の中で評価されないものと、
自分では今一つと思っていたのに大絶賛。
どちらを選ぶかっていう質問があるんですけど、
これはもうどうですか?
作ってる側の人間としては大満足の敵なのに世の中で評価されないと、
今一つと思ってたのに大絶賛というのはどうですか?
俺は上かな。
大満足の敵なのに世の中で評価されない。
そっちの方がいいくない?
いやもうこれ一択ですよね。
なんか自分の気持ちが気持ちよければもうそれしかないくない?
はい。僕もそう思います。
本当?
なんかそれこそなんでこの質問だったかっていうと、
それこそ世之助自分たちはそんなに手応えとして、
実感はないのに評価されたっていうのの怖さっていう。
それはすごい奇跡的でいい方向のやつですけど、
自分が大満足であればずっと満足できるじゃないですか。
幸せじゃないですか。
やっぱそういうのって理想ですよね。
そうだね。
結局しょうがないよね。あとあれは。
そうですよね。本当そうですよね。
本当かなとも思うしね。
自分の手応えがないもので言われてるので。
自分としては微妙だったのに評価されるものっていうのもあるじゃないですか。
そうね。
僕はそれこそその芝居とかで言ったら、
そのなんて言うんですかね。
その後悔というか反省っていうのは毎回あるんですけど、
この前短編映画を撮らせてもらって。
その話をしたかったです。
クランクっていうのを撮らせてもらったんですよ。
それって2日間で撮影しなきゃいけなかったし、
自分で脚本を書いたし、いろんなことがあって。
その時に自分は終わって、2日間だったし、
ロケも多かったんで、もっとやれることはあったんだけど、
でも2日間の中でやり切ったとは思ってて、
だから何も後悔はないんですよ。
それこそ人の評価とかそんなの関係なく、
自分がちょっと目標にしてた監督っていうのをやれて、
いろんなスタッフの中で自分が書いたものをやれたっていうのは、
どんな出来であれ、何も1ミリも後悔なく楽しかった思い出しかなくて、
てかいい経験でしかなくて。
だからなんかそういう、なんていうんですかね、
その芝居で言ったら、僕たちはOK出されたら嫌でもOKじゃないですか。
だからある意味そこに言い訳できるっていうか、
OKされたから、してもらったら出しっていう。
だけど監督をした時に、自分で常にOK出していって、
現場にOK出していって、みんなにOK出していくっていう作業が、
すごい孤独だなとは思ったんですけど、
でも常に自分で責任持ってOK出していくって作業が僕は楽しくて、
だからそれが何も後悔なくOKを常に入れたから、
こんなに後悔ないのかなって思うんですよね。
それこそ出来はそれほどでもないかもしれないけど、
自分では相当満足してるっていうような経験があったんですよね。
それが一番幸せだよね。
なんかそんな気分いいよ。
最高ですよね。
最高だし、最高だし面白かった。
いやいやいや。ありがとうございます。
いや本当に俺はちょっとびっくりしちゃって、
コーラ君の見たの本当に短編だったけど、
やっぱりこうなんていうか立ち上る空気はもう完全に映画だったし、
ちゃんとこうすごい普通に大人の大人だと思って見ちゃって、
ただただ自転車で移動して、あのね、メッセンジャーの話とか、
自転車で移動してるようなカットが延々続いたりするんだけど、
ほんとそういうのもなんかもうノーミュージックで、
ノーミュージック。
ノーミュージックかねえけど、
なんかほんとただの車輪の音だけが響いて、
なんか本当にこうやろうとしてることが、
コーラ君がこうしたいっていう気持ちがすごい伝わるような作品だったから、
やばいコーラ君向いてんじゃないかと思って。
いや嬉しいです。
監督と俳優
沖田さんにそうやって言ってもらうのは嬉しいんですけど、
自分はもう俳優に専念しようと思いました。
