1. 研エンの仲
  2. #27 おいしさを脳はどのように..
2021-01-20 39:26

#27 おいしさを脳はどのように感じるのか? 匂いと味の脳科学

ゴードン・M・シェファード『美味しさの脳科学: においが味わいを決めている』を元に、おいしさ(味わい)と匂いの関係、レトロネイサル経路、「匂い=合成性、味=分析性」、赤ちゃんの味覚、味覚と進化、ラーメンはおいしい、について話しました。

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はい、じゃあ今日のテーマは?
今日のテーマは、おいしさを科学する。おいしいってどう感じているのかみたいな話について話していきたいと思います。
はい、このテーマを取り上げることになったきっかけとして一冊の本がありまして。
おいしさの農家学っていうゴードンシファードさんの本で、この人実はニューロサイエンスの中でものすごい偉い人っていうか有名な研究者ですね。
彼がずっと嗅覚の研究者として第一人者だったんですけど、
よくよく考えたら、おいしいっていう感覚は普段この人美食家でもあってご飯食べるの好きなんですよね。
で、普段食べてるこのおいしいっていう感覚をもっと今まで自分が調べてきた農家学の観点から理解することができるんじゃないかってことを考えて、
ニューロガストロノミーっていう新しい分野を作れるんじゃないかっていうふうに考えて書いた本ですね。
なるほど、もともとは嗅覚専門だったんだ。
そうですね、嗅覚、主に動物を使って実験していた人で、嗅覚回路のすごいいろんな特性を見つけた人っていう感じなんですけど、
この本の一番の主題というか、副題が匂いが味わいを決めているって書いてある。
ズバリ。
そうなんですけど、ここで言ってる匂いって、私たち普通鼻の穴から匂い嗅ぎますよね。
クンクンってやつね。
クンクンってやつ、普通に鼻から嗅ぐ匂いが、みんなそれのことをイコール匂いだと思ってると思うんですけど、
匂いを感じるときに二つの経路があって、一つがオルソネーサル経路っていう、普通の鼻から嗅ぐ匂いですね。
で、もう一つはレトロネーサル、後ろから入る経路なんですけど、これ何かっていうと、舌というか口の中から鼻に抜ける側の、そちらから伝わる匂いなんですよね。
口で、歯で何か食べ物噛んだりするじゃないですか。で、舌で転がしたりすると。で、その食べ物が呼吸によって口の中から上側に運ばれる匂い。
で、これが何か風味、フレーバーですね。で、であって、それこそが何か味の多様性を作ってるんだよっていうのが、この人の主張ですね。
なんか五感っていう言い方をするときに嗅覚と味覚って別のものだっていう意識があるんで、その二つが関連してるっていうのは意外に感じる人もいるかもしれないですね。
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もちろんその匂いを感じずに、味を何だろう、物を食べると難しいから、そういう意味では何か自然に同時に刺激されてるって言うんだけど、匂いが味に影響してるだけじゃなくて、より踏み込んで味わいを決めているっていう風に主張しているのがこの本っていうことですかね。
だから味は、それこそ甘い、塩っぱい、あと酸っぱい、苦い、あとは旨味が基本だと思うんですけど、それらが、そういう基本的な味はもちろんわかるんだけど、例えば一番有名な例だとかき氷とかって、あれって全部砂糖水、かき氷のシロップってあれ全部同じ濃度の砂糖水なんですよ。
で、ただ香りだけが色んな香りがついてて、色がついてるから、これはブルーハワイだとかイチゴだって感じるけど、実質的には全部同じっていう。
なるほど、確かに。それは舌的には、舌の中の味覚の重大的には甘いっていうものしか感じてないけど、レトロネイサル系を通じて感じた風味が味を作っている、それをプラス甘みの近くが味を作っているっていうことなんですかね。
