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2021-10-10 09:11

052. 2021年ノーベル物理学賞の歴史的な意味

2021年ノーベル物理学賞の歴史的な意味について,僕の感想をお話しました.

毎週金曜日朝7時にアート,リベラルアーツと科学技術に関するニュースレター『STEAM NEWS』を発行しています.YouTube,ポッドキャストでまとめもお送りしています.

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いちです。おはようございます。
今週ですね、2021年のノーベル物理学賞が発表になりました。
ちょうど日本時間の火曜日の夕方6時45分、実際には6時50分ぐらいになってましたけれども、
スウェーデン王立科学アカデミーから発表があって、リアルタイム中継があって、
僕7時から別のYouTube番組のライブがあったので、10分間だけ見てたんですけれども、興奮しましたね。
興奮ポイントをまた僕のニュースレターでも書かせていただいたんですけれども、
マナベ・シュクロ先生が、日本語出身のマナベ先生も3人のうちの1人として受賞されていて、おめでとうございますという感じなんですけれども、
僕にとっては日本出身の方が取られたということも大きな驚きではあったんですけれども、
2つより大きな驚きがありました。
1つ目は、やはりノーベル物理学賞とこれまで縁のなかった地球科学ですね。
マナベ先生が取り組んでいらっしゃったのは気象学なんですけれども、それを含めて地球科学、縮めて地学というふうに言います。
地学という呼び方は少し誤解を招きかねない呼び方で、地球に限らなくて惑星科学でもあるんですね。
地球惑星科学というふうに呼ぶべきだと思いますし、広い意味では太陽系を含めたソーラーシステムの、
地球太陽系以外にも銀河の中にはそういう惑星系ってありますから、そういったプラネタリーシステムの科学というふうに呼び方を変えていってもいいんじゃないかなと思いますけれども、
地学という分野がノーベル賞の対象になったということ、これが1つの驚きでしたね。
天文学がノーベル賞を受賞するということはこれまでにも多くあったんですけれども、
地球を対象にした、あるいは惑星を対象にした科学というものがノーベル物理学賞を受賞したというのは1つ目の大きな驚きで、
真鍋先生、日本語を中心の方を捉えたということが1つ目とすればもうこれ2つ目ということになるんでしょうけれども、大きな驚き。
もう1つのね、これあんまり報道されてないような気がするんですけれども、驚きがあって、
これが真鍋先生の研究手法というのがコンピューターシミュレーションを非常に対応するというか、中心に据えた研究をされていて、
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これをですね、コンピューター、
じゃないよ、ごめんなさい。ついつい我田飲水で自分の方に引っ張ってしまうんですよ。
計算科学というふうに言います。計算機科学とかコンピューター科学ではなくて、計算科学というふうに言います。
この計算科学がノーベル賞を受賞したというのは多分歴史上初めてじゃないかなと思うんですね。
どういうことか、科学、サイエンスというものは、現在4つ目の段階、4種類目ができたところというふうに言われています。
どういうことかというと、1つ目の科学というのが、思考科学というのかな、理論科学ですね。
理論を立てるというか、当たり前のように思われるかもしれないんですけど、理論のない科学というのはないので、
理論科学と当たり前に聞こえるかもしれないんですけれども、理論中心の科学、これの理論というのは思考によって到達するものですね。
これ、科学の始まりをどこに置くかによって、後で述べる第二の科学とまた順番が逆になるんですけれども、
アリストテレス以降の自然哲学ですね。
ここを起点に考えると、アリストテレスは物事を考えることで理論というものが自ずと導かれるはずだと言って考えたので、これ理論科学。
それに対して第二の科学と呼ばれているのが実験科学というものです。
実験をすることによって自然界の法則を見つけようというもの、ガリレオ・ガリレー、フランシス・ベーコンも入るのかもしれないですけども、
そういう人たちによってルデンサンスの時期に始められた科学です。
ここが本来の科学の、近代科学の始まりで、モダンサイエンスの始まりなどの説もあって、僕はどちらかというとそういう立場なんですけれども、
なのでこっちを第一の科学と呼ぶこともできるんですけれども、
実験科学、例えば重いものと軽いものがどちらが先に落ちるのかというのは、これは実験してみないとわからないわけですね。
アリストテレスは重いものが早く落ちるに決まっているという決めつけを行ったわけですけれども、
実験してみるとそうではなかったという発見があったわけですね。
これは実験を通して初めて理解できたことで、実験科学、現在の科学では実験を行わない科学というのはほぼありえないです。
アルベルト・アインシュタインの試行実験というのは実験ではないんですけれども、
必ず別の実験科学者という方たちが主張を理論を裏付けるような実験をして初めて理論が完成していくので、
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実験科学と理論科学というのは必ずペアになっています。
従来、理論科学の方がノーベル賞を多く受賞していて、実験科学というのはなかなか受賞できないと言われていたんですけれども、
実験科学で受賞されている例もあります。
ところが、20世紀に入ってからコンピューターがものすごく性能が良くなって、
コンピューターによってシミュレーションする、実験できないようなものをコンピューターシミュレーションすることによって実験に変えるというものを、
これを計算科学というふうに呼びます。
これは第三の科学ですね。
これは実験できないもの、例えば地球における気象、まさに真鍋先生が受賞された気象なんかはそうなんですけれども、
気象って実験できないじゃないですか。
地球も一個作って、じゃあちょっと地球の温度を上げてみましょうとかできないわけですよね。
なのでこれは地球を非常に精密にモデル化したコンピューターモデルを使って実験をするというようなものですね。
これが第三の科学。
21世紀に入って花開いたものに第四の科学というものもあります。
これはデータ科学というふうに呼ばれているんですけれども、
膨大なデータがデジタル化されて集められるようになって、それに対して統計学、
これも20世紀に大幅に理解が進んだ学問分野で、
統計学を使って膨大なデータを解析する、ビッグデータ解析ですね。
解析することによって新たな法則であるいは新たな知見を見つけ出そうというもの、
データ科学、これはまだそのノーベル物理学賞の受賞に至っていないと思うんですけれども、
これもやはり地学の分野ではデータ科学というものが現在活かされているので、
一つ今年のノーベル賞の扉が開いたということは近い将来データ科学もまた
ノーベル賞の候補に入ってくるんじゃないかなというふうに考えています。
今日はそんなノーベル賞受賞に関して思うところを述べさせていただきました。
今朝も聞いてくださってありがとうございました。
次のポッドキャストをYouTubeでお会いしましょう。
イチでした。
お、ちょうど後ろの噴水が、これタイミングを測ってたわけではなくて偶然なんですけれども、
いいタイミングになりました。
水の音って癒されますね。
ポッドキャストで聞いてくださっている方はわけわかんないと思うんですけど、
僕の後ろに噴水があって、今噴水が吹き上がってきました。
では次回またお会いしましょう。
イチでした。
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