松永 将幸
皆様、こんにちは。本日このセッションにご参加いただきまして、 ありがとうございます。
このセッションは、LP出資の成功戦略、 VC出資の考え方とベストプラクティスを出しまして、
これからLP出資を検討されている企業の方々に、 VCファンドをどう選んだらいいのか、やったり、
どういうLP出資がベストプラクティスなのか、といったところを、 LP出資をたくさんされていらっしゃる皆様のお話をお伺いすることで、
少しでもご参考にしていただきたいという セッションでございます。
本セッションももういよいよIVS過境でございますので、 皆様どうぞ1時間お付き合いいただければというふうに思っております。
ではまず最初に、登壇者の皆様の自己紹介を いただきたいと思っております。
まず最初に私、モデレーターを務めさせていただきます、 FFGベンチャービジネスパートナーズの松永と申します。
どうぞよろしくお願いします。 ありがとうございます。
我々もスタートアップ投資を行いながら、 VC出資もかなり行っておりまして、
50ファンド様に出資を行っておりますので、 本日皆様のお話を伺って、
我々のLPCC自体も良くしてまいりたいな というふうに思っております。
では続きまして石井さんお願いいたします。
石井 芳明
はい、皆さんこんにちは。
中小企業基盤整備機構創業ベンチャー支援部の 部長をやっております石井と申します。
また経済産業省の大臣官房参事もやっておりまして、
経済産業省の中で15年ぐらい続けて スタートアップ支援をやって、
5カ年計画を作ったりしながら、 いろんな応援支援策やってきたんですが、
今は中小企業の方へ出て、現場で スタートアップ支援をしているというところです。
現状は経営面での応援というのが多いんですけど、
実は2006年から8年、2年間中小企業に出向して、
まさにファンド事業部で LPCCもやっていたということで、
ちょっと今日はその話も含めて お話しできればと思います。
坂祐太郎
よろしくお願いします。
松永 将幸
では続いて高橋さんお願いします。
高橋 理衣
皆さんこんにちは。 グリーベンチャーズの高橋と申します。
グリーベンチャーズはですね、スタートアップ投資と ファンド投資両方を行っておりまして、
別のファンドで運用しているんですけれども、
実は事業会社としては かなり大きなサイズのLP出資をしております。
ボランスシートから出資して、 今ではファンド化しておりますが、
合計60本ぐらいのファンド、 合わせて330億ぐらいの運用を行っております。
LPでもありGPでもあるというところから、
両方の目線でいろいろお話しできればなと思っておりますので、
坂祐太郎
最終セッションよろしくお願いします。
松永 将幸
では坂さんお願いいたします。
坂祐太郎
はい、皆さんこんにちは。 ジャフコンの坂と申します。
よろしくお願いいたします。
私どもはですね、ちょっとLP出資というところを そんな積極的にやってるわけではなくて、
逆にLPの皆様から資金をお預かりする立場として、
本日お話をさせていただければ というふうに思っております。
私自身としては、基本的には業務は本当に スタートアップ投資というところを
メインにやってるんですけれども、
このLPの方々、ご出資していただいた事業会社さんと 金融機関の方と、
日々お話をさせていただいていたりであるとか、
いろんな出資をいただいた後のサービスメニューの 提供みたいなところを中心にやっておりますので、
その辺りを今日は中心にお話をできれば というふうに思っておりますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
松永 将幸
皆様ありがとうございます。
では早速ではございますが、
セッションの本題に入ってまいりたい というふうに思っております。
まず最初は、各皆様がLP出資をなさる際に、
どのような目的でLP出資をされているかというところを お伺いしてまいりたいというふうに思っております。
