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2024-02-16 35:42

#130 「なんちょうなんなん」の制作裏側、アニメーション制作の工夫とこだわり/D.白川 東一【社外ゲスト】そらいろ&言葉のかけはし 岩尾 至和さん・河原 美幸さん

【難聴がわかるアニメ「なんちょうなんなん」とは?】

動画を見る(https://youtu.be/aZAYo4qDR38?si=i9T6W1uOCY32cCc_)

KOO-KI WORKS(https://koo-ki.co.jp/works/detail/sorairo)


★そらいろ&言葉のかけはし(難聴ベース)

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そらいろHP (https://sorairofukuoka.jimdofree.com/)

言葉のかけはしHP (https://www.kotoba-bridge.org/)


【内容】「なんちょうなんなん」のアニメーション制作を深掘り!/FBS福岡放送「はじめまして赤ちゃん」の楽曲メンバーが再集結!/絶対にこのメンバーで作りたい🔥/Director白川が演出したアニメーションの工夫とその効果とは⁉︎/心に響くあの歌詞はどこから?/手書きアニメーションにこだわったワケ/1日15枚の作画でたったの1秒😱/動いた時の達成感がハンパない!/Director白川が一番こだわったシーンとは/コマ送りで観て欲しい/「なんちょうなんなん」のタイトルはどのように生まれたの?/そらいろ&言葉のかけはし広報・河原さんの覚悟/オリエン裏話/次回は難聴者のリアルな課題に迫ります!
【話題に上がったメイキングも本邦初公開!】

「なんちょうなんなん」メイキング動画

https://vimeo.com/912785148/2a04a3d4e0?share=copy


【ゲスト】

岩尾 至和さん/難聴の子を持つ家族会 そらいろ⁠会長・会計/⁠⁠⁠一般社団法人言葉のかけはし 代表理事

河原 美幸さん/⁠難聴の子を持つ家族会 そらいろ⁠ 広報/一般社団法人言葉のかけはし 理事・広報

白川 東一⁠⁠/KOO-KI ディレクター


【出演】

⁠⁠山内 香里⁠⁠/KOO-KI ディレクター            

泥谷 清美/KOO-KI 広報

原山 大輝/KOO-KI アシスタントディレクター


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かけはし制作・字幕版YouTube(https://youtu.be/VMOVJVk9zII?si=EuN5zSxclR3ctI-8)

LISTEN(https://listen.style/p/keisya?vTM1WMYD⁠⁠)

