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大人になると、もともと好きでやってたことが仕事になると、結局頼まれて書くってことがほとんどになるでしょ?
でも、この頼まれてもないのに書く感じっていうのが、すごく楽しくって、原点はこれだったなぁと思って。
だから、いい大人が大人げないことをするっていうのも大事だなと思った、その時。 なるほどね。
人間とは
大人とは 幸せとは
人間とは 人生のあれこれが聞けば聞くほどますますわからなくなる
深くないようで深い いい加減なようで意外と真面目なトークセッション
声の大人エレベーター 黒ラジオ
本日は私花陣田原町と 作家演出家俳優松尾鈴木と2人でお送りいたします
すごいなんかあの時報を読むみたいな感じできましたね。 ちょっとかしこまっちゃった
松尾鈴木さんは1962年生まれ福岡県出身の作家演出家俳優
1988年に大人計画を旗揚げし1997年 ファンキー宇宙は見えるところまでしかないで第41回岸田国を議局賞
2008年には映画東京タワーおかんと僕と時々おとんで日本アカデミー賞 最優秀脚本賞を受賞
2004年に映画恋の門で長編監督デビュー 作家としても活躍し小説クワイエットルームにようこそなどが芥川賞にノミネート
2020年文化村シアター国運の芸術監督に就任 ありがとうございます
すごい活躍ですね 正しい滑舌で読みますね
そうですがちょっと緊張しました 元アナウンス研究会なので だからか なるほどな
じゃあ僕も田原まちさんのプロフィールを紹介します 1962年生まれ同い年ですよね
大阪府出身の下陣 早稲田大学大学中より下陣
佐々木雪綱氏の影響を受けて短歌を始める 1987年に出版した第一歌集
サラダ記念日が260万部を超えるベストセラーとなり すごいですね
超えられない 1988年同作で第32回現代下陣協会賞受賞
歌集のほか小説トリアングル これは私文庫本の
そう解説を書いてもらいました 書きました 映画も見ました
エッセイあなたと読む恋の歌100首 100人1首など多数の書籍を出版し
短歌の魅力を伝え裾野を広げた功績で 2021年度に旭賞を受賞と
とってますね 松尾さんもたくさん撮ってらっしゃるでしょう
同い年なんですよね 歓歴ですよ 歓歴の同い年
そもそもは私が松尾さんのファンだった ということでお知り合いになりました
初めて芝居に入るきっかけ
何をご覧になったんですか 一番最初は吉祥寺の声優の2階で
やってたなかなかえぐい芝居を見ましたね 相当前ですよね
だって吉祥寺の声優の2階でやってるって 相当まだ世に知られる前ですよね
30歳ぐらいの時ですね それで本当に悪いもの見ちゃったなっていう印象で
でもすごく自分にないものを この人は持ってるっていうのですごく惹かれて
あとその劇場でお見かけしたのを覚えてる それで何のお芝居だったか忘れちゃったんだけど
松尾さんこのお芝居見に来てると思って 休憩の時に松尾さんお手洗いも行かずに座ってらしたので
私その隣にちょこっと座って 大好きですって言ったのが最初だと思う
人見知りしないから コミュ力がすごいよね本当に
そういう人じゃないと僕は逆にどひとみ知りなんで 仲良くはなれなかったかもしれないですもんね
もともとあれでしょ 田原さんお芝居好きになるきっかけってのは塚光平さんとかですか
高校生の時演劇部だったのね その頃演劇部で塚さんのあたみ殺人事件とか清水邑夫さんのものとか
あと別役みのるさん その3人の戯曲をもうとことん読んでたって感じ
僕も読みましたね大学の頃 塚光平さんは図抜けてたなっていうイメージがあって
何年か前に塚光平聖伝っていうのが出たじゃないですか あー読んでないけど
長谷川さんっていう ずっとそばにいた
安って呼ばれてた人の伝記を読んでる すごい分厚い伝記なんですけど
ずーっとそれを図書館に置いてあって バータリ的に読むんですよ
ここ開いたところを読むみたいな感じで面白いですね
