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2023-11-20 15:17

【トーク】 #24 身近な人との関係性について考える「そしてバトンは渡された」

小説「そしてバトンは渡された」をもとに、身近な人との関係性について話しました/今日紹介した本「そしてバトンは渡された」(瀬尾まいこ)

00:02
スピーカー 2
コロンコロン、いらっしゃいませ。喫茶クロスロードへようこそ。
この音声配信は、
音好きな人たちがふらっと集まる喫茶店をコンセプトに、
店員3人組がゆるーく話してまいります。
ふと一息つきたい時、聞いてくださいね。
スピーカー 1
11月20日、第24回の配信です。
本日は、ナッシー、ゆうこりんの2人でお届けします。
スピーカー 2
それでは、さっそくお便り紹介から始めたいと思います。
はなちゃんからお便りをいただきました。
読み上げます。
11歳のかいを楽しく聞きました。
ありがとう。本を読みたくなりました。
料理上手なパートナーがいるって素敵。
ちなみに、我が家のバイブルは、
野菜はスープと味噌汁でとればよいです。
内容は置いておいて、タイトルがよいなと、
冬は鍋、最高!
ということです。
スピーカー 1
野菜はスープと味噌汁でとればいいっていうタイトル、めっちゃいいね。
私も味噌汁をめっちゃ重要視してて、
子供ってめっちゃ好き嫌いするんだけど、
味噌汁だけは絶対飲ませてる。
これだけはって。
スピーカー 2
なるほど。他食べなくてもいいけど、味噌汁だけは飲みなさいって。いいね。
私もね、味噌汁作戦実行してるんですけど、
1歳の次女はそれですごくよく食べてくれるようになったんですが、
3歳の長女は、味噌汁のネギやら大根やらを、
わざわざ皿に出してくるんですよね。
これが頭脳の攻防線かって思ってるんですけど、
そろそろハンバーグに刻んで入れるべきかっていうのは、
スピーカー 1
ちょっと最近のナッシーの悩みです。
3歳ともなるとね、手先が器用だよね。上手に出す。
スピーカー 2
ネギとかめっちゃ刻んでるのにさ、
めっちゃ細かいのさ、これネギ嫌だって出してくるからさ、
お前みたいなね。
いや、そんなこと言ってはいけませんね。
スピーカー 1
では、今月のテーマは、私のパートナー。
身近な人との関係性について考えていきたいと思っています。
そこで選んだ本が、
そしてバトンは渡されたという、セオマイコさんの小説です。
この小説は、血のつながらない親に育てられた主人公の、
高校生の時の話がメインで進められていきます。
03:03
スピーカー 1
主人公は、それこそバトンを渡されるかのように、
どんどん親が変わっていって、
高校生の時点では、なんと4回も苗字が変わっています。
血のつながらない親とか、4回も苗字が変わるって聞くと、
何やら不幸な子なんだろうなぁとか、想像してしまうんだけど、
主人公のゆうこちゃんは、どの親からも愛されているなぁと、私は感じました。
で、一番印象に残ったのが、
主人公が身近な人との関係性が、
とても複雑ながらも、とてもいい関係性を気づいているところです。
そして、いわゆる普通ではない家族について、
なぜか私って先入観を抱いてしまってるんだなぁっていう、
自分自身の思考に気づかされて、
ちょっとそこはガツンときたというか、反省したというか、そんな小説でした。
そういう複雑な家族の形って、社会からは好奇の目で見られる部分もあるんだけど、
当事者たちはそれぞれの性格があって、
その関係性の作り方で、家族というのはいかようにもなりうるんだなぁと、
ナッシーはどんな感想を持った?
スピーカー 2
はい、いやー、この絵、すごくいい小説を紹介してもらったなぁと思って、
楽しんで読みましたっていうのが、まず一言目なんですけれど、
一番印象深かったのは、主人公のユウコちゃんのキャラクターそのものだなと思っています。
