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みなさん、おはようございます。
こんのゆるラジチアプップへようこそ。
この放送は、子どもも大人もゆったり過ごせるように、
絵本とともに朝のひと時をお届けします。
今回も、子どものための世界のお話から、
アメリカ民話、しょうがぱんのぼうやの続きをお話しします。
おそらくですね、これで最後になると思いますので、どうぞお聞きください。
しょうがぱんのぼうや
まもなく、はらっぱの向こうから、きつねが一匹やってきました。
きつねは、しょうがぱんのぼうやを見つけると、さっそく追いかけました。
小さいしょうがぱんのぼうやは、どんどん逃げながら言いました。
エッサエッサ、はしれやはしれ、つかまえるならつかまえてごらん。
とてもつかまるもんですか。
ぼくはしょうがぱんのぼうやだもの。
ぼくはおばあさんのおうちから逃げだしてきたんだよ。
おじいさんのおうちから逃げだしてきたんだよ。
めうしのところからだって、うまのところからだって、逃げだしてきたんだよ。
おひゃくしょうさんたちがいっぱいいるなやからだって、
くさかりおとこがおおぜいいるはらっぱからだって、逃げだしてきたんだからな。
おまえさんのところからだって、逃げだせるさ。
きつねは、きょとんとして聞きました。
それはいったいなんのおはなしですか。
きつねはたいそうていねいなことばではなしはじめました。
あなたさまをつかまえようなんて、だれがいったいそんなことをしたのですか。
わたくしなんぞは、そんなことはゆめにもかんがえたことはございませんよ。
あなたさまは、ごりっぱなしょうがぱんのぼうやさまですもの。
そこはちょうどかわぎしでした。
うしろからは、ちいさいおばあさんや、ちいさいおじいさんや、
めうしや、うまや、おひゃくしょうたちや、
くさかりおとこたちが、えっさえっさとおいかけてきます。
どうにかして、かわをわたらなければなりません。
でも、かわのなかへとびこめば、しょうがぱんのぼうやのからだは、
どろどろにとけてしまうでしょう。
すると、きつねがいいました。
わたしのしっぽへおのりなさい。かわをわたしてあげますから。
しょうがぱんのぼうやは、おおよろこびで、きつねのしっぽにぴょいっととびのりました。
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きつねは、さっそくかわへとびこんで、じゃぶじゃぶおよぎだしました。
きしからすこしはなれると、きつねはいいました。
せなかのほうがおらくでしょう。しっぽはみずにつきますかな。
しょうがぱんのぼうやは、きつねのせなかへとびのりました。
すこしいくと、またきつねがいいました。
ふかいところへきましたよ。
せなかもみずにぬれますから、かたへおのりください。
そこで、ちいさいしょうがぱんのぼうやは、きつねのかたへとびのりました。
むこうぎしにちかづくと、きつねはきゅうにさけびました。
あ、たいへん。みずがだんだんふかくなる。かたではあぶない。はなのあたまへおのりなさい。
ほいきた。
ちいさいしょうがぱんのぼうやは、きつねのはなのあたまへとびうつりました。
きつねはきしにとびあがると、あたまをぷいっとふりました。
すると、ちいさいしょうがぱんのぼうやは、はなのうえからきつねのくちへパクンととびこんでしまいました。
パクパクピチャピチャ。きつねのくちのなかでおいしそうなおとがしていました。
それから、やがてごっくんときつねののどがなりました。
とうとうしょうがぱんのぼうやは、きつねのおなかのなかへきえてなくなってしまいました。
おしまい。
いかがでしたでしょうか。
人間でもつかまえられなかったしょうがぱんのぼうや。
やっぱりきつねはあたまがいいというイメージをですね、ものがたりのなかではよくかたられていますよね。
どんどんどんどんくちへちかづけていって、ぽいっとたべてしまう。
そんなところがきつねらしいというか、ずるがしこいといったらずるがしこいになってしまうんですが、
ああ、あたまがまわるなとそうかんじたおはなしでした。
それでは、きょうもおききくださりありがとうございました。
こんでした。ではまた。