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カランコローン、いらっしゃいませ。喫茶クロスロードへようこそ。
この音声配信は、音好きな人たちがグラッと集まる喫茶店をコンセプトに、全員3人組がグループ話してまいります。
ちょっと人につきたいときに聞いてくださいね。
10月2日、第18回の配信です。
今日はですね、ナッシーのパソコンが壊れちゃって、3人で行く予定だったんですけど、ゆうこりとそらやんの2人でお届けします。
ゆうこり、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ではですね、今日もお便りが届いているので、お便りの紹介ができればなと思っています。
今日は2つご紹介します。
では、読みます。
ラジオネーム、うららんさん。
このうららんの後ろに音符がついててね、うららんって感じなんですけど、うららんさん。
カランコロン、喫茶クロスロードへようこそ。
いつも3人の声やお話を聞いて、ぽっこりさせてもらってます。
夜授乳しながら寝かしつけのときや、ホッとしたいときに喫茶クロスロードをつけて3人の声を聞くと、ぽっこりモードに切り替わり、ほんと感謝だよ。
普段自己啓発書などを読むことが多く、小説はたまーにしか読まなかったけれど、喫茶クロのおかげで小説にも興味が湧いてきたよ。
何冊か紹介してもらった本を書いてみたけど、パラパラしか読めておらず、てんてんてん。
でも、こうやって新しい窓を開いてくれた喫茶クロに感謝感謝。
小説をゆっくり味わいながら読むのがなかなか慣れてないのだけれど、
好きな小説や、ぽっとして読んだ本を思い出すきっかけにも、
向田久美子さんのエッセイ、小川陽子さんの博士の愛した数式、日にこれ講述などは好きだったなぁと、船をあむもあったなぁ。
またいろいろ読んでみたいと思うきっかけをありがとう。長文ごめんなさい。また楽しみにしています。とのことです。ありがとうございます。
ありがとうございます。嬉しい。
もともとこの喫茶クロラジオは、私が異様に寝つきが悪くて、眠れるときに安眠できるコンテンツっていうふうに思ったのと、
自分も夜間授乳、最近はもう全然なくなっちゃったんですけど、夜間授乳のときに絶望しない、癒されるコンテンツ欲しいなぁって思って始めたから、
その通りに使ってくれている方がいて、すごい嬉しいです。
夜間授乳ね。
テレビ見るわけにもね、いかないからね。
小説って具体的なアドバイスとかはないんだけど、人生における哲学とか価値観とか、骨身にしみるものがあるなぁって私は思ったりしていて、
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それが結構小説を読むモチベーションの一つにもなっているかなっていうふうに思ったり。
でもね、自己啓発書とかビジネス書も面白いものがたくさんあるから、
キサクロでもいろんなジャンルの本を紹介できたらいいなぁと思ってます。
今日はもう一つお便りが来ているので紹介します。
ラジオネーム、いずみんさん。
いつも楽しく聞いています。ありがとうございます。
ナッシー・フライアン・リューコリンの熱量高めな本トークを聞くのが大好きです。
3人の会話のテンポが心地いいので、キサクロはずっと聞いていても疲れない癒し番組です。
私はこれまで、読んだ本について誰かに話したくても相手は興味ないかもと気になってしまい、話題に出すのを遠慮してしまうことがよくありました。
でもキサクロを聞いていると、やっぱり本の話って楽しいよねと思えるようになり、最近は家族や友人と本の話をすることが増えました。
キサクロのみなさんのおかげです。
いいね。めっちゃ野望が達成しつつあるわ。
ほんとだ。
ね。
すごい。
これで連鎖して、みんな本好きになって、みんなキサクロのステッカー貼って、
ほんとだ。ステッカーカミングスン。
やっぱりステッカー作んなきゃだな。
はい、今後期待ください。
まだお便りは続きます。
さて、みなさんに質問なのですが、これはイズミンさんからの質問です。
推し作家さん、本のジャンルは何でもを一人選ぶとしたら誰ですか?教えていただけたら嬉しいです。
ちなみに私はミヒャエル・エンデです。
いいね。
この推し作家について語るのは、一人一人それぞれ推しいるんですけど、
多分それだけで1ヶ月回せる気がするので、
推し作家、生涯推し続けてるでもいいし、最近ホットなやつでもいいから、
ちょっと2人に紹介してほしいなっていうふうに伝えているっていうようなニュアンスでちょっと聞いてもらえたらと思います。
じゃあ早速、ゆうこりんお願いします。
