1. 心の砂地#
  2. 第42回『(the world Is yours)』

「Whose world is this?」、「世界は誰のもん」なんでしょうか。

Nas 『The World Is Yours』(94)から、元ネタとしてのブライアン・デ・パルマ『スカーフェイス』(84)と自由意志、それってつまり石原慎太郎から『天気の子』(19)まで!改めて色んなことを考えてみました。

自由と暴走の境目、線をひくとしたらどこにあるのでしょう。もしかすると話題になったような「死」への距離になるのでしょうか。


◆第42回の⁠⁠⁠用語集、詳しい解説、補足のnoteはこちら⁠。⁠⁠

https://note.com/lnt91/n/n539e38f22436


《#kokosuna掲示板》

「三十日間の新聞」

https://note.com/lnt91/n/nc592a8854262

『心の砂地#』も参加しました!


「てらださんがつけているイヤーカフ」

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(2023年7月20日収録) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 番組Twitter:https://twitter.com/kokosuna 感想など、ツイートしていただける場合のハッシュタグは#kokosuna でお願いします! ここすなリンク集→ https://lit.link/kokosuna 番組感想、お便りは kokoronosuna@gmail.com  ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠もしくはこちらのフォームまで!⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ 2023 artwork:⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠セキヤ@sekiyanabemotsu⁠⁠⁠

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次回は、XTC『Skylarking』について配信します。第45回はいしいひさいち 『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』について!お楽しみに。

00:00
――寺田さんは、世界は誰のもんやと思ってますか?
――世界が誰のもんか?
――うん。
――世界はみんなのもんでしょう、そりゃ。
――www
――そうか。
――え、違う?
――まあまあ、いやまあ、たぶんそうなんやと思うけどね。
――あー、もっと個人名とか言ったほうがよかった?
――いやいや、そんな、いや個人名出てこないでしょ、それで。
――www
――そうね。
――個人名出てくるのちょっと怖いよ、なんか思想みたいなの感じるもん、それ。
――世界にそうか、急にグッとね、なんか思想が見えてちょっと危険な感じするけど、あんま考えたことないね、世界が誰のもんかと。
――あー。
――うん。
――まあ僕、都内をね、よく運転してるんですけど、仕事でね。
――はいはい。
――日中だいたい運転してる時間が毎回、まあ日によるけど、ない日もあるけど、1、2時間、もうちょいあるかな、3、4時間は運転をしてることが結構あって。
――結構長いっすね。
――うん。
――で、やっぱりすごい運転してて思うのがさ、
――うん。
――自分のことしか考えてない人ってやっぱめっちゃ多いなって思うね。
――www
――多いですね、特に都内の下道とかなんて結構入り組んでるとこ怖いよね。
――そうそうそう、まあでも、なんか大阪に比べたら東京って、指示器出したら割り込ませてくれるし、なんかまあ、マナー良い方だと思うんやけど、
――うんうん。
――やっぱそれでも、狭い道なのに路中してるタクシーとかのせいで渋滞が起きたりとかさ、あるあるやんか、ほんまに。
――いや、タクシー怖いよな、都内。
――タクシーがマジでエグいなっていうのは東京を走ってた思うんやけど、
――うん。
――よくあるのがタクシー乗ろうとしてる人が、なんか競り出してきたり止めようとしてるから、タクシーも強引に行かなあかんみたいなさ、なんかそういう場面とかもあって、
――接客ゆえのね、うん。
――そうそう。あとさ、自転車とかが結構だるかったりするんやけど、最近。
――あー多いね。まあでも、都内あの自転車用のさ、ここ走ってくださいねマーク結構出してるけど。
――そうそうそう。とか、あと今ループとかさ、ああいうやつ。
――あーはいはい。
――結構危ないんだけど、たぶんあれって車運転する人だったらこう行ったら危ないなとか、ここまで滑り出したら危ないなとか、
――ロカタにタクシーとか止まってるから、ある程度車道の方に出てこなあかんから、
――うん。
――そのどんぐらいはみ出すかみたいなんで、自転車でもこう右でこうパッて出してくれんのやんか。
――うん。
――だからあーこう膨らむのねっていうのがわかるんやけど、やっぱそれこそ自分のことしか見えてない、たぶん車も運転せえへん人って、そういうのがわかれへんのやんか。どう走られたら怖いかっていうのが。
――まあね、自転車とかは特にね、車運転しない人もそれは運転するから、ここらへんはね難しいよな、折り合いつけるのは。
――そうそうそう。だからその、タクシー乗りたいやつもなんか、なんで止まらへんねんみたいな感じになるし、タクシーはタクシーでサービスだから行かなあかんけど、
――俺は仕事で行っとんねんみたいな傲慢さを見せてくる、走り方してくるやつも多いし、道間違えたーとかで入れてくれるのはいいんやけど、
03:02
――なんかその、王兵な態度した方が早く帰れたりするやんか。
――まあね、それはほんとそう思う。なんか結局強引なやつが一番効率よく動けてしまうってことになっちゃってるよな。事故を起こさんようにすると遠慮する人が多いやんか。
――そうそうそう。
――そうなったら結果遠慮する人ばっかの中で強引な人とかわがままな人って通りやすいやん。
――うん。なんかやっぱ、そういうの見るためにWho's world is this?ですよ。なんかもう。
――急に何?
