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こんにちは、秋本くりこです。
この番組は、アマチュアバイオリン弾きの私が、ブラシ音楽や西洋絵画について愛好家目線で語る番組です。
今回は、前回お話ししたモネの睡蓮を見ながら聴きたい曲として、
ラヴェルの弦楽四重奏曲ヘ長調第一楽章についてお話ししたいと思います。
このラヴェルの曲を聴いていただければわかるんですけれども、
モネの絵画の社会感にぴったりなんですよね。
冒頭から綺麗なバイオリンのメロディーで始まるんですけれども、
全体的に温かみがありつつ憂いもある感じのメロディーなんですね。
春をイメージしていただけるとわかると思いますが、
春って温かくて柔らかい空気感とちょっと気だるい感じが混在してますよね。
それがモネの絵にもラヴェルの四重奏にも感じられるような気がします。
あとは池の水面がゆらゆらして柔らかい光を反射している感じとか、
実際ラヴェルが何をイメージして作曲したのかはわからないんですけれども、
私にはそういう風に聞こえました。
実際弾いてみると、結構テンポが伸び縮みするというか、
少しゆっくりしたりまたちょっと速いテンポになったりという感じで、
自然にうまいこと表現するのが難しいんですよね。
プロの演奏を聴いていると、テンポが変わったことすらわからないくらい自然に流れていくんですけれども、
それを真似しようとするとぎこちなさが出てしまって、
なかなか音楽をつなげつつ緩急をつけるというのが難しいなと思いました。
モネもラヴェルもフランスの人で、モネが1840年生まれ、
ラヴェルが35年後の1875年生まれなので、
年齢でいうと親子くらいの年の差はあるんですけれども、
モネがスイレンの連作を書き始めた約5年後くらいに、
ラヴェルはこの原楽詩重奏を作曲しています。
別にこのスイレンをイメージして作られた曲というわけではないようなんですけれども、
やはり同じ国の同じ時代の空気感があるというか、世界観が似ているんですよね。
実際モネは印象派の楽家として有名ですけれども、
その後は音楽の世界でもラヴェルやドビュッシーの音楽を印象派、
印象主義音楽というふうに呼んでいます。
ただラヴェルの作品全てが印象派的なものかというとそうでもなくて、
いろいろな曲調があります。
例えば有名なボレロとか、結構この詩重奏とは違うイメージだと思います。
もし興味を持たれた方は、ぜひラヴェルの他の曲調だったり、
同じ印象派のドビュッシーの曲なんかも聞き比べてみると面白いと思います。
それでは今日はこの辺で、さようなら。