kai3
うすだです。カイです。杉村です。今回は久々のゲスト回ということで、京都にお住まいの友達の杉村さんに来ていただきました。よろしくお願いします。
杉村
よろしくお願いします。
kai3
早速なんですけど、杉村さんにちょっと簡単に、この番組を聞いている人に向けて自己紹介いただいてもよろしいでしょうか。
杉村
そうですね。ライターとか、ちょっと最近は少し編集もやったりしている杉村です。
何を書いているのかっていうと、これはいろいろなんですけども、たぶん一番直近で出た本で日本酒の本ですね。
白熱日本酒教室という本が、2024年の9月末に発売されました。星海社新書ですね。
他にも醤油手帳というブログをやっておりまして、調味料のこととかいっぱい語っていたり、本を出していたり。
年に2回のコミックマーケットでは基本的には調味料関係の本を出したりしています。
あとは、そうですね、最近はやたらと京都のですね、いけず石に関する取材が多くて。
はい。今年はですね、日経新聞、京都新聞、NHK関西に取材があって、この後もまだ多分年内にいけず石関係の露出がある感じですかね。
そんな感じでいろいろやっております。
kai3
ありがとうございます。これどこから聞いていいかぐらい、本当に多趣味な人なのですごい悩むんですけど、
おそらく今この自己紹介中でまずキョトンとするのがいけず石だと思うんですけど、いけず石とはなんぞやってのを解説していただいてもいいですか。
杉村
これは細い路地ですね。車とかがギリギリ通れるような細い路地の角とかに石が置いてあるんですね。
しかも大きい石が。この石に車が曲がろうとすると、当然ぶつかっちゃうじゃないですか。
で、その家の人になんてところに石置いてるんだって文句を言いに行くと、ああそうなんですか、石に当たったんですねって京都の人にあしらわれてしまうからいけず石なんていうふうな呼び名ができたっていうものなんですけども、
これがなかなかどうしてなぜそういう石があるのかとか、そういったものがですね、非常に奥が深くてですね。
もう何年でしょうね。結構ハマっていて、ひたすら写真に撮ったりだとか、あと本も作ったりしたらですね、ようやく、ようやくっていうと語弊がありますね。
なんか世間が追いついてきたようで、今年、去年の年末から今年に入ってめちゃめちゃ取材やら問い合わせが多いっていう代物でもあります。
kai3
あれは京都の独自の文化なんですか?他の地域にはないんですかね?
杉村
いや、他の地域にもありますよ。東京で見つけたいけず石だとか、その他の県で見つけたものもありますし、
やっぱり、どこまで深く今話していいですかね?もうどんどん話しちゃっていいですかね?
基本的に現在の建築基準法では起こられる代物なんですね。
なんでかっていうと、今は細い路地とかの角は隅切りと言いまして、車とかの見通しが良くなるように角の部分に三角形の空き地を作って、曲がりやすく見通し良くしなきゃいけないんですよ。
だけど、もうその法律ができる前にある古い町ですと、その角ギリギリまで家とか塀を建てちゃっていたんですね。
そうすると、車がもちろんその建てた当時なんかこんなにいっぱい頻繁に通ると思っていないので、ギリギリ前に建てた結果、何日かに1回ですね、交通量が多いところだと車がぶつかるわけですよ。
で、それをトラブルになるわけですよね、当然。
杉村
車ぶつかった人はごめんなさいって謝りに行けばまだ良い方で、謝りに行かないでそのままスルーしちゃったりだとか。
杉村
そうすると修理費は家の方の側が塀とかを直さなきゃいけないじゃないですか。
で、万が一ぶつけてるところを見つけても、きちんとなんとかなるとは限らない。
そうなるとですね、じゃあもう石を置いておけば先に石にぶつかるし、傷つくのは石だし、向こうの車が傷ついてもそれはそれという感じで石が置かれるようになったんですね。
杉村
そんな感じなので古い街並みにしかない。
現在のその隅切りとかがしっかりあって、車が通るところを考えて都市設計をされているところでは、よっぽどいけずな人じゃないと石を置かない。
kai3
いけずっていう言葉がまた良いですよね。
杉村
そうなんですよね。
杉村
これがなんて言いますか、本当にもう結構前でハマったのが、何年前だろう。
杉村
位置情報ゲームがポケモンGOが発表された時があったじゃないですか。
kai3
はいはい、だいぶ前です。
杉村
まだ出る前じゃなく、ゲームがリリースされるんじゃなくて、発表された時に、なんかもうあまりにもポケモンGOをやりたすぎて、なんかじゃあ京都の街を歩いて何かを集めるなんとかGOをやろう。
その時に思いついたのが、いらすとやのイラストを見かけたら写真に収めるいらすとやGOと、
杉村
あと京都の街って、すごい石碑が建ってるんですね。
杉村
ここは何とかの新撰組がここでどうこうとか、坂本龍馬どうこうとか、そういうメジャーなところだけじゃなくて、ここは何々藩の藩屋敷があったところですよとか、平安時代にはここに検非違使がありましたとか、そういうような石碑がすごいいっぱいあったんですよ。
あるんです、今も。そこで石碑GOをやろう。語呂は悪いんですけど。
その石碑GOをやるために、道のですね、下の方を見れたら、なんかいっぱい石がある。
これ何なんだろうと思って、その京都に住んで、昔から住んでる友達とかに聞いたところ、あれはいけず石だと。
で、これはなんて素晴らしいんだと。こんな文化が京都にはしっかり残ってるんだ、みたいな感じでですね、感動いたしまして、そこから石碑GOのことは半分忘れて、ひたすらいけず石を通るという趣味に目覚めたんですね。
なので、何年前って正確には言えないんですけども、ポケモンGOの発表があった年というのだけは覚えてると。そんな感じですね。
あともう一つ、それを本にしよう、同人誌を作ったんですけど、今までに3冊ほど。本にしようと思ったのは、多分法律的にグレーなので、消える文化であろうと。
本来のその人の敷地内に置いてあったら全然いいんですけれども、たまに敷地の外の道路にはみ出て石を置いてる人もいるわけですよ。
それは完全にグレーというかアウトだったりするので、そういうのは消えてしまうであろうと。これはもうきっと平成までの文化なんだろうと思って、平成から令和に切り替わるまでに何か記録に残しておかなきゃいけないと。
kai3
そこで同人誌を作ったんですね。
杉村
同人誌はいつ頃ですか?