ああそうなんだ。
いやただ本当にその感覚、もう一度やりたいし、
撮り直せるんだったら撮り直したい部分たくさんあるけど、
でももうなんかやりきったっていう意味で、
何も後悔がないっていうこの自分の今の体感としてあるのは僕すごいでかいです。
自分が満足したら、ある意味もう撮ること自体が相当な覚悟必要だったんで、
覚悟が最初に決まってればこんなに後悔しないんだっていう経験でしたね。
何がこう、俳優にはない、やっぱりOKを自分で決めていくっていうことが一番なんかね。
それはでかかったです。OKを自分で決めていくってことと、
やっぱり自分はカメラに映ってないっていう時間が現場にいて、
ないっていうのが嬉しい。
現場にね。
現場にカメラの前にいる時間の方が少なくて、
っていうのはどっちも違うプレッシャーはありますよ。
監督のプレッシャーも俳優のプレッシャーももちろんあるんですけど、
全然僕はタイプが違いました、そのプレッシャー。
えーそうなんだ。自分でそれこそ、
俺なんかさ、よろすけとかやってるときさ、なんかもうよくわかんないけどもう一回みたいなこと散々言ってさ、やってて。
小浦くんもなんかそのなんだろうな、OKの、俳優としての意識でOK出してんの?それって。
なんか自分の監督、なんて言ったらいいんだろう。
こういう芝居みたいなイメージがあって、
それの通りでOKみたいな感じの。
イメージは確実にあって、こういうのが来たらいいって。
だけど、まずイメージ通りにならないっていうのはもう受け入れてて。
あれもすごいね。
だけど、多くは望んでる気はしました。
そうなんだ。
期待は、多くの期待はしないようにしてて、それがプレッシャーになったり、なんか期待が伝わるかなと思うけど。
だけど何か多くを求めてるっていう気は常にいながらしてました。
でもそれって、なんか多分俳優だからこそだと思うんですよ。
でも監督として沖田さんはそういう演出っていう部分で、常にどの現場でも気をつけてることであったりとか、
これはやっぱずっと意識してるなっていうことってありますか?演出っていう点で。
なんだろう。
きっとそれも起きた節が僕はあると思ってるんですけど。
でも多分いろんな起きた節があるのかなって気もするけど、
世之助から学んだこともあって、世之助から学んだことは結構引き継いでずっとあって、
それは本当にさっき言ってたイメージ通りになるのはもう無理だというか、
その人を受け入れていくみたいなことであって、
その人が自信持って言えることを取っていくっていうことで、
映ってるものが違ってくるっていうのはすごいあるんだけど、
その中でもどうしてもこっちがこうしたいっていうものを、
せめぎ合いの中でやっぱりできてくるじゃん。
でも結局俳優さんがどうしたら一番気持ちよくできる、
どういう言い方をすればいいのかっていう答えは、
ある程度俳優さんの握ってるものが一番元気に見えるっていう雰囲気はあるから、
ファミレスで台本書いたりすると、
言い方とかまで全部ひっくるめて想像して机の上で想像するんだけど、
その通りに近づけていくっていうことが、
最後にそれはやればいいぐらいの気持ちで、
ちょっとよくわかんないけど、人が違うんだから、
たくさん人が集まってるんだから、
たくさん人が集まってるなりのことをやろうみたいなことで、
どっかに違うところに着地していく気持ちよさっていうのは、
もうちょっと大きな心で捉えるようにはなってて、
それ世之助やってからだったかな。
なんかそんな気がしてた。
それまでは本当に音で目閉じてもわかるぐらい、
自分の言ってほしいセリフのニュアンスとかが、
こう言ったら大丈夫みたいなことまであったんだけど、
今はそういうことをあんまり気にしなくなった。
目つぶってセリフを聞くっていうのは、
自分もちょっとやりますね。
ほんと?