――世界はお前のもんやねんって、World is yoursっていう感じになるのよ。
――あー、そういうことね。
――これ、NASのWorld is yoursっていう曲なんだけど、ビートロックっていう人がビート作ってて、Who's world is this?っていう風にサビが入るんやけどね。World is yours, world is yours。
――ヒップホップのクラシックっていう。
――クラシック、そのIllmaticっていう90年代のアルバムに入ってる有名な曲ですけど、なんかそれが毎回そういう王兵な態度を見るたびに頭の中になって、
おい、世界とは誰のもんやねんって思ってんの。
――デカいっすね。まあでも確かに、そのね、その空間の中ではね、この世界が俺のもんやと思ってるもんな。確かに一瞬でも。
――そうそう。だからやっぱNASみたいにお前のもんだって言わなあかんのかなって思ったりしてて。
――なるほどね。
――世界と選択、まあなんかそれって、世界は俺のもんだって思ってる人からしたら、多分自由意志。
いやだってこうしたんやからこうしたらええやんっていうことを大事にしてる人の方が多いと思うねんか。
――うんうん。まあそれはそれで自分の思想的なものでやってるってことかな。
――まあ思想って言ったら、そこまで多分考えてないと思うけど、まあだってこうやったらこうするやんみたいな。だるいやんっていうさ。
――そういうことか。
――そういうことを考えると、やっぱそれって自由意志。自分の自由意志っていうのを大事にしてるっていう態度やんか。
――うん、そうね。
――うん、なんかそれと、それこそ世界と自分の自由意志が成り立つんかって、まあそれこそカタカナの世界系っていう作品とかってこういうことが多かったと思うけども。
――うんうん。
――なんかそこについてちょっと改めて考えたいなと思って。
――うん、なるほどね。
――なんかそんなことを話してみようかなと。だから今日は世界系ですわ。
――おー、世界系に触れる。
――いやあんまりいかんかもしれん。
――あははは。
――まあけどなんかそういうことなんだと思う。
――はい、なるほど。
――っていう感じのことをね、話していこうかなと思ってます。
――お願いします。
心のすな字は様々な文化や日常の気づきをヒントに考え続けることで、言葉の記憶装置を目指す教養バラエティ番組です。私、シャア君です。
――はい、そして私は寺田です。よろしくお願いします。
――ということで本日も始まります。心のすな字。
君のこと好きだって気づいてた
だけど僕は怖くて言えなかったんだ
06:05
春の青さと夏の輝き
君と二人ずっと歩きたいだけ
――ということでですね、World is yours。世界も選択もお前のもんということでね、やりたいと思うんですけども。
まずこの夏のさっき言ったWorld is yoursって曲って、アルパチーノのデパルマガ監督のスカーフェイスっていう映画、84年かな?日本公開が。83年で日本公開、84年の映画が元ネタなんやけど。
――はいはい。映画の中でね、印象的に出てくるフレーズですね。
――そうそうそう。寺田にもスカーフェイスちょっと今回のエピソードにやっとるから見てくれって言って見てもらったんやけど。めちゃめちゃ面白いんですけどね、映画として。
結構長いけど。
――長い、170分とかあるね。
――ギャング映画としてはほんまにめちゃくちゃ面白いし。
――クラシック中のクラシックで、特にそのラッパーがやっぱすごい好きな映画っていうので、いまだにアートワークとかその真似したりとか、実際にスカーフェイスっていう名前のラッパーもいるからね。
結構レジェンドのラッパーだけど。
――そういう流れもあってないだろうけど、ヒプノシスマイクでもスカーフェイスっていうのがあるんですよね。
――ヒップホップってやっぱすごい映画と関わり強くって。
――なるほどね。
――それこそ去年もプレイボーイカーティーっていう最近のラッパーがいるんだけどが、ほんまにまんまスカーフェイスのジャケットを使ったりとかしてて。
