1. 喫茶クロスロード 本好き達のたまり場
  2. 【トーク】#32 「失敗の科学」..
2024-02-05 19:51

【トーク】#32 「失敗の科学」で失敗を考える

苦い思い出といえば…思い出される経験も1つや2つじゃありませんが、その中に失敗の思い出もありますか?「失敗」について考えてみる第32回です!/失敗から学習する組織、学習できない組織/失敗の起こりやすい要因/完璧な集中が時間間隔を狂わせる/上下関係がチームワークを崩壊させる/ミスの報告を処罰するのは失敗の隠蔽に繋がる/なんで失敗したかわかるか?あなたが本気で行動したからだよ/なぜ人が失敗から学ぶのは困難なのか/認知的不協和と確証バイアス


▼今日紹介した本

「失敗の科学」(マシュー・サイド)

https://d21.co.jp/book/detail/978-4-7993-2023-5


▼キサクロではおたよりを大募集中!あなたの好きな本教えてね

https://forms.gle/oYYpszmKnazutUaW6




サマリー

『失敗の科学』という本では、失敗が起こった時の人間の反応とそれによって起こっている事例を挙げながら、失敗が隠蔽されやすい文化や失敗から学ぶことの困難さについて詳しく説明しています。認知的不協和と拡張バイアスにより、人々は自身の失敗を認めることが難しく、事実を歪曲する傾向があります。しかし、失敗を認めることが重要であり、失敗は新たな選択肢を模索するチャンスと考えられています。