本のジャンルは何でもいいとのことだったので、私は内田達郎先生を推したいと思ってます。
私は大学時代、教養学部的な学部だったんだけど、
今でいうとかっこよくリベラルアーツやってるようなところなのかなと思うんだけど、
もうこの時授業の課題本が難しすぎて、
全く読み進められず、私は本を読めない人間なんだと思い込むきっかけになったとこですよ、ここが。
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で、もう卒業かぐらいのタイミングなんだけど、
内田達郎先生の寝ながら学べる構造主義っていう本に読んで、
そうだよ、寝ながら学びたいよという、なんだか本音の部分に寄り添ってくれる本に救われまして、
そこからものすごく敬愛しております。
なんかそれぐらい気軽に学んでほしいっていう内田先生の思いも伝わってくるね。
ほんとなんかね、肩の力が抜けてる人って感じがする。
ナッシーからもコメントをもらっていて、パソコンが壊れたナッシーの代わりに大読します。
私はスウェーディ小説にめちゃくちゃハマった時期があって、赤川二郎、宮部美雪、東の敬語を母と一緒になって読んでいました。
あと、伊坂幸太郎もハマってたな。
いや、わかる。ナッシーは同い年だから流行が一緒なんだよな。
特に東の敬語の探偵ガリレオシリーズはメディア化もされたし、
容疑者Xの検診、真夏の法廷式あたりは映画化もされたので好きな人多いんじゃないかな。
わかる。
今はあまり読めてないけど、推し作家と聞かれたらこのあたりをあげています。でも最近は追いかけてないで。
えー、なんかナッシーが推理小説好きなの。今初めて知ったから、すごい意外だったな。
ちょっとおすすめの推理小説、私後で送ろう。
推理小説読み始めたらやめられない。
やめられない。
犯人がわかるまでやめられない。
やめられないよね。
私、小川陽子がずっと大好きで、第1回で話した通り。
小川陽子だけで1ヶ月どころか、2、3ヶ月回せる自信があるくらい。
語りだしたら本当に止まらなくて、作品も人となりも全部大好きだから。
だから、しゃくに不安があるので、最近自分の中で熱い作家さんを紹介したいと思ってて。
もともとは、むかがみおが自分の中でめちゃくちゃ熱いっていう話をする予定だったんですけど、
いや、熱いんですけど、つい先週、この収録をするつい1週間前に、
伊藤あかりさんの、君は誰かのどうでもいい人っていう作品を読んだら、
これもめちゃくちゃ良くて、この小説をいろんな人に押し付けたい気持ちだから、
この2人の話をちょっとしたいです。
むかがみおさんは、いわゆる青春小説のジャンルに入る内容を描かれている方で、
部活とか仕事とかで、心を燃やしている人々を追った作品が結構出ています。
伊藤あかりさんは、様々な生き方をしている女性を扱った作品が多いかなっていう感じです。
2人の、お二方の小説を読んで私がうわーってなったのが、
2人ともかなり登場人物の真理に踏み込んだ描写をしていて、
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普段誰もが見たくない、目を背けたくなる、人間の弱さ、ずるさ、余ったれいな部分とか、
自分の好きじゃない自分みたいなところを、めちゃくちゃ鮮明に描写しているから、
ものすごくハッとさせられるし、刺さる部分が多いし、
これを描いている時って、本当に自分の魂を削っている気持ちなんじゃないかなって読んでいて、
あまりにもえぐられすぎるというか。
私はこのお二方の本を題材に、あそこの主人公の気持ちどう思ったとか、
あそこの登場人物のあの行動はどういう気持ちだと解釈したみたいな、
こういう人の内面のさらに奥深いところに切り込むような話を、
ちょっとガッツリ人と話したいなって思うぐらい、
もし好きな方がいたら、ぜひお話したいなって感じです。
そんな感じで、ちょっと推し作家の話してたら、だいぶしゃく使っちゃうよね。
そうだね。
無理だよ、止まらないよ。
止まらない。
ねー。
皆さんも推し作家がいたら、ぜひお便りで、
〇〇さんが推しですって書いてくれたら、
作品をいくつかピックアップして読む気がするので、
皆さん軽率に、軽率にね、軽率に推していきましょう。
そんな感じで、今日から10月なので、
キサクロは季節や風流を感じられるようにっていうのもあって、
毎月テーマを決めてトークやエッセイを作っているんですけど、
今月のテーマは食欲の秋です。
食欲なんて年から年中共通したテーマだとは思うんですけど、
秋は美味しいものが多いよね。
美味しいもの多い。
多いよね。
私は毎日ご飯っていいなって思っているタイプの人間なんですけど、
そういう方は多いのかなっていうので、