他の映画とか見てて、
私もするんですけど、人のとかも、
たまに目つぶって聞いてると、
これはいい意味でなんですけど、
似た音とか似たリズムとか似たまってやっぱある。
と思ってて、
確かにこういうセリフのニュアンスであったり、
セリフの長さであったらそうだよねっていうのってあると思うんですよ。
それって目つぶってセリフを聞いたらよくあって、
その中で、あれ気になる、
あれいい感じ好きってなるのとかって、
意外と棒読みだったり、
新人の子だったりするんですよね。
とか芝居経験ない人とか。
目つぶって音を聞くっていうのは、
なんか大事な気がしますね。
まあ沖田さんとちょっと今のは、
やってるタイミングが違うと思うんですけど。
耳で見るみたいなのがある気がする。
なんかある気がするなと思いました。
それに近い話なのかなと思って。
でもそれはあるかもね。
クランクの話ももちろんあったんだけどね。
どういうあれだったんだろうな、モチベーションっていうか、
どういうあれで現場に甲羅くんがいたのかとか、
甲羅くんが自分で出たくなかったのかとか。
出たくなかったです。やっぱり監督させてもらえるんで、
まず専念したいっていうのがあったんですよ。
主演しながらなんて絶対無理って思ってたんで。
そうだね。
とにかく監督を味わう、味わい尽くすためには、
絶対に自分が少ない、あんまり出ないっていうのは決めてたんで。
で、それとメッセンジャー、
自転車に乗ってる話をしたくて。
だったら自分も自転車好きだし、メッセンジャー知り合えるんで、
メッセンジャーの話にしたい。
人生と幸せ
そういうのって都会を走りたいっていうのがあったんで、
そっから話を広げていったっていう感じですよね。
あれは。で、現場の言い方とかはもう完全に2日間だけなんで、
つかみ終える前には覚えましたけど、
ただとにかく本当に現場とか自分とか、
全てにオッケー出していく作業だったりとか、
自分がそれこそイメージ通りにならない面白さとか、
すごい感じましたね。
そっか、でもまあ出てる、
俳優さんたちはでもコーラ君のね、
みんな仲のいい人のやつ取ったりするから、
それはいいけどね、そういうのはいいよね。
でもその常連を使うってあるじゃないですか、
沖田さんも常連の人が多いと思うんですけど、
それって何か理由はあるんですか、やっぱり。
理由?
でも、そうだね、なんか俺もだんだん仕事をある程度してきて、
出てもらう人が、
なんかこうじゅんぐりじゅんぐりになってる気がする。
こないだ、うすだあさみさんとご一緒したり、
松田龍平さんもそうなんだけど、
10年ぶりぐらい出てきて、
でも結局のところ、昔の一緒にやった感覚があって、
そういえばこういうことやってくれるかもしれないとか、
あの時あれができなかったなとか、
松田龍平さんなんか特にそうだったな。
もっとこうすればよかったのにみたいなのが、
宣伝みたいになっちゃうんだけど、
ワウワウでドラマで今月末に放送するのがあって、
0.5の男っつうのがあって、
それの時とかはもう本当に、
あの時こうすればよかったのを、
全部松田さんにぶつけてやるみたいな。
なんかそんな感じだったな。
同じ監督さんに呼ばれることはもちろんね。
嬉しいですよね、同じ監督に呼ばれるの。
嬉しいですし、逆になれ合いにはならないし。
そうなんだ。
なんで嬉しいんだろうね、同じ監督に呼ばれる。
必要とされてるから。
やっぱり必要とされる仕事だから、
やっぱり一回仕事した方にまた必要とされるっていうのはやっぱり、
普通に嬉しいのかな。
そうか。
生きてて嬉しい。
生きててよかったって思いますよね。
やっぱり必要とされると。
そうだね。
人生とはってあるんですけど。
人生とは。
なんだろうね、人生とは。
難しいけど。
難しく考えすぎると、
ドツボにはまるそうな気がするなと思う。
人生とはですよね。
人生自体もそうですよね。
本当そうですよね。
考えすぎないといけない場所は絶対あるけど、
考えすぎるからこそ行ってしまう場所ありますもんね。
やっぱり変わり続けていくからね。
さっきもコーラ君と19歳からの話を
ずつ聞きたいなと思って聞いたけど、
人生これからだよね。
本当そうですよね。
俺もこれからいろいろやってきたなと思うけど、
これから先いろいろできると思ったら
楽しそうだなって思うから。
だっていろいろ考えすぎちゃうけど、
絶対楽しむべき場所ですよね。
そうだね。
楽しんだ方がいい場所な気がする。
いろんな可能性を試したいな、ある命の限り。
思うよね、人生。
だからそういういろいろ試す場みたいなことになってる。
変だな。
僕、幸せとはとつながると思うんですけど、
やっぱり今の自分のあるがままを
受け入れられている状態っていうのは、
幸せってそういう状態な気がしてて、
だから人生とかも
考えすぎたらいろいろあれだけど、
だから今の自分のあるがままの状態を
受け入れて楽しむっていうことなのかなとか
大人とは
思うんですよね。
それができたら理想だなって自分は思いますね。
そうね。
ふとした瞬間に、
どこから来るのかわかんないけど、
日々の生活の中で、
些細なことで、
こういうことでいいやって
思う時があるとか。
本当に大きなことではないよね。
そうですよね。
こうではなかったとか抗ったりとかする
した瞬間に、今の自分と
差ができちゃうからそこで悩んじゃうっていうか。
差ができる?
