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それでは前編に引き続き、小杉湯COOの関根江里子さんにお話を伺っていきましょう。
ここからはですね、プロジェクトデザインの視点で5つの問いというのをまた用意してますので、そちらに沿ってお話し進めさせていただきます。
改めてよろしくお願いします。かなり脳みそホットになってるんだけども、もう少し構造的にお話し聞いていこうかなと思います。
1個目がオリジン、起源ということなんですけども、前編でも少しお話を伺った部分、ちょっと重ねて聞いていきたいんですけども、
昭和8年って、昭和の歴でイメージするのが結構苦手なんですけど、よくよく考えると、僕もう亡くなっちゃってますけど、
だいたい自分のおばあちゃんと同じくらいの年齢であるのかなと思って、めちゃくちゃ長い期ですよね。
でもだいたいの銭湯ってそんぐらいなもんなんですか?どうなんだろう?
そうです。若くても80年とか、もっとだと100何年とかのとこもあるので、そんぐらいのレンジですね。
そっかそっか、それでいて新陳代謝というか、僕たちが初めて出会ったのもコカ・コーラさんのプロジェクトというか、
チルアウトというね、飲み物がありますけど、あれを寝落ちるハウスということで、
銭湯の後で寝落ちをしながら、ドリンクも飲んで寄り合わないでいくみたいな、そういったことをキャンペーン的にやれる、非常に良い空間だったなというふうに、
あれもやっぱり小杉さんとじゃなきゃできなかったんだろうなというのも、
僕は本当に遊びに行っただけですけど、思っていて、今も新しいことに挑戦し続けてるので、
なんかやっぱり小杉優の原点とか、そういうDNAみたいなもので、最近入ってこられたってことだと思うんですけども、
歴史から思い当たることとか何かありますか?
小杉 何か、家業なので平松家らしさから来るものと、よく3代目が大事って言われますけど、
3代目に入って変わったことと、何か両方あるなと思ってて、もともとは2代目が平松のお父さんかしげるさんが引き継いだ時って、
基本的には先頭の経営方針はあんまり変わってなくて、カリスマだったおじいちゃんのように経営をしていくっていうのがあったんですけど、
その中でも先頭って20年に1回大規模修繕を入れなきゃいけないんですよ。
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前回が2004年で、本当に先頭経営者としてその大規模修繕って一番大きい行事と言っても過言ではないくらいなんですけど、
その時にこそぎ寄って水風呂が生まれてて、タイルが真っ白で、で待合室が広くなったんですよ。
昔ってまだとはいえ今以上に先頭に行くのって当たり前だったというか、今ほどサウナとかそういうことをやらなくてもまだ来てた時だったんですけど、
そうするとどれくらい回転率を上げるかが当時の業界の当たり前の考え方の中で、もっとお客さんに喜んでほしいとか、もっと楽しんでほしいっていう、
その純粋な思いだけで長く入れるように水風呂を作って、で終わった後に待てるように待合室を作ってっていうのが2代目で、
それがすごい平松家っぽいというか、なんかこう水風呂作ったらそれが音霊交互浴につながって人気が出るとかっていうよりも、
みんながもっと長くいてくれるからみたいな、善意からとんでもない良いハードを生んじゃうみたいな。
今でも感じますね。お客さんのことだけを思って意思決定をするっていう。
それが一つあるので、そういうお客様への思いとかは今も引き継いでて、
例えば死後厳禁っていう強い言葉のポップを貼らないようにしてるので、周りの方に心配りお願いしますっていう。
ワードチョイスね。
そうです。解釈をお客さんに委ねるっていう、信用してなきゃやらない言葉遣いをしていたりっていうのは、
なんかすごくデザインの思想も平松家だなって思うんですよ。
いいな、しかもなんかそれ読んだとしても、ほとんどプレッシャーないというか、そんな考えられて書かれてるんだ感も全然ないですね。
そうなんですよ。
みんなにとっての心配りをしてくれたら、別に小声で喋っててもいいし、
場所取りとかも3人しか入ってなかったら別に場所取りしてもいいけど、20人とか入ってきたら椅子とオケ片付けてね、みたいな解釈に幅が出るので、
そういう表記をしているのは平松家DNAだなって思います。
それめっちゃいい話だし、とても会社経営とかに従事している方はグッとくるものがあるなというか、
ちょっとだけ脱線しますけど、このNGの規定、ルールって線引きだから、これはOK、これはNG、その両方の規定をするのが制度とかルールって呼ばれるものだと思うんですけど、
