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2025-03-21 18:00

#11 人類に共通する無意識のパターンとは「集合的無意識」「元型」(④精神分析)

ユングの「集合的無意識」「元型」(大分類④精神分析)について、自己理解を深める視点から紹介します。


(参考書籍)

齊藤勇 監修・田中正人 編著『図解 心理学用語大全』(誠文堂新光社、2020)


【大分類】①心理学の誕生 ②行動主義 ③ゲシュタルト心理学 ④精神分析 ⑤臨床心理学 ⑥認知心理学 ⑦発達心理学 ⑧人間関係の心理学 ⑨社会心理学 ⑩性格の心理学


(特別参考書籍)

山根久美子『ユング心理学入門』(日本実業出版社、2023)


(配信者紹介)

兵庫県出身、京都府在住。一児の父。ひふみコーチ株式会社認定 プロフェッショナルコーチ。大学卒業後に大手ビール会社へ入社、現在はクラフトビールを始めとした酒類全般の営業に加え、2023年より自己理解コーチとして活動開始。プロコーチとしては通算100名以上のクライアントに対して、累計500時間以上の有料セッションを提供。複業家の友人との共同Podcast『パラレルワーカーの本音』も配信中。ストレングスファインダー®の1位は最上志向。自己理解コーチとしての自己紹介やnote・Instagram等のSNSについてはこちら


(番組詳細)

このPodcastは、「個性のウラオモテを認めて味わう人を増やす」ために、株式会社ジコリカイで“自己理解コーチ”として活動する配信者が、自身やクライアントの「自己理解」を深めるべく探究し始めた「心理学」をテーマにお話しする番組です。毎月ひと桁目に1がつく日の朝に配信、月末はゲストをお迎えして心理学に関する雑談をお送りします。テーマに興味のある方や同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば嬉しいです。「自己理解プログラム」に興味をお持ちの方はこちら


※株式会社ジコリカイが運営する番組ではございません

サマリー

このエピソードでは、ユングが提唱した集合的無意識や原型について詳しく探求し、個人や文化を超えた共通の無意識の概念が検討されています。ユングが夢分析を通じて集合的無意識にアクセスし、無意識の中に存在する様々な原型を明らかにする方法が紹介されています。また、シャドウ、セルフ、ペルソナなどの概念が取り上げられ、自己理解を深める重要性が強調されます。

