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2021-04-05 04:58

『てんぐのかくれみの【後編】』

Kon
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『てんぐのかくれみの【後編】』

日本民話

とんちをきかせて天狗の隠れ蓑を手に入れた少年は、早速姿を隠していろいろなところへ向かう。
その途中で、トラブルを発見して…。
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00:06
みなさん、おはようございます。
こんのゆるラジ、ちあぷっぷへようこそ。
この放送は、子どもも大人もゆったり過ごせるよう、
絵本とともに朝のひと時をお届けします。
はい、今日も前回の続きで、
子どものための世界のお話から、
てんぐのかくれみのというお話の続きを読ませていただきます。
それでは、さっそくお話ししますね。
街は夕方、にぎやかです。
でも、ひこいちがいても、だーれもわかりません。
しばらく歩いていくと、道の真ん中に何やら人だかり。
のぞいてみると、
侍が飴売りじいさんを踏んだり蹴ったり、ひどいことをしています。
飴売りじいさんが気の毒だ。
このかくれみので助けてやろう。
ひこいちは砂をつかんでかけよると、
侍の顔にいきなりぴしゃりと投げうつけ、
うしろにまわって足をひっぱったものだからたまらない。
侍は、たっ、
うわっ、だれじゃ、いてててて、とつんのめってしまいました。
まわりのひとびとには、ひこいちのすがたはみえません。
侍がひとりでにひっくりかえったようにみえたので、
みんなはげらげら笑いました。
ひこいちは小さな声で、
おれは山の天狗じゃ、と言うと、
侍はおどろいてにげだしていってしまいました。
ああ、おもしろかった、おもしろかった。
これさえきていりゃ侍もこわくない。
ひこいちはそりゃいいきもちで、
いえにかえるとかくれみのをぬいでものおきのすみにおいておきました。
ばあさんにもだまっていました。
ところがあくるあさ、ねぼうしてものおきにいってみると、
だいじなかくれみのがありません。
そこでたきびをしていたばあさんにきくと、
きたないみの、どこからもってきたんだ。
もしてしまうよ、というではありませんか。
ああ、それはだいじなもんだ。まって、まって。
あわてておおごえでいったけれどもうまにあわなくて、
てんぐどんのかくれみのはぼうぼうもえてはいになってしまいました。
ひこいちはぱっときものをぬぐとかくれみののはいを
からだにぺたぺたぬりつけました。
するとあたまのうえからあしのさきまで
すっときえてみえなくなってしまいました。
03:01
はあはあ、どんなもんだい。かくれみのきているよりかるくていいや。
ひこいちはとくいになっていえをとびだしました。
ただでしばいをみる。おとのさまのおしろにはいっていく。
いろいろやってもみんなにみつからないのでおもしろくてたまりません。
そのうちおなかがすいてきたのでおまんじゅうやのまえへいってわざとこえをだし、
ひとついただこうとおまんじゅうをつまみました。
ああ、うまいうまい。もうひとつ。
いいきになってもうひとつ、もうひとつとほおばったので
あんこがいっぱいくちのまわりにくっつきました。
それをうしたでぺろぺろなめたので
くちのまわりのはいがみんなおちてしまいました。
おみせのひとがひょいとみますと
くちがうかんでおまんじゅうをたべているのでびっくりぎょうてん。
お、お、おばけ、くちのおばけ、とさわぎだしました。
ひこいちはしまったとにげだすと
おみせのひとやまちのひとが
くちのおばけ、くちのおばけ、おもしろいつかまえろ。
そらあっち、そらこっち、とおいかけてきます。
ひこいちはにげるしみんなはおいかける。
にげる、おいかける、にげる、おいかける。
まちじゅうおおさわぎになりましたとさ。
おしまい。
はい、いかがでしたでしょうか。
日本の昔話は結末がおもしろいですよね。
それではきょうもおききくださりありがとうございました。
こんでした。ではまた。
04:58

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