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みなさん、おはようございます。
こんのゆるラジチアブックへようこそ。
この放送は、子どもも大人もゆったり過ごせるよう、
絵本とともに朝のほんのひと時をお届けします。
はい、今日のお話は、
【金の保持者】井本陽子さん文へ
【日本むかし話】赤ちゃんになったおばあちゃんをお話します。
それでは早速お聞きください。
赤ちゃんになったおばあさん
【日本むかし話】井本陽子文へ
むかしむかし、とっても仲のよいじいさまとばあさまが住んでいました。
ばあさま、わしらも年をとったの。
ほんに、いくつになったんじゃろう。
縁側でお茶を飲みながら、とろーりとろりと毎日が過ぎていました。
ある日、じいさまが山へたき木を拾いに行きました。
そうじゃ、ばあさまの好きなきのこをとって帰るとしよう。
じいさまは、今まで行ったこともない山奥に入って行きました。
すると、水の落ちる音が聞こえてきました。
じいさまが音のするほうへ行ってみると、そこには小さな滝が流れていました。
おー、こんなところに滝が。
ちょうどのどがかわいていたところだで、ありがたい。
どれ、いただくとしよう。
じいさまは、手ですくって水を一口飲みました。
すると、ふしぎ。疲れがいっぺんにとれました。
もう一口飲むと、またふしぎ。
こんどは、からだじゅうに力がわいてきました。
また一口飲むと、あらあらふしぎ。
まがっていた腰がしゃんとのび、しわしわだった手がつるつるになりました。
ありゃ、これはどうしたことだ。
ふしぎにおもって、じいさまがいずみをのぞいてみると、そこにはわかものがうつっていました。
な、なんじゃ。これはわかいころのわしじゃ。
え、わしはわかがえったのか。
じいさまは、そんなはずはないと思い、なんどもなんどものぞいてみましたが、やっぱりわかものがうつっているのでした。
わしがわかがえった。
ということは、このみずはわかがえりのみずということじゃ。
わかがえった。
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じいさまはおおよろこび。
そりゃもうたいへんないきおいではしってかえりました。
ただいま。ばあさん、いまかえっただよ。
じいさまがげんきよくとうあけてそういうと、ばあさまはきょとんとして、
はあ、どこのわかいしゅうかいの。なんのごようですかいの。
なにをゆうとる、ばあさま。わしじゃわしじゃ。
はい、どこのわしさんですかいの。
ばあさま、わしじゃよ。おまえのじいさまじゃよ。
これこれわかいしゅう。としおりをからがうもんでね。
そこでじいさまは、やまであったことをばあさまにはなしました。
そういえば、それはじいさまのきものじゃ。そうじゃろう。
それに、そのこえはじいさまのわかいときのこえじゃ。
そうじゃそうじゃ。そのかおもじいさまのわかいときそっくりじゃ。
だからわしはわしだけど、わかいころのわしにもどったんじゃ。
ばあさまにもあしたわかがえのみずをくんできてやるが。
そのよるわかがえったじいさまは、わかものらしくぐっすりねむった。
いっぽうばあさまは、あしたになればじぶんもわかがえられると思うとうれしくてうれしくて、なかなかねむれません。
あさ、めをさますとばあさまのすがたはありませんでした。
ははーんばあさま、まちきれずにいっただな。
わかがえったじいさまはまきをわったりしながらばあさまのかえりをまっていました。
でもいつまでまってもばあさまはかえってきません。
じいさまはだんだんしんぱいになってきました。
なにかあったんじゃろうか。みちにまよったんじゃろうか。
じいさまはばあさまをむかいにいきました。
ばあさまやーい。ばあさまやーい。
いくらよんでもへんじがありません。
たきのそばまでくると、おにゃーおにゃーとあかんぼうのなきごえがきこえてきました。
じいさまがのぞいてみると、そこにはばあさまのきものをきたあかんぼうがおおきなこえでないていました。
よくみるとそれはまぎれもなくばあさまでした。
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ばあさま、あかんぼうになっただか。
じいさまをよろこばせようとたらふくわかがえりのみずをのんだばあさまは、
わかがえりすぎてあかんぼうになってしまったのでした。
それからじいさまはあかんぼうになったばあさまのおしめをかえったりあらったり、
おんぐしたりだっこしたり、
まいにちまいにちおおいそがしだったそうなおしまい。
いかがでしたでしょうか。
わたしいろんなむかしばなしきいたことあったんですけど、
このおはなしははじめてだったのでよんでみました。
みなさんはごぞんじでしたか。
なかなかこれはどんなおはなしになるかと思ったらおもしろいてんかいで、
けつまつはすでにタイトルどおりなんですけども、
とてもほがらかでほんわかとしたおはなしとなっておりますので、
ぜひごらんください。
それではきょうもおききくださりありがとうございました。
こんでした。ではまた。