番組の概要


【Sound material provided by】OtoLogic ⁠⁠https://otologic.jp/⁠

00:03
ケイシャのしゃべり場
はい、始まりました。ケイシャのしゃべり場。この番組は、映像制作会社KOO-KIのメンバーが日々感じているおもろいを語り合い、発信するトーク番組です。
毎回、いろんなメンバーとともにイルーク雑談していきます。
私、KOO-KI 山内です。
KOO-KI ヒージャーです。
KOO-KI 原山です。そして、ゲストは前回に引き続き、
KOO-KI白川です。
そらいろ&言葉のかけはしの岩尾です。
そらいろ&言葉のかけはしの広報の河原です。
よろしくお願いします。
はい、というわけで、「難聴の子を持つ家族会そらいろ」と「一般社団法人 言葉のかけはし」 の岩尾至和さんと広報の河原美幸さんをゲストにした第2回ということで、
今回はですね、『なんちょうなんなん』のアニメーションの制作過程について話を伺っていこうかなと思うんですけれども、
はい、私がちょっと今回のアニメーションで伺いたかったところが、今回のその楽曲がインビジの中村さん、で歌がiimaの永山マキさんというところで、
これはFBS福岡放送さんの方で夕方流れている「はじめまして赤ちゃん」のテーマソングのメンバーだなというところで、
同じようなメンバーに再集結してもらったっていうのはどういった意図があったのかなと思ったんですけれども、
歌に関してですよね、曲に関してっていうことですよね。
そうですね、それまでにもこのはじめまして赤ちゃんであったり、他のお仕事でもたくさんご一緒させていただいているメンバーで、
インビジの中村くんでiimaの永山マキさん、僕にとっては非常に常に一緒にやりたいなっていう風な方たちなので、
特に自分たちの思いを伝えるっていう風なことを曲にすることに関しては非常に僕が一方的に信頼しているメンバーなので、
今回お話しいただいた時にはぜひこのお二人には関わっていただきたいなという風には思いましたね。
でも二つ返事でぜひって感じだったんですか、安々と受けられないようなテーマじゃないかなってちょっと思ったんですけど。
そうですね、最初声かけた時には、できるかな自分にっていう風に言われました。
なので、できるかな自分にって言われたら、僕もできるかな自分にと思ってるんですっていう風に思いながら、
さっきの、自分たちだからできることってある、と思っていて、なおかつやっぱり僕は岩尾さんではないし、河原さんでもないっていう風なところで言うと、
ある意味、難聴について自分も知らないことがたくさんある中で、知らない人を代表して作るつもりで作ろうという風に考えたら、
気持ちが楽になったというか、自分が当事者であるから伝えなきゃっていう風になると全くわからないことだらけになっちゃうけれども、
03:01
自分が知らないっていうことを前提に作っていったら、逆に伝えたい人たちに対してターゲットに寄り添ったものになるんじゃないかなという風に思ったので、
中村君だったり永山さんだったりっていう方たちに対してもそういう風な思いで一緒に作りませんかと。
そしたらもうすごくできる人たちではあるので、本当にいいものができるんじゃないかなっていう風に思っていた。
しらかわさんが口説かれたってことですね。
くどきましたね〜。絶対君たちじゃないとダメだっ!ていう風に、やっぱり思いはあったので伝えましたし、
歌だけじゃなくてね、今回デザインであったりアニメーションであったりっていうところで言うと、
アイメージさんという会社さんがあるんですけれども、この方たちにも一緒にやりたいっていう風に思ったので、
このメンバーで絶対やりたいなって思って声掛けさせていただきましたね。
そうなんですね。デザインアニメーションももう初めからアイメージさんにお願いしたいっていうのがあったんですね。
そうですね。アイメージさんの中でも僕がよく一緒にさせていただいている斉藤さんっていう方がいらっしゃるんですけど、
その斉藤さんに声掛けさせていただいたっていう風なこともあって、
このメンバーが作るのはもう絶対いいものができるっていう風に思ったので、
みんなで一緒にチームとしてやれると嬉しいですっていうことで声掛けさせていただきました。
絵はアイメージさんが描いたものなんですか?
ベースになる部分っていうのは僕が描いて、それをちゃんとデザインに落とし込むっていうところはアイメイジさんにお願いしています。