00:01
スピーカー 1
カランコローン、いらっしゃいませ。喫茶クロスロードへようこそ。
この音声配信は、音好きな人たちがふらっと集まる喫茶店をコンセプトに、店員3人組がゆるーく話してまいります。
ふと一息つきたいときに聞いてくださいね。
2月5日、第32回の配信です。
2月のテーマは、スイート&ビターということで、
バレンタインもある今月は、甘いや苦いを本から感じてみようという趣旨で、こちらのテーマを採用しております。
今日はそのビターな側面として、失敗をキーワードに考えてみたいと思います。
今日取り上げますのは、マッシュサイド著の失敗の科学という本です。
ちなみに、なっしーは失敗って聞くと、苦い経験という言葉が頭に浮かび、
ちょっと思い出すと恥ずかしいような、胸が苦しいような、そんな経験を思い出してしまうんですけれど、
ゆっこりんはどうですか?
スピーカー 2
私はね、損したっていうイメージ。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
例えば、電化製品とか、同じ機能なんだけど、
いやー、もっと安いのあったって思ったら、わー失敗だわって思う。
でね、なっしーの言う、恥ずかしくて胸が苦しいような経験って、失敗というより、
失敗なのかな?若気の至りだなーって、ちょっと笑ってる。
過去の自分を笑ってる感じかもしれない。
スピーカー 1
ね。
なるほど。でも確かに失敗って考える、損したって思うのも割とあるよね、失敗するとね。
なんかでも、その感覚っていうのも大事だなっていうのを、今日の本を読んでるとわかるので、
じゃあ、そのまま進めていこうと思います。
スピーカー 2
はーい。
失敗が隠蔽されやすい文化と航空業界の対比
スピーカー 1
実は、この失敗の科学という本は、失敗するのって嫌だなーって思っている社会人の人や、
いろいろな業界のお仕事の話を聞くのが楽しいって人に刺さるかなって思ってる本なんだよね。
副題に失敗から学習する組織、学習できない組織とあるこの本は、
失敗が起こった時の人間の反応と、それによって現代社会で起こっている事例をたくさん挙げながら説明してくれるノンフィクションです。
ただ、なかなかボリューミーな本なので、今回は特にナッシーが面白いと思った2点についてご紹介し、
紹介した部分について、ゆうこりんと話していきたいと思います。
まず1つ目。
この本の最初で紹介されるのは、
ふくびくうえんの手術が失敗し、命を落としてしまった主婦のお話です。
この主婦は、手術中に軌道の確保ができない事態となり、
その失敗を取り返すための主義が、医師としてもチームとしても遅れてしまって、
結果、呼吸困難となり、亡くなってしまいました。
冒頭から重い事例として挙げられるんですけれど、
この失敗が隠蔽されやすい事例として、
医療の現場を例にとり、失敗が起こりやすい要因の解析をしています。
また、対比される事例としては、航空業界が挙げられており、
飛行機に搭載されているブラックボックスで確実にフライト記録を追うことができる、
つまり失敗を生かすサイクルが機能している例として、こちらの業界が登場します。
この2つの事例の対比の中で出てくる失敗の起こりやすい要因としては、
完璧な集中が時間間隔を狂わせること、
上下関係がチームワークを崩壊させること、
ミスの報告を処罰するのが失敗の隠蔽につながることなどが挙げられています。
これちょっとポイントなので、ちゃんとその先の例もちょっと紹介するんですけれど、
手術中、さっき挙げたその腹部空園の手術中に、
死闘意はすっごい集中している状態だったから、
やばいってなった状態、軌道確保ができてないっていう状態で、
時間の間隔が分かんなくなっちゃってたんだよね。
時間が経つごとにさ、その軌道確保ができなくて酸素がなくなるっていう状態は、
どんどんやばい状態になっていくんだけど、そこで極度の集中があったために、
その時間の間隔を失っていたっていうのが、まず1つあります。
その状況を打破する改善策は、その場にいた看護師が考えて、
停止しようとしてたっていう状態だったんだけれど、
ベテランの医師たちにそういった動きが全くないのを見て、
その看護師さんは動きを低減するのをやめてしまった。
萎縮してしまったっていうのもあって、つまりこの医師と看護婦の間には、
上下関係があって、下からの提案が採用されにくい状態だったっていうのがあるんだよね。
さらに医療業界は言い逃れの文化が強いっていうふうに、
この本の中では形容されていて、いわゆるミスは偶発的な事故とか不足の事態っていうふうに捉えられて、
医師は最善を尽くしましたと一言言っておしまいっていうような状態が多かったっていうことを言っています。
同じような完璧な集中とか、上下関係とかミスの報告みたいなところの事例が航空業界でも同じようなことがあって、
過去にそういう状態があったっていうのが対比させている例のところなんだけど、