それこそもちろん金融機関への出資でございますので、
財務的リターン、ファイナンシャルリターン というところも前提としつつ、
事業外資様のご出資ですと、それこそ戦略的シナジー といったこともよく検討に上がられるかと思っていますね。
まず皆様がどのような考え方でLP出資をしているか というところをお伺いできればというふうに思っております。
松永 将幸
では最初にまず石井さんからお願いできますでしょうか。
石井 芳明
はい、ありがとうございます。
中小企業基盤整備機構、独立行政法人で 政府の機関なんで、
ちょっと純粋な民間のLPとは観点が違うんですね。
でもちょっとその辺も含めてお話しさせていただくと、
なぜ中小機構がLP出資をやっているかっていうと、
日本のスタートアップへのリスクマネーの供給を増やしていく。
これがそのイノベーションの創出とか社会課題の 解決に必要であると、こういう政策目的でやってるんですね。
ですからリスクマネーの量的補完、 それから政策的な分野への民間の投資の呼び込み、
マッチングファンドっていう形態を 取ってるんですけれども、
機構が出します、民間も出してくださいっていう形でやってるんですが、
そういうふうな形で民間の呼び水っていう話でやってます。
それからもう一つは公的な機関としてエコシステムの レベルアップを図るためにいろんな公的支援政策ありますから、
それと組み合わせる、そういうふうなことでやってるということです。
中小企業基盤整備機構、実は1999年からもう24年やってまして、
ファンドの総額で言うと7千億以上をコミットし、 384本のファンドに投資しているというところです。
そしてさっき呼び水っていう話をしましたけれども、 7千億を出すことによって民間と合わせて1.6兆のお金、
2.2倍のレバレッジを利かしてお金を回しているというところです。
現状ベンチャーファンドに対しては241ファンドを出資をしてまして、 ベンチャー企業で言うと6,015社出資先があるということです。
IPOが236社っていう形で、 ファンドのモニタリングも結構大変なんですけれども、
そういった形でやってます。
そういう目的でやってるんで、 政策リターンっていうのをまず重視してるんですけれども、
ただ事業を続けるためには、 一定以上の財務リターンが出ないといけない。
官民ファンド幹事会とかそういうのありますけれども、 イーブンには持っていきましょうと。
赤字が出ると続けられないんで、 イーブンに持っていきましょうっていうのが財務リターンの目的です。
ただし、今この瞬間はファンドの皆さんが頑張ってくださったのもあって、 605億黒字になっているというところでありまして、
石井 芳明
こういう事業をどんどん進めていければ というふうに思っています。
松永 将幸
ありがとうございます。
まさに民間企業様のお金も 予備水となるようなご出資を、
そういうことで目的としてやられていることなんですが、
今回事業会社の皆様には、 初めてLPC市を建造されたには、
中小企業様が入っていらっしゃるかどうかも 一つ判断基準にあり得るものでしょうか。
石井 芳明
そうですね。
よくアンカーインベスターとして入ってください っていう話あるんですけど、
僕らもぜひ民間と連携したいと思います。
また後の話でも出るかもしれませんけれども、
民間のLPとの連携によって市場が広がったりとか、 販路が開拓されたりとか、
そういったのもあるんで、
ぜひ官民連携でやっていければ というふうに思っています。
松永 将幸
ありがとうございます。
では続きまして高橋さん、
改めてLPC出資をどのような目的で行っているか お説明いただけますでしょうか。
高橋 理衣
はい、弊社は事業会社としては珍しく 完全なる財務リターン狙いで出資を行っております。
本体のゲーム事業ですとか、それ以外の事業、
エンタメ系の事業が割と触れる事業でもあるので、
そこの財務の底支えですとか、
自分たちが、グリー自体がすごくベンチャーエコシステムに 助けられて成長したというのもありまして、