本当にいまだに言われてるし、っていう映画で。
で、スカーフェイス面白いんが、それ言ったらチンピラーがどんどん成り上がっていって、そして没落していくっていうだけの話じゃないけど。
多分それが当時のハードな環境で育ったラッパーとかにもすごい響いたのは、それこそ自由意志っていうことだけでのし上がってる一人の男。
権力とかっていうよりも、自分の心意気だけでどこまでも行くっていう。
だからある意味インテリジェンス的なものは一切ない。
そういう権力とかインテリジェンスのさばってる奴らを自由意志だけ、それ一本でやってる人が倒していくっていうのがある意味爽快感がある程度ある。
で、もう1個はあと家族はめちゃめちゃ大事にしてるっていう、そこのねじれ方。
すごい自分の妹のことだけはすごい可愛がってて、みたいな話がずっとあって。
そこも多分、それこそ自由意志で上がっていくだけの話っていう。
09:02
これって多分、日本だと石原慎太郎という人が書いてるんですけど、ここは。
実際、石原慎太郎のものにジャンリックゴダールとかが影響を受けて、それでヌーベルワーグとかの勝手に仕上がりとか生まれてるっていうふうには結構言われてるんで。
だから石原慎太郎が、たぶん戦後の自由意志みたいなものを書いた重要人物としてはめっちゃ大事っていう話はあるんやけどね。
だから、完全なる遊戯っていうタイトルの本とか書いてるし、やばい話でしかないんやけど。
だから石原慎太郎って晩年になってもめちゃめちゃやったやんか。基本的には普通に。
差別的なことばっか言って、なんでこんなボケ老人が都知事ずっとやっとんねんって感じだったけど。
もともと文化人としてはそういう、だから本当に自由意志っていうのが大事なんだっていう人だから。
そのままその人が政治家になって大人になったら、そうなる理由はわかるっていうかね。
まあまあ確かにね。サッカーとしてやってた時のメンタルのままやったからね。
そうそう。そこは、だからブレてはないっちゃあブレてはないんだよね。っていう石原慎太郎の話まで行きましたけど。
なんかでもその、スカーフェイスやっぱ僕も今回見直して。
これってもともと暗黒街の顔役っていうハワード・フォークスの映画があって、それのリメイクなの。スカーフェイスってデパルマの。
あ、そうなんすか。
そうそう。で、俺元の方も今回初めて見たけど、まあ話し意味は一緒なんだけど、暗黒街の顔役30年代だ。1932年。
うわ、古。
だからそういうのを描いてるんだけど、やっぱそういう自由意志と社会、それこそ家族について。
家族っていうのがそいつにとって唯一の世界、ちゃんとした人間関係のある社会みたいなもんだとしたら、
そことの摩擦みたいなんていうのはずっとみんな抱えるんだなと思ったの。
家族と折り合いがつかないみたいなところっていうこと?
スカーフェイスの主人公からしたら、何でもかんでも全部奪ってやるぜっていう自由意志だけで動いてるけども、
彼にとって唯一ある社会っていうものは、その家族との関係っていうものだけやんか。
そうですね。
でもそことをどんだけ自由意志で好きなようにやっても、妹についてはすごい悩むやんか。
そうですね。そこは自分の言う通りにしろっていうだけじゃなくて、向こうの意思もある程度尊重したいみたいなそこの葛藤がある感じ。
感じもあるし。だからやっぱそことの摩擦っていうのは、やっぱそういう人でも起きるんだなと思ったのよ。
世界俺のもんだからなっていう人でも、やっぱどっか持ってる社会みたいなのがそこと摩擦みたいなのが起きるんやろうなって思ってて。
なるほどね。
だから俺が都内を運転してて、こいつ自分が世界だと思ってるっていうさ、世界は俺のもんだと思ってるっていうふうに見えるけど、
12:05
でも多分車の中に乗ってるどんな人かもわかれへん。20代の女性かもしれへんし、50代の男性かもしれへん。どんな人が乗ってるかわかれへんけども、
その人も多分俺から見たら、こいつ自由意志だけで動いてるわって思うけど、絶対社会との接点があってそことの摩擦には苦しんでたりすると思うねんか。
