敬和キャンパスレポ、この番組は、新発田市富塚にある敬和学園大学の大学生が、大学に関わるイベントや人、新発田のことなどをテーマにお届けします。
小宮山理子
敬和キャンパスレポは、実践するリベラルアーツ、敬和学園大学の提供でお送りします。
みなさん、こんばんは。
この番組は、敬和学園大学から大学のことや新発田、新潟のことを伝える30分番組です。
今日の進行は、国際文化学科1年の小宮山梨子と、
富田楓芽
国際文化学科4年の富田楓芽です。どうぞよろしくお願いします。
今日は、共生社会学科の久保有朋先生とともに、敬和学園大学の校舎、キャンパスのことをお話しします。
久保先生、よろしくお願いします。
久保有朋
よろしくお願いします。
小宮山理子
久保先生は、4月に着任されたばかりですが、これですでに2回目のご出演になります。どうもありがとうございます。
富田楓芽
ありがとうございます。
小宮山理子
前回とあまり変わらないのですが、私、小宮山から久保先生のプロフィールをご紹介させていただきます。
久保有朋先生は、新潟市のご出身で、新潟大学にて花街の研究に取り組まれて、博士を取得されています。
2025年3月までに、旧齋藤家別邸の学芸員を務められていました。専門は町づくり、都市計画、都市デザインです。
2015年以降、古町花街の海事務局長、古町花街地区防災課事務局長、新潟町遺産の海世話人などとして、古町花街を中心に、
新潟市内の町並保全や伝統文化継承、観光振興などの町づくり活動に取り組まれてきました。
敬和学園大学では、今年度より、町づくり論や非営利組織論、社会調査を担当されています。
富田楓芽
何か補足などございますか?
久保有朋
補足はないかなと思いますけど、町づくり活動の方、今ご紹介いただきましたけれども、事務局が基本的に非営利組織であると、
会の運営を支える役割ということになりますので、大学でお話をしながらも、実際に町づくりの最前線に身を置きながらというところなので、
そういった最前線だからこそ伝えられることを学生さんに伝えるようにしたいなとは思っておりますね。
小宮山理子
着任されてから数ヶ月経ちましたが、印象を教えていただけますか?
久保有朋
新発田自体、これまでは着任するまでは来たことが数回しかなかったんですけども、非常にこの辺りも思った以上に新発田の町中からも近いなと意外と来てから思ったのと、バスに乗ればすぐですしね。
ですけど、ちょっと距離が離れているので、ある意味喧騒から離れてですね、山もすごく綺麗に見えていて、非常に勉強するにはいい場所なんじゃないかなというのを思いながら、皆さんとですね、私も事業準備に追われながらですけれども、
そういう環境だからこそ、少しでも皆さんに聞いてよかったなと思える事業をしたいなと思いつつ、今やっておりますが、
ようやくこのライフスタイルに慣れてきたかなといったような状況でしょうかね。
富田楓芽
実は最初の出演会の収録の打ち合わせで、敬和のキャンパスのキリスト教建築としての特徴についてお話をされていて、ぜひお話を伺いたいとお願いし、今回またご出演いただくことになりました。
この日に伺ったのが、ヴォーリズ建築というキーワードでした。
調べてみるといろいろな情報が出てきましたが、まずは敬和学園大学のWebページを見てみると、以下のような記述が見つかりました。
敬和学園大学の設計は一粒ヴォーリズ建築事務所、施工は地元の新発田建設、岩村組、東組、石井組の共同起業体によるものです。
一流ヴォーリズ建築事務所は、数多くの西洋建築を手掛けた建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズが創立者です。
旧居留地38番館、関西学院大学、神戸女学院、大丸、大阪震災橋本店などもヴォーリズの設計によるものです。
一粒と書いて一流と読む建築事務所、一流暴律建築事務所が大学の設計をしたことがわかります。
小宮山理子
さらに2005年に発行された、敬和学園大学研究企業の14号で、元学長の北垣宗晴先生の論文、敬和学園大学の歴史その3の中で以下のように述べています。
1989年9月には、ヴォーリズ設計事務所との打ち合わせが始まった。
ヴォーリズからは、東京事務所長の片桐幸雄氏、副所長の佐藤良一氏が、時折設置準備室を訪れて打ち合わせをした。
ヴォーリズ事務所は、9月中に基本設計を完了し、10月、11月に実施設計、建築業者に渡すための設計を終わる予定であることを表明した。
ヴォーリズというカタカナ語が出てきますが、これは建築家の名前のようですね。
ウィリアム・メレム・ヴォーリズという名前で、1880年生まれで、1905年に先教師としてアメリカから来日、建築家としても活躍した方のようです。
久保先生、どんな人物だったのか、改めて教えていただけますか。
久保有朋
私もヴォーリズについて専門的に学んだわけでもないので、ざっくりとしか知らないわけですけども、ヴォーリズさんはここに書いてある通りですね。
もとは宣教師でもありますけど、英語教師として雇われる形で日本に来たということみたいですね。