ユングの提唱する無意識
ようこそ、自己理解を深める心理学ラジオへ。このポッドキャストは、株式会社自己理解で自己理解コーチとして活動する配信者が、自身やクライアントの自己理解を深めるために探求し始めた心理学をテーマにお話をする番組です。
毎月一桁目に1がつく日の朝に配信してまして、月末はゲストを迎えして心理学に関する雑談をお送りしています。
テーマに興味のある方や、同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば幸いです。
はい、今日も聞いていただいてありがとうございます。
今日のテーマはですね、ゲスト回は除いてですね、前回前々回のフロイトさんをご紹介したこの無意識というテーマを引き続き扱っていきたいなというふうに思います。
参考書籍のですね、図解心理学用語大全のカテゴリーで言うと、4番精神分析という大分類を継続していきたいと思います。
今回取り上げるのはですね、ユングさんといって、フロイトさんのお弟子さんをされていた時期もある心理学者の方を取り上げていきたいと思います。
ユングさんはですね、正式なお名前をカール・ユングさんといいまして、1875年スイスでお生まれになって1961年まで活躍された方ですね。
一時期はフロイトさんと共同研究も行っていたんですけども、意見の違いもあって決別されて、そうして分析心理学という心理学を創始されたんですけども、
フロイトさんと同じ意識、無意識についてユングさんなりの取り扱い方で見ていったという形の方ですね。
今日のテーマは集合的無意識という考え方と原型というテーマになります。
この2つは繋がっていて、集合的無意識の表現のされ方として原型という手段をユングさんは思いつかれたという形ですね。
集合的無意識って何ぞやというところからお話していくと、意味としては人の心の最深部、最も深いところにある人類共通の無意識のことを集合的無意識と言っています。
対義語となるのが個人的無意識。個人的な感情や記憶が貯蔵されている無意識なんですけども、フロイトさんの考えではこの個人的無意識の範疇でしか基本は精神分析を行っていなかったんですけども、
ユングさんはこの個人的無意識のさらに奥底に個人や文化を超えた人類共通の記憶みたいなものがあるんじゃないか、ある意味普遍的な概念があるんではないかというふうな考え方にたどり着かれたんですね。
これは特別参考書籍として概要欄にも掲載させてもらっている山根久美子さんという方のユング心理学入門という書籍。
この書籍によるとユングさんは心理臨床の実践においてセラピストとクライアント双方の個性を大切にされていたということだったり、クライアントを癒す根幹はセラピスト自身の個性にあるのであって、
決して治療法とか理論だけでクライアントが癒されているということではないということをユングさんが言っていたというそんな記述があるんですね。
この山根さんはスイスのユング研究所というところまで実際に学びに行かれて、ユングさんについて、あとはユングさんの提唱された考え方について深く学ばれた方なんですけれども、その方の書籍でそういったことが取り上げられています。
ここから言えるのが、これは私の解釈ですけれども、すごく人の個性ということを大切にされて、たくさんのクライアントの個性と向き合ってきたからこそ、何か個性の奥にある大きな存在、普遍的な存在というものに気づけたんじゃないかなというふうに思います。
すごいですよね、この個は個であるというところに留まらず、何かこの個の発生源になっている共通のものがあるんじゃないか、タイプ論もそういった考え方だと思うんですけれども、個を抽象化して見ているという、そんなものの見方をされたのがユングさんだったのかなというふうに思います。
集合的無意識と原型のつながりみたいなところなんですけれども、現実を生きている主体の自我の心の底には個人的な無意識がまずあります。こういったものは夢で現れていくので、ユングさんは夢分析という形で扱っています。
原型の紹介
ユングさんの夢分析は個人的無意識に留まらず、その奥にある集合的無意識にアクセスしていって、この集合的無意識の現れ方のパターンを原型ということで表しています。
具体的にはこの原型って9種類ぐらい、この参考書籍、図解心理学用語大全では紹介されています。
この原型ですね、集合的無意識の中にある様々なイメージのことなんですけれども、これを一つ一つ紹介していきたいなというふうに思います。
自己理解を深めるという観点ではですね、ご自身がどんな原型を心の無意識の中に持っていそうかなとか、夢を見る方であれば何か出てきやすいモチーフとかあるかなだったり、
僕はあんまり夢を見ないんですけれども、僕のように夢をあんまり見ないよとか覚えてないよという方は、なんか無意識が影響を受けてそうな、自分にとってちょっと大事というか特別な影響の強そうな象徴でどんな象徴なのかなということを意識しながら聞いていただくと、
自己理解深まるんじゃないかなと思いますので、試してみてください。
じゃあ、9つ簡単に紹介していきたいと思います。
1つ目がですね、Great Motherです。
Great Motherは名前の通り偉大な母っていうんですかね。
全ての人類の無意識の中にある母なるものになります。
優しさと包容力を必ず備えているんですけれども、一方で束縛もする人物として意識化されるということで、イメージで言うと、聖なる母、聖母とか偶像とか海、こういったイメージが夢では現れやすいという形になります。
そうですよね、これって私の息子も今4歳ですけれども、そんな息子にとっての母親、妻のようなそんなイメージなのかなというふうに感じました。