やっぱり自分が力劇団をアマチュアの時から立ち上げてやってるじゃない
そうするとその人生と重ね合わせてはみるんだけど どうもないカリスマが最初からある人だから
私はだからちょっとご縁があって 一時期ほんと塚さんの稽古場に入り乱ってた時があって
本当にそのカリスマっていうか あの人の地場に入っちゃうと
みんながもう塚さん中心にくるくる 衛星のように回るしかないっていう感じだったな
やっぱり激しかったですか 出席等は
厳しい時は厳しいし でも私はまた人見知りしないからすっごい懐いて
一時期毎日電話で喋ったりしてた時期がある
面倒な講演みたいなのを塚さんが依頼されたら お前は対談相手に言っといたから一緒に来いとか言われて
そういうことで地方にご一緒したりとかもして楽しかった
大学の頃唯一塚演劇は見てないんですけど 塚さんが講演会をやってたんですよ
それで見に行って すごい面白い話をしてたんですよね
1個の歌謡曲を取り上げて ずっとそれの歌謡曲の悪口を言ってる
1から10までこれはダメだダメだみたいな ダメ出しをするっていうのを見て
やっぱすごい人なんだなぁと思いましたね
私が入り浸ってた頃はちょうど安倍博史さんが
熱海殺人事件のモンテカロイリュージョンで主役をされる 稽古の初日からずっと見てて
その鍛え方がすごかったし
私が言うのも生意気だけど でも安倍さんがすごくタフな役者として活躍されてる
1つはあの時期を塚さんに鍛えられたっていうのは あるんじゃないかなっていう感じで思いますね
とにかく本当面白い方だったなぁ
アマチュアで劇団立ち上げてって今言ってたけれども
私たちってアマチュアでやってたことがいつかプロの仕事になってるっていうか
そんな感じの仕事っていうとそうだよね
そうですね
ただ大学で演劇研究会っていうのを入って それで初めて芝居に入れたんですけど
その時はアマチュアだったんですけど
結構東京に来てからはこれで食えなきゃ俺のたれ死ぬぐらいな気持ちで挑んでましたね
じゃあもう最初からこれがプロとしての仕事にするっていう覚悟で
そうですね覚悟というかもうそこまで追い詰められてたんですよね
東京に行ってちゃんとサラリーマンになろうっていう努力をしてたんですけど
一回努力はしたんですね
でも市ヶ谷に会社があったんですけど
なりますに住んでてなりますだったら電車に座れるんですよね
それで市ヶ谷で降りようとするんだけど
満員電車がすごくて最初は座れるんだけどどんどんどんどん周りを固められちゃって
市ヶ谷で降りれないんですよ
混みすぎててどうまで行けない
状況したてだからね降りますっていう言葉が出てこないんですよね
いろんなコンプレックスがあるから
それでどんどん先に行っちゃって
遅刻するとね給料から8000円引かれる会社だったんですよね
厳しい
だから毛病使って有給取ってやる
遅刻しそうな日は
1年で有給を使い切ってしまい
全部それなんですよ降りれなくて
本当に
当時はほら携帯もないから何で遅刻したかっていうの言えないし
そういうのに情けない理由が結構半分を占めてたかもしれないですね
それでもうサラリーは無理と思ったわけ
満員電車で降りますっていう勇気を持てない自分はなんだろうみたいなことで
すごい落ち込んでしまい
それもあるんですもちろんいろんな理由はあるし
すごいハードワークで体が持たないなって思ったのもあるし
それで1,2年プー太郎して
学校の先輩がいろんな出版社とかデザイン会社に勤めてたんで
それでイラストの仕事の下請けみたいなのを回してもらって
今も絵上手いもんね
今古典をやろうと頑張ってますよ
古典を絵のね
すごいそれもプロじゃん
それもアマーが乗り込んで無茶をするっていう企画なんです
60歳っていうのもあって
60歳ってゼロ歳らしいじゃないですか
1回もあってね
だから初心に帰ろうみたいなところもあるんですけど
それでイラストの仕事で結構食いつなげてはいってたんですよね
イラストだったら夜中にも描けるから
だったら芝居も始めていいんじゃないかと思って芝居を始めるんですけど
芝居始めると面白くなって