会社の規模が大きくなるにつれとか、売上が大きくなるにつれとかっていうので、そういうのが増えたりしてきたときに、
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これはOKなんですか、みたいな判断を結局情報総務がチャッチしなきゃいけなくなってくるみたいになったときに、
最近やっぱミニCMが、よしなに、よしなにやってくださいみたいな、よしなと解釈って近いじゃないですか。
そこがだいぶ染みましたね、その話は。
めっちゃ痛いほどわかりますね。だからうちも先頭だと、若いアルバイトの子たちは、体拭いてから出てってねってポップ貼ってくださいとか、ポップ貼ってラッシュになるんですよ、要望が。
だけどルールって一個書いちゃうと、書いてないことはどうなのかになっちゃうので、ルールがべらぼうに増えていく方向になっちゃうんですよね。
だからなるべくうちはルールを書くんじゃなくて、コス牛という場所を大切にしたいって思わせるというか、思いたくなっちゃうような優しい先頭にするっていうのが考えなんですよ。
ただこれめっちゃ話したいっていうか、意見聞きたいなって思ったんですけど、だけどそれは先頭のコス牛でできることであって、株式会社コス牛では別で、
結局株式会社コス牛はゴリゴリの民間企業なので、ジャッジが必要になってくるんですよ。
で、みんなに委ねちゃった時に、先頭はどんな人がいてもいいんですけど、会社は会社なので、ちゃんとカラーがあって、NGとOKを明記していかないと、組織が飴場状に広がりすぎて統率が取れなくなっちゃうっていうのがあって。
今、何人ぐらいで運営してるんですか?
今、正社員4人なんですけど、アルバイトの子が30人とかいて、原宿始まるとシンプルに倍になるので、70とかになってくる。
そうなってくると、確かにいちいち全員に対して指導できないから、ウルカが必要とかってなってきますよね。
それ、要は先頭っていう場で優しい先頭を作るのであるっていうことを身にしめてやってればやってるほど、歯がゆい課題な気がします。
両方で同じことをしてあげたいし、したいなと思うんですけど、先頭の中でOKを戻すかどうかっていうことを委ねるのと、やっぱり組織において委ねるのとでは違うなと思って。
余計に普段あんまりルールを設けない正善説でやってるからこそ、組織で一個のNGを言葉にした時のパワーが強すぎるというか、急に厳しくなっちゃった。
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ちょっと冷めちゃう感じ。
想像つく。
ギャップが、みんなは最初お客さんだった子がアルバイトになっていくので、余計に難しいんですよ。
それは難しいですね。
環境を享受する側と環境を作る側っていうのは同じであってはいけないんですけど、延長にみんないるので、ギャップになっちゃうんですよね、そこが。
大平 だからなかなか環境を享受する皆さんに幸せなものを届けるのと、環境を作る側に作る方針を明確にするのとで、最近もどかしいことがマジで多いです。
これちょっと2回目のやつやった方がいいですね。
大平 はい。
そうですよね。
大平 悩みますね。
でもちょっと2つ目のね、このビジョンに関してと絡めてお話しするといいかなと思っていて、
小杉のビジョンというか大切にされている言葉っていうのを僕伺って、それが開くのではなく閉じない、そういったフレーズだったかなと思っていて、これに結構感銘を受けているというか、
素晴らしい言葉だなと思っていて、これってまずはどういう意味の言葉かっていうのを少しお話聞いてもいいですか。
小杉 これは私たちの思う公衆浴場とか公共ってどういう場所かっていうのを表現した言葉なんですけど、
例えば小杉優だと90年前からずっとタトゥーの方OKで、ただタトゥーの方OKですって張り紙をしたことは一度もないんですよ。
それはタトゥーの方OKですって書いてしまった瞬間に、タトゥーのある人とない人に線引きをして、ある人に対してOKですって言っている発言なんですけど、
公共の場って誰かに対して開くんじゃなくて、誰に対しても閉じないっていう感覚の方が近いからこそ、線を引いちゃうと線をどこまで引くのかとか、
じゃあこういう人はOKなんだっけとか、キリがなくなっちゃうので、誰に対しても線を引かずに全員に対して閉じないっていう、
なんかこの感覚がすごく公共っぽいなと思って、その表現をよくするようになりました。
素晴らしいなと思って、これ何回聞いてもいいわこれ。
本当によくて、特にやっぱり最近、いろんな場面でコミュニティっていうキーワードが飛び交ったりだとか、