なるほど、それでも思い出したのは、昔焼肉屋さんに連れてってもらった時に、もらったガムもらうじゃないですか、で、僕は子供だったんでミントじゃなくて、その当時はフィリップスガムのやつもらったんですけど、それ青リンゴ味っていうのがあって、青リンゴ味ってその当時は全く意識してなかったんだけど、青リンゴって食べることないじゃないですか。
まあ、そうだね。
青リンゴって何なんだろうって今は思うけど、謎の、それかもまあ別にその当然青リンゴの味なんてもなしないわけですよ、その香り、香料がついてて、で、まあただ甘いだけのがなんですけど、なんかそれを思いましたね、あのなんだろう、バーチャルな青リンゴの味っていうのは、小っちゃい頃はあれが青リンゴの味なんだって思ってたけど、今は何なんだって。
だからいろんなお菓子メーカーとか食品メーカーは、香料をうまく使うことによっていろんな味を再現してるわけですよね。
だからすごくある意味、味ってシンプルなんで、甘くするか、さっき言った5つのやり方しかないと。
そうだね。
もちろんそれらをうまく組み合わせることによって、いろんな複雑な味わいっていうのは出せるんですけど、やっぱり香りをうまく使うっていうのが、なんだろう、例えばすき焼き味のなんかこうとかあるじゃないの。
すき焼き味のポテトチップスみたいな。
ポテトチップスとかグミとか、なんかそういう感じなんだと思います。
じゃあ青りんご味なんてないんじゃないかっていうんじゃなくて、香りも含めてそういう味を作ってデザインした結果だということ。
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だからこの人自身が言ったのは、今までニューロサイエンティストとしてずっと究画の研究をしたけど、
いざおいしさを科学しようと思って、おいしさの農科学を調べようと思ったら、世の中に本当にいろんな人がおいしさを分子から理解しようとしているってことに気づいたみたいな。
フードサイエンティストって呼ばれる人とか、分子ガストロノミーって言われるような分野の人たちとかがいて、
そういう人たちはいろんな化合物を使って味を作っていくみたいな、味をエンジニアリングするみたいなことをやってる人たちですね。
そういう人たちとの出会いがいろいろあって、すごい面白い旅だったみたいなことを冒頭で言ってましたね。
その本の中ではそういう人たちと一緒に研究を進めてるってこと?
そうですね、本の中で研究を進めてるっていうよりは、いろんなそういう研究とかも参照しながらっていう感じでしたね。
結構私この本で印象的だったのが、匂いとは合成性であり、味とは分析性であるっていうことを一言のべてる、さらっと述べてるんですけど、
これが実はうちの研究室の成果にすごい関係してる内容だったんですよ。
私自身実は匂いと味の研究をしていて、匂いと味と報酬系というかドパビンニュロンの研究をしてるんですけど、
うちの研究室の報酬の人の成果として、匂いオブジェクトの脳内表現を生成するやり方みたいなのを解明しましたみたいな、そういう成果なんですよね。
匂いオブジェクトって何かっていうと、例えばカレーに含まれるスパイス一個一個じゃなくて、全体としてカレーの匂いって私たちに認識するじゃないですか。
これはクミンでこれはなんとかでーとかなんとかでーみたいな感じで、一個一個バラバラに知覚するっていうよりは、全部合わせて、これカレーの匂いとか。
分解できない。
そうそうそうそう。
いろんな、あるいは異なる匂い分子、それぞれ分子は違うんだけど、何か科学的な性質が似てれば柑橘系だよね、これはみたいな感じで、これは同じグループだよねって感じで匂いをオブジェクトとして認識することができる。
確かに。柑橘系の匂いって不思議だよね。
多分それぞれまた素性とか物質は違うはずなのにグルーピングできるっていう。
だから味に比べると圧倒的に何ていうか受け取れるその化学物質が多い、すごい多いんですよ。
なるほど。