例えば今回はあんまり色をたくさん使わないでいきましょうとか、この例えば3色4色ぐらいでまとめたい。
デザインの方向性としてはこういうものを参考にデザインをしていただきたい。
あとは絵のトーンというか、例えば今回はアニメーションを作りたいので、とはいえアニメーションってすごく大変だから、
うまくリピートを活用できるようなアニメーションにしたいという風になった時に、
画角はこういう画角で作っていきましょうとみたいなところをお伝えして、
それを汲み取っていただいた上でデザインを落とし込んでいくっていう風な作業をしていただいていると。
さっきの画角っていうのは似たような画角が出てくることで、1回描いたアニメーションをもう一度使えたりとかっていうことなんですか?
そうですね。特に歌物にしたことを最大限活用するためにも、
例えば歩くっていうアニメーションを作った時に、色んなところでそのシーンは使えるようになってくるので、そのリピートしてもうまく活用できる。
なので、歩くってアニメーションは今回ちゃんと使っていきたいなと。
なおかつ、前から横から後ろからっていうのを作ると、それも全部描かないといけないので、
06:01
もうこのアングルの歩くにしましょうと。
そうすると、例えば反転させたりとか、後ろ姿にするとか、そういう風な時にも描きやすいというか応用しやすいアングルになってくるので、
そういうところをうまく使って効率よく作っていくという風なことを考えてやりましたね。
一見見た時はそういうのあんまり感じなかったんですけど、
でも改めてこういう話を聞いてもう一回動画を見てみると、本当だってちょっと工夫しているところが見えてきて、僕は面白かったですね。
うまいことやってるでしょ。
そうそう。最初分かんなかったです、本当に。
その工夫っていうのは、やっぱりクラウドファンディングで集まった限られた予算の中で歌も作りながらアニメーションも作るっていうところで、
最大限うまくやりくりをするための工夫っていう感じなんですか?
そういう一面ももちろんありますね。うまく期間の中で予算の中でやりくりをするっていう風なことも一つ大きくありますし、
あと歌物にしたことのさっきの利点っていうので言うと、フレーズを繰り返していくような歌にしているので、
そこに対してアニメーションはうまく使い回せるという風に考えていたし、
それがうまくやろうとかっていう考え方で作ったんではなくて、それはそうすることで擦り込めると思ったんですよ。
なるほど。
何回も同じフレームを繰り返して擦り込んでいくと。
それは映像もそうである、アニメーションもそうであるっていうことで擦り込んで擦り込んで、
初見の人だったとしても何か耳に残るとか、何か映像が離れないとか、そういう風な擦り込みを意識するっていう風なことを大事にしたので、
結果それがすごく良かったのかなっていう風に思います。
やっぱり長年CMを作ってきたからそういったのが得意というか。
得意というか大好きなんですよ。繰り返すのが。
でも何かしらこれまでの仕事の知見っていうのは活かされているとは思いますね。
ちょっとアニメーションから話がずれちゃうかもしれないんですけど、歌詞はどんな感じで作られていったんですか?
永山さんとかインビジの中村さんとかのご意見も多分あったと思うんですけど、
あとクラウドファンディングで集まった当事者の方の意見とかそういったものもあったと思うんですけど。
もうオリエンの際にさっきおっしゃってた「課題・解決・希望」っていう構成がもうあったので、
歌詞の落とし込みって非常にわかりやすくできましたよね。
じゃあどういう課題があるかっていうとこういう課題があるんですという風に資料としてもちゃんとまとめていただいてましたし、
そのためのこうしてほしいなっていう風な行為も具体的にありましたし、
それをどう取捨選択して今回であればじゃあどれを選んで優先的に伝えましょうかとか、
09:05
それを歌として成立させるときに、どういう言葉数というかね、フレーズとして、耳残りしやすいフレーズにしましょうかとか、
そういう風なことがスッといけたので、すごく初めのオリエンの資料が効いていたっていう風な形ですね。
確かにオリエンに入っている言葉が歌詞にいっぱい入ってますもんね。
そうなんですよね。本当はね、もっと伝えたいことがあるじゃないですか。
もう本当、歌で言うと1番2番3番4番5番6番までずっといくらでもあると思うんです。
そこは細かくもたくさんあるし、本当伝えたいこといっぱいあると思うんですけど、