ご飯にまつわる小説、食べ物にまつわる小説ってものすごい多いなっていうふうに思っていて、
なので今日は3人それぞれに美味しい食べ物がキーアイテム、
美味しくなくてもいいんですけど、
食べ物がキーアイテムとして出てくる、
自分の好きな小説を紹介してもらえたらなっていうふうに思っています。
でですね、パソコンが壊れたナッシーのおすすめ本を私が代読させていただきます。
これでナッシーのパソコンが壊れたってことがみんなにすりこまれてしまう。
はい、じゃあいきます。
ジャンルとしては自動文学になると思いますが、
妖怪アパートの優雅な日常という光月ひのわさんのシリーズがすごく好きでした。
両親を亡くし、天外孤独の身の上である主人公、
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身を寄せていた親戚の家から出たい一心で、
住むことになったのはお化けも妖怪も住んでいる。
妖怪アパートだった?というのがこの本の導入部分ですが、
賄い付きのアパートなので食事シーンが多く、料理がたくさん出てきます。
ちなみに賄いをしてくれているのは幽霊のルリコさんなんですけど、
手首だけの幽霊なので想像するとちょっと怖いです。
めっちゃ怖い、確かに。
この本で私はいろんな和食の品目を覚えました。
四季折々旬も取り入れたメニューを賄いで食べられる主人公を
深息羨ましいと思っていました。
深息羨ましいな。
この本の本筋はこの主人公の成長物語になるのですが、
幽霊や妖怪にもそれぞれの人生があることを知り、
いろんな人生があっていいんだと腹打ちしていく様子を自分に重ねて、
人間の多様性を知るいい本だったな。
高校から大学にかけてすごく楽しんで読みました。
幽霊や妖怪から人間の多様性を知るって面白いね。
面白いね。
なんかそれと食が結びつくというか、面白い設定だね。
幽霊がご飯作ってくれる。
食べられないんだけどね。
そうだね、幽霊側は食べられないのか。
食べられないの?食べられるの?
いや、ほんと昔は幽霊怖かったけど、
私の家でご飯作ってくれる幽霊さんがいたらほんとに拝み倒す。
この本ちょっと面白そうだなと私も思っているんですけど、
次にゆうこりんからお願いします。
私はね、こう見えてなのかどう見えるかわかんないけど、
結構甘々な恋愛小説も大好きなんだけど、
そんな甘々な恋愛小説ものなんだけど、
食べ物がキーアイテムとして出てくる小説で好きなのが、
有川博さんの植物図鑑です。
映画化もされてるから知ってる方も多いのかな。
主人公が道端に落ちていた彼を拾ってきて同居することになり、
恋に落ちるというなんともラブコメ展開なんだけど、
その彼がね、野草で素敵な料理を作ってくれるんですよ。
なんかね、散歩しながら野草を積んで料理して美味しく食べるシーンとか出てきて、
なんか身近にあるもの食べれるんだって思うんだけど、
私はそんな野草の調理能力にめちゃくちゃ憧れがあって、
山登りに私よく行くんだけど、
で、本当は山から食べ物調達できるんだろうなと思いつつ、
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なんか怖くてできず。
いやでも、前提知識がないと普通に危ない。
生存本能、生存本能。
生存本能なんだけど、
動物的本能さえ使えば、本当は食べられるか食べられないかっていう判断って、
いっぱい食べたら毒あったらやばいけど、
ちょっと食べたらこれ大丈夫、大丈夫じゃないとか、
実は判断できるのかもなーとか。
でもそれは多分、それこそ逆にその動物的観に頼ってはいけませんみたいな、
ちゃんと見てるキノコとか、形が微妙に違うからこれは毒がある野草とか、
めちゃくちゃ植物図鑑とかに書いてあるから、
なんか私のイメージは逆に、
それこそ図鑑とか書物に頼るべき分野なんじゃないかなって私は思うんだけど。
なんかね、本当はもうちょっと自然界と食べ物って身近にいれるのかなとか、
それはそうだね。
1日分の野菜が摂れますみたいなのって、
例えばその1日分の野菜っていうのも、
きっと私にとっての1日分必要な野菜と、
いろんな人にとっての1日必要な野菜って違うじゃん。
でもなんか私の体調的に、
今この野菜足りてないから食べようみたいなものを、
なんか自分の体との対話で編み出せるような能力が実はあるんじゃないのかって勝手に思ってる。
でもそれはさ、大事だよね。
日々生活してカサカサしてるなとかって、
なんか時に振り返ってみると、
あれ全然あれ食べてないなとか、
そういう感覚みたいなのは意識してたいよね。
そうなの、でも私は頭でっかちにさ、
なんか唇カサカサ良い食べ物みたいな形で検索して、
おおこれかみたいな。
え、でも大事じゃない?