だからそういうものを何かこう足し合わせるんじゃなくて、それを合成して一個のものにすることができるっていうのが匂いの特性で、それを見つけたっていう研究が去年かな、一昨年かなぐらいに出たんですけど、
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それがなんだろう、この本である意味、これ何年ぐらいの本かな。
2015年とか。
2015年とかの本にもう予測されていたというか、書いてあったのがなんか印象的でしたね。
だからそれは主観的に確かにそうだなって思うんですけど、それがこう。
実際に神経のメカニズムのレベルでも。
がセルミン使ってきたっていうのはかなり面白いかなっていうふうに思いましたね。
なるほど。
味が分析性って言ってるのは、甘酸っぱいとかって甘いと酸っぱい分けれるじゃないですか。
だから何と何が混ざったらこういう味になるっていうのが感覚として甘じょっぱいとか、グラデーションは作れるけど、それで新しい一個の味みたいなのにはあまりならない。
ほのかな甘みを感じるみたいな。
なんかそれで思い出したのはちょっと例としてふさわしいかどうかわかんないんだけど、おならの匂いを薄めるとジャスミンの香りみたいなっていう例が思い浮かんで。
おならの匂いは強いジャスミンのようだとも感じないし、ジャスミンが薄いおならのようだとも感じないけど、味覚ではなぜかそれはありますよね。
確かにあるある。
なんかすごくほのかな甘みを感じるとか言って、でそれがその少ない時とすごい多い時とっていうのがなんかすごいそのグラデーションとして理解で、光が強い弱いみたいな感じで理解できるのはその匂いと結構違うなっていうのは思います。
確かに確かにそうかもしれない。
なんか香水とかも強すぎると全然元の匂いわかんないしね。
なんかラベンダーの香りとかってすごく薄く広がってると空間広がってると確かにラベンダーってなるけど、エッセンシャルオイルの一滴を嗅ぐとすごい強すぎてなんかなんだろう、トイレの香りみたいな。
わかんないけどそうなってしまうっていうのは結構その話を聞いて思い出しましたね。
それは割とその感覚の違いというのが表している例なのかもしれないですね。
味でもなんとかな味ってあるじゃんって多分思う人もいると思うんですけど、それは多分味と風味を混同しちゃってるっていうケースなんじゃないかっていう風にこの人はかなり匂いが過小さ、評価されてるっていうのを言いたいので、
なんかそれは味の特徴でもあるんじゃないって言われたら、いやいやそれは実は味ではなくて匂いなんですよっていうことをかなり言ってます。
その人は例えば肉の味みたいな、焼いた牛肉の味みたいなのはうま味みたいな味の重要体だけではやっぱり出せないって言ってるってことですよね。
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うま味そうですね、それだけではなくて例えば肉は焼いた方が、その辺は好みによると思うんですけど、例えば焼いた方が美味しいって思う時とかはメーランド反応が起きて、それで立ち上がる香りが口の肉を噛んだ時に口の奥側から匂いの方に、鼻の方に抜けてって、
それが肉の味わいみたいなのを全体として作ってるんじゃないかっていう、だから食べるっていうのが一個の感覚では済まないんですよね、口の中に入れた後ですら舌を動かして味覚を感じ、
あとは舌触りとかもあるじゃないですか、パリパリしてるとかしっとりしてるとか、なおかつそれがさらに匂いも同時に近くされるんで、それらを分離して考えるってことが結構難しいんですよね。
だからもうそれを人々は全部味って呼ぶけど、それは本当に味覚だけで作られるものではなくて、美味しさっていうのはすごくマルチモーダルなんだよみたいな話をしてますね。
ちなみにちょっと気になったのは、オルソネイサル経路、普通に鼻で嗅ぐ匂いとレトロネイサル経路、後ろから来る匂いっていうのは場所として別の児童体が活動するんですか?