やっぱり人が感じ取れる情報量っていうのは限られている中で、今回であればじゃあどれにしましょうかっていう風なことをお二人にもお聞きして、
まずは1番伝えたいっていうことをピックアップしたっていう風な形で歌詞になってます。
それはもう僕が一番最初に書いたやつで、でもこれはさすがに多いなっていうので、オリエンの中では6か7ぐらいに絞ったんですよね。
その中でも結局もうちょっと絞ったんですけど、白川さんが歌詞書きましたっていうのを見て、
すげえなんかよくまとめて書いてくれたなと思ってて、
「インコとリンゴ」を聞き間違えたとかもあれ言ってないですよね。
そうなんですか?
インコとリンゴとかは。
え、どこで?どこで?と思って。
うちが言ったのって、「ウルトラマンと梅雨空」で(笑)
本当に難聴の子に「梅雨空だね」とか言ったらなんか「ウルトラマン」と聞き間違えたみたいな、そういう話はしたんですけど。
それはちょっと歌詞に、なかなかならないかなって。
確かに。
僕と普段一緒にしている弊社の古城戸だったり、他のスタッフと歌詞を考えるにあたってはみんなでちょっと考えようっていう。
それで難聴の人たちが普段聞き取る間違いみたいなものってどういうものがあるのかなっていうのをみんなで調べて、
そしたらまあいろんな事例があったりするので、こういう事例があるよみたいなことをみんなで出し合って。
「インコとリンゴ」は誰が出したのかってちょっと僕も今は定かじゃないんですけれども、
「インコとリンゴ」っていうのは誰もが知っている言葉ではあるので、そこは汎用性がすごくあるなと。
なおかつ絵にした時に絵にしやすい。
確かに。
分かりやすいなっていうふうに思ったので、ちょっと今回映像の中では細かくは表現してないんですけれども、
最初インコが変化してリンゴになるぐらいの映像を想像したりとかもいろいろしたんですけど、
でも実際に歌にしてそれを見た時に変化幅が激しすぎて逆に分かりづらいなって思ったので、
じゃあこういう時はもうそこはシンプルにもっと表現に落とし込もうとかっていうふうに、
あとからどんどん歌詞に対しても映像をどう表現していくかっていうのは更新していったりとか、
12:06
そういうふうな調整をいっぱいしていきましたけどね。
最初に歌詞ができたんですか?
最初に歌詞ができました。
それがもうとにかく設計図になるというか、それで絵を描いていったっていう。
音楽はその後ついてきたってことですか?
歌詞を決めてこれを一旦メロディーに落としてくださいっていうふうに中村君に伝えました。
音楽がないと俺映像作れないんですっていうふうに言ったんで、先にメロディーを作ってほしいと。
そして中村君が自分の声で仮で一旦仮歌を歌ってくれて、
大体の全体尺が出て、メロディーの流れもできて、そこに仮で絵をどんどんはめていってっていうふうに作っていきました。
全体のそれでコンテができたっていうふうなときに、その後に映像自体は本格的に作り始めているっていう。
今回手描きアニメーションを8秒に50枚、合計514枚描いたっていうふうに言われたんですけれども。
描きましたね。
514枚。
514枚、振り返ってみるとそれぐらい描いていたっていうのがあるんですけど。
でもそれでもやっぱりすごく効率よくできたんですよ。
さっきのアプローチがあったので、多分何も考えずにやったらもっといろんなアングルがあったりすると描かないといけなくなるし、
うまくリピートして使えないっていうものも全て描かないといけなくなるので、
うまく効率よくそこは落とし込めたなと思ってるんですけど、
逆にここぞというところはちゃんと描いて、リピートしたいところはうまく活用して何回もリピートしたっていうやり方なので、
メリハリはすごくついてると思いますね、アニメーション自体の。
いつもは手描きはそこまでこんなにいっぱい描かれないんですよね。
いつもは描かないですね。
アニメーションって言ってもいろんな方法があるので、
今回はどのアニメーションが適しているのかなって考えたときに、
暖かさが担保できないと絶対ダメだって思ったので、
最終的には当然デジタルに落とし込んで処理はしてるんですけど、
一番原点となる部分はちゃんと手で描かないといけないなって思って、
それで一旦下絵は全部手で描いて、それをデジタルでトレースしていくっていうふうな作業になるんですけど、
やり方によっては初めからデジタルで作っていけばいけるんですけど、
コマとコマの間の余白にアナログ特有のムラが絶対出てくるんですよ。