そこを自分たちを育ててくれたエコシステムに還元したい というのは思いで出資をしております。
VC出資とスタートアップ投資、 両方やっているんですけれども、
なぜそれを両方やっているかというところを ちょっと説明できればなと思っております。
2010年からLP出資を始めまして、そこの出資をすることによって、
ただのサイレントなLPでいるだけではなくて、 自分たちもGPであるということから、
共同投資の機会が多く創出されます。
一緒に案件を遂行することによって、
LP出資をしているVCがどういうような ソーシングルートを持っているかとか、
ソーシングの質がどうかとか、DDのレベル感とか、 ICに実際通ったものがどういったものかというのを、
当事者として一緒に見ることができるというのが 強みかなと思っております。
なので、LP出資をして、いい共同投資をやって、
そうすることによって、さらに自分たちが出資したLPが どういうようなパフォーマンスなのかというのを、
相対的、絶対的、両方を見ることによって、 さらにいいLP出資ができると、
こういう好循環が生まれているかなと思っております。
事業会社さんとかCVCさん、この中にいらっしゃるかなと 思いますけれども、
ぜひLP出資、スタートアップ投資、 両方をやられることによって、
相乗効果が生まれるかなと思いますので、 ご検討いただければと思います。
松永 将幸
ありがとうございます。
もう弊社としてもまさにLP出資と スタートアップ投資両方やっていて、
LP出資先のファンド様からご紹介いただいた先さまに 投資ができていて、
まさに両者とも一緒になってご支援できる、 そして両者ともゲインを得られるというところが、
本当に我々としても好循環が回っているかなと思うので、 非常に納得感のお話でした。
ただ、戦略的シナジーを一切考えないというのが かなり珍しいですよね。
高橋 理衣
そうですね。
いろんな事業会社さんで LP出資されているところがありますけれども、
財務リターン100%というのは、 あまりほとんど聞いたことがないですね。
それゆえにかなりスピード感を持って 決済ができたりとか、
出資ができるというのは、 すごく強みかなと思っております。
松永 将幸
ありがとうございます。
確かに事業部側の方のシナジーを確認する時間も 一定かかるところがありますので、
今のお話もまさにかなと思いました。 ありがとうございます。
では、坂さんには、逆に皆さまのLP様が ジャフコ様にどのような目的で
ご出資されているケースが多いかといったところを お伺いできればというふうに思っております。
坂祐太郎
はい、ありがとうございます。
弊社のファンドで言うと、
大体財務リターン目的というのが6割、 4割が戦略的リターンというところで、
戦略的リターンというのは 一体何なのかというところで言うと、
これは本当各社さん各業でして、
本当に一緒の共同投資案件というところを 作りたいという方もいれば、
本当にこれからスタートアップ投資を 始めていく中で、
情報収集をしたいであったりとか、
ファンドをどういうふうに 運営したらいいのかというところの
情報を取りたいという方もいらっしゃいます。
一方、最近すごく増えてきているのは、 弊社の方でもよく受け負っているんですけれども、
キャピタリストの方を育成をしたい、 みたいなところですね。
実際出向を受け入れて やっていただいているケースもありますし、
キャピタリスト育成のための研修を 提供させていただいている場合もありますし、
本当に戦略的リターンとは何か、 みたいなところは、
本当に百社さんいらっしゃれば、
百通りの皆様のリターンというところがあって、
松永 将幸
ありがとうございます。
では皆様のLP収集の目的であったり、
ジャフコ様やLP様がどのような目的で ご収集されているかというところを
お伺いできましたので、
続いては実際にVCをどのように、
LP収集するVCをどうやって選んでいらっしゃるか といったところの観点から