それをいろんな会社の枠とか肩書きとか、こういった繋がりをどう作るかみたいな問題って結構多いと思うんですけど、
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そこにコミュニティマネージャーっていうポジションが生まれて、その人たちがおいでおいでよって、こんなイベントやるよとか、
どうやったらこの人とこの人が何か新しい創造効果が生まれるかなとか、すごい頑張るじゃないですか。
それは素晴らしい仕事だと思うんですけど、それってどっちかというと開いてるっていう感覚なのかなと思って。
やっぱり力学を加えて集まってくれた方々と何かをやり続けようとすると、
やっぱり一定の力学というか、加熱が必要となり続けるなっていうのも、いろんな現場を見てて思うことがあって、
今度これが閉じないってなると、勝手に入ってくるっていうことだから、定着する人はするだろうし、
一期一会の人はそうかもしれないし、その関係性を維持するためのカロリーをすごく頑張って炊き続けないみたいな、
そこもさっきおっしゃった緩まるみたいなリワードとか、肩の力が抜けてる感じとかにあって、
素晴らしいんじゃないかなって自分なりに考察してたっていう話なんですけど。
なんかでも多分、自分たちがこれから100年続くという自信のもとにできている部分があって、
今日関係性が終わっちゃう、一回終了したとしても、5年後にまた出会えるとか、
20年後にはお子さんを連れてきてくれるかもしれないみたいな、時間軸の長さが自信となって、
一回離れちゃっても完全に離れたことにならないっていう確信につながるんですけど、
でも逆に私、PayMe運営してた時とかは、PayMeのユーザーさんに対して、
向こう5年でどれぐらい使ってもらうかが大切だったんで、
向こう5年、居続けたいと思うコミュニティにするみたいな、結構時間軸をぶった切っちゃってた感じがあって。
一旦エグジットまでの部分でアクセルをギュッと踏むと、
でも確かにそれはすごく特殊性のある状態なのかもしれないし、
やっぱり僕らで、自分たちの事業でいうと、1年先にどんな仕事をしてるか想像つかないみたいな、
クリエイティブ産業ってそういうところがあったりするので、
今のところおかげさまでそんなこと言っときながらずっと忙しいなっていうのがあって、
それは何でだろうとかも思うんですけど、
明日死ぬとか来年潰れてることはなさそうみたいな、
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その感覚があるからチャレンジできることとか、
今みんなでこの議論結構時間かけてしてもいいんじゃないかとか、
そういうのはできそうなんだなっていうのを聞いて、
もしかしたら僕もある意味焦ってるだけで、来年潰れないっしょって高くくりながら気持ち入れ替えると、
ちょっと違うテンションの話もできるかなとかね、気づかされることありますね。
うちの3代目が例えばコカ・コーラさんとやったネオチルハウスとかも、
これって何のためにやるんですかって聞きたくなるじゃないですか。
そうですよね、先頭側にとってのエリアとかね。
なんですけど、経営の本音として言えばないんですよ、目的なんて。
やることが目的で、そこで出会えた、出会いこそが全てだと思ってるので、
このネオチルハウスをきっかけに、それこそデムさんがコスゲーに入ってくれたとか、
もうそれが、それでもういいですみたいな感覚なんですよ。
だから人と先頭が出会ってくれたらもうそれでいいから、そっから先は勝手に何かが起きるっていう、
そこをゴールに置かないことが私たちとしては先頭らしいなって思ってるので、
目的はないですっていつも。やったら絶対いい方向に、なんか転ぶからみたいな。
いいな、いいな、なんかプレゼンするときに、今のところ動画にとって添付資料として見せたいなって。
みんなやっぱ目的欲しくなっちゃうじゃないですか。
そうですよね、報告しなきゃいけないしなとかね。
やっぱり結構あらゆる活動が結構単発的というか、これをやってどうだったんだろう。
ということで、ちょっと細切れな取り組みが多すぎることは、
すごい会社全体とか社会全体とか協会全体で考えると、
わりとしょうがなく今そうなってるのかもしれないけど、結構ロスしてることも多いかもしれないですね。
本当にそうなんですよ。
めっちゃ良かったですけどね、落ちるハウス。
良かったですよね。
すげえチルだった。
あれは結構革新的だったんですよね。
濃すぎる隣っていう簡易性の場所を開くっていう、
あそこは逆に普段開くんじゃなくて閉じないというよりかは、
