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2025-01-11 12:06

#2 “生まれ” vs “育ち” 論争の有益な捉え方「生得主義」vs「経験主義」(①心理学の誕生)

デカルトの「生得主義」、ロックの「経験主義」、ゴルトンの「遺伝・環境説」(大分類①心理学の誕生)について、自己理解を深める視点から紹介します。


(参考書籍)

齊藤勇 監修・田中正人 編著『図解 心理学用語大全』(誠文堂新光社、2020)


【大分類】①心理学の誕生 ②行動主義 ③ゲシュタルト心理学 ④精神分析 ⑤臨床心理学 ⑥認知心理学 ⑦発達心理学 ⑧人間関係の心理学 ⑨社会心理学 ⑩性格の心理学


(配信者紹介)

兵庫県出身、京都府在住。一児の父。ひふみコーチ株式会社認定 プロフェッショナルコーチ。大学卒業後に大手ビール会社へ入社、現在はクラフトビールを始めとした酒類全般の営業に加え、2023年より自己理解コーチとして活動開始。プロコーチとしては通算100名以上のクライアントに対して、累計500時間以上の有料セッションを提供。複業家の友人との共同Podcast『パラレルワーカーの本音』も配信中。ストレングスファインダー®の1位は最上志向。自己理解コーチとしての自己紹介やnote・Instagram等のSNSについてはこちら


(番組詳細)

このPodcastは、株式会社ジコリカイで“自己理解コーチ”として活動する配信者が、自身やクライアントの「自己理解」を深めるために探究し始めた「心理学」をテーマにお話しする番組です。毎月ひと桁目に1がつく日の朝に配信、月末はゲストをお迎えして心理学に関する雑談をお送りします。テーマに興味のある方や同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば嬉しいです。「自己理解プログラム」に興味をお持ちの方はこちら


※株式会社ジコリカイが運営する番組ではございません

サマリー

このエピソードでは、「生まれ」と「育ち」の論争について、デカルトとロックの生得主義と経験主義の観点から掘り下げています。また、ゴルトンの双子に関する研究結果を通じて、遺伝と環境の影響について考察し、それが自己理解にどう役立つかを探っています。