もともと大学では、当初は建築を学ぶため、建築家になるために入ったけども、その中で宣教師の話を聞いて感銘を受けて転身したということらしいですね。
ただ、日本に来てから、明治大正の頃、地域によっても英語教師として働きながら宣教をしている人がちょっと辞めさせられるというか、
あまり英語教師として来たのに、雇ったのに宣教をあまり学生にするのはいかがなものかというところもあって、ヴォーリズさんもそれで辞めることになったと。
その時に、もともと建築を学んでたこともあって、建築事務所に建築の仕事をやらないかと声をかけられたところから、日本での建築家としての取り組み活動が始まったという大きい流れのようですね。
そこから、ヴォーリズさんは、いろんな日本に学校の建物から教会とか、さまざまなものを建てるようになったといういきさつでしょうかね。
その後また、建築家としてそのまま活躍していったといったら、建築家だけじゃなかったのが、またヴォーリズさんのすごいところのようですね。
まさに実業家としても活躍をしたと。
メンソレータムとか、そういった塗り薬なども、開発というよりは商売としてその開発者と提携して、それを日本で普及させたというようなことらしいですが、
富田楓芽
そういったような形で、雑貨とか医薬品とか、そういった販売にも手を広げていったということのようですね。
さまざまな活動をしていく中で、私たちが目にする機会としては建築が一般的だったという感じですかね。
久保有朋
そうですね。特に流通しているものは、今メンソレータムが、もし今でもヴォーリズさんの会社だったらまた違うと思いますけど、今また全然違うところに権利も変わってきているのもあるので、
やはりヴォーリズって言ったら、今も建築が目に映るものとしてはメインなのかなという感じでしょうかね。
富田楓芽
私たちが聞くような名のある大学の建築もされていますし、大学以外のホテルだったりとか、
ヴォーリズさんの自伝っていうのも結構資料館とかになったりして有名なので、建築が一番理解しやすい切り口なのかなという感じですね。
久保有朋
最近の人物でいくと、私も知らなかったんですけど、見てなかったから知るよしもなかったんですけど、朝ドラの朝が来たっていう、10年前ぐらいでしょうかね。
私も名前は聞いてたんですけど、見たことなくて。そこで主人公の広川あさこさんって女性の実業家の方が実はヴォーリズさんと、後にヴォーリズさんって一粒社って建築事務所を立ち上げる、
その一粒の元になった自分の和名というか、それが結婚してその相手のひとつやなぎと結婚してその苗字をもらっているので、
そのひとつやなぎのところからひとつやなぎメレルの目を自分で漢字の米を当てているというところから一流を取ったのではないかということもあるみたいですね。
米なのかもしかしたらメレルのルが留だからなのかちょっとわかりませんけれども。
富田楓芽
どちらともそうな感じですよね。
久保有朋
でもそういったある意味、広川さこさんって最近日本で有名になった方とも実はその方が相手を取り持ったということもあって、
実はだからもしかしたら私見てないからわからないんですけど朝が来たにもヴォーリズさん出てたのかもしれませんね。
富田楓芽
ヴォーリズさんは60歳の時、1941年に61歳で日本国籍を取得されていて、その時にひとつやなぎメレルさんとしているんですよね。
久保有朋
そうですね、そこがまた転機になっているんですね。
富田楓芽
ヴォーリズさんの人物像という感じではこのようなあたりでいきましょうかね。
小宮山理子
さて、ではここで一曲お届けします。
今日の曲はこちら。
小宮山理子
ボイスアベニューフューチャリング コニー・タルボット I Do It For You
こちらの曲は敬和学園大学が開学した1991年にヒットした曲で非常にシンプルなラブソングです。
今日はロックバンドボイスアベニューがコニー・タルボットを迎えて2022年に制作したカバーバージョンでお届けします。
それでは聴いてみましょう。
ボイスアベニューフューチャリング コニー・タルボット I Do It For You
小宮山理子
敬和キャンパスレポ
お届けした曲はボイスアベニューフューチャリング コニー・タルボット I Do It For You でした。
富田楓芽
今日の敬和キャンパスレポは、共生社会学科久保有朋先生とともに、敬和学園大学の校舎キャンパスのことをお話しします。
久保先生、後半もよろしくお願いします。
はい、お願いします。
さて、ヴォーリズ建築の特徴が、敬和学園大学のどのあたりに反映されているのか、今日の一番重要なところに入っていきましょう。
一流ヴォーリズ建築事務所は、現在も建築事務所として存在しているわけですが、特によく知られている教会建築や大学の設計はどれになるのでしょうか。
何かあれば教えていただきたいです。
久保有朋
ヴォーリズ建築者といえば、ヴォーリズさんの知識になるのですが、ヴォーリズさんの建物としては、最初にお話が出ていましたが、関西学院大学の重要文化財になっています。