イラストもねちょっと手抜きになっちゃうんですよね
それで会社の人に怒られちゃって
社内法のイラストとか描いてたんですけど
だんだん簡単な絵になってるから
もうクビだって言われて
それで芝居やるしかねぇなって
いよいよ排水の陣だね
腹くくったんですよね
田原さんはそういうのないもんね
私は大学卒業して
3月に卒業して4月から神奈川の県立高校の国語科の教員を
手堅く公務員やってたんだけれども
一つ聞きたかったのは
劇団の名前大人計画っていうでしょ
大人がテーマなんだけれど
それはどうして大人計画って
最初から大人計画っていう名前だったのかしら
最初そうですね
いろいろ候補は考えてはいたんですけど
その深い意味はないんですよね
要するに自分が会社に遅刻してしまうっていう
情けなさみたいな
そういうのから脱却して
人から向けようみたいな
あとはね当時大人が少年を役やってる少女
少年少女やってる劇団が多かったんですよ
思い浮かぶけど
ランドセル持って
分かる分かる
それどんどん言うとバレちゃうんだけど
そういう芝居をね散見してて
そういうんじゃないなと思って
僕はその頃東京観電池とか
石谷尾形さんの一人芝居とか見てて
大人だなっていう
大人なら大人の芝居をやる方がいいんじゃないかみたいな
ちょっとした反発というか
今は気持ちも分かるんですけどね
最近はわざとおじいさんの役やったりとか
子供の役やったりとかいろいろやりますけど
当時はちょっと職商気味だったんですよね
流行っちゃってたから
それで大人計画っていう風に
なんとなく落ち着いていった
計画だから
俺たちが大人だと宣言してるわけじゃなくてね
大人を目指すっていう感じがあるよね
もうでもいい加減大人計画は終了してるような気もしますけどね
今こんな風景でね大人を目指すって言われてもねとなるじゃないですか
いい加減にしろみたいな
いやいやでも計画っていうのはいいな
未来を感じさせる言葉で
そうですか
でもね
そういう過程を経て
結構もう30年以上が経ち
そんな大人を計画してもいられないぞということで
子供たちと向き合ってみようっていう年なんですよね
今年は
実際に生身の子供と向き合ってる
子供っていうか若者たち
知り合いが京都芸術大学っていうところの教授になって
そこで春秋田っていうの
あるある立派なのありますよね
行ったことある
そこの館長になったんですよね
子供たちとのプロジェクト
そこの劇場のプロジェクトで僕が先生として呼ばれて
学科を超えて生徒たちを集めて
一つにまとめて
たわた去年ご覧になったの
いのじきが流すっていう
スズナリでやった
お子さんたちにできたね
あれをやろうっていう
プロジェクトをやってて
それで月に1回行って
いろんなことを言ったりしてるんですけど
じゃあその学生さんたちと定期的に会って
芝居を作るっていう
じゃあその子供たちと会うと
自分が大人だなって思うわけ
大人だなと思う
大人だなってかプロだなとは思いますね
今までプロの人たちとしか接してなかったから
プロの言語を持たない人たちと
コミュニケーションするのがこんな大変なんだっていう
バータリーとかいきなり言っても全然わからないし
そりゃそうね
言葉を選んじゃうから
突然になっちゃって
これにはこれでまた
先生っていう大人にならなきゃいけないんだなっていう風には思ってる
先生って怖いよね
こっちが入ってたらみんなもう先生と思って見てるでしょ
その怖さない
私大学卒業した年に
3月に卒業して4月に先生になっちゃったから
教室に入ったらみんな先生と思ってこっち見てるんだけど
なんか嫌嫌嫌っていう
ちょっと後ろめたさがあったな
でも大学を卒業してすぐだったら
高校生相手だったら
今歳は近いから間隔はそんなに離れてはない
そうですね
下手したら6歳違いぐらい
僕なんかだってもう親というかおじいさん
おじいさん
そうですよ
60なんで入ってきたのは18、19の人たち
そっかじゃあ間に一世代ぐらい挟まっててもあり
このおじいさん僕たちはどうしてくれるんだいみたいな