お伺いできればというふうに思っております。
ジャフコちゃんと順番に言いますが、
石井さんからどのようなVC様を選んでいらっしゃるか、
その時の基準についてお伺いできますでしょうか。
石井 芳明
はい。ありがとうございます。
今日は実は中小企業のファンド事業の部長が そっちにいらっしゃるんで、
本当はファンド部長がものすごく詳しいんですけれども、
ざっと申し上げますと、
中小企業のホームページにも載っています。
ぜひご覧いただきたいんですけれども、
まず第一に制作ファンドなんで、
制作目的に沿っているかどうか。
基本的にはスタートアップ中小企業に 投資をするっていうところが一つ。
テックとかイノベーションとか社会課題を 解決するっていうところが一つ。
こういうのが条件としてあります。
その条件をチェックした上で、
じゃあファンドとしてどうなのか。
これはファイナンシャルリティターンとも 関係するんですけれども、
ファンドとしてどうなのかっていうのを見ていきます。
どういうところを見るかっていうと、
一つはファンドの運営方針ですね。
どういう規模で、どういう存続期間で、
投資分野はどうなっているか、
投資方法はどうか。
想定の回収はどういうふうな回収をするか。
管理報酬とか成功報酬はどんな感じか。
そういうファンドの一般ルールを見るっていうところが まず一つあります。
それからもう一つ非常に大事なのが、
ファンドのチーム、運営体制がどうなっているか。
投資のフロントがどういうふうな人たちであるか。
そしてミドルバックオフィスが ちゃんとしているかどうか。
こういう体制を見ていくということです。
チームが本当に信頼できるかどうか。
非常に大事なんで、そこは見ますというところです。
その上で大事なところがトラックレコードですね。
その人たちにお金を出資したときに、
再現可能性があるリターンが得られるかどうか。
今までの投資からどのようなトラックレコードが 出ているかというところですね。
これ実はやりながらちょっと悩ましいんですよ。
今この瞬間やっているのはトラックレコードで
リアライズしたものを中心に見ているんですね。
だからファンドを運営してエクジットした人の IRRであるとかマルチプルであるとか
倍率とか利益率を見るんですけれども、
本当はもう一歩せめて現状を動かしているところのレコードも
ちょっと見れればいいとは思っているんですが、
なかなか苦労しながらトラックレコードを 見ているというところですね。
そしてそのファンドがこれからどういうところに 投資するんですかとか、
ソーシングの力あるいはネットワーク、
どういうふうな支援するネットワークがありますか というふうなところを見ていくと。
最後に重要なネガティブチェックをやっています。
それは何かっていうと利益送還とかですね、
あとガバナンスとかコンプライアンスとか、
その辺りでちゃんとできるんですかねっていうふうな話なんですね。
利益送還ちょっと難しいんですけど、
これは会社からの戦略投資になってくると、
ちょっといろんな問題があって複雑になるんですけど、
例えば並行してファンドを運用している人たちが 行ってきたときに、
じゃあ並行して運用しているファンドとの関係は どうなんですかっていう話とか、
あるいは組合の関係者と他の人たちとの関係とか、
投資先との関係を見るみたいな話なんで、
そういういろんなところをチェックするっていうところですね。
ざっくり言うと制作目的、それからチーム、それからトラックレコード、
そして利益送還等のネガティブチェック、
石井 芳明
そういったところを見ているという感じです。
松永 将幸
ありがとうございます。
重要なポイント4つ挙げていただきましたが、
その中でチームの見極め方が なかなか難しいんじゃないかと思っておりまして、
もちろんトラックレコードが あられるようなGPの方がいらっしゃると、
再現性の面であったり、
もうご実績があられるというところも わかりやすい部分があるかと思いますが、