銭湯のような空間をある程度の顔なじみのみんなで作っていくっていう場所なので、
基本は言ってしまえば閉じてるんですけど、
そこをあんなに長い時間チルな空間で開くっていうのは初めてで、
そうだったんですね。
完全に初めてだったんですよ。
にしてはあんなもんだな感がすごいあったんですけどね。
ずっとそうなんだと思ってました、今まで。
そうなんですよ。
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名前の付け方もそうなんですけど、
コス牛の隣にあるコス牛隣っていう施設じゃないですか、
さっきの開くんじゃなくて閉じないも、コス牛隣の設計思想も全部同じ設計事務所から出てきてるんですよ。
空間発想なんだ。
そうです。
なので、どんな使われ方をしたとしても名前が変わらない。
100年先もコス牛隣って言えるじゃないですか。
確かに。
だから簡易性の日もチルアウトで開いてる日もコス牛隣はコス牛隣っていう。
100年先も変わらない名前にしようっていうのが結果として場の機能を狭めずに済んでるっていう考えにつながって、
それチルアウトの時に感動したんですよね。
良かったですよ。そして何もしないっていう。
別に何かイベントがあるわけでもなく、大体何もしないっていう。
すごい良かったなというか、力の抜けたキャンペーンだったなと思います。
ちょっと進んでいくんですけど、そういった新たなチャレンジからいろんな出会いとかね、
気づいて得るっていう話が今あったんですけど、そこは言っても、
大体何やってもリスクってあるし、失敗もあるのかなと思った時に、
失敗から学んだこととか、みんなでそれが共有地化されたこととか、もしあれば聞いてみたいですね。
最近3代目と1個振り返ったことがあって、8年前の銭湯業界とかって、
今サウナブームなんかもずっと前なので、全然社会にやっぱり注目してもらえなかったり、
若い子たちがアルバイトに応募するなんてことも本当にレアで、
っていうところからコス技術の3代目ってスタートしてるので、
いかに関わる人を増やすかっていうのが目的というか、強いて言えば見据えてることだったんですよ。
だから企業さんとか関わってくれている人がやりたいって思った企画は全部やってきたんですって。
なので、足し算しかしたことなかったって言ってて、
8年間足し算し続けた結果、今のコス技術があることも間違いないんですけど、
積み上げすぎて倒れちゃった感覚が昨年末あったんですよ。
それは企画の発信が良くなくて炎上しちゃったりもありましたし、
実際本当に運営体制がみんな無理しすぎて、みんなが無理しないと日々の営業が回らないぐらいに企画が多くなっちゃってたんです。
そこですごい整理したのが、もともとはやっぱり街の先頭が社用産業であるっていう危機感から足し算してきたんですけど、
結構コス技術の今いる現在地って多くの方に知っていただけて、お客さんの数は、下手したら休日はもう天井なんですよ。
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なので、これ以上何かをプラスしていくフェーズではもうないっていうのが整理できて、
むしろ今やらなきゃいけないことって、もうすぐ原宿店がオープンするタイミングで、
コス牛の思う街の先頭って何なのかっていうのを改めて問い直して、そうじゃない要素をちゃんと引き算していくことだねってなったんですよ。
そこからコス牛はお風呂の考え方も変えて、
例えばストレートに人気な漢方のお風呂とか、よもぎのお風呂とか、そういうものをまず入浴剤のベースに置くだったり、
物販の場所とかも闇雲に増やすんじゃなくて、お客さんの動線に合わせて一番快適なものまで全部引き算するっていう考えに変わったので、
最近の失敗で言うとなんで、8年かけて積み上げ過ぎてしまったものを一回原点に立ち替えて、街の先頭っていうゴールに引き算するっていうのが、最近の反省でありやってることですね。
でも一旦限界突破したから、みんなでそれが経験できて、ある程度苦い思い出とか言語もできて、今そこに立ってるっていう感じなんですね。
本当そうですね。
でもさっきの話を思い返すと、でも潰れないじゃないですか。
何か1個アクシデントがあったとしても、別に急にそこがなくなるとかっていうこともないのも、すごくある意味リスクが生いやすい体質だったのかもしれないし、なんかそういったことはすごく思うな。
街の先頭っていうキーワードが今出ましたけど、そういう話してると、街ってなんだろうとか、そういう話になったりしないですか?
しますします。昨日の夜、それの話でした。
街って、ちなみにどれくらいの半径のこと、今皆さん街と来られてるんですか?