いや、そういうわけじゃないと思いますね。
同じ鼻の奥にあるようなところにある児童体が。
そうですね、鼻腔に入ってくるんですけど、経路が違うっていう感じなんで、もちろん後ろ側により児童体がくっつきやすいとか前側にくっつきやすいみたいなそういう分布は若干あると思いますけど、基本的に両方から入ってるんですよね、食べる時って口の前に持ってきた時点でも香りがするし、入れた後もふわって内側から風味が立ち上がる。
例えば鼻をつまんでご飯を食べるとまずいみたいな、だから嗅覚が影響しているんだみたいな話をするけど、結局鼻をつまんでもレトロネイサル経路は遮断できないから。
そうなんです、そうなんです、だからこの人が推奨している実験は鼻をつまんで息を止めて食べるっていう、難しすぎるでしょみたいな、そうすれば分かるよみたいな感じで、分かるのかもしれないけど実際難しいなみたいな。
じゃあ焼肉の本来の味、どっちの経路も草がいた味覚だけで味わう焼肉の味は息を止めて鼻をつまんで食べると理解できるっていうことですかね、すごい苦行だな。
そう苦行なんですよ、呼吸によって運ばれるので、呼吸を止めればいいんですけど、呼吸を止めて食べるっていうのがまずそもそも結構難しい、それをやれば分かるよって言ってるけど、え、え、みたいな感じなんですよね。
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焼肉で言うとちょっと小っちゃい頃に思ってた疑問があって、油とかってすごくエネルギーとしていいわけじゃないですか、カロリーの密度が高くて、でも油を直接感じるその味覚の未来みたいなのがないのはなんでなんだろうな、みたいな感じで思ってたんですね。
油っこいものっていうのはどっちかというとさっきの話だと嗅覚で感じるようなことの方が多いのかなっていうふうに思っていて。
そうですね、基本的に口の中に入るものって限られてるじゃないですか、味覚で感じられることって限られてて、ただ口に入れるかどうか判断するのは嗅覚なわけですよね。
油って要するにCとHとOがワーって連なってるもので、それらのうち一部は空気をふよふよしてるわけですよ。その匂いを嗅いで美味しそうだなと思ったら食べるっていう感じでやってるんで、そういう意味では別に、風味を食べた時に風味を感じて美味しいと思ったらまた食べられるわけじゃないですか。
そういう意味では必ずしもその需要帯が、味の味覚需要帯がある必要は多分ないんじゃないかなと思います。油というか。
そのものが例えば脂っこいとか栄養ありそうとか、ちゃんと火通ってそうみたいなことを判断するために、そんなにこう味覚、未来の需要帯が重要なわけではないから、むしろそこになんでないのっていう疑問自体が別にそれは必要ないからだよっていうふうに。
多分油どんな種類かにもよりますけど、物によっては多分旨味需要帯活動する種類の油もあるんで、油食べるだけでもある程度活動するんだとは思いますけど、ただイメージしてるのはあんまり食べても味を感じない類の油と思う。
でもそれって生性油だから、基本的にそれは存在しないんじゃないですか、あんまり自然界に。 自然界にその純粋な油っていうのはほとんどないはずです。 だから何かしらの味がついてるはずなんで、食べられたんじゃないか。
それで言うと砂糖、塩とかすべてすごく不自然なものですよね。人間が結構最近になるまでは味わったことはなかった。
いやでもまあそうだね、完全に生成されているものを味わえるようになったのは本当に最近ですけど、でも甘みとその苦みっていうのはほとんどの生物種が感じられる、もちろんいろいろ生物いて神経系ないやつもいるんで全部は言えないですけど、まあでも昆虫とかにも共通するような感覚で、
それらを甘いものはみんな好きなんですよね、それがカロリー源として良いってことが感じられている。それでなんかこの本で書いてあってちょっと面白いなと思った実験が、甘いのが好きとか美味しいって感覚って何だろう、いつから存在するんだろうって思いません。