仮にまだトラックレコードがない方が 新しい動きなさっていらっしゃったり、
チームの見方についてもう少し お伺いしてもよろしいでしょうか。
石井 芳明
おっしゃる通りなんです。
そこがすごい難しくて、
だから結局トラックレコードがある人だけを ずっと投資していったら、
投資先は固定するんですよね。
固定しちゃうとだんだんパフォーマンスは 低減してくるっていうのが、
アメリカとかのデータでもわかってきている。
だから新しいところを入れなきゃいけないんですが、
そこは実は我々も悩んでるんですよ。
今ちょっと思考的にやってるのが、
中小機構の本体からのLP出資とは別に、
若者向けのファンドオブファンズ、
これスタートアップ育成5か年計画でも 書かれてるんですけど、
若者向けのファンドオブファンズを作って、
そこのところから出資するところは、
せめていいですよ。
だから一定の枠を作るわけですね。
枠を作ってそういうところを見ると。
その時に数字じゃないものとしては、
その人がどういうテーマで、
どういうところに投資をしているか。
その人たちがスタートアップに対して、
どういう支援をして、
場合によってはレファレンス取ってですね、
スタートアップからの評判どうか、
というふうなところも取りながらやっていく。
本当にそこはすごい大きな課題だと思います。
松永 将幸
ありがとうございます。
もうパッと見える範囲でも今回、
投資家の方が多くいらっしゃるので、
少し接地が伸びるというか、
そういったところもチェックいただけるんだなと。
私自身も少し接地が伸びました。
ありがとうございます。
坂祐太郎
私も1個聞いてもいいですか。
結構私たちJAFCOの場合って、
いわゆるゼネラルファンドというか、
そのテーマを決めずにみたいなというところはあるんですけど、
一方でそのテーマ特化型のファンドとかって、
結構あられると思うんですけど、
テーマが決まっている方が出資しやすいとか、
決まっていない方が出資しやすいとかって、
そういう要素ってあられるんですか。
石井 芳明
それはものすごい鋭い質問で、
さっきの財務リターンと政策リターンのバランスの問題もあるんですけど、
僕ら24年やってきて、
やっぱりこれはまずかったなっていうのは、
政策リターンに振り過ぎたときにリターンが出ないんですね。
これ何かっていうと、
ファンド部長の顔を見ながら若干言っちゃうんですけど、
1回地域ファンドに振ったときがあるんですよ。
それは行政の方からやっぱり地域をどうにかしろって言われたんですね。
地域のファンドに積極的に出資したんですけれども、
地域はエクイティーファイナンスを受け入れる土壌がまだできてなかったんですね。
だからそれはすごい苦労しました。
もう一つはですね、
実はこれジャフコさんと一緒にやったんですけど、
バイオテックとにかくやらなきゃいけないっていうことで、
ジャフコさんと一緒にバイオテックファンドをやったんですね。
それも実は僕が中小企業にいたときにやってたんですけど、
もうずっと苦労して泣かず飛ばずだったんですけど、
最後は通じつまがあったっていう形になって、
それは良かったっていう話なんですね。
だからちょっと難しいんですよ。
僕らもテーマ性についてある程度バランス取ります。
だけれども本当にちゃんと回る財務リターンも確保できるのかっていうののバランスも取るんで、
もう感覚的には半々ぐらいな感じですね。
制作のところをやるのはもちろんなんだけど、
それだけに振りすぎてると絶対リターンが上がらないっていうのが最近見えてきてるんで、
そこはバランス見ながらという感じです。
坂祐太郎
ありがとうございます。
松永 将幸
ありがとうございます。
では続いて高橋さんに財務リターン100%でLPしなさっているグリーリ様の選び方についてぜひ教えてくださいませ。
高橋 理衣
実はもうほぼ石井さんがおっしゃってくださったこと通りです。
弊社はファンズオフファンズなので、
その同じ120億のファンドの中でポートフォリオが偏らないように、
