1. ”心理学に触れる” 一日一語
  2. #770【AI恐怖】AIへの態度は複..
2025-09-21 17:58

#770【AI恐怖】AIへの態度は複雑であいまい (Hitsuwari & Takano, 2025)

spotify apple_podcasts

【本日の一語】
AI恐怖:人工知能を制御不能で脅威的な存在と感じ、不安や懸念を抱く心理的態度

【本日の論文】
Hitsuwari, J., & Takano, R. (2025). Associating attitudes towards AI and ambiguity: The distinction of acceptance and fear of AI. Acta Psychologica, 260, 105581. https://doi.org/10.1016/j.actpsy.2025.105581

【研究サポーター募集中!】
https://academist-cf.com/fanclubs/358

サマリー

このエピソードでは、AI恐怖という心理的態度が紹介され、AIへの態度を測るATAI尺度の開発について話されています。また、AIの需要とAI恐怖の関係が複雑であり、曖昧さへの態度との関連も考察されています。AIへの態度は複雑であり、恐怖と需要が同時に存在しています。この研究では、AIに対する感情を二次元で測る尺度が開発され、今後の研究への応用が期待されています。

AI恐怖の定義
おはようございます。心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語のお時間です。
この番組では、心理学に関するキーワードを一つ取り上げて、それと関連した最新論文をあわせて紹介しています。
今日の一語は、AI恐怖です。自分の論文を紹介したいと思っております。
本題に入る前にお知らせをさせてください。
今日の16時から生放送をしたいと思います。
ボイシーでやりますので、ボイシー以外でお聞きの皆さんは、ぜひ休みに来ていただけると嬉しいなと思っております。
3週間日本に一時帰国をしていたんですが、そのことを話したりとか、ドイツでこれからのこととか話していきたいと思っています。
ぜひよろしくお願いします。
他何かあったかな?そんなところかなと思います。
今日の一語を紹介していきます。
AI恐怖という言葉ですね。
これはそのままなんですけども、AIを制御不能で脅威的な存在と感じ、不安や懸念を抱く心理的態度のことを指しています。
ATAI尺度の開発
自分と高野さんという先輩が2人で書いた論文がちょうど昨日オンラインで公開されたので、それについてお話をしてみたいと思います。
もともとは高野さんからお声掛けをいただいて、すごく早かったですね。
今年に入ってからじゃないかな?1月の中旬ぐらいにお声掛けをいただいて、あれやこれやと話が進んで、2月中にはデータを取って、
2月に取って、すぐに書き上げるということをして今に至ります。
何をしたかったかというと、まずはAIへの態度を図る心理尺度が日本語ではあまりなかったというのが背景にあります。
海外では本当にたくさん作られていて、有名なものだけでも5個とかヘロン文でも上げたんですけど、
日本語に翻訳されているものってあまりなくて、それを作ろうというところがありました。
この尺度、ATAIというふうに言うんですけど、Attitude Toward AIという頭文字を取ってATAIという尺度が、
たったの5問でAIへの態度を測れるというので、結構便利そうだなというふうに思ってこの尺度になっています。
せっかくなんで5個言ってみますかね。
ちょっと待ってくださいね。本文を開くのを忘れていたんですが、
これちなみに誰でも読めるオープンアクセスの論文ですので、よかったら概要欄から飛んでみてください。
5問なので読んでみますね。
自分にどれくらい当てはまるかということを、ゼロが全く当てはまらない、10点がめちゃくちゃ当てはまるみたいな11ポイントのスケールになっています。
1つ目が人工知能を恐れている。
AIを恐れている。
2つ目、AIは人類を滅ぼすと思う。
3つ目、AIによって多くの仕事が失われると思う。
ここまでがAI恐怖の話ですね。
今日の1号に挙げたAI恐怖の尺度。
あと2つが、AIを信用していると、
AIは人類に恩恵をもたらすと思うという2つになっています。
どれくらい当てはまるでしょうか。
2つの因子というのが、まずは最初のAI恐怖というところと、2つ目がAI需要という階因子になっております。
この研究、先行研究とこのあたりは同じような構造の尺度が得られたわけなんですけど、
面白いなと思うのは、
AI恐怖とAI需要が必ずしも真逆の概念ではないということです。