どういうこと?
デジタルだときれいに、たとえばゼロ地点から2の地点に行きたいってなったときに、
間を1として保管するじゃないですか。
ゼロを1、2っていうふうにきれいに向かっていくと思うんですけど、
15:03
手描きだとゼロ地点から2の地点に行きたいってなったときに、
間が1.1とか0.9とかっていうふうな、そういう余白のムラができるんですよ。
それって良いとか悪いとかではなくて、
結果的にそれをアニメーションとして見たときに何か腑に落ちるんですよ。
やっぱその動きっていうのは計算された動きじゃなくて、
結果的にできた動きだったりもするので、
そこに何となく見ているときの温かさみたいなものが感じられて、
そこは今回担保したいなと思ったんですね。
面白いですね。
3年経って気づきました。
温かいのは多分誰が見ても温かいと思うし。
そこにはそういう緻密な計算があったということですよ。
朗読とかもそうですよね。
意識的に読むのと、ちょっと抑揚をつけて読むのとで変わっていく。
それに似ていますよね。
そうかもしれないですね。
そこを経るか経ないかで、
結果的に感じる印象が違うなと自分では思っているので、
今回はそこを大事にしたっていうことですね。
iPadの表面が削れるほど。
ペンタブですね。
表面が削れるほど書いたと。
そうですね。ペンタブレットで書いていくんですけど、
ペンタブレットの表面の薄い膜みたいなのがあるんですけど、コーティングされた。
そこが削れるっていう。筆圧が強いんでしょうね。
すごい。
514枚って言っても、それまでのトライアンドエラーも若干あるから。
そうですね。実際はもっと多くて。
採用された枚数がその枚数なので、
今日は会社に来て1日15枚書こうとか決めて、
とにかく15枚必死に今日はクリアできるようにっていうのを。
1枚書く時間ってどれくらいかかるんですか?
シーンにもよると思うんですけど。
そうですね。1枚いくらっていうのはちょっとなかなか難しいですけど、
でもやっぱり1日15枚が限界ですね。
秒数にすると1秒とか1秒半とか。
15枚で1秒から1秒半ぐらいですね。
だいたいシンプルなアニメーションだと1秒で10枚とか、
それぐらいの枚数になってくるので、
1日今日1秒作れたぞとかっていう。
すごい世界だ。
でもね、めちゃくちゃ嬉しい。
やってる時はもう苦痛でしかないんですよ。
ただただ修行僧のように毎日やってるんですよ。
本当に苦痛なんですけど、
動いた時の達成感が半端なくて、
動いた時の達成感のためだけにやっているっていう。
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そこはね、みんなあるじゃないですかそれぞれ。
これはめっちゃ嬉しい。
やってる時はすごい大変っていうことは日々、
たぶん仕事の中でもあると思うんですけど、
そこを目指してやったっていう。
今回いつもとアプローチが違うじゃないですか、
アニメーションの作り方が。
そうですね。
だいたいいつもAdobeのAfter Effectsを使った作り方だと、
図形があります。
その図形の位置とか角度とか、
例えば1秒のところは角度が0度です。
2秒後に180度回転します。
みたいな。
指示をどんどん打ち込む。
キーフレームを打っていくっていうような作業をしていくんですけど、
今回は全部手書きなので、
本当に自由自在じゃないですか。
自由自在というか、
それこそ本当に揺らぎが発生しやすい。
そうですね。
私これ本当に公開した方がいいと思うんですけど、
原画バージョンの『なんちょうなんなん』だみたいな。
今公開されているやつは、
もう色が綺麗についてて、線も綺麗になってて、
っていうような完成品が公開されてるんですけど、
線がクリーンアップされる前の段階、
白川さんが描いた原画が並んでいるものとかが見れたら、
多分この話聞いてる人もすごい分かりやすいんじゃないかなと思いますね。
やっぱりデジタルでクリーンアップされてるんで、
これもモーショングラフィックスなんじゃないの?みたいな風に思われる
映像制作の方もいらっしゃるんじゃないかなと思うんですけど、
映像作ってる方がこの話聞くと。
でも本当にフォトショップで一枚一枚、
しらかわさんが描いてらっしゃるんで、
それ見た時とかは本当に衝撃でした。
全然違う作り方してると思って。
山内さんも衝撃だったんだ。
普段そんな面倒くさいやり方やらないと思う。
そうなんですか。