初号ファンドに偏りすぎない、大型ファンドに偏りすぎない、
セクターファンド、ジェネラルファンドみたいな形で分散をしているので、
ちょっとそういう目線は加わるんですが、
ファンド自体の評価という観点ではほぼ同じかなと思っております。
なので、ちょっと戦略リターンでないでLP出資をされようと思っている方に対して、
どういうふうに選べばいいかみたいなことを専閲ながらお話しできればなと思っておりまして、
そうですね、今最近だとすごいファンドサイズが大きくなっている中で、
限られた予算ですごくどこに出資していいのかっていうのを迷うことが多くあるかなと思っております。
一番大事なのは自分たちが何を目的にLP出資をするかっていうところをちゃんと考えるということですね。
最終的なMAをしたいのか、情報だけでいいのか、
さっき坂さんがおっしゃっていた人材教育という観点でLP出資をしたいのかみたいなところ、
最終のゴールをきちんと解像度を上げて言語化して、
その中でフィットするGPの方を見つけるというのがいいかなと思います。
例えばソーシングルートを多様化したいということであれば、
ものすごい大型のファンドで投資先をいっぱい持っているようなところがいいかなと思いますし、
オープンイノベーションという観点であれば、すごく小回りの効く小さなファンド、
高橋 理衣
たとえトラックレコードがなくてもGP本人のトラックレコードが別の経歴であれば、
それを評価するという形でもいいかなと思いますし、
そういう自分の求めているものにフィットするようなファンドを見つけるのが一番いいんじゃないかなと思っております。
出資先もそうですし、限られた予算をどう使うかという観点では、
1社だけに出資するのもいいですし、複数社出資するのもいいですし、
弊社のようなファンドファンズに出資すると間接的に複数のVCですか、
その先のスタートアップを見ることができるという観点で、
本当にお金の使い方、さらに振り分け方みたいなところを考えるのがいいかなと、
いろんな事業会社さんのご相談に乗っていて思った次第です。
松永 将幸
ありがとうございます。まさに事業会社の皆様の目線からご説明いただきまして、
すごく勉強になりました。
もし財務リターンの観点を考えたときに、
大型のファンド、500億とか1000億あるファンドの皆様が3000億にしても3倍、
ゆえにLPの皆様に返ってくる原因も倍率としては一定限定的になるという話をよく伺いますし、
30億のファンド様であると、例えば10倍で300億できたら、
LPの皆様に返る原因も10倍になると思っておりまして、
ファンドサイズについてどのような選び方をすればいいかといったところも、
ご意見お伺いできますでしょうか。
高橋 理衣
そうですね。石井さんおっしゃっていた通り、やはりファンドサイズが大きくなればなるほど、
それだけ取り込めるスタートアップで日本には少ないので、
そのお金の使い方の戦略というのを見る必要があるかなと思います。
弊社が出資しているファンドでも、例えば東南アジアに貼っていたりとか、
中国とか、今ではないですけど財閥に貼っていたりとか、
そういう日本以外のエクスポージャをどういうふうにして貼っていくかみたいなところの戦略を見ることによって、
大型ファンドでも財務リターンを確保できるようなストーリーが
ジャスティファーされるのかなと思っております。
松永 将幸
ありがとうございます。なので、たくさんスタートアップさまを見られたい場合は、
大型のファンドであったり、海外にエクスポージャがあられるようなファンドさまに
LP出資をご検討いただくのと良いのかなと思いますし、
財務リターンのことを説明しやすくしたり、密な取り組みという感じになると、
小型のファンドさまにLP出資をいただくと、より密な連携ができ得るのかなと聞いていて考えました。
松永 将幸
ありがとうございます。では、最後に佐藤さんにはまた逆の立場になってしまうんですけども、
どのような選ばれ方をされているかであったりだとか、
