1. こじらせシアター
  2. #29 客観性について①
2024-12-05 21:18

#29 客観性について①

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アートの片隅でこじらせシアター。この番組は、いろんな意味でこじらせてしまった表現に関わる3人が、様々な問いを持ち寄り、あらだこだ言いながら、現代社会にも通じる気づきを、照らし出せたらいいな、という番組です。
パーソナリティの俳優、コマツダイスケです。
俳優の佐藤優樹です。
生き作家のジェシカです。
はい、というわけで、今回はね、ジェシカさんの講演に合わせて、我々本編初のオンライン収録ということなんですけども。
はい、ありがとうございます。
今回ジェシカさん1月の講演は、出演者ということで、稽古中。
珍しい。
珍しいですよ。絶賛稽古中です。
これね、我々前回、いい演技とは何かというのを語ったわけですよ。
そりゃあもう、ジェシカさんの演技がブラッシュアップされてることだろうと。
え?そんな回でしたっけ?
いろんな気づきがあったと思うんですよ。
そうですね。でも言うとやるとは全然違うんですよね。
そりゃそうだね。
でも演出家とかやってらっしゃる方が、作演出兼演者っていう人ってやっぱり大体演技しっかりしてるよね。
そうですね。
まずいまずい。
俺今適当にそうですねって言ったわ。
おいおいおい。
でも野田さんとか、やっぱり舞台に立たれるわけじゃないですか。
やっぱりすごいですもんね、お芝居もね。
それは結構プレッシャーをかけてるんじゃないですか。大丈夫なの?これは。
それはやっぱり一重に、普段演出家っていう立場だと作品をかなり俯瞰してるわけじゃないですか。
俯瞰して見てるわけじゃないですか。
はい。
なのでやっぱり意識が結構その、自意識というよりは、役に対する客観性がすごくあることが多いなと思ってるわけですよ。
客観性ですね。
はい。なので今回私のテーマ、持ち寄りのテーマということでいきたいと思います。
テーマは客観性について。
はい。
ということなんですけど。
いやー、ちょっとまずお二人の客観性について聞きたいですね。
そう、だから第1週目今回は飯田しっぺの僕が最初に話させてもらうんですけども。
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はい。
これ結構やっぱり世の中で客観性って、例えばいわゆるビジネスなんかでも、
あれは心理学とか自己認識みたいなことでも結構言われます。
よく使われる言葉だと思うんですよ。
はい。
それってやっぱり、なんとなくの認識のまま結構使われてるような感じがするなと思っていて。
例えばメタ認知なんていう言葉も最近、ここ数年で使われるようになった言葉なんですけど。
我々はその、僕と結城さんは俳優っていう職業を始めたときに、
やっぱりトレーニングとしてまず客観性みたいなこと言われたと思うんですよ。
はい。
で、僕が言われたのはやっぱりどう見えるかどう聞こえるか。
うん。
っていうことをよく言われたので、このテーマちょっと深く考えてみたんですよね。
うんうん。
これ結構いろんな意味合いがあるな。
この言葉に客観性っていうことに。
まずこう演劇的な客観性で言うと、当然この自分自身への客観視と他者からどう見えてるか。
他者がどう感じてるかっていう客観性。
と、自己会議。
自分の演技は本当にこれでいいのか。
これがベストなのかという自己会議も含まれてるなと。
はい。
で、さっき言ったその、いわゆる一般社会で使われている客観性で。
はい。
これはロール、立場から想定する意識とか考え方だったり、あるいは社会構造とか組織構造を客観して捉えるとか、
あとはもっと長いスパンで歴史的な思考。
この100年とか200年のスパンで考えたときのものの考え方も客観的な思考になるんじゃないかというふうに考えてみたわけですよ。
まあ哲学的な部分もあるんだけど、ちょっとそれは置いといて。
今回はだから我々俳優なので、俳優的な演劇的な客観性をまず話していきたいんですけども。
はい。
これ結構細かいっすわ。
細かいっす。
細かいですね。
はい。
客観性だから、今回改めてゼヤ見の佳境を読んだんですよ。
見えないかもしれないけど結構分厚い本ですね、それ。
まあまあ、解説も入ってるからね、現代語訳と。
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僕が買ったのは小西先生の風刺家伝佳境の現代語訳解説と、竹本さんの役のゼヤ見の風刺家伝とサウンドを読んだんですけど。
はい。
客観性、お客様の客席側から見てる意識がないとダメよねっていうことと、自分の背中が見えてなきゃダメよねっていうことを書いてあるわけですよ。
これだけでも2つあるなと思って。
はい。
一応、俺が今舞台でやると、客席側からと自分の演じてる動きの360度視点、360度ぐるっと回った時のイメージと、
あとは舞台のどこに立ってるかっていう、天井から見た視点と、あとはその相手役がどう見えてるか、相手役からどう見えてるかっていう視点と、
劇場に入ったらよくやる見切れの確認とかあるじゃないですか。
それの紙手の一番端のお客様の視点と、下手の一番端のお客様の視点と、
大きなホールだったら、その2階席3階席一番上のお客様の視点と、一番奥のお客様の視点、一階部分の一番奥のお客様の視点を一応チェックしてるんですね。
なので、一応舞台だとこんな感じで、映像だと完全にカメラですよね。カメラワークの視点。
これはだから、絵コンテとかVコンとかで確認することが多いですけど、その視点を持ってますよというのだけど、
俺は割とそれを自然に考えて身につけちゃったかなって感じがするんですよ。
平均でね。
そうそうそう。一応俺の持ってる視点の感覚としてはこんな感じなんですけど、これに関してお二人どう思われます?
