ようこそ、自己理解を深める心理学ラジオへ。このポッドキャストは、個性の裏表を認めて味わう人を増やすために、株式会社自己理解で自己理解コーチとして活動する配信者が、自身やクライアントの自己理解を深めるべく探求し始めた心理学をテーマにお話をする番組です。
テーマに興味のある方や、同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じていらっしゃる方の参考になれば幸いです。
はい、今日も聞いていただいてありがとうございます。
今日のテーマはですね、引き続き3回ぐらいですかね、続いている記憶がテーマになっています。
大分類はこれも引き続きですが、参考図書、図解心理学、用語体前から6番目の認知心理学の分野でお話していきたいと思います。
今日のタイトルはですね、記憶が語るフィクションということで、これ何のタイトルからいただいているかというと、テッドトーク、皆さん見られたことある方いらっしゃいますかね。
最近だとYouTubeとかにもね、よく動画上がってますけども、なんとですね、11年前のテッドトークで、この虚偽記憶というものを提唱されたアメリカの認知心理学者のエリザベス・ロフタスさん。
1944年からご活用されていて、現在もご存命で80歳でいらっしゃるんですけども、彼女が11年前なんで60代の後半ですかね、の頃に出られたテッドの日本語のタイトルの名前をそのまま使わせていただいています。
このテッドトークで語られている事例を少しご紹介すると、冤罪をかけられてしまったタイタスさんという方の事例になります。
ある事件の容疑者の候補としてこのタイタスさんという方が上がって、写真を見せた時に似ている気がするみたいなことで目撃者がそのタイタスさんの写真を指差した。
後日警察に呼び出されて直接その顔を見ると、犯人ではないんだけどもその似ていた写真の人を犯人に間違いないと思い込んで、虚偽記憶が形成されてそのまま冤罪になってしまったということですね。
このタイタスさんはその冤罪を受けてかなりの時間を人生を棒に振ってしまったということだったり、そのストレスとか冤罪を挽回していくというか、そこに抗議していくための辛労みたいなところで30代で亡くなってしまわれたというそんな痛ましい事件があったんですけども、
このスピーカーのロフタスさんはこんなことを言っているんですね。記憶はWikipediaのようなもので自分や他人に簡単に書き換えられてしまう。そんなことを言っていたり、その記憶が根付いた後、長期に渡って行動に影響を与える。そんなことも言っていました。
あとはそのテントの中で記憶の植え付けみたいなことも話題にあったんですけども、ロフタスさんは虚偽記憶が形成されるという人間の特性を深く知っていくために実験されたんですね。実験の名前がショッピングモールの迷子という実験になります。
発端としてはロフタスさんが幼児期に親に虐待されたと訴える人の記憶の中に間違った記憶、虚偽記憶が含まれている可能性があると考えて、それを証明するために記憶が植え付けられてそれを思い込むということは果たしてあるのかということを実験するためにですね。
親から聞き取ったエピソードを子供に伝えるときに2つは正しいんだけども3つ目でショッピングモールで迷子になって助けてもらったみたいなそのエピソードを加えて子供にですね、ご自身に読んでもらったときに事実としてそのことを思い出したというそんな実験結果があります。
この実験ね倫理的に問題もあるんじゃないかっていうことを先回りしてロフタスさんはこんなことも言ってたんですけども、じゃあサンタクロースってどうなのと。
明らかにね子供のためこう思って間違った嘘を植え付けてそのまま幼少期過ごしている方が多いですよね。
記憶の嘘を植え付けるこれが正とされる場合も実際にあるんじゃないと。
もちろん悪用はダメだけどもこれは選択の問題であるっていうことをロフタスさんは言っていました。
こんなところは言えるのは記憶っていうのは簡単に書き換えができるし間違ったものを植え付けて事実だと思い込ませることは簡単だということなんですね。
もう一つ面白い事例があって車が衝突している映像を被験者に見せて質問者がですね問いをかけていくそのニュアンスを変えるだけで虚偽記憶が形成されると。
具体的には実際はガラスは割れていないんですけどもガラスは割れたのかという質問に対して割れたという答えるグループと割れてないって答えるグループに分かれてしまうと。
じゃあどんなふうに質問していったかというとAグループとしてはどのぐらいのスピードで2台の車が撃突しましたかというふうに聞く。
じゃあ65キロぐらいでぶつかりました。
じゃあその時ガラスは割れましたかってともう一度問うと割れました。こんなふうなやり取り。
もう一つのグループはどのぐらいのスピードで2台の車がぶつかりましたかって聞くんですね。