kai3
同人誌は一番最初のが、だからその令和に切り替わる時だったと思うんですよね。
杉村
結構前ですね。
そうなんですよ。
この趣味は、あんまり人に言っても理解されないだろうと思ったので、ずっと内緒にしてたんですよ。
なんですが、たまたまグルメ漫画の本を出したんですね。
何年だったっけな?
2016、7、8年ぐらい。
18年ぐらいだったかもしれないですけども。
その時にグルメ漫画というような形で料理が出てくる漫画の走りとして、1970年にしんぶん赤旗で連載された新聞漫画の話をちょっと書いたんですよ。
杉村
それも当然取材をして、そしたら本が出た時に赤旗の方が逆に取材をしてくれたんですね。
杉村
わざわざ京都までいらしてくれて、撮影とかインタビューとかをされて、グルメ漫画のことばかり喋ってたはずなんですけど、最後に気が緩んでたんですよね。
杉村
この後どうされるんですかって聞かれた時に、ついうっかり石を見に行きますと言ってしまったんですよ。
杉村
で、ちょっとそれを向こうも当然けげんな顔をするじゃないですか。石って何ですかと。
そういう話をちょっとしたら、なんかちょっと面白いですねって言われて、もしかしたら話せば理解してもらえる趣味なのかもしれないと思って、ちょっとだけ人に言ったら、3人に1人ぐらい面白いと言ってくれたので、じゃあちょっとなんかやろうみたいなそんなノリだったんですね。
それで同人誌を作ったりだとか、やってたというわけですね。
kai3
いやー3人が3人面白いって言うと思うけどな。
杉村
どうでしょうかね。
名前からして最高ですもんね。
kai3
あれですね、いけず石は杉村さんに教えてもらって、そっから知るようになり、ちょいちょい京都に行くたびに、杉村さん僕のお酒の先生でもあるので、美味しいお店を教えてもらいながら、今いいいけず石どこですかっていけず石観光ツアーやってもらって、おーいいっすねこれって言って感動するからすごい楽しいんですけど。
杉村
そうなんですよ。
kai3
いやもう本当にすごい文化ですよねいけず石。めちゃくちゃ面白い。
杉村
そう面白いんですね。
なんかでも最近は京都大学と地図とかのジオテクノロジーズさんか。
kai3
ジオテクノロジーズ、なんか出しましたねいけず石マップ。
杉村
はい、いけず石マップを作るっていう話が出てて、あれはあのやり方だと多分全てのいけず石を網羅できないと思うんだよなっていうのをどうにか関係者に伝えたいと思いつつ。
まあそれは知り合いにいたらって言われますけど。
kai3
それはどういう意味でですか。あれってほらユーザー投稿型ですよね基本的に。
杉村
ユーザー投稿型なんですけども、基本的に道の角にしか注目をしてないんですよ。
kai3
なるほど。
杉村
で、実は兵とかを守ったりだとか路中に対する行けずをするためだとか、そういう道路の真ん中にある石とかにあのシステムだと対応してないんじゃないかなっていうのがちょっとあって。
kai3
なるほど。そういうのもいけず石なんですね。
杉村
そうなんですね。曲がり角以外でもやっぱり市内のところとかで結構そのあったりだとか、あと一個多いのはその溝ですね。下水道じゃないのかなんて言うんでしょう。
杉村
あの道路の端に溝が掘ってあって、蓋がないところも意外とあるんですよ。
京都とか。で、そういうところに置いていたりだとか、あとお店の前にその路中を防ぐために石を置いていたりだとか、
ここは出入り口なんでみたいなところに車止められると困るから石で固めるとか、そういう類の石に角だけに注目をしてると対応しきれないんで、
多分相番ユーザーから俺はあの石が載せたいのにって苦情が来ると思うんですよね。
それは僕だけかもしれないんですけど。
kai3
いやもうちょっと是非ね、ジオテク話しといて、話を通してほしいですね。
いやー面白い。杉村さん僕は本当に聞きたいこと多数というか、本当にたくさん趣味のお持ちの方なので色々お伺いしたいんですけど、
せっかくなんでちょっと紹介はですね、なぜ杉村さんがこの道に踏み込んだかっていう振り返りをちょっと聞いてみたいんですけど。
杉村
そうですね、石の話ずっとしてる場合じゃないですね。
kai3
いやもう石もすごい楽しいんですけど、今色んなライターとして活動されてるってことなんですけど、
そもそもはどういうきっかけで学校を出て働く時にどういう経緯で今このライターに立っているんですか?
杉村
一番最初に書いたのは、商業で書いたのはマジック・ザ・ギャザリングというカードゲームの本なんですね。