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みなさん、おはようございます。
このゆるラジチアプップへようこそ。
この放送は、子どもも大人もゆったり過ごせるよう、
絵本とともに朝のほんのひとときをお届けします。
はい、今日のお話は、
改正社出版、内田凛太郎さん作、
フリアナナさん絵の
【よろしく友達】というお話をお届けしたいと思います。
それでは早速読んでいきますね。
狼が怖くて降りていけません。
鋭い牙が時々チラリッとしました。
なんだなんだ、もう三日目だぞ。
俺たちと遊びたいんじゃないのか、あいつ。
狼は丘の上を見上げ、じれったそうに言いました。
一緒に遊ぼう。
狐はこだぬきに手を振ってみました。
狐さんが手を振ってくれた。
こだぬきは思い切って丘を降り始めました。
もちろん狼が怖いので、そろりそろりと用心深く。
お、降りてくるぞ。
狼は嬉しくて狐の肩を叩きました。
本当だ、降りてくるね。
狐はさらに手を振りました。
くる、くる、くる。
狼はこらえきれずに飛び上がりました。
ずっと気にしていたやつがついにやってくるのです。
急げ、こだぬき。俺が待ってるぞ。
狼はありったけの大声で叫びました。
だ、だめ叫んじゃ狼さん。
狐が止める間もありませんでした。
ぴょーん。
だ、だめだ。怖いよ。
こだぬきは鷹に見つかったネズミよりも早く逃げ出しました。
な、なんだあいつ。
狼はポカーンと口が開きました。
ど、どうしてだ。
どうしてあいつは逃げ出したんだ。
03:01
わけのわからない狼は狐にたずねました。
もしかしたら。
もしかしたら、なんだ狐。
狼さんが怖かったのかも。
怖い?この俺様がか。
狼は肩ががっくりと打ちました。
昨日の夜読んだばかりの本にこう書いてあったからです。
強いものほど優しい。
だったら俺は優しい。
強い狼はそう思っていました。
がおーにー。がおーにー。
その夜狼は鏡の自分をまちまちと見つめました。
がおーにー。がおーにー。にー。にー。
これでいいのか。
次の日こだぬきがそーっと広場を見下ろすと狼はいませんでした。
あーよかった。
狼はほっと息を吐きました。
その時です。
後ろから優しい声がしました。
こだぬきくん。
狼は目がつりあがりました。
おばけがいました。
いいえ、おばけよりももっと怖いものがにーと。
助けてー。
こだぬきは一目散に丘を駆け下っていきました。
狐に向かってまっしぐらに。
だっだっだっだっだー。
狼は家に帰るなりヨロヨロとベッドに倒れ込みました。
狐と俺はそんなに違うのか。
俺はただ怖いだけの男なのか。
狐は優しくて、狼は怖くて。
本には乱暴者は弱虫だとも書いてありました。
狼は次の日も次の日も広場に来ませんでした。
狐が誘いに行ったらドアに張り紙がしてありました。
勉強中につき遊べません。
もしかしたら狼さんは。
狐はこだぬきをそっと誘いました。
狼さんのところへ行かない?
こ、怖いよ。
大丈夫、僕が一緒だから。
06:02
狐さんが一緒ならね。
こだぬきはこくんとうなずきました。
二人がそーっと覗き込むと、狼は何かを書いていました。
こだぬきへ書いた手紙や絵も部屋中に散らばっていました。
なんだろうね、狐さん。
なんだろう、大きな紙に。
き、決まりだ。これで決まりだ。
安心したのか、狼はそのまんまぶっ倒れました。
狼さんって本当は優しいんだね。
こだぬきは狼の寝顔を覗き込みました。
涙のしずくが残っています。
そうだよ、見かけはちょっぴり怖いけどね。
狐はくすっと笑いました。
はじめまして、僕こだぬきです。
よろしくね、狼さん。
こだぬきは狼の耳にささやきました。
よかったね、狼さん。
狐も言いました。
次の朝、狼が目を覚ますと
ゆ、夢か?
夢ではないようでした。
狐が寝言を言いました。
狼さん。
こだぬきも言いました。
狼さん。
狼はうれしくて鼻歌が出てきます。
むしぱんむりやりむしゃしゅうきょう
むりやりながやりおじゃまむし
おじやだいすきおじゃまむし
あっちによっちゃよろしく友だち
狼はさりげなくこだぬきに手をあげました。
狼さんがよろしく友だちって。
こだぬきははずんだ声で狐に言いました。
よろしく友だち。
狐もこだぬきとパチーンと手を合わせました。
すっかりお仲間だね。
耳づくのじいさんは安心したように目をつぶりました。
おしまい。
いかがでしたでしょうか。
すいません、途中噛んでしまったんですけども。
こちらですね、ぜひ絵本で読んでいただきたいです。
絵がすごいかわいらしいんですけども、
狼の怖い表情だったり、
鏡の前で練習している姿とかがとてもいじらしいです。
ご存知かわからないんですけども、
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友だち屋っていうシリーズがありまして、
これ私ビックブック版で読んだことがあるんですね。
こちらのですね、ちょっと思ってた内容と違って、
すごく感動なのかな、嬉しい感動かな。
感動したんですけども、
ぜひね、読んでいただきたい絵本となっておりますので、
皆さんもよろしければご覧ください。
それでは、今日もお聞きくださりありがとうございました。
こんでした。ではまた。