『なんちょうなんなん』が出来上がって納品いただいた段階で、
白川さんの方から何か広報活動にも使えればというところで、
画面が4つに区切られてて、コンテと。
手書きとアニメーションとコンポジット、
メイキングが分かるように4分割して、
こういう工程で最後をフィニッシュしてますよっていうのが。
確かにあれ見れたらすごい個人的には面白いんじゃないかなって今の話を聞いて思いました。
めちゃくちゃマニアックですけど。
あれだけのことしてよくこれを作ってくるなと思って。
そんな中でもしらかわさんが一番こだわったシーンとかってあれば。
そうですね。やっぱり今回の課題解決希望の中の解決の一つ目ですよね。
前に回って話をしてくれたらが一番良くて。
やっぱり課題を伝えた後の一発目の解決で、
さっきの押しつけがましいっていう印象を全く感じさせたくないなっていう風に思うので、
21:03
そこでいかに楽しく見ている人聞いている人が感じてもらえるかっていう、
構成上めちゃくちゃ大事なシーンになってくる。
だからバレリーナみたいに楽しく踊って前に行くんですね。
ただ前に来るだけだと楽しくないので、すごく楽しげに前に来てくれたら見てる人も楽しいなっていう風に思って。
そこのシーンに関しては本当に、
普段アニメーションって0を書いて2を書いて間の1を書いていくっていう風な工程を踏んでいくんですね。
でもここのシーンだけに関しては0から1,2,3,4,5,6っていう風に書いていったんですよ。
全く何のゴール想定をせずに、0から積み上げていっているっていう風な形なので、
全く計算してアニメーションしてないんですね。
感覚的にここはもう完全に書いていて、
そうするとうまくいった時は気持ちがいい。
計算されない気持ちよさがそこにはある。
しかもあれですよね、イントロAメロBメロとかでずっと反復した動き、
音もだし反復したアニメーションがどんどん積み重なっていった後に、
サビでめちゃくちゃ動くみたいな。
そうですね。
サビで見たことない動きしてるみたいな。
突然ね。
確かに。
その緩急とかもすごい効いてて、気持ちいいってなりますよね。
曲もあそこで変わりますよね。
そうなんですよね。
サビの前でちょっとテンションが落ちるじゃないですか。
ちょっと悲しげな感じになるというか、全部聞こえているわけではないんだってなってから、
もう底抜けにその後バーンって明るくなるのが、逆に泣けるっていうか。
優しいってなって、すごいジーンときますよね。
それは嬉しいですね。そう感じてもらえると。
でもあのシーンは本当に、
白川さんも日常に溶け込ませたかったみたいなことを言ってたような気がするんですけど、
本当に小学生が友達見つけて、大好きな子が仲の良い子で走っていってクルッと回って、
おはようって言ってる。あれは本当にいいですよね。
よかったです。
ぜひコマで見てほしい。
そうですね。見ましょう、今度。
自然の移動とタメと開放のコマの幅の違いとめちゃくちゃマニアックなんですけど。
24:00
じゃあぜひ来ましょうね。テレビ局さん連れて行きます。
作り手としてはすごく気持ちが良かったです。
そこはしんどかった分、できた時は気持ちよかったですね。
でもここのシーン終わったらもう1週間くらい書かなくていいやって。
若干あるんよそれ。燃え尽きる危険性のある。
これ絶対こんな気持ち良いの作ったら、もうできたみたいな気持ちになります。
そうなんよね。
そこからもう一踏ん張りするぞっていう風にはならないといけないので、楽しかったですね。
ぜひYouTubeでコマ送りで見てほしい。
そうですね。アニメというところに関して言うと、ぜひ見てほしいですね。
YouTubeコマ送りとかで検索かけたら見る方法出てくるんで。
ちょっと見てみよう。
ぜひ。
そうなんですね。
歌詞の話に戻るんですけど、やっぱりこの作品の一番キーになっている“なんちょうなんなん”っていうフレーズがありますね。
これってどういう経緯で生まれたとかあります?
ダジャレですよ。
もしかしてインコとリンゴもダジャレ説ありますよね。
さっきのインコとリンゴ、まさにでもダジャレじゃないですけど、
難聴の方が口の動きだけではシーンがわからないので、ある意味やっぱり近しい言葉の聞こえ間違いっていうのは多くはなってくるんですよね。
そうした時に。
今回すごく陰を踏んだ歌詞にしてるんですけど、
なんとなくその相性というか、難聴っていうものに対しての相性っていう風なことであったりとか、
