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2025-04-21 11:16

#15 人間の自己一致力を信じよう「自己概念」「クライエント中心療法」(⑤臨床心理学)

ロジャーズの「自己概念」「クライエント中心療法」(大分類⑤臨床心理学)について、自己理解を深める視点から紹介します。


(参考書籍)

齊藤勇 監修・田中正人 編著『図解 心理学用語大全』(誠文堂新光社、2020)


【大分類】①心理学の誕生 ②行動主義 ③ゲシュタルト心理学 ④精神分析 ⑤臨床心理学 ⑥認知心理学 ⑦発達心理学 ⑧人間関係の心理学 ⑨社会心理学 ⑩性格の心理学


(配信者紹介)

兵庫県出身、京都府在住。一児の父。ひふみコーチ株式会社認定 プロフェッショナルコーチ。大学卒業後に大手ビール会社へ入社、現在はクラフトビールを始めとした酒類全般の営業に加え、2023年より自己理解コーチとして活動開始。プロコーチとしては通算100名以上のクライアントに対して、累計500時間以上の有料セッションを提供。複業家の友人との共同Podcast『パラレルワーカーの本音』も配信中。ストレングスファインダー®の1位は最上志向。自己理解コーチとしての自己紹介やnote・Instagram等のSNSについてはこちら


(番組紹介)

このPodcastは、「個性のウラオモテを認めて味わう人を増やす」ために、株式会社ジコリカイで“自己理解コーチ”として活動する配信者が、自身やクライアントの「自己理解」を深めるべく探究し始めた「心理学」をテーマにお話しする番組です。テーマに興味のある方や同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば嬉しいです。毎月ひと桁目に1がつく日の朝に配信、月末はゲストをお迎えして心理学に関する雑談をお送りしています。「自己理解プログラム」に興味をお持ちの方はこちら


※株式会社ジコリカイが運営する番組ではございません

サマリー

このエピソードでは、ロジャーズが自己概念とクライエント中心療法の重要性について論じています。自己一致力やクライアントとの関係性を深めることで、心的ストレスの原因となる自己概念と体験の不一致を解消する方法を探求しています。また、クライエント中心療法におけるカウンセラーの自己認知の重要性や、自己概念と実際の体験の一致についても言及されています。エンカウンターグループの概念は自己理解を深める手段として紹介され、役割や目的を持たない中での自由な対話が強調されています。