ちょっとさっきより柔らかい聞き方ですよね。撃突しましたかというのとぶつかりましたかという聞き方ですね。
後者のぶつかりましたかって聞いた方は50キロぐらいでぶつかったと思いますと。
その時にガラスは割れたと思いますかって割れていませんっていうふうに答えるんですね。
こんな質問のされ方みたいなところでも簡単に記憶は書き換わっていってしまうということなんですね。
人間の記憶ってすごく曖昧で間違ってることもあるんですよね。
またもう一つシャクターさんという方が提唱された記憶の7つの罪っていうそんなお話もしたいなと思います。
シャクターさんが提唱されたのはそもそも私たち人間は経験したことを正しく記憶するっていうことをあんな求めていないんだと。
なぜなら記憶があまりにも正確で細部まで覚えていたら情報量の多さに圧倒されて混乱に陥ってうまく生活ができないからですと。
なので私たちの記憶システムはうまく忘れるとか適当に覚えるみたいなことをやってしまってるんだということですね。
そんな適当な動きをする代表的な7つのエラーのパターンみたいなことを記憶の7つの罪という形で整理されました。
一つ目が物忘れです。
古い記憶は時間とともに曖昧になっていくことがあると。
3年前の忘年会ってどこでやったかなって。
そんなことを忘れてしまうっていうことが一つ目。
二つ目が不注意です。
何かに気を取られているとうっかりしてしまって忘れてしまうことがある。
これは例えば電車に乗ろうと急いでたらハンドバッグを駅のベンチに忘れてきちゃったみたいなことですね。
そして三つ目が妨害です。
他の記憶が妨害して喉元まで出ているのに思い出せないことがあるということは
例えばたくさんの人にお会いしている中で久しぶりに会った人に相手から久しぶりって言われて
誰だっけってなるようなことは
いろんな人の記憶がその人との記憶を邪魔しているわけですよね。
忘れるというパターンにもそんな3つの物忘れ不注意妨害というパターンがありました。
四つ目の記憶のエラーですけども混乱です。
これは情報そのものは正しくても情報の出どころを間違えることがあるということですね。
例えばあのお話はお父さんから聞いたんだって思い込んでるけど
実際はお母さんから教えてもらったストーリーだみたいなことですね。
そして五つ目、暗示です。
誘導尋問などによって暗示にかかってしまい記憶が作り変えられることがあるということですね。
こんな七個のシャクターさんが唱えた記憶の罪がありますけども
この辺りをですね自己理解につなげていくと
エロふたつさんのテッドトークの例でもありましたけども
冤罪みたいなことが生まれてくるぐらい
記憶っていうのは曖昧で間違っていることがあるということ
あとはシャクターさんの七つの罪でも言われるように
いろんな記憶の間違い方を人はするということを前提において
あくまで間違っているかもっていう前提で自己理解をしていく
もっと言うとあくまで自己理解っていうのは目的ではなくて手段なので
目的を達成するための行動のきっかけとして自己理解をして
その自己理解をもとに行動を起こしていくということに主眼を置いていくと
その自己理解が記憶のエラーだったり思い込みみたいなことで
間違っていたとしたらそれを上書きして
別のパターンで捉え直してまた新たな行動をやってみるという
そんなことがいいんじゃないかなと思います。
もう一つその自己理解をする中で
記憶はフィクションを語るんだっていう前提で
自己理解を深めていくとこれもしかしたら事実とつながらないから
嘘の記憶かもなとかエビデンスがちょっと不足しているから
これはちょっと書き換えられている記憶じゃないか
混乱しちゃってる記憶じゃないかみたいなことを感じ取れるかもしれない
というところももう一つのポイントかなというふうに思います。
どうでしょうかね。
これってなんか人の言葉よりも行動を信じようみたいなね
いろんな説がありますけども
そんなところにもつながってくるんじゃないでしょうかね
人の言葉っていうのはこのPodcastも言葉でお伝えしてますけども
どこまででも嘘がつけるし
その言葉の厳選になっている
自分の記憶とか考えみたいなことも
いくらでも書き換えたりねじ曲げたりすることができてしまうと
ですけども思考が言葉ではなくて
行動に出ていくときには
なかなか人って偽りようがなかったりということもありますんで
言葉だけじゃなくて記憶だけじゃなくて
行動も含めて自分とか他人を理解していくというと
こうしていくとリスクヘッジができるんじゃないかなというふうに思いました。
これを聞いて少しでも自己理解を深める参考にしていただけたらと思います。
今日はここまで聞いていただいてありがとうございました。
また次回の放送でお会いしましょう。さよなら。