ようこそ、自己理解を深める心理学ラジオへ。このポッドキャストは、個性の裏表を認めて味わう人を増やすために、株式会社自己理解で自己理解コーチとして活動する配信者が、自身やクライアントの自己理解を深めるべく探求し始めた心理学をテーマにお話をする番組です。
心理学というテーマに興味のある方や、同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば幸いです。
はい、今日も聞いていただいてありがとうございます。今回はですね、あなたが陥りやすい思考のエラーはということで、スキーマという言葉、および認知バイアスという概念、これらについて自己理解を深める観点からご紹介していきたいと思います。
直近の何回かは、記憶についてでしたけども、今回は少し似てるんですけども、違う思考というところの領域を扱っていきたいと思います。
まずね、このスキーマという言葉、なんか聞いたことがあるようでない言葉だと思うんですけども、フレデリック・チャールズ・バートレットさんというイギリスの1886年から1969年まで活躍された心理学者さんですけども、彼が提唱されました。
英語でね、スキーマを直訳すると、枠組みとか図式っていう意味なんですね。これを心理学の世界でどのように用いているかというと、経験に基づいて形成された信念や世界観という意味で使っています。
私自身がスキーマという言葉を初めて聞いたのが、実は大学時代マーケティングの授業で知りました。確か消費者行動論という講義の中だったと思うんですけども、スキーマ不一致っていうそんな理論があるんですね。
これどんな理論かというと、何かブランドとか商品サービスを目にしたときに、お客様の頭の中に形成されている何らかの認知があるわけですよね。例えばコカ・コーラだったら甘くて茶色いシュワシュワした飲み物だ、みたいなことですよね。
そういう認知から微妙に不一致、イコールずれていると逆に注意が引かれる、アテンションが高くなる。しかしずらしすぎると良くない、みたいなそんな理論としてスキーマ不一致ということを習った気がします。
ネットで調べてみるとこんな例が出てくるんです。緑のコーヒーは受け入れられるが、透明なコーラは受け入れられなかったという、そんなスキーマ不一致に関するマーケティングのケースも出てきたりします。
これどういうことかというと、緑色のコーヒーというのはギリギリこのスキーマが微妙にずれた、イコール不一致の中で収まってアテンションが高くなる範囲に入ったけれども、透明なコーラはちょっとずれすぎてですね、違和感の方が大きくなってしまってアテンションは高くならなかったという、そんな事例です。
参考図書心理学用語大全で紹介されているこのスキーマの実験の例としてはですね、情報を伝える過程で情報の単純化や合理化などの変化がこの人々のスキーマというものがあることによって発生したという、そんな実験結果でした。
例えば、伝言言語をしていくんですけども、最初の人が見た絵はエジプトの象形文字のフクロウの絵でした。ちょっと何者か分かりづらい、でもよく見たらフクロウみたいな、そんな絵なんですね。
これを1人目の人が書いて、その書いたものを2人目の人が見てまた書いて、そして3人目の人がその書いたものをさらに見て書いてってやっていくと、7人目ぐらいではですね、猫の絵に変化していったということがあるんですね。
最終的に馴染み深い猫の絵になっていったという結果が出ました。こんなことから、人間の記憶や認識は性格ではなく多分にスキーマに左右されているということをバートレットさんは唱えたわけです。
これなんで人間の記憶認識はスキーマに左右されてしまうのかというと、これ私の仮説ですけども、先ほどねマーケティングの概念としてご紹介したスキーマ不一致、この状態が気持ち悪いから一致させようとするということなんじゃなかろうかと思います。
自分の認識と目の前の見ているもの、これがどうも合わずによくわからないままだと気持ち悪いので、これの絵かということでよくわからない袋の絵を猫の絵というふうに捉えてみんな認識をして自分で描いていくんですね。
なのでどんどん猫の絵によっていった、このスキーマ不一致の状態からスキーマが一致するように寄せていっているという人間の無意識の作用なんではないかなというふうに思いました。
そんなスキーマという思考のエラーがありましたが、他にも人が陥りやすい思考のエラーを研究した人がいます。
代表的な方としてアメリカの心理学者のダニエル・カーネマンさんという方がいらっしゃいます。
法売行動の意思決定を理論化したプロスペクト理論などで知られて、ノーベル経済学賞を受賞された行動経済学者でもいらっしゃいます。
このカーネマンさんたちはですね、論理的に思える推論のほとんどは個人的な思い込みから生まれる、こういった思考のエラーを認知バイアスと呼びました。
バイアスってね、これも何か聞いたことあるようで意味の分からない言葉かと思うんですけども、偏りっていう日本語ですね。
なので直訳すると認知の偏りっていうことになります。
参考図書では13個の認知バイアスの例が挙げられているので、今日はせっかくなので一つ一つ紹介していきたいと思います。
自己理解につなげるとするならば、先ほどのスキーマ不一致とこれからご紹介する13個、どれがご自身が思考のエラーとして陥りやすいのか、ぜひ考えてみてください。
一つ目です。現状維持バイアス。変化によって得るものよりも失うものの方が大きいと考えてしまう。こんなバイアスがあります。
例えば紙を切ろうかな、でも紙切ったら失敗するかもしれないし、やっぱり切り肉でやめとこう、みたいなものですね。
本当はね、紙切ったことで良くなる可能性もあるけども、失うものの方が大きいって考えちゃってるわけですね。
