秋の気配とおすすめ本
みなさんこんにちは、マルジナリア書店の小林えみです。
9月になりましたね。まだ暑いんですけれども、少し空気の乾いた感じとか、やっぱり秋の気配っていうのは少しずつしてきているので、
みなさんもいろいろ体調管理とかですね、秋に向けてということで、ぜひ気をつけていただければと思います。
マルジナリア書店を運営している余白社のノートというブログの媒体でですね、
岡明美さんという女性の医師に、日々の療養の連載を始めていただきました。
こちら大体2週間に1度ぐらいの更新予定なんですけれども、それがまさに夏の終わりから秋の始めの療養ということで、
今回お書きいただいておりますので、そちらもぜひご覧ください。
では今日のおすすめ本です。単行本はですね、外国の小説です。
トピカスクール・ベン・ラーナ・ジョ・カワノ・タローさん役です。
ピューリッツアー賞最終候補作というもので、
これはですね、
読んでほしいなという、ちょっと今何て言ったらいいんだろうっていうのを言い淀んでしまったんですけれども、
競技ディベートの方が主人公になっていて、その中の暴力性みたいなものっていうものに関して問われていくということで、
すごく言葉だとか、今の社会の多様性みたいなものをどう考えていくのかという上で非常に重要になっていく文学作品ではないかなと思います。
そういった色々な社会問題をはらんでいると、そういうものを関心ないよって言われることもやはりあるんですけれども、
どの道私たちそういう社会に生きていますし、
そういうふうに必ず読んでほしいということではなくて、そういったものを抜きにしても面白く読んでいただけるんじゃないかなと思ってご紹介しておりますので、
まず外国の小説なんか最近面白いのないのと言われたらこれ紹介するかなという感じなので、ぜひお読みいただければと思います。
文化人と成熟の問い
次に児童書、絵本です。
ちょっとですね懐かしいやつを続けてなんですけれども、
晴れ時々豚矢玉志郎さん作絵ということで、これももう私が子供の頃からあるということはですね、
40年以上前からあるものなんですけれども、初版が何年かな、ちょっと今見てみますね。
これシリーズになっていて、次々に1980年ですね、45年前かの本なんですけれども、
私が78年生まれなので、さすがに2歳で読んだ記憶はないんですけれども、
幼稚園ぐらいの時からかな、幼稚園の図書室で見てすごく大好きになって、小学生になってからもずっと読んでいた本です。
今の子たちが読んでもすごく当然面白い本だと思っておりますので、
ぜひお母さんお父さんも、これ昔読んだなんて言いながら一緒に読んでもらえるといいのかなと思っています。
次に文庫新書から、今日は新書です。
成熟の喪失、庵野秀明と父の崩壊、佐々木篤さんの本です。
佐々木篤さん、この間の新しい新刊の観光記念ということで、マルジナリア書店にもお越しくださったんですけれども、
庵野秀明と江藤淳ですね、2人の文化人を足掛かりに、日本社会における成熟大人の姿を問い直そうとする長編論考になっています。
私なんかもですね、例えばいまだに、そういうアニメを子供の頃から見ているようなアニメを好んで見ていたりだとか、
昔、私が子供の頃の大人って、大人は大人のものみたいな、大人としてのあるべき姿というとあれなんですけれども、
ある種の厳格さだとか、子供のものを捨て去った人たちというイメージがあったんですけれども、
良くも悪くもそういったふうに、無理に卒業しなくていいんだよというのは、とても優しい社会でもある一方で、
確かに自分も含めて、もう少し成熟してもいいのかなということを考えたりはします。
それがうまく言えないんですけれども、そういったことなんかが、この佐々木篤さんの本を読むとよくわかります。
ただ父というふうにあるようにですね、男性性の中での成熟を取り分けテーマにはなさっているので、
女性の成熟に関してもまた別途、こういうものは続けて論じていけるのかなと思います。
そういうのはまた別の本でご紹介できればと思っております。
というわけで、今日も3冊ご紹介しました。
いつもですね、この声日記を更新していると、どなたが聞いているのかなと思ったりしているんですけれども、
いつも聞いてくださっているナナさん、いいねありがとうございます。
そういうふうに、もしリッスンのアカウントを持って聞いてくださっている方は、やはりつけていただけるとすごく励みになるので嬉しいです。
そうじゃない方もですね、聞いてくださった方がたまにやっぱり、声日記で紹介されてた本どれですかなんて言われると、
聞いてくださっているんだなってすごく嬉しくなるので、ぜひぜひお声かけください。
それでは今日の3冊です。
トピーカ、スクール、ハレ、ドキドキ、ブタ、成熟の喪失の3冊です。
今日も皆さんよく食べて、よく寝て、健やかにお過ごしください。
それではまた。