これも本当に回数重ねていくと自然に考えれるようになるようなことなのかなって思います。
演出家の方からも言われるし、普段お芝居を見る回数も増えると、舞台側から見た目線っていうのが自然に、舞台に立っててもやっぱ意識しちゃうっていうのはすごくわかりますね。
じゃあジェシカさんは、
はい。
演出をするときにはやっぱりある一点のお客さんからの舞台のチェックなんかだと、劇場のお客席の真ん中ぐらいにいてチェックしてると思うんだけど、その視点でチェックとか傾向してる感じなんでしょうか。
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そうですね、真ん中。演出席で言うと真ん中になることが多い多いですけど、でもお客さんの端から端まで見て、小屋入りしたら特に見て、見え方に問題がないかは見るし、稽古中もなるべく役者さんが美味しくって言ったら一番言いやすいのかな。
わかんないけど、やっぱり綺麗にかっこよく見えるようなところたちは常に考えて稽古は一応しますね。
はい。
あと、
その調整がね、一番演出の仕事かなとか思ったりします。
演出家の視点としては当然、照明とか大道具とか音響も全部含めて、最終的な完成形がある程度頭の中にある状態で見てるから、ある一定の視点で見てるんだろうなっていう感じはしてるんだけど。
はい。
あと、
結城さんに聞きたいんですけど、客観性を身につけるっていうことに関して、何か意図的なトレーニングはしてきましたか。
それは新国立劇場としてですか。
とかでもいいですし。
その客観性っていうものを身につけましょうは、逆に言うとほとんどなくて、どっちかっていうと、僕は学んできたのは、自分がどう思ってるかっていうところ。
だからお客さんから見てどうなのかっていうところよりは、役を持った自分自身が何を思うか。役は何を持っていて、どういうふうにその板の上で生きてるのかみたいなことのほうが大事で。
だから役割として役者はそれをするし、それに対してディレクションを入れるのが演出の仕事だから。
その内面を持ってていいけど、こう見せてほしいみたいなことだよみたいな感じで学びました。
あーなるほどねー。
だからある意味では客観性自分たちでも持ちますけども、じゃあ客観性持ちましょうねというよりは、
相手がこうしてるけどどう?とかっていう方面。だから客観的に、客観してねっていうよりは。
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めちゃめちゃわかります。
教える順番としては多分そうなんだよね。内面先にやらないとおかしくなっちゃうから、客観的な部分って多分そっちを先にやってやると技術だけになっちゃうんだよね。
さっき客観性の中にも俯瞰のポジションがあるみたいな話してたじゃないですか。
それで言うと、ワークショップ的な感じで遊びの一環として、3人組とかを作って、
3人組、4人組、5人組ぐらいまで作って、ボールを誰か1人が持ってます。
そのボールをとにかく回す、キャッチボールをするんですけど、ある一定の場所にいるんじゃなくて、みんな動き回る。
動き回ってる中でキャッチボールをする。どこにボールがあるかっていうのを常に意識してる状態でやらされるんですけど、
もう一個その俯瞰の立場で、誰にまだボールが行ってないかとかって考えられるかどうかとか。
これ今、後ろからボール来るんじゃないかとかっていうトレーニングをさせられました。
あー、なるほどね。
いわゆるトーク番組の回しみたいな感じに近いよね。
MCとゲストの回す意識みたいなところに近いですよね。
うんうんうん。本当にそう。
常にどんだけアンテナ張れるかみたいな。
アンテナ張るみたいなことも言うよね。よく。
イコール客観性じゃないしな。一番簡単なのはあれですよね、本当に。
自分自身の姿を録画しちゃうってことですよね。
あー、なるほど。
またちょっと昔話おじさんになっちゃうわけですけど、
私の20代とかはさ、まだピッチとかなわけですよ。
ん?
ピッチ。
ピッチ?