なんか差ができるじゃないですか、こうでありたいとか。
これがいいんだよなとか。
これでいいんだなって思った瞬間にその差ってなくなるから。
だから本当は今の自分の
あるがままっていうのに
受け入れられる状態でいるってことが理想だな。
それが幸せ?
僕は幸せだし、人生っていうのはそういうものでありたいって思いますね。
幸せね。
でも人がいっぱいいる時の状況で
幸せを感じる時とかが結構あるような気がして。
だから今どうなんだろうね。
幸せの形がいろいろ変わっていきそうな。
人がたくさん集まる場所がどんどんなくなって
あんまり合わんでもいいみたいな
ことがたくさんある中でいくと
そういう幸せの形がどんどん変わるのかな。
わかんないけど。
違う形ができそう。
まだみんなでワイワイしてる方が幸せってするけど。
大人とは?
大人とは?
これは結構自分明確にあって
自分のことをちゃんと説明できる人
自分を知ってる人が大人だなって思います。
そういう思うきっかけがあったの?
自分を知ってたりとか
自分のことを説明できる人っていうのは
自分のことをコントロールできるなと思ってて
その時に自分の立ち振る舞いとか大人だな
そういう人のことを見てると
なんで自分のことを説明できる人
って大人だなって思います。
知ってる人かな?
自分のことを知ってる人は大人だなって思います。
長く生きてるからこそ知れるんだとは思うんですけど。
そうか。そうだね。
そういう気分のギアチェンジじゃないけど
自分でうまく自分をコントロールできるかってことでしょ?
身も近いんだと思います。
自分を知ってたら
見える世界も違うだろうし。
大人は
本当にわからないんだけど
そうっすよね。
大人になった?自分が。なってる?
少しずつなってると思ってます。
ちゃんとなってると思ってます。
そうなんだね。
俺は高校生ぐらいの時と気分が全然変わってない
勝手にしてるつもりなんだけど
時より
反省を生かして
うまくいく時があって
だからそういう技を身につける
いや確かにそれは大人ですね。
そういうことなのかな。
もうちょっとよくある経験のあれかもしれないけど
反省する
自分が作品ごとに
いろいろあったりして
波があるとかってうまくいった時といかない時
みたいな。そういうのを繰り返しながら
修正していくみたいな。
毎回ある。それができるようになってくるのが
大人の技なのかもね。
幸せの形の変化
そうですね。確かにそれは大人ですね。
分かんないけど。って考えてる今日のことも
多分あんなこと言ってやがってって
なるんですよ。完全に僕らになるんですよ。
40歳以上とかにしようかな。
え?どゆこと?
大人とか。年齢で釘とかにしようかな。
年齢で区切ろう。45!
45以上は大人です。いいな。
45?どうかな。
どうでしたか?
お酒も入ったっていう言い訳にしたいんですけど
いろいろ質問がディープだったんで
いろいろ格好つけちゃったなと思って
真面目に答えたいなっていう気持ちが
そうだね。俺もなんか今日そう思っちゃった。
こういう話する番もなかなかないからね。
隠しちゃいますし。
でもなんか新鮮で楽しかったです。
僕も。ありがとうございました。
またゆっくりお話ししましょう。
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