それはね、そうやろな。
なんかでもそう、誰も関係ないよねみたいなさ、誰も見てへんでみたいな言い方とか、なんか最近そういう事故を肯定する本とかそういうなんていうかな、もんって、なんかもう結構そういう自分の意思が大事だから自由に生きろって言い切ってるもんがすげー多いなって思ってて。
まあそう、言うほど周り意外と見てないよとかさ、もう周りのこと気にせずに私は自分の人生を歩むっていうものはかなり押されてると思うし、まあその自己肯定感って言葉とセットでよく押されてるなって思うね。
やっぱ多分大きいのは嫌われる勇気っていうベストセラーだと思うんだけど。
いやーありましたね。
そういう、まあ僕の周りとかでも嫌われる勇気的な、それこそ自由意志が大切なんだみたいな人っていうのが多いなってすごい思うし、そこに関してはまあ個人が大事だよねっていうことに関してはみんな割と結構ポジティブなニュアンスを持ってるなって思ってて。
まあまあそうだな。なんかまあ、ちょっとそういう反動的なところはあるけどね。もう散々こうやっぱ周りに気を遣ってっていう、今日気遣いできることこそがっていう、空気を読めることがっていうさ、時代がやっぱ減ったやん、僕らは。
そうそうそう、っていう時代があったからね。
うん、それのまあ反動で特にそうなってるんやろうなっていう感じはあるけどね。
うん、なんかもう一億そうなり上がり時代だもんね、今はね、そういう。なんかでも、その誰も関係ないよねとかって、なんか俺ずっとちょっとこうそうかなと思ってて、関係大体あるけどなって思うことがずっとあってさ。
ああ、そうかも。
で、これは、寺津さんとよく話してて、作品の話とかあって、寺津さんって結構その自由意志尊重派っていうかさ、やっぱこの、なんかどうのこうの言われても僕はここを進むっていうところがいいんですよっていう主張っていうのが結構、寺津さんが言ってることでよく聞くなっていうのは印象的にあって。
そうやな、自分の道を進む。まあ僕が思うのは、なんか自分の道を進むっていうアクションっていうよりは、自分の価値観を信じるっていうことが割と重要なような、自分が幸福だと思うことが重要っていう考えなような、なんかそこのアクションは伴ってなくても別にええんやけど、まあでもその自由意志っていうところでは同じかもしれないですね。
うーんっていう、よく覚えてんのは、吉野作美先生の恋愛的瞬間っていう漫画が大傑作ですけどありまして、以前ここのつなじ、無印の時でも取り上げてるんですけど、そこで、まあなんか恋愛に関する短編がいろいろある漫画なんですね。恋愛的瞬間って。
15:18
で、なんかその中で、相性みたいなのが全然最悪みたいな、2人みたいなのが描かれてる場があって、その中で一番上手くいかないって言われるけども、でも関係なく進むみたいなところが、僕はすごい好きなんですって寺田さんが言ってて。
ああ、なるほどね。
なんかそれすごい覚えてて、僕の中ではあ、そっか寺田はそういう結構心の中に石原慎太郎的なところがあるんやなっていうふうに思ってて。
ああ、そうやな。いやなんかでもね、僕の中ではそれは段階があるのよ、ちゃんと。それを突破する瞬間っていうのが大事やと思うんだけど、それで最後まで行くのは絶対違うと思ってるのよね。
まあ多分そう、僕も寺田さんって割とバランスとる人だから、なんかその、まあそういうことではないんだろうなみたいな、その完全なる遊戯みたいなのも全てもう犯してやれみたいな感じではないんだろうなっていうふうに思ってるんやけど。
うん。
なんかでもそこって結構、エクスキューズ付けていくんで大事やな、多分な。でも多分その、嫌われる遊戯的なのが入るもん、そうなんやろうな。そう言い切っちゃった方が、あ、そうだって思いやすいからなんやろうな。
そうやな、なんか僕はやっぱり人を傷つけたくはない、大前提として。ただ、その人を傷つける傷つけないの、その前からなんか自分の価値観を信じられなくなって一時困ってしまうのが嫌やなって思うのよな。
うーん。
そうなの?