国の代表する大学建築として認められているものですが、それは代表です。
神戸女学院大学も重要文化財になっていますので、それもヴォーリズさんの代表作の一つでしょうかね。
そのあたりはまさに敬和学園大学と、ある意味雰囲気は似ているわけですよね。
あちらの方が造りは豪華なところもありますが、わりとヴォーリズさんに限らず西洋建築、特に教会系だとゴシック様式というのが、ネオゴシックとか言われるものがありまして、
わりと垂直性、縦の要素が強かったり、あるいは一番デザイン的に面白いのは、セントアーチという尖った縦長窓とか玄関の開きで、
頭の部分が半円形になっているんですね。そういうものが多くて、特にセントアーチなので、もうちょっと円よりも少しだけ尖っている感じなんですけれども、
敬和学園大学もそうですし、他の重要文化財になっている神戸女学院の方でもそのデザインがいろんなところに取り入れられているというところですね。
ヴォーリズさんの西洋建築では、縦長の扇形のアーチですかね、が多いということですかね。
大学の中で先ほど写真を見せてもらって、ここもあったよねって話をしていましたけれども、トイレの入り口がセントアーチっぽくなっていたり、あるいは玄関のあたりとかピロティのところとか、
久保有朋
そういうところの窓のデザインにそういった要素が見えるというのは面白いところですね。
富田楓芽
ヴォーリズさんの建築の特徴としては扇形のアーチだったりというものが挙げられるとは思うんですが、そもそもキリスト教建築としての大まかな定義というか特徴などありましたら教えていただきたいです。
久保有朋
私も全然専門ではないので、キリスト教建築をざっくりとしか把握できないところもあるんですけれども、キリスト教建築といってもまた様々なようですね。
私も敬和学園大学に入ってからまた改めて少し勉強して、ようやくカトリックとプロテスタントと聖教会と大きく3つあるんだということを知ったぐらいなんですけれども、
それぞれで見てもやはりある程度聖教会より豪華なものが、時代的にも古いものが多いとか、カトリックだとプロテスタントと比べたら装飾的で、プロテスタントは比較的簡素なものが多いと、外観とか内部の作りとかもそういうのは傾向はあるみたいなんですけれども、
それでも結局は地域性とか、その時の予算だったりとか、時代にもよってくるので、必ずプロテスタント系は簡素な作りで、カトリック系は凝っているとか、そういったわけでもないようですね。
だから一概にキリスト教建築はこういうものとも言えないのかなと。
西洋建築って言っても、日本建築がいろんなものがあるように西洋建築も非常に多種多様ですので、
先ほど言ったような、ゴシック様式で見られるような、結構人気なデザインですけれども、
それは西洋建築らしさがいいよねってことで、おそらく日本でも西洋建築の代表的なデザインとして対応されているのかなと。
そういった意味でもしかしたらヴォーリズさんも、教会によく用いられるデザインというのもあるかもしれませんが、
セントアーチの扇形の形状のデザインを取り入れることが多いのではないかと。
富田楓芽
そうですね。ありがとうございます。
小宮山理子
敬和学園大学がこのヴォーリズ建築の流れを汲むものだというのは、あまり知られていないようですね。
大学のキャンパスのどのあたりに注目すると、ヴォーリズ建築の特徴が現れているのでしょうか。
久保有朋
そうですね。一番面白いのは、やっぱり玄関に向けて真っ直ぐ歩いてきて、玄関のアーチ状になっているんですけれども、
そこにやっぱり正面から向かったときが、一つ個人的には一番総合の差というか、感じられるかなというのが一つと。
あと玄関からちょっと右側の広場の方に屋外で出てもらって、ピロティを外側から見たり、あるいは中に入って、
ピロティのちょっと廊下側あたりを外側を向きながら歩いていくと、ちょうどヴォーリズ建築でよく見られるアーチ状の窓の連続している風景がよく見えて、
そこが一番ヴォーリズが作った建物のヴォーリズの流れを汲む建築の面白さみたいなのが味わいやすいのかなと思いますね。
富田楓芽
そうですね。この本大学ですと1階が一番特徴が多く見られるかなという感じですよね。
久保有朋
そういった意味ではもう1階広場の結構、夏場は暑くて冬はすごい寒いというので、
ピロティのあたり内部でも少しテーブルがあるけれども時期的に使いにくいという話をよく聞きますけど、
それでもやっぱりあそこが一番敬和学園大学の中でいい空間なのかなと思うので、
あそこが学生がたまれるような、活動できるような場所として使いやすくなるとまたいいのかなというのは思いますね。
富田楓芽
実際に今のところ使いやすいかどうかと言われると、あまり長いする場所ではないというのが現状なので、
それもあって建築とか意識しづらいというのはちょっとあるのかもしれないですね。
小宮山理子
今日の敬和キャンパスレポは、共生社会学科、久保有朋先生とともに、
敬和学園大学の校舎キャンパスのことをお話ししました。