先頭だと半径500メートルって話しますね。
端から端まで行くと1キロぐらいの辺なんですね。
でも何か、高円寺の半径500と原宿の半径500って全然景色が違いそう。
そうなんですよ。これが難しくて。
ましてやできる場所も、高円寺は日常の中に日常の場所が存在しているんですけど、
あそこはもう商業施設の神宮前交差点にある商業施設の地下1階なので、非日常の中に日常の場所を作るっていう。
そうですよね。
全然違いますね、考え方も。
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高円寺の方って本当にいい意味もあるんですけど、道端だもんね。
そうそう。
ちゃんと調べないといけない感じのひょっこりって感じだけど、
むしろ用もない人がたくさんいる場所だもんね、原宿って。
そうなんですよ。
そこは今考えていることとか、設計思想を変えなきゃいけないなみたいなことは、何か思っているポイントとかあります?
私、設計師のこと大好きなんですけど、設計師さんが言ってたのが、
この非日常の場所に銭湯を作るからには、とにかくスーパー銭湯にしないっていうことを大切に作ってきて、
非日常に簡単に引っ張られちゃうから、日常性を強めたとか、いろいろポイントを話してくれたんですね。
その中でもいいなと思ったのが、3、4年たった時に、私たちは銭湯を作ったんだって思える設計にしましたって言ってて。
しばらくわからないかもしれないみたいな。
それの感覚がすごい共感だったんですよ。
私はよく、今アルバイトの専攻とか採用をやってるんですけど、みんなに伝えてるのが、最低10年からだからって言ってて、
文化とか営みが1年で作れるなんて思わないでほしいっていう話をすごくよくしていて、
毎日営業してお風呂に入る文化があるっていうことが1年やそこらで作れてしまったら、逆にやっぱり街の銭湯に価値ってないはずなんですよ。
だけどやっぱり何十年と続いてきた営みだったからこそ文化になっていて、
これをゼロから作るためには、本当に最低でも5年か10年かけて銭湯としてのスタートラインに立とうねっていう話をみんなにしていて。
だから、まず街の銭湯とか、街が何かに向き合いつつも、それを1年じゃ作れないっていう前提に立つのが、原宿は大切だろうなって思ってますね。
おもしろいな。それ聞いてちょっとギョッとする面接の子とかもいるんですか?
どちらかというと納得する子が多いです。
みんな銭湯か小杉を好きでいてくれる子たちなので、それが原宿の街にどうやったら作れるのかっていう興味で聞いてくれるんですよ。
その時に、作れないよ普通っていう話から始まると、みんなどっかでそう思ってたから、そうですよねって。
だから時間かけてやろうねっていうと、時間かけて頑張りますになるので。
実はすごいストレートな回答なんだろうなって思いますね。
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いいなあ。そう簡単にできると思うなと。
そうですね。
みんな会社の中とかにいると、中期経営計画みたいなのがあったりとか、ビジョン2030みたいな逆算的なというか、ここまでにこうなるためにはどうしたらいいんだみたいな。
逆引きでやっていくことに慣れているとかいう方が多いのかなと思う中で、一旦しばらく眺めながら運転していくみたいな感覚なんですかね。
そうですそうです。日々毎日朝7時から夜23時まで営業するんですよ。
この毎日16時間営業して仕込み入れたら20時間、365日回し続けるって、これが一番難しいことなので。
そうですよね。
それを積み上げさえすれば、たぶん5年後10年後の原宿のあの交差点は、今日よりかは豊かだと思うんですよ。
だから、ここに毎日営業するっていうことを頑張る、それ以上のことはないっていうのをすごい言ってます。
いいなあ。
うちの話になっちゃったんですけど、僕らが最近キーワードにしてるのが、作る楽園っていう言葉で、何か目的のために作るってことは当然あるんですけど、
作ること自体がすごく詰まってるから、その瞬間がより気持ちいいとか楽しいみたいなことをどこまで追求できるかと思ってたときに、
いろいろ話してると、隣に銭湯があったらいいよねとか思うんですよね。
この和黒横山っていう町がすごい好きで、ちょっと原宿ありだなとか思っちゃう。
めちゃくちゃいいですね。
原角、開いてないかな。
ぜひ。
とかね、ありですよね。
そうなんですよ、あの場所、意味とか多いじゃないですか。
意味だらけでしたよね。
広告も全部伝えようとしてくるし、ちょっとしんどいなみたいな感じがあって。
例えば小杉湯原宿は、一切の広告物をやめたんですよ。
ある場所に大きく自分たちの名前を出せますって言われたときも、絶対にそこをフォトスポットにしないって決めて、
銭湯の中も写真を撮りづらい形にしてるんですよ。
どこを撮っていいかわからない、ちょっと悩む感じにしていて。
TikTokとかで、行くべき原宿のスポット参戦とかに出たら、もう私は終わりだと思って。
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そんな消費されるような文化じゃないと思うんですよ。
だったときに、フォトスポットなんてなくていいし、流行らなくていいと思ってて。
日々の営みの中で、当たり前の文化って流行りじゃないので。
とにかく広告物とか一家製のバズみたいなものをそぎ落として、何もやらないことが結果として一番届くと思っているので、
銭湯からそういうマーケティング的なものとか広告的なものも全部NG出してやめましたね。
賛成。それは大賛成ですね。非常に楽しみですね。
じゃあちょっと残り2つざっと行くんですけども、
町の先頭だった小杉、高円寺に根を張ってきたっていうのが、今原宿という目的にまみれた進出していくっていうことで、
大きい転換点だと思うんですけど、結構プロジェクトとしてめっちゃでかいなと思っていて、
プロジェクトデザインっていうことを考えたときに、ポイントなしにやっていけないというか、
何かをちゃんと考えながら動かしていかないと、そもそも期日までに間に合わないとか、やりたいことができないとかいっぱいありそうだなと思って、
4つ目に出したお題がキー、プロジェクトを成功に導く鍵みたいなことなんですけど、
今、こと原宿っていうことでいいかもしれないですけども、関根流というか、心得てることとかってありますか?