ある意味で、周りよりも大人で、
それがきっと同年代には、一歩距離を取った関係性を気づいているようで、
魅力的でもあり、敵意を感じさせやすくさせてしまうっていう面もあるんだろうなと思いました。
一方で、普通の親子ってわからないしといって、
一緒に住む4番目の親であるモニーミヤさんとの些細な喧嘩が、
なんかそれに悩んでいる姿もかわいいですし、
大人びた部分と、前方がわからない不器用さのアンバランスさが、
この主人公の魅力であって、そこがすごく魅力的だと思いました。
その魅力を作っているのは、きっとこの主人公の育った環境も影響しているんだなっていう面を考えると、
やっぱ育つ環境を変えてしまう圧倒的な力が、大人側にのみ存在しているっていう現実に、
ちょっと立ち返ってしまったりもして、
そうすると切ないさというか、やりきれなさを感じたりもしたという面もあります。
06:04
スピーカー 2
なんだろう、切ないなとか思って、ちょっと漢字を引入しちゃって、暗めのトーンで話してしまったんですけど、
この物語のトーン自体は、そんなに重々しくなくて、
むしろカラッとしているところが、素敵な本だなと思いました。
スピーカー 1
そんなに重くないもんね、テーマに反して。
スピーカー 2
そうそうそう、設定だけ聞くとさ、いや、どんだけ暗い青春時代をとか思ってしまうところが、
え、ちょっと最初私、プロローグとかやった時さ、大丈夫かなって思ったんだけどさ、
すごい明るいよね、この本。
スピーカー 1
あとナッシーは、子供という立場と、今では親という立場を経験したからこそ、
大人側の圧倒的な力を感じたんだろうね。
スピーカー 2
ああ、それは間違いないね。
これ、高校生の時読んでたらただ単に、そっか、そういう人生もあるのか、ぐらいだったかもしれない。
スピーカー 1
いろんな立場経験したからこその、読み方の深みが出るよね。
私はこの本を読んで、関係性について考えたいと思ったので、
その問いから話していきたいと思います。
私は、この本の主人公は、どの親とも、とってもいい関係性を気づけていたと感じていて、
まあ、端的には、どの親からも愛されていたからこそ、いい関係性が気づけたのだと思うんだけど、
スピーカー 2
そんな関係性って、どうやって作り出されたのかなという問いを持ちました。
スピーカー 1
で、私の考えたキーワードは、良い距離感なんだけど、
なんか、私たちの社会は、血のつながりっていうものが、家族の前提として、色濃くあるなと思っていて、
それゆえの甘えもあるかなって思う。
その甘えっていうのは、血縁があるから、何してもいいやとか、許されるんじゃないかとか、
強固なつながりがあるから、ちょっとやそっとやで、見放されないっていう気持ちが、私はあるかなと。
この小説の血のつながりのない親子は、
まあ、あんまり血のつながりを意識はしてないようにも感じるんだけど、
どこかお互いを大切にする気持ちは、血のつながりがないゆえの儚さを前提として感じているからなのかもしれないなと感じました。
スピーカー 2
そうだよね。
儚さから、儚いからこそ、ちゃんと守ろうっていう意識が働く。
09:02
スピーカー 1
うんうん。人より関係性高を深く考える立場に、ゆうこちゃんは、まあ、親の都合で慣らされたもんね。
で、もう一つね、語ってみたいのが、
愛情がお互いにあったからこその家族関係だったと思うんですけど、
その中の愛のかたちについて語ってみたいと思っていて、
身近な人への愛ってどんなかたちがいいんだろうかということを考えてみたくて、
で、私がこの本で一番印象に残っているのは、
4人目の親の最終バトンを受け取ることになった森宮さん。
小説も、この森宮さんと主人公の高校生のゆうこちゃんとのやりとりが中心になっているんだけど、
この森宮さんが魅力的だなぁと思って、
森宮さんの主観的な親だったらこうするんじゃないという行動が結構おもしろくって、
元気がないときにはご飯に大量の餃子を作って出したり、