特に一番大きい違いとして、航空業界はこの失敗をデータの山と捉えて、
失敗の起こりやすい要因と改善策
スピーカー 1
この部分がこの2つの業界の最も大きな相違点だと作者は言ってるんですね。
片や一方は失敗が隠蔽されやすい文化になって、
もう片方は失敗を生かすサイクルがうまく回る結果になっているっていうのが、この部分での結論なんだけど、
ちょっと私うまく説明できたかな、ゆうこりんどう思った?
スピーカー 2
いやー、重い事例だねって思ったけど、
スピーカー 1
そう。
スピーカー 2
ナッシーが最後にまとめてくれた失敗が隠蔽されやすいっていう文化は、
ミスの報告を処罰するっていうのが原因っていうのは、なんか思い当たるというか、
スピーカー 1
ミスの報告って嫌だよね。
そうそうそう、嫌じゃん。嫌だなって思ってさ、結構嫌じゃん。いろんな人が嫌じゃん。
スピーカー 2
でもミスを、ミスというか失敗を法廷的に考えられると、航空業界みたいにデータの山って思って、次に生かすぞってなれるのがいいんだなと思った。
スピーカー 1
さっきの話じゃないけどさ、この失敗、損だったなというかさ、
あ、これをしたからうまくいかなかったんだなって思って、じゃあそれを生かそうってなっていくんだったらさ、
それはその失敗を繰り返さないサイクルになっていて、でもその失敗をなかったことみたいにしちゃうと、
この本の中ではクローズドループ現象って言われるんだけど、結局閉じてるんだよね。
その失敗が生かされる方にいかないから、この2つでは違う。
失敗から学ぶ困難さ
スピーカー 2
で、その部分は、業文化とか企業風土みたいなところに影響してるんじゃないかっていうことを、この著者はすごく言ってるんだよね。
捉え方だよね。
スピーカー 1
あの宇宙兄弟の主人公の兄のムッタの名言、本気の失敗には価値があるってやつ。
スピーカー 2
なんかあれを思い出した。
失敗をどう捉えるかっていうので、次の飛躍に関わってくるなぁと思って、
私の知り合いで専業主婦だったんだけど、今ではどうやら毎月数百万ぐらい売り上げてるっていうビジネスをやってる人がいるんだけど、
スピーカー 1
その人が大失敗をやらかして、取引先に大迷惑をかけてしまったんだけど、
スピーカー 2
で、その時のその責任者、その人じゃない、その人の上の責任者が一緒に謝罪に回ってくれて、
で、その謝罪の後に二人っきりになった時に、言われた言葉が、
なんで失敗したかわかるかって言われて、
スピーカー 1
あなたが本気で行動したから起きたことなんだよって言われて、
なんかずっと心に残ってるって言ってた。
で、そういうのが残って、その人は行動することの大切さみたいなのは、すごい心に残ったのかなと思ったんだよね。
スピーカー 2
ポジティブな捉え方というか、失敗してもポジティブに声かけしてもらえると、その後飛躍するんだろうなと思った。
スピーカー 1
そうだよね。周りの環境も大事っていう話だもんね、そこの部分はね。
本当に、小さいミスとかだっていくらだってあるじゃん、みたいな、私たち誰でもそういうことをしてて。
で、だからそれをどう生かすかっていうのだよっていうのも、きっと今までわかってるのに、
でもなんかそれが個人じゃなくて、あと組織の中での失敗とかだと、
この失敗をもし明らかにしたら、なんか他の人に迷惑かかるんじゃないかなとかさ、思うとさ、動けなかったりとか、
この失敗を私の行動でもっとしどい失敗にしちゃったらどうしようとかさ、なんかそういうことも考えちゃうなと思って、
だから結局その周りがどう感じるかっていうのも大事だし、
自分ひとりの失敗と組織の中での失敗っていうのだと、失敗に対する恐怖感とかも変わってくるなっていうのもすごく思ったんだよね、私この話を聞いて。
そう、チームで上下関係があってとかもさ、やっぱりさ、この私の今言ったことが悪い影響を与えたらどうしようとかって思ったんじゃないのかなとかさ、
そういうことも考えるとさ、
普段私たちは失敗はよくないよね、じゃあやめようって言ってることとさ、
いやでもチームでやってることでさらに失敗しちゃった、どうしようみたいなのと、またこう思ってくる感情のレベルが違うんだなっていうのもすごく思いましたっていう第一つの点です。
スピーカー 2
その失敗が、私が失敗しましたって言った方が、まあ楽になるじゃないけど、自分が失敗したことが、その組織が面目丸つぶれみたいになると苦しいよね。
スピーカー 1
苦しい。苦しいんだけど、じゃあなんでそんなことが起こるのかっていうのを2つ目のページで取り上げたいと思うので、進めたいと思います。
この2つ目に取り上げたいのが、なぜ人が失敗から学ぶのは困難なのかという点です。
刑事司法制度と冤罪事件
スピーカー 1
この章では刑事司法制度が取り上げられており、長い間冤罪事件はないという前提で、こちらの制度は扱われてきた経緯があるようで、
より制度の高いDNA鑑定などで判定が覆るような結果が出ても、意見を覆さない事例があるとして紹介されています。