すごく単純に考えると、
AIに恐怖をしている人はAIを需要しないのではないかというようなこととか、
また逆もしっかりですね、
AIに恐怖を感じていない人がAIを需要しているんじゃないかという考えられるんですけど、
今回の結果はそういう単純な逆の関係、もちろん関連はしてるんですよ。
関連はしてるんですけど、単純な関連ではなくて、
もう少し複雑な次元を持っているだろうということがわかります。
言い換えると、
AIに恐怖を感じている、
AI恐怖があるんだけども、
AIを使っているという人もいるだろうと。
逆に言うと、
AIに恐怖を感じていないけども、
AIを使っていない、需要していないという人もいるかもしれません。
そういった関連性というか、
そういう態度も測れるような、
たた5問のシンプルな尺度なんですけど、
AI需要と曖昧さへの態度
有用な尺度が先行研究ベースで作られたんじゃないのかなというふうに思っています。
これがまず1つ重要な尺度を開発するという意図がありました。
あと2つぐらい言えたらと思うんですけど、
2つ目としては、
ChatGPTとか、
何聞いたかな、Siriとかも聞いたかな、
AIを実装しているサービスの利用度みたいなことを聞きました。
これも多分数値があった方がわかりやすいと思うんですけど、
例えば、ChatGPTがわかりやすいですかね。
ChatGPTで言うと、
参加者はだいたい550人ぐらい参加したんですけど、
その中で使っている人が62%、
347人。
使っていない人が207人、
37.4%ということでした。
これね、ChatGPTがやっぱり多いんですが、
Geminiになると使っている人が27%、
使っていない人が73%みたいな感じで、
だいぶChatGPTと差があるなっていうこととか、
Siriとかで言うと55%の人が使っていて、
45%が使っていないみたいなところがあります。
これは参考までに聞いてください。
っていうのも、
オンラインでクラウドソーシングのプラットフォームで
アンケートに答えた人たちなので、
ある程度インターネットをよく使っている
サンプルの方たちだというふうに思いますので、
参考程度に聞いていただきたいんですけど、
面白いのが、
AI需要、
さっき2つの因子があるって言ったじゃないですか。
AI需要の方はある程度これと関連している。
というのも、
例えばChatGPTで言うと、
ChatGPTを使っている人が
AI需要が高くて、
使っていない人がAI需要が低いとか、
Geminiも同じ感じですね。
需要が高い人という、
ちょっと逆か。
Geminiを使っている人が
AI需要が高いとかっていう差が出ているというのも、
とても興味深い結果だなと思うし、
一方で恐怖の方を見てみると、
ChatGPTの話で言うと、
ChatGPTを使っている人と使っていない人で、
AIへの恐怖は特に変わりがないというのが、
とても面白い結果だなと思います。
使っていたら、
自分もよく分かるんですけど、
使っていても恐怖が減るというか、
ある程度の恐れみたいなのがあるなというのは、
結構自分はヘビーユーザーだと思うんですけど、
そういう感覚もあるというので、
自分の経験と一致しているなというふうにも思っています。
最後もう一個興味深い結果が、
論文のタイトルとも関連しているんですけど、
曖昧さへの態度というものとの関連を調べています。
曖昧さへの態度は、
自分がこれまでずっと研究してきた心理尺度なんですけど、
今回これも聞いていて、
ちょっとややこしいので、
分かりやすく伝えれたらと思うんですが、
曖昧さへの態度も三つの概念に分かれています。
曖昧さへの不快感、絶対主義、
あとは複雑性とか、
複雑性や新規性を求める態度という、
三つに分けられているんですけど、
曖昧さへの不快感が高い人は、
AIへの恐怖が高いという結果が一つ出ている。
複雑性とか新規性を楽しむ人というのは、
AIをより需要するという結果が出ている。
この辺りまでは分かるんですけど、
面白いのは絶対主義のところですね。
絶対主義が高い人というのは、
AIへの恐怖も高ければ、
AIへの需要も高いというような結果が、
一番注目ポイントかなというふうに思っています。
これは絶対主義というのは、
白黒はっきりつけたいような態度ですね。
何事も答えがあって、
AIへの態度の複雑さ
白か黒かと言ってもいいですけど、
という態度を取る人というのは、
AIを需要する可能性も高ければ、
AIへ恐怖を感じる可能性も高いというような、
そういった関係性になっていて、
ずっと言っていた、両立するよねと。
これは真逆の概念ではなくて、
二次元の両立し得る概念であるというところを、
絶対主義という傾向がうまく反映しているのかなと、
いうふうに思っていて、
