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  2. #703 VRで痛みを和らげること..
2025-07-09 13:30

#703 VRで痛みを和らげることができる?(Ioannou et al., 2020)

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【本日の論文】
Ioannou, A., Papastavrou, E., Avraamides, M. N., & Charalambous, A. (2020). Virtual reality and symptoms management of anxiety, depression, fatigue, and pain: A systematic review. SAGE Open Nursing, 6, 1–13. https://doi.org/10.1177/2377960820936163

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サマリー

バーチャルリアリティ(VR)は、痛みや不安を軽減する効果があるとされています。特に、がん患者や子供の採血時の痛みを和らげるための研究が行われており、VRによる注意分散効果が注目されています。VR技術は痛みの軽減において関心を集めており、他の注意分散手法との比較が進められています。VRは身体感覚や没入感を通じて、ユーザーに自己制御感を与え、精神的な不安を軽減する可能性があります。

VRの効果と研究概要
おはようございます、心理学者のじんぺーです。 本日も心理学の最新論文を紹介していきたいと思います。
今日の論文は、バーチャルリアリティ、VRに関するものになっています。 最新といったんですが、2020年の論文ですね。ちょっと古い論文になっています。
バーチャルリアリティの使い方っていうのは、 たくさんあるんですけど、一番はその
自分の研究分野に関係することとしては、今まで映像とかでやられていた体験がVRでどういう体験に変わるのかとか、それがどう楽しみとか美しさとかに変わるのかみたいな
研究かと思うんですけど、それ以外にもいろんな使い方があって、今回は いろんな病気を持っておられる方とかに対する介入にVRが使えるんじゃないかということをまとめたレビューの
論文になっています。 例えば、がん患者の不安傾向とか、あとは採血をするときの痛みとか
社交不安とか、いろんな症状に対して VRというものが効果的であるのではないかという研究ですね。
全体的な傾向と、あとは具体的な研究例とかもちょっと紹介してみたいなと思っています。 本題に入る前にお知らせを挟ませてください。
7月の5日の放送で、放送700回目、6日かな?700回目を迎えました。
いつも聞きなさってありがとうございます。 いつも100回刻みでNFTを発行しておりまして、今回も作っております。
NFTを集めているよという方もそうじゃない方も、 ワレットアドレスというものだけあれば無料で
ゲットできますので、ぜひこの機会にチェックしていただけると嬉しいです。 700回目の放送をチェックしてみてください。
そこのフォームにURLを貼っております。 よろしくお願いします。
では本題に行きたいと思います。 あと忘れてた、対談もあります。
お知らせしよう。ちょっと待ってくださいね。 時間をチェックしないと。10日の3時からですね、
15時から森川の兄貴と対談することになっています。 結構久しぶりですね。とても楽しみです。
前半は森川さんのチャンネルで、後半はこちら3時半からですね、 放送を生配信させていただく予定になっております。
森川さんのお仕事の話を聞いてみたいなと改めて思っていて、 あとは自分の考えていることとかも共有できれば嬉しいなと思っています。
ぜひ遊びに来てください。 改めまして本題に戻りたいと思いますが、VRですね。
これをつけて映像を楽しんだりとか、時にゲームを楽しんだりとかすることによって、 あとメタバースみたいなこともあるかな。
ゲームとまではいかないんだけども、そのVR空間を自由に動き回ったりとか、 他の人とチャットしたりとかすることで、
どういうふうに不安とか欲打つとか、 疲労感、痛みみたいな感じにも書いてますね。
これらが和らぐのかということを研究した論文、レビュー論文になっていて、 合計23件の研究がレビューに含まれているということです。
そんなに説明する方法論的に説明することはないので、 結果を一つずつ見ていきたいなというふうに思うんですけども、
まず不安とか欲打つについては14件の研究がヒットしたそうですが、 そのうち全ての研究で不安の有意な低下を示した。
4件において欲打つの有意な改善を報告したということらしいです。 特にVRを用いたゲーム、
痛みの軽減に関する具体例
リラクゼーション、心理教育が効果的だったと報告されています。 面白いですね。
これはおそらくほとんどの研究で、比べる群が大事だよというのをたまに話しているんですけど、
これがもう本当にそうで、おそらく何もしてない人たちと比べると、 VRの効果が出るというのは当たり前とは言わないけど、
結構出るよねというところがあるので、 この辺りは注意が必要かなというふうに思います。
その話も具体的な研究例として後で報告してみたいと思います。 次、疲労感について、これは研究が少ないんですけど、4件の研究がヒットしていて、
そのうちの3件においてVR介入による疲労の有意な軽減を示したということです。
人不全の患者の方へのVR運動プログラムとかの例があるというふうに書いてますね。
最後、痛みについては11件の研究があって、その大半でVRによる注意分散効果、これはね、
また後でも言いますが、この研究において一番重要なキーワードかなというふうにも思います。
注意分散効果による痛みの有意な低下が確認されたということらしいです。
特に火傷治療中の物理療法、だから包帯を変えるみたいな時に実験したというようなこととか書いてたんですけど、