心理学ラジオの紹介
ようこそ、自己理解を深める心理学ラジオへ。このポッドキャストは、個性の裏表を認めて味わう人を増やすために、株式会社自己理解で自己理解コーチとして活動する配信者が、自身やクライアントの自己理解を深めるべく探求し始めた心理学をテーマにお話をする番組です。
心理学というテーマに興味のある方や、同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば幸いです。
はい、今日も聞いていただいてありがとうございます。今日はですね、人間の自己一致力を信じようということで、ロジャーズさんという方が提唱された自己概念だったりクライエント中心療法というテーマを扱っていきます。
引き続き、参考図書は図解心理学用語大全から、今回も5番の臨床心理学についてのテーマとなります。
ロジャーズさんという方ですね、アメリカの心理学者さんなんですけども、コーチングだったり、カウンセリングなどの対人支援をされている方だったら、一度は本とかで名前を聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
ロジャーズさんは1902年から1987年まで活動された方なんですけども、カウンセリングにおける非支持的療法やクライエント中心療法を創始したアメリカの心理学者さんです。
このクライエント中心において、カウンセリングだったり対人支援を進めていくという発想が、今のコーチング含めた対人支援にものすごく影響を与えているなというふうに私も思っていて、
今日はそんなロジャーズさんが前提としていた概念とかスタンスみたいなところにも迫っていけたらなというふうに思っています。
まずですね、自己一致ってタイトルでつけたんですけども、自己一致している状態ってどんな状態だと皆さん思いますか。
この自己一致っていうのは参考書席に直接載っていることではないんですが、自分自身や相手との間に感じていることが一致している状態、
イコール自己概念、理想の自分って言ってもいいかもしれませんが、その理想と実際に起きている物事だったり、実際に行動している自分、これは現実的自己と言ってもいいですよね。
この理想と現実が一致をしているっていうのが自己一致の状態であるとちまたでは言われてますし、私も違和感がない解釈かなと思います。
そんな中で自己概念って何なのかというと、ロジャーズさんによると個人が考える自分自身のイメージのことが自己概念です。
例えば、人は誰しも私はシャイだとか、私はオーラかだっていう、自分はこういう人間だっていう概念、イメージを持っていると思うんですけども、それが自己概念です。
ストレスを感じる時っていうのがどういう時かというと、自己概念と体験が不一致になってしまっている時がストレスの原因だというふうにロジャーズさんは考えたんですね。
例えばで言うと、私は勇敢だっていう自己概念、イメージを持っている人が、実際の体験として何か恐怖を感じて怖いっていうふうにその本人が思ったとしますよね。
そうすると、僕は勇敢なはずなのになぜ怖いって感じるんだ。これはおかしいぞというふうにギャップが生まれてストレスが発生する。
もう一つの例を挙げると、私は謙虚だっていう自己概念、イメージを持っている方が実際の体験としていろいろなものを目の前にして、あれも欲しい、これも欲しいって言っていろいろ爆買いしてしまって、
あれ私は謙虚なはずなのに何か欲望がすごく強くて、なぜこんなに欲しいと感じてしまうのかおかしいなっていうふうになって体験が一致しないからストレスになるということを考えたんですね。
逆に自己概念と体験が一致しているほど心のストレスは少ないとロジャーズさんは考えました。
クライエント中心療法の要素
これって我々自己理解プログラムというサービスを通して皆さんの自己理解を促してますけれども、深い自己理解ができていない状態だと自己概念と体験の不一致というのがよく起こる気がするんですけれども、
いいところも悪いところも裏も表も含めて自分のことを理解すると、あんまりこの自己不一致が起きてくることって少なくなってくるように私自身は感じています。
そして人間にはこの自己一致する力があるということを信じたのもまたロジャーズさんだったんですね。そうしたところからクライアント中心療法という発想が生まれていますけれども、
改めてご説明するとロジャーズさんは心的ストレスの原因は自己概念と実際の体験の不一致にあると考えましたが、
人は常に成長する有機体なので、人には自己認知の歪みを直して自己実現をする機能があらかじめ備わっているというふうにロジャーズさんは主張しています。
クライアント中心療法というのはこの自己一致の力を信じてカウンセラーだったり対人支援者がクライアントに関わっていく。
クライアントが自分で問題を解決していくことの援助に専念する、そういった考え方で進められる療法です。
言葉を変えると非支持的療法、支持をしない療法というふうに呼ばれているんですね。
このクライアント中心療法に必要な要件が2つあって、1つが無条件の肯定的配慮、もう1つが共感的理解です。
それぞれどういうことかというと、前者の方はクライアントの状態や言動を無条件かつ肯定的に受け入れるということですね。
何をクライアントが言っていても、そうですよねとか、いいですねというふうに肯定的に受け入れること。