LP出資でLPさまからDDされることも多いのかなと思っておりまして、
どのような観点からのご質問が飛んでくることが多いか、
どのような選ばれ方をしているかについてお伺いできますでしょうか。
坂祐太郎
はい、ありがとうございます。財務リターンと戦略リターンをちょっと分けてお話しすると、
財務リターンの方は、もうお二方お話しいただいた通りなんですけども、
私がデューデリーとかを受けていて、やっぱり皆さんそこを気にされているのは、
やっぱりマーケットどこが来ると思っているんですか、市場のドメインを間違えると、
多分どれだけいい投資をしてもリターンが上がらないよねっていうことは、
すごくご質問をいただくところで、
どこに3年間、4年間かけて市場ドメインをどう考えてますかっていうのは、
すごく丁寧に聞いていただくなというところと、
あと投資のストラクチャーはどう考えてますかみたいな、
シリーズAないし、その後に追加もやるんですかみたいなことだったり、
IPOマーケットに対して何が今投資のストラクチャーとしてベストだと思っているんですか、
みたいなっていうことは、すごく聞いていただくケースが多いので、
どの市場の中でどういう投資をやるのかみたいな、
正直その具体の会社さんってやっぱりまだ、
今のトラックレコードみたいなところで、
こういう会社さんを見つけてこれるんだなっていうところは示せるんですけど、
未来の話ですね、市場と投資のやり、
この時代に合わせた投資のやり方っていうのはどう考えてるのかみたいなっていうのは、
すごく聞かれるのが財務リターンの方ですね。
戦略リターンの方はですね、
ここは本当に単純に情報を渡しますみたいなっていうのは、
多分全員が言えることだなと思うので、
よく聞いていただくのはGPだったりとか、
現場のキャピタリストっていうのがどこまで寄り添ってやってもらえますか、
だったりとか、
本当にこれってやっぱり人対人になりますので、
相性いいかだったりとか、本当にやってくれそうか、
LPの皆さんが興味を持っている領域に結構深く一緒に、
新しい会社だったりとか事業だったりとか協調投資の機会だったりとか、
作ってくれるかみたいなっていうのは、
営業とほぼ一緒だと思うんですけれども、
っていう質問を受けることがすごい多いかなと思います。
松永 将幸
ありがとうございます。
次の質問にも被ってくれる部分なんですが、
今のような形で選んだ後に出資した後、
GPの皆様とLP出資なさった方々との付き合いが当然ファンド期間中長く続いてくるわけで、
その期間中、その方々に選ばれた後、
どのような取り組みをしていくかについてお伺いしたく、
まさに今の流れで坂さんに、
実際に出資をいただいたLP様とこのような取り組みを実際にしておりましたとか、
今のお話の中で、こういった目的を持ったLP様とこんな取り組みをしましたとか、
具体例をもしお伺いできればお願いします。
松永 将幸
ありがとうございます。
坂祐太郎
分かりやすいところで言うと、やっぱり人材育成のところで言えば、
ご出向いただく、1年間ぐらいご出向いただくっていうケースもありますし、
あと出向まで行かなくてもですね、
なんか最初に2、3週間ぐらいの研修を受けていただいて、
その後、毎月毎月、月2回ぐらい、
実案件を通じて投資の検討のポイントだったりとか、
そういう部分をレクチャーしていくみたいな研修みたいな取り組みをやっているケースもあります。
本当に個社さんごとに希望が得られるので、
社内のビジネスコンテストの審査員やっていただけませんか?だったりとか、
社内の投資委員会の考え方とかスキームとか、
どういうふうにしていけばいいですか?っていうのは個別にご相談に乗ったりとか、
本当に個社ごとにやっているっていう感じになるかなと思います。
松永 将幸
そこは結構、もともとのメニューに乗っていることもあれば、
乗っていないこともいろいろお願いしたいことがあると思っているんですが、
甘えてというか、ご相談ベースではさせていただいてもよろしいですか?