痛そうですよね、思うだけ、火傷したとこの包帯を変えるみたいな時にVRをつけて注意分散することによって痛みが和らぐというような研究とかですね、面白いなと思います。
具体的に紹介したいのがこの痛みの話で、注射の研究ですね、注射の研究があって、これ元の論文まで読み切れてないんですけど、
2018年のまた別の研究が引用されていて、7歳から12歳の子供、121名に対して採血中の痛みを評価してもらうということをしています。
ここも操作をしているんですけど、ここは何でこの研究を紹介しているかというと、さっきも言ったようにどこと比べるかというのがすごく重要だと思っています。
3グループに分けられています。一つがVR。アニメの映像をVRで見せることを採血中にするということです。
採血中?採血前かな、ごめんなさい、ちょっとこれまた読んでみたいなと思います。
まずVRを見せる群がある。2つ目が、これが何かをする比較条件ということで、アクティブコントロールと言ったりしますね、専門用語では。
アクティブコントロールの群は、冷却と振動による外的な刺激を与えるということをします。
確かに冷却とか振動とかあると注意そらされそうな感じがしますよね。
最後の3群目がコントロールということで、パッシブコントロール、アクティブの逆でパッシブコントロールと言ったりしますが、介入がなしと、特に何もしないという3グループに分けられているという実験です。
だからこれがとてもわかりやすいので紹介していますが、結果を見ると、VR群および冷却と振動群の痛みスコアはコントロール群に比べて優位に低かったという結果です。
VRと冷却プラス振動の群と間には優位差がなかったということで、
これを見ると確かにVRは何もしないよりは痛みの軽減につながっているんだけども、
冷却とか他の介入方法とは特に差がなかったということで、だから別にVRが手放しでめちゃくちゃ良い方法かというふうには、この研究だけだと言えないわけですよね。
なのでここまで見ていただいて、個別の研究が他にもたくさんあるので、全て紹介できないし、多分アクティブコントロールと比べた後でも良い効果があるというふうなこともあるんだろうと思います。
VRと注意分散の効果
例えば、VRと普通の映像、テレビとかみたいなのを比べている研究もあったりして、ちょっと待ってくださいね、詳しく読んでみますね。
はい、すみません。ちょっと止めて確認してきました。
キッピングさんたちにあった2012年の研究についても簡単に紹介したいなと思うんですけど、これさっきの包帯の話ですね。
火傷治療を受ける11歳から17歳の青少年とその看護スタッフが実験の対象になっていて、VRを見るか標準的な注意分散、テレビを見たりとか音楽を聴いたりとか、
あとは介護者との会話をしたりとかする群と、あとは無介入ということで比べると、VR群の方がやや痛みが低かったんだけども、優位さはなかったということなので、
従来の注意分散、テレビとかと比べてもやっぱりこの研究、これサンプル数が41人で少ないので何とも言えないんですけど、
優位な効果はなかったということなので、やはりVRがめちゃくちゃ素晴らしいっていうことでもないような気もしていますが、
良いこともたくさんあると思うので、結論が出せないということだと思います。
いつものようにモゴモゴして申し訳ないんですけど、そういう感じです。
最後になんでこういうVRが注目されているかというところと、考察みたいなところを合わせてお話できたらいいと思うんですけど、
注意分散効果ですね。さっきもお話ししたんですけど、これが一番大きくて、VRを使ったことがある人だったら分かると思うんですけど、
テレビとかだけだったら、視聴覚という点では一緒なんだけども、触覚の感覚とかも同時に刺激する。
何かコントローラーを持ったりとか、そのVR空間で何かに触れたりとか、ジャンプしたりとか、いろんな操作があると思うんですが、
そういう身体感覚みたいなものも同時に刺激するために注意を逸らす効果が非常に大きいのではないかというふうに説明がなされています。
あとは没入感ですね。没入感も高いので、今治療しないといけないという現実から少し離れた現実に移動しているような感覚になり得るために苦痛を感じにくくなるというふうな説明も納得感があるなと思います。
あとは自己制御感というキーワードも出ていて、これも結構重要だなと思うんですけど、
VRではさっきも言ったように、自分が動くと環境が変わるとか、自分が物を持つと実際に物を持てるとか、何かアクションを起こすことができるんですよね。
自分でアバターとかを操作できているという、そのアバターと自分が重なっているということも感覚としてはあるとは思うんですけど、
いずれにせよ、自分で操作ができるという感覚が抑鬱とか不安の軽減に効果的であるのではないかというふうに解釈がなされている研究もあるということで、これもすごく重要なことだなと思います。
病気を持っていたりとか、怪我をしている人とかが自分の体が思うように動かせないとか、もっと健康的に毎日を過ごしたいのに病を吸って病気になっていないといけないみたいな、そういう感覚から解き放たれるというか、
VRの中で自分の体はコントロールできるんだという感覚を持つということで、不安とか抑鬱とか軽減というのは確かに想像できるなというふうに思って読んでいました。
いかがだったでしょうか。
これからまだまだ研究されていく領域だと思いますし、VRの利用しやすさとか値段とかも含めて利用しやすさとか、そもそも映像のクオリティとかインタラクションのクオリティとかも上がっていっていると思うので、
もともとはVRのヘッドマウントディスプレイがすごく重いみたいな、わりと物理的な衝撃とかもあったわけなんですけど、これがどんどん軽くなっていったりとかね、あるわけなので、今後期待できる領域なのかなというふうに思います。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。今日も良い一日にしていきましょう。
じゅんぺいでした。心込めて。
13:30

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