今回研究の中核に進めながらやってきたというところがあり、
なかなか説明が難しいんですけども、
もしよかったら論文を読んでいただいて、
図が一つしかないんですけど、
絶対主義とAIへの態度の関連性を、
わかりやすく図示したようなものをつけていますので、
よかったらそちらを見ていただければ、
そういうことを言っていたんだなというのが、
もう少しわかっていただけるんじゃないのかなと思います。
なかなか図を説明するのが難しいなと改めて感じています。
これちょっとコミット話しすぎたかな。
今回論文を書いてあるということと、
AIへの態度を二次元で測りたいですということだけ、
とりあえず覚えていただけたらと思いますし、
今日の一語はAI恐怖ですね。
AIへの恐怖を測ることができる。
そして、需要の方もありましたが、
その需要と恐怖というのが両立するということを
覚えていただけるとうれしいなというふうに思います。
今後の研究の展望
今回は尺度の開発をしたので、
今後この尺度を使って、
いろんな研究に発展させていただきたいなと思うし、
研究者の方にはぜひこの尺度を使っていただきたいなというふうに思っております。
どんどん変わっていくと思うんですよね。
AIへの態度。
今は恐怖を感じている人も感じなくなっていくかもしれないし、
もしかしたらもっと感じるようになるかもしれない。
需要の方も同じですね。
その需要というのがAIサービス、
AIに関連したサービスを使うかどうかということと
強く関連するということなので、
その需要の変化というのも捉えていく必要があるかなというふうに思ったりはします。
どうですかね。
曖昧さとの関連でいうと、やっぱりAIというとても曖昧なもの。
どうなっていくか分からないという、
どっちに進むか分からないという意味でも
曖昧さがすごくあるなと思うので、
その曖昧さってなくなることはないかなということを考えると、
恐怖というのは少なからず付きまとうものなのかなというふうにも思っていて、
そうしたりの奇跡みたいなものも捉えられたら面白いなというふうには感じていたりします。
ちょっと長くなりましたが、
そんな研究もしておりましたので、
このように報告できてとても嬉しいなと思っております。
引き続き研究の進捗を楽しみにしていただければと思います。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
一日にしていきましょう。
じんぺいでした。心を込めて。
雑談をしたいと思うんですが、
昨日は本当にゆっくりしましたね。
ゆっくりしたね。
本当に怒涛の3週間で、
飛行機もね、やっぱり大変ですよ。
ロングフライトで。
変わりとしてはなんですが、来てからはゆっくり休んでました。
ドラマを見切りましたね。
見切ったどころじゃないぐらい見ましたね。
見てる人も多いと思うんですけど、
アンナチュラルっていうドラマと、
あとはミュー404か。
ミューの方はね、まだ見切ってないんですけど、
半分ぐらいは見たかな。
名前を間違えると良くないので、
調べますね。ちょっと待ってくださいね。
チームが似てるわけですよ。
のぎさんですよ。のぎがきこさんが脚本で、
塚原さんが演出。
プロデューサーが新井さんか。
っていう作品を見てましたね。
内容はいいです。めちゃくちゃ面白かったということだけでいいかなと。
1日でドラマを見切るのは久しぶりですね。
時差ボケというか、時差があって、
こっちに帰ってきたのが金曜日の朝1ですね。
5時ぐらいにヘルシンキに着いて、そこからまた飛んで、
ドイツ時間8時ぐらいにハンブルクに着いてて、
そこから1日過ごして、夜の7時とかにはめちゃくちゃ疲れてて眠くなってて、
そこで寝たので、1日である程度リズムはできたかなと思うんですけど、
した後に5時ぐらいに起きたんですよ。
5時ぐらいに起きて、そこからひたすらにドラマを見て
過ごしたという感じですね。
ドラマを見ながら、学会で会った人たちにたくさん名刺があったんですよ。
名刺の山があって、その学会でお世話になった人たちにお礼のメールをするという、
一応そういう作業をしてたんですけど、基本はゆっくりしてましたね。
ミュウはまた今日、これ日曜日に流れてると思うんですけど、
日曜日中には見切ると思います。
この2日で体調整しながら、何度か咳き込んだリスターでも聞こえてたかと思うんですけど、
喉の調子とかはそんなに良くないというのもありまして、
回復して月曜日から研究もがっつり頑張っていきたいなと思っております。
大学にも行って、ポスト科同僚に久しぶりに顔出したり、
日本のお土産を出したりとかしたいなと思ってます。
めちゃくちゃ楽しみです。
今日の生放送がありますので、ぜひそちら遊びに来てください。
繰り返しになりますが、待ってます。
17:58

コメント

スクロール