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赤ちゃんとか2、3歳ぐらいからもうなんか甘いもの好きだったと思うけど、赤ちゃんの時って本当に好きだったかどうかっていうのはわかんないです。
覚えてない。
覚えてないし、赤ちゃんに酸っぱいものとか苦いものとか基本あげないじゃないですか、だからわかんないわけですよ、でもそれをやった人がいて実験で、なんか生まれたばっかりで何にも食べたことない赤ちゃんに。
その子が酸っぱいのがわかったらもうそれは本当に誠徳的だと言えるんじゃないかってことですよね。
その評価の方法がちょっと面白いんですけど、表情を写真に撮るっていう。
しゃべれないからね。
表情ですべてを判断するしかなかったんですけど、やっぱ苦いとか酸っぱいとか微妙な顔するらしいんですよ。
で、塩味はなんかなんともないみたいな顔で、甘みの時はちょっと濁ってするらしい。
なるほど。
いや、なんかそれを本当になんだろう、体外に出てから食事を始める前の赤ちゃんにやるっていうのを、たぶん小児科の病院の先生が誰、小児科じゃないや、産婦人科の先生がやったっていう話で。
すごいね、ちょっと貸してくださいって言って。
貸してください。
対面してるところ申し訳ないですか、母乳の前にこれを。
みたいなことをやって、しかもまあ面白いのは甘いとか苦いみたいな感じられるだけじゃなくて、なんかそれが表情に出てくるというか、実際赤ちゃんの主観はわかんないじゃないですか。
どう感じてるかわからないけど、しかも表情に出るような情動がその時もうすでにあるんじゃないかっていうふうにこの本では書かれていて。
そういった情動が、しかもそれを表情で伝える手段があるっていうのがかなり、なんていうか味の、なんだろうな、すごい誠得性を感じられるものなんじゃないかな。
そういう根源的な感覚なんじゃないかっていうことですかね。
面白いですね。
ハエも甘い苦いとかは感じられる。
そうですね。甘い苦いを使っていろいろ学習させたりとかもできますし、実際その甘い刺激、苦い刺激とか与えると、例えばドパミンニューロン活動するとか、そういった喜んでそうとか嫌がってそうみたいなのがわかったりします。
なるほど。それは多分いい匂いとかいい味、嫌な味みたいな話だったと思うんですけど、おいしいっていうのは何かっていうのはこの本では答えは出てくるんですか。
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やっぱりすごくいろんな、何だろう、複数の感覚の統合であるっていう感じですね。おいしいっていう感覚に関しては。
最終的には言語とかまで出てきますからね。言語とか視覚が与える影響。
これは何何県産のなんとか肉を使ったんだいないですみたいな、そういう話。
それが最終的には味付けされていると、味付けっていうのは脳内で何だろう、さらに加えられて、最終的にその全ての食経験から生まれるクオリア全体がおいしさなんじゃないかみたいな感じで、
味だけでも匂いだけでもダメだし、舌を動かす筋肉みたいな話とかも出てくるし、あとは、あれですね、やっぱり、例えば辛さとかはどっちかというと痛みに近いわけですけど、
そういうサクサクしてるとか、ふわっとしてるみたいな触覚も必要ですし、パリッという音と、あとまあどんな色をしてるかっていう。で、なんか、こう、例えば色付きの水の方が匂うように感じられるとか、なんかそういう実験とかもあったりするんですよ。
とにかく本当にいろんな感覚が統合されてるんですけど、しかも統合された上に、いろいろ、人間の場合は多分言語情報も乗って、最終的にはいろんな報酬系とかも関連して、おいしいっていう感覚ができてくるんじゃないかっていう、だからおいしいセンターみたいなのがあるわけじゃなくて、
のネットワークのいろんなところを使っておいしいを感じているみたいな話なんじゃないかと思いますね。
まあ、その中でもこの人はやっぱり匂いが大事っていうのはやっぱり言いたいのはあると思うんですけどね。
まあでも、なんかおいしそうな匂いっていうのが実際の食べるっていう体験と切り離されて、なかなかおいしそうって感じることがなさそうなのはちょっと気になりますね。なんだろう、おいしそうな匂いってだけで満足するもんじゃないじゃないですか。