関根 一転集中。
一転集中。
関根 なんか副業とかやらないみたいな。
流行りのね。
関根 流行ってるじゃないですか、いろんなことやるみたいな。
でも一転集中した人間にやっぱり勝てることなんて絶対にない。
一転集中した人間の延長線上に副業とかが掛け算できるのであって、
なんで私たち20代がいろんなことに手を出して掛け算を起こせると思ってるんだろうな、みたいな。
あるんですよ、こんな未熟で、割と追い込まれるとか怒ってもらえる機会も少ない世代が、この世代、段階で何もやれないと思ってるので、
まずはその一点、街の銭湯を作るっていうここだけに集中して、
東急さんとかいろんな観点からいろんな意見出ますけど、私たちがやるのはそこに街の銭湯を作るっていう、ただそれだけなので、
それに自分の100%とか1000%かけてやるっていう、一転集中ですね。
そっか、じゃあ関わってくれてる人も結構フルコミットな人が多いですか。
そうですね、関わってくださってる方の特徴が、結構40代男性が多いんですよ、今回プロジェクトメンバーが。
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聞いてると、2,30代の時、狂気的なんですよね。狂気的にやってきた圧倒的な土台があって、なんだけどもう退屈してると。
最近のホワイトな感じに。
なんか30分ごとのミーティングとか15分とかで、自分のアウトプットをどんどん出して、想像の範囲内で仕事をしている感じが退屈だと。
なるほど。
で、あの神宮前の交差点にテントを作るとか、意味がわからないから、面白いみたいな。
だったら自分のこれまで培ってきたものを、想像しえないことにかけてみたいって思っていただいて、すごいコミットいただけるみたいなケースが多くて、面白いです。
確かに40代、男女はわかんないですけど、強いですよね。
強い。本当に強いと思います。
結構走れる体力もあるし。
でもそういう、例えばデベロッパーの方とかってことですよね。結構最初から仲良くなりましたか?
全然全然。
結構、右を曲折あり。
今日もやっぱり分かり合えないことありますし。
あ、そっか。
だけど、私たちが商業的視点で街の銭湯を作っちゃったら、私たちが開催する価値がないと思ってるので、街の銭湯として街の銭湯を作るっていう立場で、商業とかに自分たちを変換しないっていうので伝え続けて、
今でこそ本当にワンチームなんですけど、だとしてもやっぱり言語が違いますし、理解も一致するわけじゃないので、分かり合えないときは毎回話し合って、絶対自分たちの言語を変えないで喋るようにしてますね。
でもやっぱ話し続けるっていうその一点なんですね。
そうです。もう私伝わるまで諦めないです。結構諦める人多いなと思って、何で分かってくれないんだろうって、何もしないで言うじゃないですか。
特に私たち世代多いなと思ってて、何であの人分かってくれないんだろうみたいな、何で分かってもらえる前提なんだろうってむしろ思っちゃうんですよ。だからなんか自分が人生かけてやりたい街の銭湯をあの場所に作るってこと自体、社会からしたら意味わかんないくて当然なのに、それを1日2日で分かってもらえるだなんて思わずに伝え切るみたいなっていう姿勢でいるようにしてます。
めっちゃそれは共有しよ。共有するんだけど、あえてちょっと冷めた質問をしてしまうと、僕も結構ちゃんと伝わるまで何回も同じこと言うタイプなんですよ。
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はい。 なんですけど、たまに感じるのが、あ、なんか向こうが引いたみたいな感じとか、あ、なんかちょっと俺めんどくさいフラグ買ってないみたいな、じゃあもうそれでいいっすみたいな感じになった時に、いやそうじゃなくて、ちゃんとぶつかって消化させたい、上に上げたいんだと思ってポジティブに話してても、そういう瞬間とかないですか?
