自分が知らないっていうことを前提に作っていったら、逆に伝えたい人たちに対してターゲットに寄り添ったものになるんじゃないかなという風に思ったので、
中村君だったり永山さんだったりっていう方たちに対してもそういう風な思いで一緒に作りませんかと。
そしたらもうすごくできる人たちではあるので、本当にいいものができるんじゃないかなっていう風に思っていた。
しらかわさんが口説かれたってことですね。
くどきましたね〜。絶対君たちじゃないとダメだっ!ていう風に、やっぱり思いはあったので伝えましたし、
歌だけじゃなくてね、今回デザインであったりアニメーションであったりっていうところで言うと、
アイメージさんという会社さんがあるんですけれども、この方たちにも一緒にやりたいっていう風に思ったので、
このメンバーで絶対やりたいなって思って声掛けさせていただきましたね。
そうなんですね。デザインアニメーションももう初めからアイメージさんにお願いしたいっていうのがあったんですね。
そうですね。アイメージさんの中でも僕がよく一緒にさせていただいている斉藤さんっていう方がいらっしゃるんですけど、
その斉藤さんに声掛けさせていただいたっていう風なこともあって、
このメンバーが作るのはもう絶対いいものができるっていう風に思ったので、
みんなで一緒にチームとしてやれると嬉しいですっていうことで声掛けさせていただきました。
絵はアイメージさんが描いたものなんですか?
ベースになる部分っていうのは僕が描いて、それをちゃんとデザインに落とし込むっていうところはアイメイジさんにお願いしています。
例えば今回はあんまり色をたくさん使わないでいきましょうとか、この例えば3色4色ぐらいでまとめたい。
デザインの方向性としてはこういうものを参考にデザインをしていただきたい。
あとは絵のトーンというか、例えば今回はアニメーションを作りたいので、とはいえアニメーションってすごく大変だから、
うまくリピートを活用できるようなアニメーションにしたいという風になった時に、
画角はこういう画角で作っていきましょうとみたいなところをお伝えして、
それを汲み取っていただいた上でデザインを落とし込んでいくっていう風な作業をしていただいていると。
さっきの画角っていうのは似たような画角が出てくることで、1回描いたアニメーションをもう一度使えたりとかっていうことなんですか?
そうですね。特に歌物にしたことを最大限活用するためにも、
例えば歩くっていうアニメーションを作った時に、色んなところでそのシーンは使えるようになってくるので、そのリピートしてもうまく活用できる。
なので、歩くってアニメーションは今回ちゃんと使っていきたいなと。
なおかつ、前から横から後ろからっていうのを作ると、それも全部描かないといけないので、
もうこのアングルの歩くにしましょうと。
そうすると、例えば反転させたりとか、後ろ姿にするとか、そういう風な時にも描きやすいというか応用しやすいアングルになってくるので、
そういうところをうまく使って効率よく作っていくという風なことを考えてやりましたね。
一見見た時はそういうのあんまり感じなかったんですけど、
でも改めてこういう話を聞いてもう一回動画を見てみると、本当だってちょっと工夫しているところが見えてきて、僕は面白かったですね。
うまいことやってるでしょ。
そうそう。最初分かんなかったです、本当に。
その工夫っていうのは、やっぱりクラウドファンディングで集まった限られた予算の中で歌も作りながらアニメーションも作るっていうところで、
最大限うまくやりくりをするための工夫っていう感じなんですか?
そういう一面ももちろんありますね。うまく期間の中で予算の中でやりくりをするっていう風なことも一つ大きくありますし、
あと歌物にしたことのさっきの利点っていうので言うと、フレーズを繰り返していくような歌にしているので、
そこに対してアニメーションはうまく使い回せるという風に考えていたし、
それがうまくやろうとかっていう考え方で作ったんではなくて、それはそうすることで擦り込めると思ったんですよ。
なるほど。
何回も同じフレームを繰り返して擦り込んでいくと。
それは映像もそうである、アニメーションもそうであるっていうことで擦り込んで擦り込んで、
初見の人だったとしても何か耳に残るとか、何か映像が離れないとか、そういう風な擦り込みを意識するっていう風なことを大事にしたので、
結果それがすごく良かったのかなっていう風に思います。
やっぱり長年CMを作ってきたからそういったのが得意というか。
得意というか大好きなんですよ。繰り返すのが。
でも何かしらこれまでの仕事の知見っていうのは活かされているとは思いますね。
ちょっとアニメーションから話がずれちゃうかもしれないんですけど、歌詞はどんな感じで作られていったんですか?