生まれと育ちの対立
ようこそ、自己理解を深める心理学ラジオへ。このポッドキャストは、株式会社自己理解で自己理解コーチとして活動する配信者が、自身やクライアントの自己理解を深めるために探求し始めた、心理学をテーマにお話をしていく番組です。
毎月一桁台に1がつく日の朝に配信していまして、月末はゲストをお迎えして心理学に関する雑談をお送りしています。
心理学というテーマに興味のある方や、同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば嬉しいです。
はい、今日も聞きいただいてありがとうございます。今回のテーマはですね、生まれイコール遺伝ですよね、と育ちイコール環境。
この対立だったり、最終的に有益な捉え方ってどうなのっていうところを、哲学者とか心理学者の見解をもとに、生徒主義とか経験主義という考え方の紹介も踏まえてお話をしていけたらなというふうに思います。
まずですね、生徒主義と経験主義って皆さん聞かれたことありますでしょうか。生徒主義の方はフランスの哲学者のデカルトさん、1500年代から600年代に活躍された方ですけれども、デカルトさんが提唱されていて、
経験主義というのは1600年代から700年代にロックさんという方がイギリスのロックさんが提唱されている考え方になります。
生徒主義ってどんな考え方かというと、人間には理性や観念が生まれつき備わっているよっていう考え方なんですね。
前回の放送でご紹介したプラトンさんの魂という概念のこの考え方と近しいのかなと思うんですけども、例えばこの善悪の区別だったり、完全っていう概念。
プラトンさんは真善美みたいなことで表してましたけれども、こういう経験によって学んだことではない人間特有の先天的な理性や観念があるよねっていう、そんな考え方のことを生徒主義というみたいです。
それと対立するのが、知識や観念って全て経験によるものだよっていうふうに定義をしている経験主義、ロックさんが提唱している経験主義になります。
例えば赤ん坊が、僕は基本的な知識を持って生まれてます、みたいなことをしゃべれないですけど言ったとしたら、お母さんがそんなわけないよね、人の心は生まれたときは白紙なんだっていうふうに言っている、そんなスタンスが経験主義かなというところですね。
ロックさんはさらに、この経験で得た知識とか観念の連合集合体みたいなものが、心なんだというふうに定義をしたということですね。
確かにね、人は生まれつき、理性や観念を持っているっていう考え方と、全て経験によるものだっていうこの考え方って、なんとなく対立している感じありますよね。
皆さんどうですか、どっち派とかありますか。
多分私も含めて多くの人がね、どっち派か、みたいなのにはつけないと思うんですよね。
なぜなら、それこそ経験的に生まれつきなものと、環境由来のもの、育ちから来たもの、どっちもあるやなっていうふうに感覚としては感じると思うんですよね。
ただこの時代、時代性なのか、哲学の考え方が普及してなかったからなのか、今の時代ほどはなのかわからないですけども、こういう論争があったというところですね。
ゴルトンの研究と自己理解
この生まれ育ちのバーサスみたいな構造を、ある種実験で解消しようとしたのが、イギリスのゴルトンさんという方です。
ゴルトンさんは1822年生まれのイギリスの人類遺伝学者という職業でいらっしゃって、経験修行を唱えたロックさんの生まれから200年後に生まれた方なので、
これぐらいの長い期間、このバーサスの構造って今も一部あると思いますけど、あったんだなというところを改めて学びになりました。
このゴルトンさんは、遺伝化環境化という問題を解決するために、別々の家庭で育てられた双子の兄弟の類似性を創生手法というやり方で調べられたということです。
具体的には、生まれは同じ双子を別々の家庭に送られた双子を追跡調査をして、違った環境で育った双子の性格や社会的地位がどうなるのかというところを研究したと。
その結果、2人ともお医者さんになったよと。だから、人の能力や性格は遺伝で決まるというふうに考えたというのがゴルトンさんの結論です。
本当かなというふうに、医者になっただけでそうやって決めちゃっていいのかななんて、もちろんもうちょっと細かいデータとかあると思うんですけども、パッと聞いただけでやっぱりそういうふうに思っちゃいませんかね。
私は最初に読んだときそう思ったんですけども、ただこの考え方は弊害というか、良くないところに結びつく要素もあって、例えば優れた者同士の結婚を奨励して、優れた人々の世界を作ろうとするナチスドイツの優性思想って読むんですかね。
例えば、安楽死計画とかね、障害を持ちの方の安楽死を促すような、そんな残酷な計画とかもナチスはやったと思うんですけども、そういったところに結びついてしまったということです。
確かにね、この今現代に生きる我々からするとやっぱり人権っていう考え方がありますから、なんかこう遺伝っていうところがあまりに優位なんだとか、遺伝だけでっていうところを強く提唱してしまうと、やっぱりこの基本的人権ってどうなるんだろうみたいな行き着くところはそこに行ってしまう。
っていうところは懸念としてあるかなというふうにすごく感じました。
ただ、ゴルトンさんは遺伝の方が環境よりも影響力が大きいというふうに研究から結論づけているということです。
そうですね、これを自己理解的に捉えると、
一つ事実として言えるのは、遺伝っていうのは変えられないけども、環境っていうのはもちろん変えられない。過去の環境は変えられないんですけども、これからの環境って変えられますよね。
一方でゴルトンさんの研究によると、この遺伝の方が影響力が強い、環境の方が影響力がある意味弱いということ。
ただ、この誠徳主義と経験主義の論争があるように、ゼロ百じゃないと、どちらもやっぱり人を作る、人の性格性質を作るところに影響しているというふうに捉えると、
影響力の強い遺伝ということをしっかりと自己理解して捉えた上で、これからの環境のところに置き換えていくっていうふうな生かし方がいいんじゃないかなというふうに個人的に思いました。
例えば、自分の性質、自己理解をする上で、ご自身の価値観とか、価値観って大事にされていることとか、才能、得意としている、自然にできる行動みたいなことですね。
こういったものが遺伝から来ているのか、環境から来ているのかみたいなことを判断するための一つの手段としては、環境が結びつかなさそうなものはきっと遺伝だろうなというふうに仮説的に捉えることができるんじゃないかなと。
例えば私でいうと、ちょっとADHDっぽい気質というんですかね。集中できなかったり、朝起きれなくて集中しすぎてしまうときと、興味のないことに集中できないというムラがあるところとか、朝起きれなくて夜にすごく集中力が高まるとか、
そういう気質って環境から来たものというよりも親から遺伝した気質っぽいような感じがなんとなく自分ではしていて、これって環境では説明がつかないのできっと遺伝だろうなというふうに捉えることはできると思うんですよ。
そういう自己理解の結果を生かして、じゃあこれから変えられる環境のところをどうしていくんだみたいなふうに置き換えると、例えば朝比較的ゆっくりと過ごせる働き方をするとか、
集中できる夜に成果を出すためのタスクを入れるとか、一人の時間を大切にして、グッと興味のあることに集中してやるとか、このPodcastの撮影もそうですけども、そういうやり方、環境を整えていくというふうに自己理解の結果を生かしていくと、
この遺伝のところ、誠徳主義的なところも生かしつつ、環境で決まる、これからは環境を変えていくことで自分を作っていけるという経験主義のところもうまく取り入れて人生を作っていけるんじゃないかなというふうに思います。
はい、どうですかね、皆さん聞かれていて、どっちかというか、どっちを強く意識してたなとか、生まれのことばっかり考えてて、育ちのことあんまり気にしてなかったなとか、育ちのことだけ自己理解して、生まれのところってあんまりそういえば目を向けてなかったなとか、そんなふうにご自身に矢印を向けて聞いていただけていたら幸いです。
はい、今日もここまで聞いていただいてありがとうございました。少しでも役に立てていれば嬉しいです。また次回の放送でお会いしましょう。ありがとうございました。
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