そうですね。いや、それも結構面白くて、なんだろう、おいしそうな匂いだけしてるけど食べないっていう。
それなんかむしろストレスな気もする。
確かにね。匂いだけじゃダメだろうっていうのはもちろんそうだと思います。
まあ、栄養みたいなのも最終的には重要だと思っていて、最近の研究で人工甘味料を与えた場合とそうじゃない場合では腸から脳に帰ってくるシグナルが違うっていう、
いそ神経経路で栄養をしっかり持ってる、栄養があるかないかっていうのがちゃんとフィードバックされていて。
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甘く感じるクッキーを食べておいしいおいしいってなってる時と、本当に甘いやつと甘く感じるわけで実は人工甘味料ってクッキーがあった時に、人工甘味料クッキーを食べてると最初おいしいおいしいってなるけど、腸があれ、これ栄養ないぞってなったらそれがフィードバックされて、今度はそのクッキーを食べた時にまた違う感じがする。
まあ違う感じがする、そこまで主観的な経験人員はその論文では踏み込めてないんですけど、マウスの実験だし、でも実際、砂糖の場合はそれでちょっと飲む量が減ったりとかするんです。
たださっきのクッキーの例だと多分人はほぼ感じできないんじゃないかなと思っていて、クッキー自体に栄養があるんで、その実験では本当に栄養あるとゼロみたいな感じで比較してるから、クッキーはクッキー自体に小麦とかいろいろ別の栄養素があるじゃないですか。
そういう感じで栄養も最終的には多分関係して、その満足感みたいなのが生まれたりはしてるんだと思いますね。
すごく美味しいだけで全然お腹が満たされないフランス料理とか食べまくると、そのフィードバックによって嫌いになっちゃったりするんじゃないですかね。
結局だから栄養ゼロには多分できないんじゃないですか。
だからそれが難しいから現実的にはあれですけど。
なんか今結構いろいろ栄養食みたいな、例えばこのドリンクを飲むだけで1日分の栄養がみたいな味だってたくさんあるじゃないですか。
でなんかそういうのを最近結構スタートアップ界隈とかでは普通に流行ってたりすると思うんですけど、
なんかそれを美味しい食べ物に対する渇望の実験みたいなのをやるのに使った人がいて、それ自体っていうよりは単調な食事vs普通の食事みたいなのさせて、
単調な食事してる人にその人が一番好きな食べ物の名前とか見せてこれを思い浮かべてくださいみたいなことを言うと、
薬物とかに反応するような渇望の回路が活動するみたいな感じの研究結果とか載ってたりしてて、
それが普通の食事してて、自分の好物の名前をあげてそれを思い浮かべても、それは美味しそうって感じるけど、渇望とはまたちょっと違う回路なので、渇望と好きな食べ物っていうのは別じゃないですか、
それを分けるためにあえて単調な食事を2、3日させるっていう。
ヤバい、ちょっと倫理的にどうなってるか。
多分倫理審査はちゃんと通ってると思いますけどね。
想像しただけでちょっと苦しい。
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でもそれを自主的にやってる人はいるわけじゃないですか。
それはそうですね。
だから別にそれ平気な人は平気なんだと思うんですよ。
ある種単調な食事をしても大丈夫。
なんかね、いろいろ試してみたいとは思ってるんですけどね。
例えばなんかパスタに練り込んであるやつとかあるじゃないですか。
確かに小麦、まあなんていうか炭水化物だけじゃないいろんな要素をパスタだけでとりたいと思ったらかなりいいやり方だと思うし、
なんかいろいろそういうね、フードテックみたいなの盛り上がってますから、
そういうのと組み合わせていくとより美味しさを価格しやすくなるんじゃないかなと思います。
実際その渇望を引き起こすのは結局栄養だけじゃない食事の要素がそういう渇望を引き起こしてたと思うんだけど、
それが実際何なのかみたいな話はもっと掘り下げられてはいるんですか?
どうだったか、その渇望の正体ってことですか?