“なんちょうなんなん”っていう風なことも、難聴ってなんだろうっていうことを端的な言葉にした時に、“なんちょうなんなん”はすごく適しているなっていう風に思ったので、
ちょっとなんなんがね、どこの言葉なんやっていうのを最初にディスカッションしたりはしたんですけど、
福岡の人たちでもそれは伝わるよっていう風なことは判明した上で、この言葉がいいっていう風なことでタイトルにさせてもらったんですけどね。
ひたすら“なん”と“ちょう”を繰り返して歌詞に落とし込むっていう。
実際その難聴の方が聞かれた時に反応とかあるんですか。
反応というか、やっぱそのキャッチーなので、なん長なんなんって子供たちは真っ先にそのフレーズを言いますよね。
こっちもこれ知ってるって言った時に、“なんちょうなんなん”って言うんですよね。
歌いながら。
27:00
歌いながら。だから本当にすごいキャッチーだし。
あと手話を入れる人は、“なんなん”が難しいの「難難」っていう人と、「何?」っていう「何なん?」っていう、
どっちでもいいんですけど、どっちですかって聞かれたら、「難しい」じゃなくて「何っ」ていう“なんなん”ですよって言ってるんですけど。
興味持ってもらうみたいなとこでは、本当にすごいキャッチーで。
そういう言葉とかもですね、なかなか素人が出ないので、本当にありがたいなと思ってますね。
難聴の歌っていうものが世の中にやっぱりほとんどなかったですよね。
ないと思いますよね。
ないですよね。
難聴の歌で検索した時に多分出てこなかったのかな。
全く出てこなくて、当然『なんちょうなんなん』っていう言葉でもいっぱい検索したんですけど、『なんちょうなんなん』っていう言葉も世の中にないと。
あ、この席空いてるやん。空いてる席があったっていうのは、すごく今後広まっていく上で大事なことになってくるので、そこはやっぱり大事にしたかったなと思いましたね。
あれなんやったっけ。西日本新聞の。
喋喋喃喃(ちょうちょうなんなん)
喋喋喃喃か。
っていう四字熟語があるんですよね。
西日本さんのコラムに書いていただいた時に、それと合わせて、『なんちょうなんなん』っていうのがあるけれども、皆さんは『なんちょうなんなん』をご存知だろうかみたいなところで。
実際そらいろさんの方で広報活動をされていたと思うんですけども、今回のこの映像ができた後と前とかで、やっぱり反応が違ったりとかしたんでしょうか。
そうですね、やっぱり『なんちょうなんなん』を作っていただいているときに、第1回でも少しお話をしたんですけれども、やはりもうご支援のお金がもうほぼ製作費に使われるということで、
白川さんもちろんですけれども、中村さんですとか永山さんですとか、アイメージの方々にほぼお金はいかないだろうと思ったんですよね。
でもほぼ無償でも受けてくださっているっていう中で、そういう中で自分が何ができるかなって考えたときに、もうとにかく世に出してもらって、この方たちが作りましたっていうふうな恩返し的なことしかできないと思って、広報活動を本当に今まで以上にやろうっていうふうに決めました。
それで、先ほどもここ福岡から難聴の啓発をってお話をさせていただいたんですけれども、この時点で自分の中ではこれ絶対いけると思っていて、というのもやっぱり広報って他がやっていないこととか、新しいことでしかきっとニュースにならないんですよね。
で、『なんちょうなんなん』は他もやっていなければ新しいっていうのはもう絶対あったので、これを今自分が世に出せなかったらもう本当に引退ぐらい思って、腹をくくってですね、やらせていただきまして。
それで初めてお披露目の時に2021年の7月なんですけれども、プレスリリースを書いて文字は本当数行でした。『なんちょうなんなん』の画像を大きく4枚貼らせてもらったんですけれども、3枚を選べたんですけれども、最後の1枚が選べなかったんですね。
30:12
やっぱりそのリリースに使った画像ってほぼそれが新聞ですとかテレビに出るので、やっぱ大事な1枚なんですよね。
で、白川さんに今このカットを使いたいんですけど他にお勧めありますかって話をしたら、さっきの前に回ってのシーンがいいって言ってくださったんですよね。
で、理由を聞くんですよ。何でですかって聞いたら、これは静止画だけど動きが伝わる静止画だからって言われたんですよ。
私この言葉だいぶ震えまして。色味がとか、このシーンがキャッチーだからとかそういう答えが来るだろうと思ったんですけれども、止まってる画像だけどアニメーションの豊かさみたいなのが伝わるからこれを使ってくださいっていう風にしたら、結構それが載ったんですよ、新聞とかに。