永山さんとかインビジの中村さんとかのご意見も多分あったと思うんですけど、
あとクラウドファンディングで集まった当事者の方の意見とかそういったものもあったと思うんですけど。
もうオリエンの際にさっきおっしゃってた「課題・解決・希望」っていう構成がもうあったので、
歌詞の落とし込みって非常にわかりやすくできましたよね。
じゃあどういう課題があるかっていうとこういう課題があるんですという風に資料としてもちゃんとまとめていただいてましたし、
そのためのこうしてほしいなっていう風な行為も具体的にありましたし、
それをどう取捨選択して今回であればじゃあどれを選んで優先的に伝えましょうかとか、
それを歌として成立させるときに、どういう言葉数というかね、フレーズとして、耳残りしやすいフレーズにしましょうかとか、
そういう風なことがスッといけたので、すごく初めのオリエンの資料が効いていたっていう風な形ですね。
確かにオリエンに入っている言葉が歌詞にいっぱい入ってますもんね。
そうなんですよね。本当はね、もっと伝えたいことがあるじゃないですか。
もう本当、歌で言うと1番2番3番4番5番6番までずっといくらでもあると思うんです。
そこは細かくもたくさんあるし、本当伝えたいこといっぱいあると思うんですけど、
やっぱり人が感じ取れる情報量っていうのは限られている中で、今回であればじゃあどれにしましょうかっていう風なことをお二人にもお聞きして、
まずは1番伝えたいっていうことをピックアップしたっていう風な形で歌詞になってます。
それはもう僕が一番最初に書いたやつで、でもこれはさすがに多いなっていうので、オリエンの中では6か7ぐらいに絞ったんですよね。
その中でも結局もうちょっと絞ったんですけど、白川さんが歌詞書きましたっていうのを見て、
すげえなんかよくまとめて書いてくれたなと思ってて、
「インコとリンゴ」を聞き間違えたとかもあれ言ってないですよね。
そうなんですか?
インコとリンゴとかは。
え、どこで?どこで?と思って。
うちが言ったのって、「ウルトラマンと梅雨空」で(笑)
本当に難聴の子に「梅雨空だね」とか言ったらなんか「ウルトラマン」と聞き間違えたみたいな、そういう話はしたんですけど。
それはちょっと歌詞に、なかなかならないかなって。
確かに。
僕と普段一緒にしている弊社の古城戸だったり、他のスタッフと歌詞を考えるにあたってはみんなでちょっと考えようっていう。
それで難聴の人たちが普段聞き取る間違いみたいなものってどういうものがあるのかなっていうのをみんなで調べて、
そしたらまあいろんな事例があったりするので、こういう事例があるよみたいなことをみんなで出し合って。
「インコとリンゴ」は誰が出したのかってちょっと僕も今は定かじゃないんですけれども、
「インコとリンゴ」っていうのは誰もが知っている言葉ではあるので、そこは汎用性がすごくあるなと。
なおかつ絵にした時に絵にしやすい。
確かに。
分かりやすいなっていうふうに思ったので、ちょっと今回映像の中では細かくは表現してないんですけれども、
最初インコが変化してリンゴになるぐらいの映像を想像したりとかもいろいろしたんですけど、
でも実際に歌にしてそれを見た時に変化幅が激しすぎて逆に分かりづらいなって思ったので、
じゃあこういう時はもうそこはシンプルにもっと表現に落とし込もうとかっていうふうに、
あとからどんどん歌詞に対しても映像をどう表現していくかっていうのは更新していったりとか、
そういうふうな調整をいっぱいしていきましたけどね。
最初に歌詞ができたんですか?
最初に歌詞ができました。
それがもうとにかく設計図になるというか、それで絵を描いていったっていう。
音楽はその後ついてきたってことですか?
歌詞を決めてこれを一旦メロディーに落としてくださいっていうふうに中村君に伝えました。
音楽がないと俺映像作れないんですっていうふうに言ったんで、先にメロディーを作ってほしいと。
そして中村君が自分の声で仮で一旦仮歌を歌ってくれて、
大体の全体尺が出て、メロディーの流れもできて、そこに仮で絵をどんどんはめていってっていうふうに作っていきました。
全体のそれでコンテができたっていうふうなときに、その後に映像自体は本格的に作り始めているっていう。
今回手描きアニメーションを8秒に50枚、合計514枚描いたっていうふうに言われたんですけれども。
描きましたね。
514枚。
514枚、振り返ってみるとそれぐらい描いていたっていうのがあるんですけど。
でもそれでもやっぱりすごく効率よくできたんですよ。
さっきのアプローチがあったので、多分何も考えずにやったらもっといろんなアングルがあったりすると描かないといけなくなるし、
うまくリピートして使えないっていうものも全て描かないといけなくなるので、
うまく効率よくそこは落とし込めたなと思ってるんですけど、
逆にここぞというところはちゃんと描いて、リピートしたいところはうまく活用して何回もリピートしたっていうやり方なので、
メリハリはすごくついてると思いますね、アニメーション自体の。
いつもは手描きはそこまでこんなにいっぱい描かれないんですよね。
いつもは描かないですね。
アニメーションって言ってもいろんな方法があるので、
今回はどのアニメーションが適しているのかなって考えたときに、
暖かさが担保できないと絶対ダメだって思ったので、
最終的には当然デジタルに落とし込んで処理はしてるんですけど、
一番原点となる部分はちゃんと手で描かないといけないなって思って、
それで一旦下絵は全部手で描いて、それをデジタルでトレースしていくっていうふうな作業になるんですけど、
やり方によっては初めからデジタルで作っていけばいけるんですけど、
コマとコマの間の余白にアナログ特有のムラが絶対出てくるんですよ。
どういうこと?
デジタルだときれいに、たとえばゼロ地点から2の地点に行きたいってなったときに、
間を1として保管するじゃないですか。
ゼロを1、2っていうふうにきれいに向かっていくと思うんですけど、