世の中クソなんで、みたいなことを言うのが一番ちょっと嫌なんですよ。
あー。だから、分かるわ。それもすぐ分かる。
うん。
全く希望が持てないっていうのは分かるけども、その、どうなんだろうな。自由と暴走の境目みたいなのって多分あると思ってて。
そうですね、それが一番分かりやすい表現ですね。
そう。だからそういう自由みたいなことを主張する、それこそここの関係なくて、関係なく俺らは進むんだっていうところがいいんですよって言ったら、その暴走まで肯定してるように見えるけども、テロ的にはこう自由ゾーン、ババババババババってあって、こっから暴走でーす、デデデンってなるんやけど、
この自由ラインまで最高って思ってるって言いたいけど、でもここが関係なく進んでくるからいいんですよっていうベクトルでボールを投げてるから、あ、ほんじゃあ暴走制っていうことなんよねって聞こえちゃうみたいなことは多分あるよね。
18:14
なるほどな。僕がそれをやっていいのは、二人とかそれぐらいのレベルの範囲なんですよ。自分自身の肯定、だから二人の中にある何か価値観の肯定っていうところまでであって。
新海誠の天気の子っていう作品がありましたけど、2019年ですよ。そんな前ですか。
結構前ですね。4年前なんですね。
そう、あれって、それこそいわゆるオープニングメーター、世界系的なもんで、それこそ世界の常理と自分の悩みみたいな、自分たちの恋愛関係みたいなのがガッチャンコしちゃうみたいなね、途中の社会がないっていうものの、多分アンチっていうかさ、感じがあったじゃない、天気の子って。
そうだよね。世界系に対する一個の回答みたいな言われ方をよくされてたんだよね。
うん、したし、僕らもそういうふうには撮ってたと思うけども、天気の子は結構暴走の工程ぐらいまでたぶん行ってると思ってて。
うん、そうですね。
うん、だから世界は結構水浸しになっちゃう。
うん、世界は変わってしまうもんね。でも、女の子を救うっていう方を撮るっていう。
なんか当時は、僕も今んとこ最近の君の名は以降の新海誠の作品でも、一番いいなって思うんやけど、天気の子が。
うん、僕もそういう記憶あるけどね。
2019年時点では僕も暴走の工程ぐらいの方がいいなって思ってたとこが多分あると思う。
それね、僕めっちゃ覚えてる。そう思ってたのよ。なんでかっていうと、子供が若者が自分のやりたいことやっていいよ、世界変えちゃってもっていうメッセージが僕も当時めちゃくちゃいいなって思って。
これが大人が主人公やったら絶対ダメなんですけど。
これを子供に言ってあげてるっていうことが僕めっちゃいいなって思った記憶があったのよね、確かに。
なんかでも、どうなんかな、そっから5年ぐらい?ほんまにTに暴走してまえみたいな感じで言ってるっていうのはどうなんかなと思ったりもするんだよね。
暴走してまえって言ってない。しかも代償として世界が水浸しになってるっていう感じで描いてるから、そんなに身勝手じゃないなとは思うけど。
やっぱ作品の勢いとかでさ、全部細かく見てないからさ、受け取るメッセージとしてはさ、やっぱ暴走の行程になっちゃうんじゃないかなっていうふうには思ってて。
まあそれは誤解なんだけどね。
たとえばそのスカーフェイスにしても、スカーフェイスを名作って、当然名作なんですけど、あれを丸々全部言いっていうことってめっちゃ難しくないですか。
21:05
そこってやっぱ僕らが時代の倫理観を全部今用に、これは当時の表現、これは今も変わらない部分の表現みたいなところをフィルターかけてるからなんだろうけど、無意識に。
そうなんですよね。だから、こう描けたらやっぱ天気の子って別にいいとは思うねんけど、でもやっぱこの直近の時代の変化って一番さ、見えにくい部分やから。
でやっぱこの、なんやろうな、近頃の若いもんはっていうつもりは一切ないんですけど、やっぱりそれ以降ちょっとなんかやっぱり、そのSNSでの暴走みたいなものってどうしても満ちてきちゃってるじゃないですか。
いやそうなのよ。で、天気の子みたいに、その主人公の子たちみたいに逃避したり暴走できる場所がさ、対世界みたいな感じでさ、走っていける距離があるんやったらそれでいいと思うねんか。
そのでっかい日本の世界みたいなとこに対して、警察に対してみたいなさ、そういうでっかいもんと戦える、おっきい物語に対して戦えるっていうのがあるんやけどさ。
