では今日のお悩みを紹介したいと思います。42歳、地方都市の中学校教員の方です。
先ほども言いましたが、これ架空の方です。どんなお悩みかと言いますと、生徒の前では冷静に振る舞っていますが、家に帰ると何もしたくなくなります。
昔はやりがいを感じていた仕事なのに、最近は消耗しているだけに感じます。
これは思いつけなのでしょうか?それとも年齢的な変化なのでしょうか?というようなお悩みですね。
これについてどういうところで、何回も言いましたが、解決策を何かこれですと言いたいわけではなくてですね、新しい視点を提供するようなことをお話しできたらなと思っております。
今日のテーマは感情労働というところでお話をしてみたいと思っています。
感情労働を聞いたことがある人も多いと思いますが、これは感情を使うような仕事で、教師とか看護師さんとか、感情労働の最たる例であげられやすい職種かなと思います。
感情労働だけだとやや荒いんですよね。これを心理学の論文ではどういうふうに細分化しているかというところをまず考えていただけると、もしかしたら今日のこの悩みを寄せてくださった方の新しい視点になるのではないかなというふうに考えています。
2025年の論文で今日は紹介していきたいと思いますが、この論文では感情労働を3つに分けています。
これをまず覚えていただけるといいかなと思います。3つというのは表層演技、深層演技、最後は自然表出という3つのタイプですね。
ただこれは入った時にどれか一つのタイプが一人一人に付与されるということではなくて、ある時は表層演技を使って、ある時は深層演技を使って、ある時は自然表出を使ってみたいなふうにやっている。
そんな意識して切り替えるということではないんですけども、この3つのタイプがあるということをまず覚えていただきたい。
もう少し具体的に言っていくと、表層演技というのは本当はそう感じていないのに、そう見せたりとか、もしくは隠したりすることのことです。
結構感情労働でこれをイメージする方も多いのかなと思いますが、例えば仕事上必要な感情を演じているだけのことがあると。
先生だったらあいつに怒ってはない、心底で怒ってないんだけども、怒ったように見せるというか、叱る時にそういうふうに表出するというのは確かにそうですよね。
本当の気持ちは違っていても表に出す感情をコントロールしているとか、生徒や保護者に対して感じていない感情を見せることがある、みたいなことがこの表層演技のところを指しています。
そこでのポイントとしては、内なる感情のところは変えないですね。表情とか態度だけを操作するというのがこの表層演技です。
これが心理的負担が大きいたされやすいところで、もしかしたら今日の悩みを寄せてくださった方もこの表層演技を使っていたりするのかなと思ったりします。
2つ目が真相演技ですね。これは求められる感情を本当に感じるように自分を調整することです。
生徒に対して望ましい感情を本当に感じられるように努力する。必要な感情を抱けるように考え方を変えるというようなことがこの真相演技です。
奥のところの感情の方を操作しようとすることを指します。これも演技なんですけれども内面を変えようとするというので、表層演技とはだいぶタイプが違うのかなと思います。
3つ目の自然表出は作らず隠さず自然な感情をそのまま出すことです。
例えば私が生徒や保護者に示す感情は自然に湧いてくるものであるというような捉え方をしている時にこの自然表出を知っているというようなことだというふうに理解できます。
なかなかそうは言っても難しいなと思ったりするんですけど、この3つのタイプに分けられるというのはまず覚えていただきたいと思います。
今回の悩みはもう一度振り返ってみますと、生徒の前では冷静に振る舞っていますがというふうに書いてますね。
だから振る舞っているのでどうでしょうね、これだけだったらどっちかというふうにはなかなか言えませんが、
もしかしたら内面ではそういう冷静さが特にないんだけども頑張って冷静に振る舞っているので結構自分の感情を抑圧しているような感じなのかなというふうにも想像したりします。
その後に燃え尽きなのかそれとも年齢的な変化なのかというふうに問題の所在を疑問に思うようなことも書かれているんですけど、これはどちらでもある可能性もあるし、第三の選択肢もあるのかなというふうに思っておりまして、
おそらく42歳で結構感情をうまく管理するような力が成熟した結果だと思うんですよね。
それは成熟してしまうと言うことも変だな、成熟すると自然に出すような感情を自然に出す場というのが失われていくようなことにもつながり得るのかなというふうに思っています。
ある程度コントロールが未熟だったら感じた感情をそのまま出すということ、これは自然表出というところかもしれませんが、もうできていたところがあるかもしれませんが、ある種成長の結果ですよね。
そう言われると余計モヤモヤするかもしれませんが、この論文では実は情動知能というのが先に出てきていて、情動知能、感情をうまくコントロールする力ですよね。
それが感情労働を高めるというふうにも言われているので、情動知能が上がっているというところで、それは明らかにプラスのことだと思うんですけど、
それが抑圧の方に働くとこういうふうな思いを持たれることもあるだろうなというふうに想像をしました。
これで新しい人になっているのかな、なっていたら嬉しいなと思います。
この論文の結果をもう一つだけ重要なところとしてお伝えして終わりにしようかなと思うんですけども、
実際この論文は学校の先生が調査対象で680人くらい参加しています。
さっきも言ったように情動知能が高い人、感情をコントロールするのがうまい人ほど感情労働も増しやすい、
特には心相演技と自然表出が高くなりやすいというような研究結果になっています。
かつ自然表出というのがやはり学校の教員の仕事をやっていく上でも適応的というかプラスの効果があるというふうな研究結果になっていて、
最後の一番出口の結果は何かというと、生徒との関係が良好かどうかということです。
それが自然表出をしている先生ほど生徒との関係が良好であるというふうになりやすいというような研究結果です。
この媒介をもう一回まとめると、情動知能が高い人が自然表出しやすくて、
自然表出しやすい人が生徒との関係も良くなりやすいというような研究結果になったそうです。
これは因果関係で強くは言えないのですが、媒介の流れ的にはそういうところを意図しています。
お答えになっていますでしょうか。参考になれば嬉しいなと思います。
先生の話を今日はメインでしてきたのですが、
先ほども言ったように、看護師さんや接客業の方や介護職の方など、
本当に感情を隠したり表出したりを調整しないといけない。
その中でも表層的な部分を演技するか、真相的な方まで操作しようとするか、
あとはそういうのはあまり関係なく自然なままに出していくかというところで、
大きく分けて3つのタイプがあるというところを話しました。
別にこの人はこのタイプ、あの人は別のタイプみたいな感じではなくて、
あるときはこのタイプ、あるときはこのタイプみたいな感じで、
共存しうるよというところも合わせておいていただけると、
どこかでためになる。
解像度を上げて、感情労働の解像度を高めていただけると嬉しいなと思います。
こんな感じでお悩み、困りごとをいつでも募集しております。
概要欄にフォームも貼っておりますので、
もし自分の今の働き方でも大丈夫ですし、人間関係でも大丈夫です。
あらゆる悩みを寄せていただけるとお答えはできませんが、
こんな感じで第三の視点を処方するような形でやっていけたら嬉しいなと思っております。