多くの場合、人は自分の信念と相反する事実を突きつけられると、自分の過ちを認めるよりも事実の解釈を変えてしまうそうです。
これには人間の認知的不協和と拡張バイアスが関係しているそうで、
まず認知的不協和は、自分の信念と事実が矛盾している状態であり、その矛盾による不快感やストレス状態を指しています。
そして拡張バイアスでは、自分の仮説を肯定する結果ばかり集めてしまう状態のことを指します。
この2つの人間の無意識の特性によって、人は自分の間違いや失敗を認められず、事実の解釈を曲げてしまうっていう結果になるんですね。
私はこの部分を読んで、そもそも私たち、その失敗っていうのをうまく認識できてなかったり、失敗じゃないよこれはって思い込もうとしてるんじゃないのかなって思ったんだよね。
で、哲学とか心理学の範囲にも入ってくる話の、この認知的不協和とかの話なんだけど、ゆうこりんどう思いました?
スピーカー 2
なんかこう、失敗した時に自分を正当化するっていうのは、もう止められる気がしない。
スピーカー 1
そう、いやそうなのよ。
でさ、しかもさ、それがさ、今までのさ、例えば組織の中でこういう事例とかがあって、それずっと続いてた中でやったとしたら、
なんかそういうものだと思っていたっていう、なんかさ、それと今の自分の状態が合ってなくて、ストレスを感じるみたいなことがもし起こったらさ、その失敗を続けていっていく。
失敗をそのまま継承していっていくような状態になるんじゃないのかなって思って、
そういうことも起こるって話であって、本の中ではこの業界が取り上げられてとか、この業界の事例が上がってっていうふうに具体的な業界名が出てくるんだけど、
いやいや、私の所属している組織でもきっとこういうことはあるぞって思い直すと、あれももしかしたら認知的不協和だったかもしれないみたいなさ、
気づきがさ、あってさ、胸のあたりが寒くなるようなさ、気持ちになったりするんだよね。
すごい、なし、振り返って、その認知的不協和だったかもって思えるのがすごいね。
今、冷静になって振り返ればっていうさ、その状態なんだよね。
そう、その時は気づかない。
スピーカー 2
そっか、時間が経ってたら、ちょっと振り返られる。
スピーカー 1
その場ではもうほんとに全然気づけなかったし、もし本を読まなかったら気づかなかったかもしれないとか、振り返らなかったかもしれないみたいなこともあるんだけど、
くさくさって刺さってくる本で、ちょっと人によってはなんか、
攻められている気がするみたいな気持ちにもなってしまうかもしれないんですけど、もちろんそれだけでは終わらなくて、
っていうのが最後に皆さんにちゃんとお伝えしたいと思っています。
私とゆうこりんで、この本の失敗の起こる要因について考えて、
さらにそれでも私たちが失敗を認められない認知の構造を考えたっていうのが、私が紹介した2つの要点の部分です。
この挙げた例以外にも、いろんな事例が出てくるのが、この本の面白いところなんですけれど、
じゃあ私たちはどうしていけばいいのかっていう話で、だいぶ省略はするんですが、話は結ばれていきます。
私が一番いいなと思っているのは、考えるな、間違えろという言葉で、
失敗するのはダメっていう思い込みというか、そういう意識をまず外して、
失敗というのは選択肢をどんどん潰していく過程だと考えるところにあります。
こういう経験は実生活にも通ずるところがあるなと思っていて、
やってみてダメだったなとか、自分に合わなかったなっていう結果をひとまず出すプロセスだったんだなと考えて、
その選択肢以外のことに次からチャレンジできるっていうのが、失敗の良い捉え方であることをこの本では提示してくれています。
ビターだと思った失敗は、実はそんな側面があるんだよっていうことを、改めて気づかせてくれる本でした。
スピーカー 2
失敗はビターではなく、なんだろうね。
うまく見える?ゆこりん。
ビターなんだけど、いいビターだよね。
スピーカー 1
そうね。
スピーカー 2
こう深みのある。
スピーカー 1
ようやくは口に逃がし的なやつ。
スピーカー 2
そうそうそう、うまい。
ありがとうございます。
スピーカー 1
では、来週もスイート&ビターな本ということで、お菓子をテーマにした本を紹介予定です。
そらやんがどんぴしゃな、マジでいい本持ってきますと、めっちゃノリノリだったので、楽しみにしててくださいね。
ここまででトークテーマは終了ですが、
ひさくろでは、いつでもお便りを大募集しています。
トークのご感想や、本にもつながるお悩みなど、ぜひご投稿ください。
ポッドキャストやノートに、お便り投稿フォームのリンクをご用意しておりますので、
そちらからご投函いただけると嬉しいです。
今後も、喫茶クロスロードは、毎週月曜日と木曜日、夜21時より、ゆるゆる営業していきます。
本日はお越しいただき、ありがとうございました。
またお待ちしております。
19:51

コメント

スクロール