もう1つ後者、共感的理解はクライアントの主観を自分のことのように感じ取ることを共感的理解と言われます。
すごくわかりますなとおっしゃっていることを、私もすごく自分のことのように感じ取れますよというふうに共感を示す。
この2つが大切だというふうに言っています。
コーチングでもね、肯定的配慮とか共感というのはすごく大事なものだなというふうにコーチとして思っていて、
これがあるとなぜいいかというと、やっぱり無条件で受け入れてくれるので、何でも話していいんだって思いますし、
共感してくれるので単純に1人じゃないんだな、自分だけが孤独にそれを感じているわけじゃないんだなって思える。
この2つをクライアントとしては感じられるんじゃないかなと思います。
ロジャーズさんは詳しくカウンセラーの条件を挙げていて3つあります。
1つ目がカウンセラー自身に自己認知の歪みがないこと。
2つ目がカウンセラーはクライアントの言動や状態を無条件かつ肯定的に受け入れること。
3つ目がクライアントの主観を自分のことのように感じること。
まさに2つ目と3つ目が先ほどお話しした無条件の肯定的配慮と共感的理解。
そして1つ目、自己認知の歪みがないということが前提条件になっているんじゃないかなと思います。
どういうことかというとカウンセラー自身が自己認知の歪みがあると
あれ、カウンセラーは正しいものとして話を聞いていたりキャッチボールしていたんだけど
何か違うなと思って自分の発言には集中できなくなってしまったりするかもしれませんよね。
あとは自分自身が自己不一致の状態だったら
対人性って鏡のようなもんだなって思っていて
やっぱりそれが相手に伝染しちゃう、映ってしまうということがあるかなと思います。
カウンセラーの自己認知の重要性
なのでカウンセラーの条件の前段の1つ目として
カウンセラー自身に自己認知の歪みがないというのが掲げられているんじゃないかなと
これは個人的な発言ですけど思います。
クライアントはこういった条件を持ったカウンセラーを前にすることで
冷静に自分の心を眺めることができて
こんな自己概念と実際の体験の間に不一致があるんだ
だったら自己概念をどういうふうに変えたら体験と一致していくのかな
というふうに体験の方を受け入れて
自分ってそんなに実は強い人間じゃないかもしれないっていうふうに
自己概念が一致していくと
ギャップによるストレスがなくなっていくということかな
というふうにこの書籍を読んで思いました。
エンカウンターグループの概念
もう一つロジャーズさんが提唱されているのが
エンカウンターグループっていう概念なんですね。
これは対コーチとの一対一の壁打ちというよりも
何の目的も役割もない中で自由に本音が語り合えるグループ
のことをエンカウンターグループと呼んでいるんですが
この概念もすごく自己理解を深めていくことに
有効なんじゃないかなと思うので最後にご紹介させていただきます。
このポイントは自分の役割や行動の目的がないので
最初はこう戸惑う。何話していいのかなとか
どういうふうに振る舞っていいのかなというふうに戸惑うんですけども
かえってその目的の無さ、役割の無さが
自分って何者なのかっていうのを考えざるを得なくなる。
自分に矢印が向きやすくなるっていうことですね。
そういう効果があるので非日常的空間で目的も役割もない
状態を作るのが大事だということですね。
よく考えてみると日常の生活の中とかお仕事の中で
目的とか役割がない瞬間って本当に少ないですよね。
私でいうとビール業のお昼の仕事をしているときは
コンサルティング的な役割を持っているので
相談される、それに応えていくっていう役割がありますし
目的としては相談相手の仕事の成果を上げる
数字を上げるために関わっていくっていうのがありますし
自己理解コーチのお仕事でいうとこれも壁打ち相手になって
相手の自己理解を深めるって目的の下活動してますけども
そういう役割とか目的がない状態って
ものすごくある意味不自然な状況ですよね。
こんな何のテーマも用意されてない中で
自分の感じたことを本音で話し合う機会っていうのは
自己理解プログラムにおいては
オンラインイベントっていうものをやってるんですけども
役割も目的もなくて
ただただ一参加者として
ブレイクアウトした部屋の方と
ある程度のテーマ設定はありますけど
そんなに縛りなく役割もない
そんな中で話し合う場っていうのは
すごく自分に矢印を向けざるを得なくなるので
自己一致してない部分が明らかになりやすいとか
どうやったらそれを近づけていけるんだろう
ということが考えやすくなるんじゃないかなというふうに
改めて思いました。
じゃあ今日は人間の自己一致力を信じて
関わってくれるカウンセラーやコーチ
そのカウンセラーやコーチは
自分自身が自己一致まずしてる必要があったり
無条件の肯定的配慮だったり
共感的理解っていうのをできる状態にあると
クライアントは自分自身に矢印フォーカスが向いて
自己概念を体験に寄せていく
自己一致ができるんだよと
そんなお話でした。
本日はここまで聞いていただいてありがとうございました。
また次回の放送でお会いしましょう。さよなら。
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