それでさ、唇は本当に潤ったのかっていうことを違ったなとか、
そうだなとか、プラシーボかなみたいな。
プラシーボもあるねそういえば。
プラシーボの可能性もあるじゃん。
そうだね、情報が多い世の中だからこそ、
それも信じつつも、自分の体の声も信じたい。
そうね、自分の体の声ね、大事。
いやでも私は、ゆうこりんが山登りで野草食べてなんか、
体調崩してとか、命に何かがあってとか、
ならなくて良かったって思ってるよ。
ほんと?ありがとう。
はい、そんな感じですが。
じゃあ私も食べ物がキーアイテムになっている小説を紹介したいなと思うんですけど、
そもそも私は飲食店群増撃と私が勝手にジャンル分けしている作品群がとっても好きで、
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とある店にいろんなお客さんが来てワイワイガヤガヤして、
それぞれのお客さんのエピソードもあって店員のエピソードもあるみたいな小説があるんですけど、
それが本当に好きで、
だから何を持ってくるかすごく悩んだんだけど、
今日は古内一恵さんのマカンマランという本を持ってきました。
これは飲食店群増撃小説で、
とある商店街の片隅で深夜だけひっそりと営業しているカフェ、
マカンマランっていうところがあるんですけど、
そこにいろんな理由でその場所にやってきた人たちが、
ドラッグクイーンの店主のシャールさんという方と、
そこでシャールさんから出してもらう料理を通じて、
心と体に栄養を取り戻していくっていう話で、
この小説の私が好きなところは、
まず料理がとても真似できないほど細やかで、
材料もめちゃくちゃたくさんあって、
時間をかけて丁寧に作っていくっていうもので、
調理方法も味付けもだいぶ複雑って言い方かもしれないんですけど、
うまい、辛い、甘いとか、
一言で表現できない料理っていうのがたくさん出てくる。
それと多分リンクした感じで描写されるんだけど、
お店に現れる人々の心の内とかも、
その複雑な料理と同じぐらい、
複雑っていうか単純じゃないっていうか、
言葉では決して言語化できないような気持ち、
心の内みたいなのが結構出てくるっていうか。
飲食店軍増撃小説っていうのは、
基本連作短編集の形をとっていて、
一個一個の話は決してつながってはいないんだけど、
設定とかは全部一緒だから、
一つの作品として読めるっていう形なんだけど、
4つのエピソードが出てきて、
それぞれにお客さんとか店員さんとかが主となって、
彼らの葛藤している内容とか、
心の内とかが表現されていくんだけど、
それは単純なものでなくて、
シェアルさんと話して、
カフェでご飯食べて、
まるっと問題解決みたいな感じにもならないんですよ。
解決しないんですよ。
でも、だけどちょっとだけ楽になるとか、
ちょっとだけ明日への光が見えてきそうみたいな感じの
安心感とともに終わるから、
いいなっていうか、
なかなか伝わりづらい小説なんだけど、
この人たちがどう思っているかみたいなことを
説明してくださいって言われたら、
説明できないものを浴びているような小説。
だから、その伝わりづらい心の内みたいなのを、
シェアルさんが丸ごと受け止めてくれたりしていて、
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人間ってそんなわかりやすい感情だけで
構成されている生き物じゃないよな、
みたいなことを思い出させてくれる。
テキストでのやりとりとかが増えている現代だと、
自分の気持ちとか、
言語化しなきゃって思うけど、
料理と一緒で感じるっていうのも、
やっぱ大事だよな、みたいな。
言語化しきれないものに出会った時の、
しっかりと味わおう、みたいなことを
思い出させてくれる小説なので、おすすめです。
すごいね、言語化できないものを
言語で表現しているのがすごいね。
そうそう、そうなの。
イライラしてる、悲しい、寂しい、嬉しい。
だけじゃないことを、
この人は今感じているんだろうな、
みたいなことも考えながら生きていきたいな、みたいな。
そうね。
自分もそうだよな、とか。
そんな感じで、
お腹も心も満たされるっていう言葉は、
食べ物の表現、食べ物を評価する表現として
あると思うんですけど、
おいしいものが出てくる小説って、
心も満たされるっていう部分を
実感できるものだと思っていて、
あとご飯は誰にとっても身近な代替だからこそ、
その周辺の人間模様とか、
心の霧みたいなものが浮かび上がるのも
分かるなっていうふうに思います。
食欲の秋が来ておりますので、
夜も長くなってまいりましたので、
おいしい小説を読んで、
おいしいものを食べて、
おやつもつけたりして、
みんながお腹も心も満たされる日を
過ごせるといいなと思っています。
ではここまででトークテーマは終了ですが、
キサクロではいつでもお便りを大募集しています。
トークのご感想や、
本にまつわるお悩みなどをぜひご投稿ください。
ポッドキャストやノートに、
お便り投稿フォームのリンクをご用意しておりますので、
そちらからご投稿いただけると嬉しいです。
今後もキサクロスロードは、
毎週月曜日と木曜日、
夜21時よりゆるゆる営業していきます。
それでは本日もお越しいただきありがとうございました。
またお待ちしております。バイバイ。