息子にとって母親ってすごく絶対的な存在で、むちゃくちゃ大きな無償の愛を与えてくれるんだけども、一方で母親の起源を損ねたりするとか、母親の言ってることっていうのは、とか起源っていうのは絶対で、そこに無意識に従っているとか影響を受けまくっているみたいな、ほぼほぼ一心同体のようなそんな存在ですから、
自分とある意味区別がつかないぐらい影響の強い、大きく温かい存在と、時には束縛っていうか、影響を強く与えてくることもある主体という、そんな存在かなというふうに思いますね。
2つ目がアニマです。
アニマは男性の無意識の中にある女性像のことです。
3つ目がアニムスといって、これは逆に女性の無意識の中にある男性像のことですね。
アニマとアニムスは対になっていて、自分の中で異性的な部分を象徴しているということみたいですね。
アニマの方は女性像で、ヴィーナスとか賢女、賢い女性とか娼婦、性的な女性ですよね。
こういった象徴として出てくる。
アニムスは男性像なので、学者とかたくましい男性とかリーダーみたいな現れ方で、夢では出てくるということみたいです。
続いて4つ目、老賢人、オールドワイズマンとも書いてますけれども、
全ての人類の無意識の中にある理想の父親像、倫理、権威、秩序の象徴でもあるということですね。
夢での現れ方としては、親切な老人だったり、太陽とか稲妻、父親上司、魔法使いみたいな現れ方で出てくるようです。
これ、グレートマザーと対になってくれるような存在かもしれませんが、
現れやすいシーンというのは、心理的課題に取り組んだ後に、成長を感じている時なんかに現れる、導き手みたいな存在だそうです。
自我が現実と向き合ってSとか超自我の突き上げとか欲動とか欲圧に耐えながらバランスをとって現実を生きているんですけれども、
そんな自我がこれちょっと成長しないとだとか乗り越えないとだというふうに思って、
現実世界で我々何かしら努力をする、心理的なところで努力をして、
無意識と元型の理解
何か人から向けたり成長したなという時に現れてきやすい導き手みたいな存在象徴だそうです。
5つ目がシャドウ、影ですね。
これは自分の無意識の中にあるもう一つの自分、悪いイメージとかネガティブなイメージとなって意識化されることが多いそうです。
ただしネガティブな現れ方するんだけども、これを否定してしまうと自分自身というか潜在的な可能性の否定にもつながってしまうため注意が必要ということで、
これは自分が知りたくなかった自分とか知らない自分とか、こういう自分を生きたいのになと思っているけど生きられていない、
自分が体現していない影の部分というか光と影でいうと、光は見えているけどもその裏に必ず影があるという、そんな存在だというところですね。
夢での現れ方でいうと、同性の友人とか知人みたいなところとか、おばけ、悪魔、あとは喋る動物、こんな形で出てくるのがこのシャドウ、影ということですね。
同性の友人、知人だったり、おばけとか悪魔、喋る動物がどういう振る舞いをしているのかというのが、本来生きたかった自分であったり、まだ知らない自分の一面であったり、知りたくなかった部分みたいな、そんなふうに解釈していくと良さそうというところですね。
次がですね、セルフ事故というものです。これちょっと抽象的でわかりづらい部分があるんですけども、完全な自分像とか真の自分像とか、調和した自分の理想の姿みたいなところで、夢の中のイメージとしては神とか光とか美しいマンダラ模様とか十字架の模様みたいな、ちょっと幾何学的な模様で出てくるということがあるみたいです。
さっきね、シャドウのところでも言いましたけど、自我、現実を生きている主体が現実世界にはいるわけですけども、無意識の中で自我が経験してきたこととか過去が繋がっていって、こういう調和した姿が本来の自分じゃないかみたいなふうに、自分の中で繋がっている感覚があると、こういう目を見がちというか、神とか光とかマンダラ十字架の美しい模様で、
その心の中の調和、無意識の中で現実と調和して、こういうことだったんだ自分はみたいな、そんな発見が得られるような感覚があるみたいですね。
なかなか私も夢を普段見ないので、起きたときにそういう感覚を味わったことはないんですけども、こういった原型をお持ちの方もいらっしゃるというところですね。
あとは7つ目はペルソナです。ペルソナって仮面っていう意味なんですけども、無意識の中にある社会に適応するための人格、場面に応じて使い分けている仮面というところですね。
これはわかりやすくて、どうしても現実生きていると社会で求められる役割を演じている部分、本来の自分とは違うんだけどなぁみたいな、そんな外向けの顔って誰しもあると思うんですけども、そこが無意識に出てくるようになることもある。
それだけ抑圧しているというかね、演じているということをある意味抑圧をして普段生きていると、無意識の中にぽっとそういう仮面を被った誰かの姿、自分の姿みたいなことが出てきたりするということもあるみたいです。
あとはトリックスター、これはイタズラ好きの小人とかピエロという形でね、夢に現れてくる。権力や秩序を破壊しようとするような、そんな道化師みたいな要素だったり、英雄、これはもう文字通り英雄ですね、ヒーローだったり、桃太郎でいうと主人公の桃太郎みたいな英雄像、昔話の英雄などとなって意識化される。
こんな9つの原型のタイプがあるということで、どうでしょうか。ざっと説明してきましたけれども、この原型とかイメージ、象徴が出てきやすいんだよな、みたいなことから、自分って無意識で普段どんなことを思っているんだろうということを自己理解してみるのも面白いのではないかなと思います。
自己理解の重要性
今日はこんなところで心理学ラジオを終わっていきたいと思います。ここまで聞いていただいてありがとうございました。また次回の配信でお会いしましょう。さよなら。
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