携帯のイッシュね。
あ、ピッチ。
ピッチ。
あ、ピーチ。
柄系とかなわけですよ。
うんうんうん。
やっとシャメができてキャッキャしてる時代なわけですよ。
そうするとやっぱ録画するのにすごくコストがかかって、
ビデオカメラとかもまだ高いから、個人で持つのはできなかったから、
劇団とかであるビデオを使って月一録画してそれを見返すみたいなことを
VHSのテープで録画してやってたわけですよ。
えー、そうなんだ。
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そう、それはトレーニングの一環として。
でも今はもうスマホで撮れるわけだから、やっぱりこう自分のご飯食べてる姿とか撮ると
愕然としますもんね。
こんなの撮ったことあるんでしょ。
あるあるある。
面白い。
いやー、汚いっすよ。
汚いっていうかやっぱ絵にならない。
あー。
うん。そのテレビドラマとかでやってるような、ああいう絵にはならないんですよ。
えー。
撮ってみよう。
そうすると、自宅ではあれだけど、例えば外でファミレスでもどこでも食事をするときに
ちょっときれいな食べ方をしようかとか、きれいな箸の持ち方、ナイフの持ち方、フォークの使い方を意識しようとかするんですよね。
うんうんうん。
それが客観性の第一歩だと思うんですけど、
やっぱりそういうのが素早くできるようになったのはすごくありがたいなと思いますね。
うーん。
そうですね。スマホはカメラがすごいありがたいですね。
やっぱり一番嫌ですよね。自分の姿を見るのが。
うん。嫌です。稽古動画を見返すの。
はい。ほんと嫌だし、多分ね、結構ね、俳優さん多いと思うんだよなー。自分の姿を見るの嫌だっていう人。
なんか、ゆうきさんはこのラジオ聞くのも嫌だみたいな言ってますよね。
あ、そうねー。あのー、自分の声の音がね、あんま好きじゃないからね。
いや、俺も好きじゃないのよ。
え?俳優さんってそうなんですか?
まあ、俺は嫌だっていうよりはやっぱりコンプレックスっていうか、
あー。
あー、なんか俺の声パサパサしてるなーとか、発説が全然行き届いてないなーとか、
うんうん。
やっぱり悪いとこばっかりが目につくんですよね。
あー、それは多分、じゃあお二人が多分俳優っていう立場だから、言われることが多かったってことなのかな?
言われるし、やっぱり、うーん、すごくよく捉えると、
はい。
あのオープニングに行ったその自己会議。
うんうんうん。
本当にこれで良かったのかな?あれがベストだったかな?っていう、積み重ねがより良い演技に向かうと思ってるから、
やっぱりそういう自己会議の目でずっと自分を見てると、辛いんですよ。
うわー、分かりまーす。
だから、マウロンブランド、ゴッドファーザーズ、マウロンブランドももう試写会とか本当に嫌だっつって。
うわー。
もういいよ、中身分かってるし。
自分の嫌なとこ欠点ばっかり目に行くから、よっぽどのことがないとって書いてあったけど、辞典で。
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やっぱそういう人でもそうなんだって思ってさ。
うーん。
だから、当然見ないと、分かんないこともいっぱいあるし、言われてることにピンとこなかったりするから、見ますよ、仕事として。
うんうん。
自分の仕事に責任を持つ一環として、やっぱりそこは見ないとなーと思って見ますけど、見るとやっぱり落ち込むことばっかりですもん。
そうですよねー。
でもそれを、やっぱり潰していかないと良くならないっていうことも分かってるので、しょうがないかと思って映像は見ます。
なんか単純に稽古の振り返りみたいな動画を見るのはすごい好きなんですよ。
えー!
それは、高みに行けるからもっと。
うん。
ここ最近かもしんないけど、そう思えるようになったのは。
わー。
で、基本なんかそれを見たいって思うときは、自分がもっと上に行きたいみたいなとき聞いて、今これやってるけどこれってどう見えるんだろうねみたいな。
特に演出家から何も言われなかったときに見たいと思う。
うんうんうん。
それはそうよね。今やっぱり舞台の稽古なんかでも、だいたい毎日毎回録画してくれるから、チェックはその、演出家が指摘しなかったところのチェックなんかも自分たちでできるっていうのは非常に大きいですよね。
うんうん。
でもやっぱり基本的には、自分の良くないところとか、ブラッシュアップできるところを探すから、うーん、一回落ち込むよね。
うんうんうん。
やだなーと思うけど、でもそれをやるかやらないかで違うわけじゃん。圧倒的に。
うんうんうん。
いわゆる演劇とかだったらこう、割と曖昧だけど、例えば歌とかダンスとかって、圧倒的にそれの連続じゃないですか。
うんうんうん。
ひたすら客観性の、客観視してブラッシュアップ、客観視してブラッシュアップの繰り返したので、あーやっぱそれぐらいやんねーとなーと思っちゃうね。
ちょっと今回時間も来たので、今回私からのスタート回はこれで終わりたいと思いますけども、大丈夫ですか?
はい。
大丈夫です。
なかなかね、本編のオンライン収録が難しいですね。
そうですね。うんうん。
じゃあ次回は佐藤優樹さんの思う客観性についてからスタートしたいと思います。
はい。
21:00
では今回はこんなところで、ありがとうございました。
ありがとうございました。
はーい。
21:18

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