二つ目、コンコルド効果。やめた方がいいと分かっていても、それまでのコストを惜しみ持続してしまうということですね。
例えば株を買ってる人がいたとして、ここで売っちゃったら今までの努力が水の泡にあってしまうから、まだもうちょっとやめずに持っとこう、みたいな。
ギャンブルとかも同じかもしれませんね。今ここで損切りしてやめた方がトータルとしてはいいんだけども、それまでかけた参加コスト、そのことを考えてやめられないっていうやつですね。
三つ目、バンドワゴン効果。多数の人が正しいと考えていることを正しいと判断してしまう。
例えば正解は本当はBなんだけども、正解はAだよってみんなが言っていたら、そうなんだ、正解はAかもしれないっていう風に流されてしまうっていう、そんな現象ですかね。
四番、好意者・観察者バイアス。他人の行動はその人の性格によるもので、自分の行動は状況によるものと考えてしまう。
例えば、人が花瓶を割ったら、あんたオッチョコチョイだからなっていう風に、その人の性格由来と考えてしまうんだけども、自分が花瓶を割っちゃったら、こんなとこに置いてあるのが悪いんだっていう状況によるものだと捉えてしまう。
都合のいい解釈をしてしまうというところですかね。
五つ目、自己奉仕バイアス。成功は自分の力量によるもので、失敗は環境のせいだと考えてしまう。
例えば、いい絵が描けた。僕は天才かもしれない。失敗したら、失敗した。こんな絵の具じゃ描けないよっていう、そんな感じですね。
成功したら自分の力量のおかげ、失敗したら環境のせいという、さっきの行為者観察者バイアスとちょっと似てますよね。
六番、跡地へバイアス。物事が起きた後、そうなることは初めから分かっていたと考えてしまう。
例えば、手を滑らせて花瓶を落としたときに、うわー、やっちゃった。予期してたことが起きてしまった。これ落とすと思ってたんだよなって、全く思ってなかったのに、後から思ってしまうということですね。
七個目、安価効果。先行する情報を基にして判断してしまうというものです。
例えば、食べ物が売ってたとして、いつもは1000円だけど今日は800円というふうに言われると、
いつもは1000円だけど800円だから200円安いな。うわ、安い。800円って安いなっていうふうに、それが本当にいつも安いのか分からないのに、
いつもは1000円だけどって言われた瞬間に安く感じてしまうという、そんなことですね。
8、ギャンブラーの語尾。何かの確率は過去の出来事によって変わると考えてしまう。
例えば、ルーレットね。赤と白が球を入れてパラパラって回ってどっちに止まるかみたいなギャンブルの場合、
前回赤だったから今回は黒だみたいなふうに考えてしまいがちだということですね。本当は50-50なのにってことですね。
9番、前後側因果の語尾。単なる前後関係を因果関係だと捉えてしまう。
例えば、いいことがありますようにっていう神頼みを神社にお祭り銭とか入れてパンパンってやったとして、
その直後に100円玉を見つけたら、これ神様にお願いしたからだみたいなふうに捉えてしまうということですね。
10番、フレーミング効果。内容は同じでも肯定的に表現されるか否かで印象が変わってしまう。
例えば、コップに半分しかないっていうことと、コップに水がまだ半分もあるって言われると、
なんか前者だと、あ、やばいやばいっていうことになりますけど、まだ半分もあるって後者の方に言われると、
なんかまだ余裕があるなっていう、そんな印象の違いを受けてしまう。
11番、正常性バイアス。異常事態を正常の範囲だと考えてしまう。
例えば、地震で周りの建物がグラグラグラって揺れているんだけども、
大丈夫大丈夫、このぐらいよくあることだって言って、正常の範囲だと捉えてしまう。
でも一歩間違ったらね、ビルが倒れてくるかもしれないけど、あんまり慌てないみたいなことですよね。
12番、昨後相関。倫我関係はないのにあると考えてしまう。
例えば、僕が旅行の計画を立てたら必ず雨が降るんだよね。
雨男、晴れ女、みたいな、そんな考え方がこれかもしれませんね。
そして最後13番、プロスペクト理論。利益を得られそうな場合はリスクを回避し、
損をしそうな場合は損失を回避しようとする。
例えば、僕とじゃんけんをして勝ったら200万円あげます。
負けたら0円です。
じゃんけんをしなかったら無条件で100万円あげます。
これ、人によってどっちを取るかが分かれるってことなんですね。
2パターンあって、勝ったら200万円、負けたら0円っていう方と、
じゃんけんなしで無条件で100万円っていう方。
さあどっち取りますかっていう時に、全く負債がない人は捉えしません。
でも負債が200万円ある人、これ勝ったら負債がチャラになるっていう状況の人は捉えします。
なぜなら捉えしないと100%の確率で100万円損失が残ってしまうからという風に考えるんですね。
100万円もらえるにもかかわらずですね。
これ面白いですよね。
一見これ気づかないかもしれないですけど、期待値は100万円ということで一緒なんですけど、
それが無条件かどうかっていうところですよね。
状況によってこの人の判断っていうのは変わるんだっていう、そんなバイアスですよね。
今ご紹介した1から13番、プラスその前にご紹介したスキーマフィッチ、どうでしょうね。
どれが皆さん落ち入りやすいと思いましたか。
私はね、後遺者観察者バイアス及び前後側因果の語尾、どちらも状況を自分にとって都合の良い方に捉えてしまうと。
後遺者観察者バイアスだと、花瓶が割れた、自分が花瓶割っちゃったらこんなところに置いてあるのが悪いんだとか、
なんか100円見つけたら、さっきなんか自分が良いことしたからだとかお祈りしたからだみたいな風に、