でも今のティーンがさ、好きなようにやれって言われてもさ、遠横に溜まることしかできへんのちゃうんかっていうのは思ってまうねん。
あーなるほどね。
そうそうそう。
そういうアナーキーな対象すら与えられてない状態。
そうそうそう。だからそういう走る距離を俺らが準備してない。俺たち大人がさ。だからさ、そういう自分でトリップしてぶっ飛んでいくしかないみたいなさ。
そのすごい狭いサークルの中で、自暴自棄になるしかないみたいな現象が結構起きてるんだろうなっていう風にはすごく感じていて、ここ数年は。
あーそうですね。そこが今さ、やっぱりその社会の中で自分が、例えばこんな貧困なせいとかさ、そういうものの、お前らのせいだよっていう、お前らすら見えないから、変に周りを傷つけてしまうというか。
なんでこういう状況なんかって、たぶんほんまは政治をやってる人とかさ、大人たちのせいなんだけど、それがわかれへんから、その近くでそういうぶっ飛んでいくしかないっていう感じじゃん。
教師を否定するわけでは一体ないんやけど、対教師ですらないやん今って、例えばその東横の人たちって。その体制の中にすらいないから、ほんとにそういうキャッチできる部分もない。
ずっとさ、そういう行く場所がない人たちっていうのは、どの時代にもいて、今よく言われやすいからさ、あそこのキッズたちがっていう風に、僕らも象徴的に言っちゃうけども。でもなんか、ちょっと内情が、あまりにも暴力の行き場というか、暴走の行き場がない感じの行き詰まりみたいなのは。
ちょいちょいティーンの子たちとか、20代前半ぐらいの子たち、僕より一世代下の子らが若者って感じになってきたから、今32だからね。話してるとやっぱそのどん詰まり感って、俺らも結構どん詰まり感感じて育ってきた世代だけども、生まれてから景気がいい。一応名目上は景気がいい時期みたいなのもあったけども、そういう社会がこういう明るい時代っていうのを経験してないやんか、俺らって生まれたから一回も。
24:24
だからそういう行き詰まり感っていうのを、行き詰まりネイティブだと俺はアイデンティティの中に思ってたけど、やっぱその一世代下の子たちと関わるとやっぱその行き詰まり感が全然違うなって本当に思う。
行き詰まってることすら見えてない感じが。
いや、めっちゃ見えてる。行き詰まってるってことはめちゃめちゃ見えてるっていう感じがする。ただそれだったら気軽にぶっ飛べる感じのことをしようっていう感じ。
単的に繋げちゃうとドラッグの乱用とかになってくるんだけど、そういう感じの行動を選びやすくなってきてるよなっていう感じはしてて。
そうですね。なんかそういったものがかなりファッショナブルになっちゃってるなって僕結構思うんだよな。
ドラッキーなものだったりとか、ストロングゼロとかもそうやし、病むということが、僕はなんかあんまりそこら辺の言葉でカジュアルにしちゃうのってどうなんやろうとは思う部分はあんねんけど、
そういうものがかなり今ファッションとしてもあるじゃないですか、そういう系の。
そうだね。病んでいる感じっていうのがオシャレの一つ。
中学生的なアイドルマインド、いわゆる中二病的なダークなものに憧れる感じっていうのともがっちゃんこしてるとこもあると思うんだけど、
でもあまりにもそういう病んでいるっていうことが価値にもなってきてるなって感じがどんどんしてるよね。
そうですね。だからどうしてもアクセスしやすいし、そういう人たちのアイドルやったりモデルやったり、
そこら辺のヒエラルキーができるぐらいまで確立されつつあるから、そこに憧れちゃうよな、ストンと。
90年代、俺らも子供だったけど独特の暗さみたいなのあったなってすごい思ったりするし、
それこそアメリカでも今日、World is YoursってNazのアルバムもイルマティックっていうタイトルがあるね。
しかもNazはイルっていう言葉を、シックよりイルの方がかっこいいっていう。
病んでるっていうことがかっこいいよねっていう。
ヒップホップでイルって言ったらね、肯定的な意味ですからね。
それはNazが作った価値観なんだけど、だからその病気の検査してみろって言ったらお前は陰性っていうディスがあるぐらい。
だからその病んでないからかっこ悪いっていうディスっていうのがあるし、
同じ時代のメソッドマンっていうラッパーのアルバムとかでもBring the Painっていうタイトルだったりさ。
27:01
そういう、90年代半ば?