私も最近やっぱり教えるじゃないけど
いろんなジャンルの人が単価に興味を持ってくれて
岡村さんもね
そうよ岡村さんとは毎月単価の指導っていうとおこがましいけれども
彼もすごく興味持ってくれて
毎月私が出した題で3種とか5種作ってくれて
すごいですね
それについてあーだこーだって言って
あと岡村さんのほかにも
歌舞伎町のホストの子たちと毎月歌会やってるのね
もう5、6年やってるのよ
マジか
彼らは何を求めてるんですか
彼らは言葉の技術を磨く
単価で
すごい大事なのよね
お客様にもLINEとかでもずっとメッセージ送るでしょ
やっぱりすごく短い言葉で端的に表現する思いを乗せる技術とか
お客様から返ってきた一言の背景にある心を読むようになったとか言ってるし
すごくみんな熱心で
新人賞に応募するとか言って100曲ぐらい作ってきちゃう子とかいるわけ
あとアイドルともやってるのね
アイドル歌会
これはイベントみたいにして
毎回すぐに売り切れちゃうのよ
チケットが
ぐらいアイドルの子たちも一生懸命歌を読んでくれて
自分が作り始めた頃はもちろん
自分が全力で歌作るっていうことだけだったんだけど
さすがに大人になってくると
この短歌っていう素敵な表現手段をみんなに手渡していく役割っていうかな
短歌と演劇の関係
それはちょっと感じるようになってきたかな
仕事って言ってもこれも楽しみでやってるようなもんではあるんだけれども
短歌ってね優秀なコンテンツだと思いますよ
まとまりがきちっとしてるっていう
見てくれがいいというかね
肩が支えてくれるの
本当だから技力と全然違うじゃないですか
違う違う
俺も憧れて短歌を何度も
寺山修さんとかね演劇と短歌で近いところにあるから
憧れて作りたいなとか思うんですけどね
まとまらないのに散らかすことばっかりしてきたんで
なるほど
でもそれはまとまらないものを肩がまとめてくれるから
大丈夫
そうか
松尾さんも作りましょう
やりたいんですけどね
カオスばっかりやってきたから
カオスをね5,7,5,7,7年どうやったら閉じ込めていいんだろう
閉じ込めれたらすごいですよねきっと
いやでもその言ってる意味もすごくわかる
私あの塚さんとこに入り浸ってた時に
お前そんなに芝居好きだったら一回書いてみろやとか言われて
その気になって
拙いものを書いたことがあるんだけれど
やっぱり短歌って一つの言いたいことに向かって
言葉を削って整理していくんだけど
結局って一個の言いたいことのために
それを言わずに周りどんどんそれこそ散らかしていく作業だよね
だから本当に同じ言葉の表現でも
向かってる方向が矢印が逆だなと思ったことがある
そうですねその面で見るんですよね
点ではなくて言葉をこうばらつかせて
特に静かな演劇とか呼ばれてるような人たちの
劇局ってそうですよね
一つ一つの言葉にはあんまり意味がなくて
その言葉が佇んでる世界観みたいな
それで見せるみたいな面の世界
だから名台詞みたいなのを嫌うんだよね
そうそうだからその主役が出てきて
言いたいことを短歌みたいに言っちゃったらもう終わりですよね
そんなこと言うわけないじゃんっていう
だからその技学はつまりそのダイアログというか
会話で成り立たせてるわけでしょ
で短歌はモノローグなんだよね
何も書いてなかったら一印象っていうかな
だから本当同じ言葉でも向かう方向が違うっていうのはすごくわかる
ぜひ今度チャレンジさせてください
ぜひぜひ
いや楽しいですよ短歌は
ここで前編が終了ということですがいかがでしたか
なんか意外とあっという間に終わっていいですね
コロナであんまり会えなかったし
喋れなかったから私すごく楽しかった
お芝居見に来てくれてもほとんど会えなくて
楽屋とか行っちゃダメってなってたでしょ
こんなにペラペラ喋ると
本当久しぶりで楽しかったです
次回は7月中旬に松尾さんとの黒ラジオ後編をリリース予定です
お楽しみに
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