渇望の正体。
渇望の正体はそれはそれでなんだろう、神経回路としてはこうでこうでみたいな話はありましたけど、
それは結局は記憶みたいなところにつながってくるんだと思いますけどね。
その匂いと記憶みたいな話ってあれですよ、なんだっけ香水の聖代をドルチアンの名前とかね。
匂いってすごく記憶を呼び起こすって言いますね。
だからまあそういうのに何だろう、関連して匂いに関わらずある食べ物を思い浮かべると渇望が生じるみたいな、
それには会話とか複数の脳部位に関連する渇望が起こるっていうそういう話はいろいろされてますね。
私も全部は覚えてないですけど。
匂いってすごいいろんな多次元の刺激なんですけど、同時にこれはすごい良い匂いだ食べたいみたいなとか、これはすごい不快な匂いだみたいな、快不快の次元もあるんですよね。
それぞれ良い匂いとか悪い匂いとか嫌な匂いに反応するような細胞があったりして、かなり快不快みたいな冗談にも結びついてるっていう話もしてますね。
それが美味しさっていうのを考える上で重要なんじゃないかみたいな感じでいろいろ述べられていたりしますね。
あとは匂いに限らず、いろんな刺激の組み合わせによって感じ方が変わるみたいなそういう話もしてて、
例えばイントラモーダルみたいな話だと、これは同じモダリティ、例えば味と味で単独では感じられない味刺激が混ざってると感じることができるみたいな。
例えば一番わかりやすいのは私、原塩醤油だと思うんですけど、これは1以下にまで多分下げてるわけではないんだけど、
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醤油の塩味というかしょっぱさだけを下げて、他の旨味を逆に増すことによってしょっぱさを感じさせるようにするみたいな感じにしたりとか、
それがクロスモーダルになると、匂いも味もそれぞれ単一の刺激では感じられないくらい弱いけど、2つがあると相乗効果で感じられるようになる。
なんかそういう効果とかもあるんで、とにかく美味しさっていうのは本当にいろんな感覚の、感覚ないでもイントラモーダルでもクロスモーダルでもいろんな統合があって、
感じ作られるヒエラルキーのトップオブトップに美味しいっていうのがやってくるっていう感じの話をされてましたね。
すごく多次元的な、多面的なことであると、美味しさっていうのは。
そうですね。
なるほど、なかなかこれをすれば美味しくなるっていう魔法のレシピがあるわけではないっていうことなんですね。
僕は単純に、例えば保守系を刺激したいみたいな意味で言えば、砂糖と塩と旨味をガンガン足して。
ジャンキーなものってことですね。
最高に美味しそうな香料をさせればいいわけじゃないですか、例えばファストフードとかまさにそうだと思うんですけど、ハンバーガーの匂いみたいな。
それはそれで美味しいんだけど、美味しいっていうこと自体が多分いろんなバリエーションがあるからこそ美味しいみたいなのもあると思うんですよ。
飽きちゃうみたいなのもありますよね。
だから純粋に栄養だけの観点からすれば、ジャンクフード大好きでずっと食べても大丈夫っていう体でいいはずなのに、
なぜか人間って飽きがきちゃうとか、新しいものを食べたくなっちゃうみたいなっていうのがあるっていうのは、なんか面白いデザインだなとは思いますね。
でもそういう仕組みがある程度ないと、ローカルミニマムというか極諸海、例えば昆布うめえって昆布ばっか食ってるみたいな状態から、やっぱ肉も食ってみようかなみたいな感じにならないので、
なんかそういうこうエクスプローアさせる仕組みが食べ物を食べるっていうすごく根源的な感覚の中に、
コードの中に仕込まれているっていうのは、とても人間らしいなというか、学んでいく人間っていうのがらしいなっていう気持ちはありますね。
最後の方にちょこっとだけ進化の話も触れてあるんですけど、なんかスパイスを求める、求めたことが大航海時代の始まりだみたいな話ってなんかあるじゃないですか、
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なんかこうアフリカから人類が出たのも、なんか食べ物と匂いっていうのもあったんじゃないかみたいな、そういうエクスプローアしたいみたいなのもあったんじゃないかみたいな話とかもなんかチラッとしてましたね。
ジャンクフード食べ続けたらどうのみたいな話は、どっちかと言うとなんていうか、こんなに食べるものに困らない時代って人類の進化で言うとほんの一部なんで、
そういう意味では、脂質とか甘いしょっぱいとか、あるいは脂質を取りすぎてしまうっていうのは、そういう多分進化的なバックグラウンドもあるんだと思うんですね。