ありますあります。
なんかそれ、だからといって別に語気を弱める必要はないと思うんですけど、そういう時どうしてます?例えば。
そういう時は、なんかすごい心がけてるのが、もうあの原宿の場所に町の銭湯を作るとか、高円寺の小杉湯という町の銭湯を残していくっていうことを、自分より長い時間考えてる人絶対にいないっていう自信と覚悟で喋るようにしていて、
なんていうんですかね、熱量の違いをもう感じてもらうくらいがいいかなって思ってます。で、最近あったんですよ、本島AとBどっちにするかっていうのが、一個の本島の話だったんですけど、町の銭湯ってどっちなのかみたいな議論に言ってしまえば繋がる問題で、
で、その時に最終私が意思決定をしたんですけど、なんかやっぱ違うのは、この意思決定をして10年後もあの場所でなんでこのフォントにしたのかをメディアとか社会に伝えるイメージをしながら私は意思決定をするので、
どっちのフォントがかわいいかとか、そういうことじゃないんですよみたいな。経営本心として町の銭湯を社会に残すっていうこの文化に人生を懸けてる会社はどっちを選ぶのかっていうふうに社会は見るから、だからもうこれAなんだみたいなふうに伝えて、それで聞かれてしまったとしても、なんか10年後伝わるだろうなっていう思いで、絶対10年後伝わるからって言って会議を終えたりとかするようにしてますね。
そっかそっか。ある程度そこはリーダーシップであるとか。
そうですね。
ちゃんと自分が毛布を拭いてくんだぐらいの感じで、作ったりとか。
2年前の誕生日にすごい悪友が一人いるんですけど、誕生日プレゼントに本くれて、なんか本ってセンスいいなって持って開いたら、見銭を切れっていう本プレゼントされて。
なんか良さそう。
なんか関根は、自分と同じリスクを背負った人間としか経営するなっていうメッセージだったんですよ。
誕生日に送る言葉かって思って引いちゃったんですけど、でもなんかそれが結構自分の中のバイブルみたいになってて、やっぱり同じだけのものを背負って意思決定をしたら、まあまあ同じ結論になるんですよ。
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でもやっぱり背負ってるものが違うから、このデザインをAとBにしたときにそれを50年後も背負うのか、今プロジェクトに納品したら終わりなのかはやっぱり絶対一致しないので、その前提を自分も意思決しますし、その前提を言葉にするようにしてます。
ええ話や。
いいですね。だからあんまめげる必要ないってことですね。なんかちょっと伝わってないな、伝えきってないかもしれないけどっていうところも、最後はやっぱりリードする人間が自分に自信が持てるくらい考え抜くことだっていう話ですね。
そうですね。結局風景見たら良かったってなる自信を持ってやるみたいな感じですね。
いいですね。とてもいい話でした。じゃあちょっと最後の質問に差し掛かっていくんですけど、コラボレーションということですね。
これからどんな人と出会っていきたいですかとか、おそらく原宿の方も日々の場所であるっていうことはね、今散々お話しいただいたわけですけども、何かの出来事が起こる可能性も十分ある場所だと思ってて。
何かこういう人と出会えたらハッピーだなとかありますか。
なんかちょうど今、元NHKの小国志郎さんっていう、注文を間違える料理店とかやられた方と一緒にお仕事をさせていただいてるんですけど、やっぱ小国さんと出会ってすごい社会の見え方が変わったなって思ってて、
小国さんってそういう認知症の方が注文を間違えちゃったとしても、それがクスッと笑える料理店をやったりとか、デリートシーっていうCCレモンのCを消して、そういうCが消えたものを買うとそれが癌の寄付金になるとか、
全部をカジュアルにしちゃうんですよ。やっぱりNHKでずっと社会課題とかに向き合っていたとしても、それをドストレートに正しく重たく伝えても誰も見てないっていうのをすごい痛感された上で、本当に届けたいと思ったら、全部カジュアルでいいし、重たくなくていいみたいな。
っていう時に、小国さんと一緒に仕事をしてから、すごいポジティブに、いやでもそんな銭湯みんな興味ないしなとか、私たちがこの白いタイルどっちにするかとか、フォントとかも興味ないだろうなみたいな感じで考えながら、じゃあどう社会に伝えるかっていうのを最後言葉にしていくんですよ。
そうすると会議に笑いが絶えなくて、重たい気持ちとか覚悟とかは、それは中で持ってるものであって、外に出すものじゃないので、外にどう出すかを会議するときはどう面白く伝えるかだけなんで、そういう人と働けてると軸はぶれないけど、最高に楽しくて。