来たなと思って。いつもその新聞社の方とかには、これはあの静止画なんですけど動きが伝わるのでこの画像なのでこれ使ってくださいって、さも自分が言ったように言ってるんですけど、白川さんがこれは教えてくださったことなんですけど、
そういう形でいろいろ活動展開しまして、やはりそれまでは主に家族会で、難聴の現状であったり、例えば福岡市でこういう難聴の方たちにとってこういう制度ができましたみたいな報道だったんですけれども、今は大体の報道に『なんちょうなんなん』の「そらいろ」とか『なんちょうなんなん』の「言葉のかけはし」がとか、最近もちょっとドキュメンタリー番組出していただいたんですけれども、その中でも必ず入るっていうことで、
「言葉のかけはし」、「そらいろ」イコール『なんちょうなんなん』、岩尾イコール『なんちょうなんなん』みたいな形で、あの九州の方では結構浸透してきているのかなというふうに感じてます。
すごいじゃあ本当に名実ともに代表作になったんですね。
それも間違いないですよ。
もうあの一発矢で終わらない。『なんちょうなんなん』だけじゃないかって言われないようにですね。岩尾も私もちょっと頑張っていきたいなと思うんですけれども。
ありがたいですね。
でも本当に結構メディアの方とか、仕事柄代理店さんとかも会う機会が多いんですけれども、やっぱりよく聞かれるのが、『なんちょうなんなん』ってKOO-KIさんが考えたんですか、そらいろさんですかってよく聞かれて、もちろんKOO-KIさんですってみんながおー。
これは皆さん口を揃えて、やっぱりそうかみたいなことは。自分たちもそういう仕事がしたいけど、やっぱりそこまではなかなかってさすがですねみたいなことに必ず落ち着きますね。
でもやっぱりここはワンチームだと思ってますけどね。
ありがとうございます。
初めのオリエンのところから全てスタートしている。僕からしたらですね。
それはでも僕も重ねるごとに思ってて、勝手に誰か1人ボンクラがおっても絶対できんよなっていう。
33:09
自分自分。
俺もいい仕事したと思ってる。
皆さん最初のオリエンで僕に鬼滅の刃みたいなやつを。
そうなんですよ。
誰もが知っているアニメを。
鬼滅の刃みたいに作ってくださいって言ったんですよ。
作ってとは言ってないですよ。
全員画面が固まってました。
ちっちゃい子でも大人でも響くのってないのかなって。鬼滅の刃って俺見たことなかったんですよその時に。
それが大人も子供もいっぱい支持を得てるみたいですけど、あれってああいう要素って何なんですかみたいなことを聞いたんですよ。
そういうのは活かせないもんでしょうかみたいな。
めちゃくちゃハードル上がりましたね。あの瞬間。鬼滅を想像されてるって思って。
あそこまでっていうか要素がですね。要素がそういう要素があるのかなみたいな。
資料は岩尾さんと一緒に作成したんですけれども、今までの仕事の経験上、岩尾さんにオリエンが命ですと。全てです。
なんかあった時にここに戻ってこれるような資料を作らないといけないからっていう話をした時に、岩尾さんがオリエンって何?って言われて。
オリエンテーション略ですよとか多分そういうことでもないなと思って。そこからマジで大丈夫かなと思ったんですけど、お金も集まったし、やるしかないなというところで。
でも本当に岩尾はいろんなことを頭で考えてて、それを言語化したり、こういう資料に落とし込むのが自分の仕事っていうのは前々から分かってたので、本当にすごく深くいろんなことを考えてるので。
っていう感じですね。
はい。もうドラマティックな製作の過程の話が聞けましたけれども。
次回はですね、せっかくなので「そらいろ」さん「言葉のかけはし」さんの活動にちょっとフォーカスを当てていこうかなと思っておりまして、
次回は難聴難難ではまだ伝えきれていない難聴者のリアルな課題について、ちょっと伺っていこうかなと思っております。
次回も引き続きお楽しみください。今回はこの辺で終わりたいと思います。ありがとうございました。
本日もケイシャのしゃべり場を聞いてくださってありがとうございます。
ケイシャのしゃべり場では皆さんの感想、質問などを常に募集しています。
概要欄にあるお便りフォームより簡単に入力できますので、ぜひお気軽にご意見ご感想をよろしくお願いします。
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