ただ一方でいろんな味を試してみたいみたいな、そういうエクスプローアしたいみたいな気持ちも同時にあって、それが五感を楽しませてる、食事っていうのがそういうものになってるっていうのが、現代に生まれてよかったなって思うとこですかね。
最近、割と多国籍な会社に入って気づいたのは、意外とでもおいしさの多様性みたいなのを求める感覚っていうのが、人によって結構違うんだっていうのは思いますね。
特にアメリカから来た人にたまに聞くのは、いや、食にこんなに喜びを感じたことがなかったみたいな、日本に来ていろんなものを食べるという楽しさを初めて味わったみたいなことを言ってて、
日本で働きに来てくれる人って2パターンいて、もうすでにめちゃめちゃおいしいもの好きで、いろんなところ行って、日本で一番いろんな多様なものを食べれるっていうことを楽しみにして来てくれたっていう人もいるし、純粋に仕事を好きで日本にこういうチームがあるから来てくれたっていう人がいて、後者に多いんですけど、そういう2人3人ぐらい聞きました。
いや、なんかそうなんだみたいな、なんかマックっていいじゃんみたいなことを本当に言ってる人がいるっていうのはすごく衝撃で、でもなんかその人もなんか日本でしばらく暮らすと、日本いいね、食べるの大好き、私は人生豊かになって、すごく感動して言ってくれてよかったねってなりましたね。
まあわかんない、この人は一応ね、イエル大の人なんで、アメリカでも普通に豊かな美食ができるので、
ちょっと極端慣れかもしれない。
極端慣れかもしれないけど、でも確かに日本は結構いろんな国のものが安くて食べられるっていう意味ではいいですよね。
なんか多様な食事があることにすごく慣れてしまっていて、それで多分海外で適量に苦しんでるっていう人の話も聞くのは日本ならではなのかもしれないですね。
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まあでも多分日本人も、なんだこの中で一応なんか日本に来た話もあるんだけど、私は寿司大好きだし、味噌も醤油も大好きだけど、毎日毎日醤油味のものを食べてると、故郷のものが恋しくなってスーパーで買っちゃったみたいな話があったりするから。
確かに和食が多様なわけではないんですよね。和食の中での幅っていうのがすごく他の国の料理に比べて大きいわけでは実はないのかもしれないですね。
まあ発酵食品とか使ってて味のバリエーションとかは確かにちょっと多いかもしれないけど、まあでもそれよりはいろんな国の料理が、しかも日本内でいろいろアレンジされて食べられるみたいな、カレーもなんかもうインド人にも日本のカレーは全然あれはカレーじゃないけど美味しいみたいな。
そうですね、それなんか同じ話を別の人から聞いたことあります。なんか日本のカレーは全然違うけど美味しい、それはそれで美味しいみたいな。
だからそういうまあ例えばなんか中華料理もちょっと雰囲気違うじゃないですか、例えばちゃんぽんとかもないものをこっちで作ったりしてるし。
まあラーメンもね独特ですよね。
確かに元々中華のそのラーメンとはまた独特の進化を。
全然多分違う、こうものすごい歪な、そっち行くって向こうにすごく吹っ切った進化をしてますよね、ラーメンは。
まあラーメンはすごい評判いいからね。
そうだね。
びっくりする。
こんなになんかなんだろう高く評価する人がいるんだみたいな、ラーメンむしろ短すぎてね、なんかどっちかっていうとジャンクなイメージがあったけど。
まあそれで言うと旨味となんだろう、まあ塩味と油、そしてあのやっぱ温かい汁物で香りがこうグワってくるじゃないですか。
うん、確かに。
あんなにこううまん、なんだろう、あんなに香りを純粋にうわーって嗅ぐっていう体験はなんかああいう汁物じゃないとなかなか難しいかもしれないですね。
だからあの湯気の中でオルソネーサルケールもエルドネーサルケールもフルに使いながら食べる炭水化物と塩と油、おいしい、絶対おいしい。
それはもう完璧においしい条件満たしているってことですかね。
そうですね、なんか最後ラーメンおいしいみたいな話になっちゃった。
あやかさんラーメン好きなんですか?
好きですね、最近あんまり食べてないけど。
なるほど、じゃあ今度はレトロネーサルケールを意識しながらラーメンを食べてみることにします。
そうですね、はい。
じゃあそんなところでしょうかね。
じゃあ今日はおいしさを科学するということで、一冊のゴードン・チハーツさんのおいしさの脳科学という本をベースにいろいろ語っていきました、いかがでしたでしょうか。
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では次回もまた聞いてください。
ではさよなら。
さよなら。
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