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めちゃくちゃいいパートナーですね。
そういう大人になりたいなって、めちゃめちゃ思っていながら、もっと出会いたいなって思ってます。
だいたい熱くなっちゃってるよね。
いやそうなんすよ、言いたくなっちゃう。
なんで熱い会話って旗から見ると喧嘩っぽく見えるのかなとか。
ね、分かります。
一番今めっちゃ楽しいのに、周りから見てる人、スキルダメージめっちゃ引いてるとかあるけど、確かにそれはスキルかもしれないですね。
そうですね、バランスですよね。軽くなっちゃっても意味ないし、かといって重たくて伝わらないのも違うしっていうのが、塩梅が。
それできなくて、思うんですけど、スキルですねって言っちゃって、なんかちょっと違うなって思い直してるんですけど、
たぶんそのお気に入りさん自身が普段からめっちゃいい方なんじゃないかなって、
めちゃめちゃいい人です。
思うというか、やっぱベースいい人って超貴重ですよね。
分かります。
自分がそうじゃないから、思うというか、そういう人がチームとかプロジェクトの中にいるっていうのは、むちゃくちゃ成功要因かもしれないですね。
確かに、前提いい人であるって結構大きいですね。
そうですよね、そういう人にちゃんと発言のターンが回ってくるような雰囲気づくりであるとか、
それをみんなで共有できるような雰囲気づくりみたいなのは、めちゃくちゃ大事なのかなと思いました。
本当僕らも、さっき言ったように楽園を求めていきたいなと思っているので、原宿ができたらご一行様で、
ぜひお待ちしてます。
お二人に行きたいなと思います。
ありがとうございます。
予定より長くなってしまってますが、非常に面白い話を聞かせていただきました。
関根さん、本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
プロジェクトデザインルーム第8回、関根理子さんをお迎えしましたが、皆さんはどんなインスピレーションを受けたでしょうか。
本当に1時間お風呂に浸かってたんじゃないかっていうぐらい頭が今温まって、すごく前向きな気持ちになってます。
街の銭湯を作るってすごく平易なフレーズですけれども、めちゃくちゃ100年とか時間軸で考えていく長い出来事なんだなと思うと、
そこに想像を馳せると自分の脳みそのスケールも大きくなったなって思いますし、
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天命、ミッションみたいなのっていつ降ってくるか分かんないんだな。
急に明日来ちゃうかもなって思うと、人生ワクワクするなっていうふうに思えるような、そんなインスピレーションを僕は受けました。
中でもいくつかキーワード出てきたなと思うんですけれども、一点集中の強さってやっぱりありますよね。
それはもう当たり前で誰もが分かることなんですけど、やっぱりやりきる覚悟とか、そういうものが見つかったときって本当に強いと思うし、
今、いろんな年齢の方が聞いてくださってるとは思うんですけれども、自分はどういう状態であるべきなのかっていうのをあえて見直してみるタイミングっていうのがあってもいいと思います。
一方で、いろいろパラレルにやっていくことの強みっていうのも僕的には思うところがあるので、今自分がどういう状態かっていうことに合わせてやっぱり考えていく。
それがどんどん変わっていってもいいもんだなっていうのは思いましたね。
あとこの伝わらない前提で望むみたいなのもすごい僕は刺さってて、なんでこんな伝わらないんだろうって毎日思うんですけど、やっぱ伝わんないもんだよなと。
その大前提の中で自分の思いとかを言葉にしていくことが大切だっていうことだし、言葉だけで伝わらないときに何を加えていくのか、そういったところがやっぱり重要だなと思いました。
最後、伝わらなくても自分が覚悟を持って自分が一番考え抜いてるから大丈夫だろうって、やっぱりそういうところのリーダーシップがあるとプロジェクトっていうのはすごく鮮やかに打ち抜かれていくんだろうなというふうにも改めて思ったところですし、
すごく自分の中にも取り入れていきたいなというふうに思える素敵な時間でした。
こういった形でまた新しいゲストもどんどんお迎えしていきますので、ぜひまた次回をお楽しみにしていただければと思います。
お会いしては、こねる知財図鑑の出村光雄でした。