日本だと95年、阪神淡路大震災を負うエヴァンゲリオンの年だけども、
その前後ぐらいって多分アメリカもすごい病んでる時期っていうかさ。
そういうのは多分時代の、それこそそれって多分レーガンの時代の反動で90年代アメリカしんどかったみたいなんとか、
日本もそういうバブルの後だからすごいしんどかったみたいな。
社会的なものがそういう病んでるものっていうのを作ってるっていうふうには見えるんだけども、
まあそういう時代だから来るよね。
時代によってそういう表現ってあるよねっていうふうには、
思ったりもするんだけど、
先週から引き続きやらすごい切実な問題になってるっていうか、
その病んでいるっていうことが自分のアイデンティティのところに食い込んでるとか全然違うっていうか。
そうですね、よりこう食い込んでる分、
その、なんていうんだろうな、
やっぱりどうしても自己破壊の度合いがやっぱ違う。
なんかより、さっきシャークさんも言ってましたけど、
僕らの頃ってまだやっぱこういう中二病的な言葉で片付けられる範囲だったような気がするんですよ。
まあ洒落にはなったね、まだね。
そうじゃない人もいたかもしれないけど、
大半はやっぱそういう中二病的なところで片付けられるレベルのことしか起こってなかった。
身の回りではね、少なく。
でも最近はもう普通に社会問題的になってきてるっていう感じが。
その、若い人たちがダメって言ってるんじゃなくて、
僕らがどうにかしないといけないレベルになってきてるっていう感じですよね。
そうねー。
僕ら世代がね。
そこはやっぱ年代の分断すごい感じるよね。
そうですね。
それこそ90年代とかそういう援助交際ブームとかって、
あんま今振り返るとどうなんかなって思うけど、
そういう援助交際に対してフィールドワーク的に色々話を聞きに行く社会学者っていう人がいたりとか、
まあ実際それがすごい売れた本になって、
そういう社会思想の、その人が提案する思想の何かになったりとか、
なんかそういう上の世代の人が、
そういう10代とかの病んでいるっていう感覚とか、
そういった抱えてる問題にアクセスしてどうのこうのしていこうみたいな感覚が
もうちょっとはあったような感じがするんだけど、
俺らの責任、俺らの問題、社会の問題は俺らの問題っていう感じがあったと思うんだけど、
なんか今ってやっぱそこの切り離しがすごい感じるっていうか、
僕もやっぱその20代の子たち、10代の子たちの問題だよなって、
ちょっと前まで20代だったのに思ってしまってるとこってすごいあんねんな。
そうですね。
僕その辺りはやっぱり僕らの時代ってめちゃくちゃ自己責任論の時代だったんで、
だからなんかこう、社会を良くせなあかんみたいなのに対して一番無気力やった気がする。
まあだからそこが、本人がそういうふうに勝負せえへんのんやったら、
30:01
それはしゃあないんちゃうっていう感じのことを言う人が多いかなあ。
そうですね。
うーん。だからまあ、その子にとって世界はあんたのもんやからなって言ってるっていう。
そうですね。
うーん。
なんかちょっとこの本題とどれくらい関連あるかわかんないですけど、
ISISに捕まったジャーナリストの人がいたときに、
あったね。
もう本当にSNSとかやったら、いや自己責任でしょっていう意見一色やったのがすごく衝撃的で覚えてる。
デビ夫人とかね、自決しろみたいなこと言ってましたからね。
本当最悪だなって思ったけど。
いや本当に。
デビ夫人最近もジャニーズ問題に関しては、
まさに自己責任論的なめちゃくちゃなことをちょうど言ってましたけど、昨日ぐらいね。
うーん、そうね。
なんか、うーん、なんかそういう時代やし、
なんかその自己責任論っていうことって、なんでこう否定できないんやろうな。
なんか、いや自己責任でしょって言われたらさ、なんか否定できないんですよね、なかなか人間。
うーん。
いやでも、その責任は俺らの社会の責任なんじゃないんと思うけどなぁ。
だからその一対一で言われた時にさ、社会ってないんですよね。
二人で話してる時って社会がないので、社会の責任なんですっていうのは見えにくい。
うーん、でもやっぱそうやな。やっぱそれこそ場とか社会っていうのがすごい欠けてるんだろうな。
なんかやっぱそういう社会的な責任を取るっていうことの恐怖症めっちゃあると思うんだよな。
うーん。
いやでもなんか、そこってマジで死にしか向かってなくない?そんなこと言い出したら。
いや、まあそうだと思いますよ。
だからこそ、就活失敗しただけで自殺するような人がやっぱ出ちゃうじゃないですか。
行動と死の距離がちょっと近づいてんだな、たぶんそれはな。
うーん。
だから社会っていうものが見えなくなるっていうのは恐ろしいことです。
そうそう。
社会が持ってる責任が見えなくなるっていうのはめっちゃ恐ろしいことですよ。