受験のときにはせっせと夜食を作ったりするんだけど、
その行動が彼の性格がいいのか、全く押しつけがましくないように私は感じて、
森宮さんの考え方の根底には、彼のセリフにもあるんだけど、
子供が加わったことで未来が2つ来るという考え方があるのがいいのかなと思って、
何か愛する相手の未来を我がことのように思って、
スピーカー 2
で、絶対的に幸せな未来が来ると信じきっているように感じたんだよね、森宮さんは。
スピーカー 1
で、ここも良い距離感のおかげなのか、
あんまり押しつけがましくない感じで、子供の未来をとても期待しているように思えたので、
どんな形がいいかというと、押しつけがましくないっていうのと、
相手の幸せが自分ごとっていう愛がいいんじゃないのかなと、私は思ったよ。
ナッシーはどう?
スピーカー 2
なんか本当にゆうこちゃんはそれを求めているかどうかわかんないけど、
僕はこれがいいと思うからやってみたよ、みたいな。
明らかに自分がこう思ったからこうやるよ、みたいなパスだったから。
で、ゆうこちゃんも私別にそれ求めてないしっていうふうに言うこともできるし、
12:04
スピーカー 2
そういう感じのやりとりがすごいいいなと思っていて、
私はだから、私結構その2番目の親のりかさんっていう、
2人目の親がすごい強烈なキャラクターだなって思ったんだけど、
ゆうこりんのその話を聞いて、森宮さんとの対比も強いキャラクターなんだなと、
今改めて考えてて思いました。
彼女は今この子に必要な環境はこれだと思ったら、
それを手に入れるために自分の努力を厭わないタイプの人で、
スピーカー 1
ネタバレになるからどんなことをしたかっていうことは話せないんだけど、
スピーカー 2
ゆうこちゃんにとって必要だなって思って、
彼女が欲しがってとかっていうものに対して、
ゆうこちゃんの意思を構いなしに準備してきちゃう感じ。
私これ準備しといたからみたいな感じで準備しちゃうのが、
森宮さんと対比させるとちょっと押しつけがましいというか、
あなたのことを思いやって私はこうやってやったんだよみたいな、
ところはちょっとあったのかなって考えててちょっと思ってて、
でもそれでも私はこのりかさんという親も、
スピーカー 1
彼女がちゃんとゆうこちゃんを理解していたっていう背景も見えるのかなっていうふうに思いました。
そうだね、ちゃんと理解してたね。
スピーカー 2
だからこのりかさんの愛の形は、この子に必要だって思うことをちゃんと準備できる意思と実行力の部分で、
多分私はそういうところに惹かれるから、
りかさんすごい魅力的なキャラクターだなって思う一方で、
それを自分に取り入れられるかなって考えたときに、
スピーカー 1
どうだろうなって思っちゃうんだけどさ、すごいからさ、
スピーカー 2
今この子に何が必要なのかっていうことは、
実行できなくても考えた上で、行動できる親でいたいなって思ったけど、
ちょっとかっこつけすぎた?
スピーカー 1
かっこいい。ナッシーの子供になりたい。
スピーカー 2
ありがとう。
スピーカー 1
小説って、ほんと人それぞれ捉え方が違って、話してて楽しいなぁと思って、
まだまだ話したいことはいっぱいありますが、そろそろ終わりたいと思います。
スピーカー 2
ここまででトークテーマは終了ですが、
キサクロではいつでもお便りを大募集しています。
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今後もキッサクロスロードは、毎週月曜日と木曜日、夜21時よりゆるゆる営業していきます。
15:06
スピーカー 2
本日はお越しいただき、ありがとうございました。
またお待ちしております。
ご視聴ありがとうございました。
15:17

コメント

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