そうそう。社会がその、死というものへの何かを覆い隠してくれてるクッションに本来なるべきだもんね。
だからそこをみんなで形作ることによって協力し合うことによって各々の死へのクッションを作ってるのに、それがなくなっちゃうと何のクッションもないまま落下しちゃう。
いやだからそう考えたらやっぱり自己責任論ってその、ほんまに危ないなあ。
危ないし、まあ社会が貧困であることの象徴のような感じですよね。
うーん、そうね。クッションにも何もなれへんってことだもんね。
クッションになってないって状況っていうのは。
うーん。やっぱそれは、死だなあ。
俺がなんかそれ怖いって思ってんのはやっぱ、イコール死への恐怖だんだろうな。
うーん。
だからやっぱりもうこれがダメになっちゃったらもう終わりだっていう感覚。
33:02
うーん。やっぱね、死を肯定したくないもんね。
そうですね。
俺やっぱ何があっても死を肯定したくないわ。多分そこが引っかかったようなと思う。
そうだなあ。死を肯定。なんかその今って文化的に死を肯定、間接的にはしてるかもしれんけど。
うーん。
どこまで行ってるんだろう。ちょっと僕らの時代と違うなって思うのは、なんか僕らの時代ってなんかこう、なんかさっきそう中二病的なとこで終わらせれてるような気もしてた一方で。
うーん。
かなり死の匂いもしたというか。
うーん。
よりこう自分の体を傷つけたりとか。
うーん。
あと僕は結構そういう感覚がすごかったなって思うのは、さよなら絶望先生とかまさにそういう雰囲気をね、かなり汲み取ってた。
すぐね、自殺しようとすると。
うーん。
まあまあ、完全自殺マニュアルっていう本、それこそこうやったら死ねるっていうのを、半分そういう風なことがわかって乗り越えようみたいなさ、ところから始まって。
うん。
なんかそういうのがこう、ある程度デフォルトになってった感じだったな、俺ら世代だったな。
なんかその死がむしろ、死を茶化すことで何とかやってたけど、でも。
なっていこうみたいな。
茶化すことによって距離も縮まってた気はするんやけどね。
そうね。
うん。だからそう考えると今はもっとこうドラッギーなんですよね。
うーん。
まあ死も近いんだと思うんですけどね、見えてないだけで。近いとは思うけど。
まあ、もっと感情だろうね。その範囲に、範囲になることと死が近づいていくことっていうのが、近くでもそれは構わないっていう。
うーん。
感じだよな。
だから、死にたいっていうかもう死んでもいいみたいな感じなの。
うーん。かもな。まあまあ、大雑把にね、いろんなことがあるんだけどもちろん。
まあそうですね、かなり僕ら2人があくまで認識してる範囲での話をしてますね。
うーん、でもそういう感覚はちょっとわかるな。
うーん。
やっぱでもスカーフェイス見てほしいけどな、そこの末論みたいな。最高。
ワールドイズユアーズって自分の作った地球儀のところにこうやって見られて終わるみたいな。
いやー、あれすごい終わり方やね。
あれ暗黒街の顔役もそうやね。30年代の元ネタの方もパッと見た方に、お、って気に入って、やっぱりそれが最後出て終わんのよな。
えー、あそこの下りは全く一緒なの?
一緒やね。
へー。そうなんやなー。
まあでも、あれよな、スカーフェイスはやっぱその、トニーがさ、やっぱどうしてもこの移民であってっていうところ。
そうそう、アイデンティティーのね、そういう問題抱えてんのよ。
があるじゃないですか。そもそも俺は何者なんかみたいな。
うーん。
何者なんかっていうか、まあそのキューバー、だから俺は、だからすごくこの、なんていうんだろうな、差別的な振る舞いをされることにめちゃくちゃキレるじゃないですか、トニーは。
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そうだね、うーん。
だからそういうところがコンプレックスっていうのは、なんかめちゃくちゃわかるんですよね、でも。
うーん。
だからそういうことが暴走してるのってやっぱりね、かっこよく見えちゃうっていうのはあるんや。
うーん。
まあ実際かっこいいしね。
まあそんなところでね、答えのない話でしたけども。
まあ皆さん改めてね、世界は誰のもんなんかっていうことをちょっといろいろね、こうなんちゃうかなとかいろいろ話したことで思ったことがあったらいろいろ聞かせてほしいなと思います。
そうですね。
はい、というわけで心の砂地は引き続きお伝えるようお待ちしております。
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ということで今回も聞いていただきましてありがとうございました。
次回はちょっと音楽の話をしようかなと思ってます。
それでは皆様ごきげんよう。
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