坂祐太郎
そうですね、出向とかになってくると、
他のNPの方とのバランスもあるので、最初からとなるんですけれども、
ミーティングの機会だったりとか、
それこそビジネスコンテストの審査員やってくださいみたいなところで言うと、
そこはもっと都度都度おっしゃっていただければというところで、
ご対応させていただいているという。
松永 将幸
まさに、坂さんのようなGPがいらっしゃるファンドに
LPCしていくことが大事なんだなと聞いていてよく感じました。
ありがとうございます。
それでは高橋さんにも、出資先ファンド様との出資後のお取り組み、
こんなことを一緒にやって双方に益があったという事例があれば
お伺いできますでしょうか。
高橋 理衣
弊社は財務リターン狙いなので、そういう戦略的なリターンを求めた後、
例えば月次のミーティングとか、あまりやっていないんですけれども、
共同投資みたいなところは、一緒にぜひというところは
お願いしているところではありますが、
結構ですね、GPの方から感謝されるというか、
というものが一つありまして、
やはり弊社60本ぐらいファンドを見ているので、
ファンドに対するフィードバックを結構やっております。
最近ですと、今2010年頃から弊社ファンド出資しているので、
存続期間を迎えたようなファンドがいくつか出てきております。
そうすると、今のIPOマーケットを踏まえて延長したいというような
GPさんがいくつかいらっしゃるんですけれども、
そういった中で、ただ同意書を書いてくれみたいな、
提出してほしいみたいなメールとかが来ると、
きちんとどういうふうにして、この延長期間2年間を
エグジットに向けて頑張っていくのか、具体銘柄ですとか、
仮に駄目そうな銘柄がある場合はどういうふうにして交渉して、
例えば経営者から買取をしてもらうのかみたいな、
そういうちょっと細分化したような説明をしてほしい
みたいなことをフィードバックすると、
他のファンドがどういうプラクティスをしているかというのも
GPに還元することができますし、
VC全体のレベルの向上にもつながるかなと思っておりますので、
そういうような色々出資しているからならではの目線で
フィードバックはいくつかさせていただいております。
松永 将幸
それはまさに〇〇ファンドはこんなふうなコミュニケーションを
してくださってますよ、であったりだとか、
こんなふうなレポートをされると、
こちらとしてありがたかったよということをお伝えして
という感じでしょうか。
高橋 理衣
そうですね。やっぱりGPの皆さんも他がどうしているかわからないので、
やっぱり感謝されますし、自分たちの質を上げていきたいというのは
どうかも思っていると思うので、
LPが還元できることは積極的に還元していきたいなと思っております。
松永 将幸
もし会場で今後LP出資なさる皆様がいらっしゃいましたら、
本当に今おっしゃっていただいた通り、
GPの皆様に皆さんが感じていらっしゃることであったり、
困っていること、もっと知りたいことを
フィードバックいただけると、
GPの皆様は喜んでくださるということなので、
ぜひ積極的にコミュニケーションを取っていただきたいな
というふうに思っています。
石井さんにも改めて出資先VC様との取り組みについて
お伺いできますでしょうか。
石井 芳明
そうですね。我々はやっぱり原資が国のお金なので、
モニタリングをしっかりやっていこうということで、
市販機レポートとか見たりとかですね、
あとファンドによってはですね、
LP諮問委員会、LPACやってて、
それに出たりとか、あるいは出資者総会には必ず出て、
その中で意見を言ったりとかするっていう形ですね。
それから各ファンドが投資する投資委員会にも
できるだけ出させていただいて、
これオブザーバーですね、リミテッドパートナーなんで、
投資の意思決定には関与しませんが、
オブザーバーとしてどういうふうに動いていくかっていうのを
モニタリングさせていただいているというところです。
もちろん数値、例えばTVPIとかですね、
そういう数値によるモニタリングもしながら、
各ファンドの状況を見るという形です。
で、これやってるとですね、
僕もファンド部にいたときに出資者総会、
組合員総会とか出たりとかするんですけど、
ものすごい勉強になるんですね。
いろんなVCの方が、例えば一つの投資先について、
このVCはこう見てる、このVCはこう見てるっていうのが分かるんですね。
だからそういうモニタリングの過程だけでも非常に、
さっき人材育成の話がありましたが、
石井 芳明
そうですね。
あとちょっとVCの方には耳が痛いのかもしれないですけど、
利益相反とかそういったことも、
チェックを入れるというのが必要という話で、
そういうことはやってますね。
松永 将幸
ありがとうございます。
では次に、これからまさにLP出資を検討いただける方がいらっしゃったときに、
社内でこのVCに投資すべきだという説明が結構大変だという側面があろうかというふうに思っております。
たくさんLP出資をしている皆様に、
実際にそのLP出資を通すときに、
どのような形で説得されているか、
社内に説明されているかといったところをお伺いできればなというふうに思っております。
ちょっと連続になってしまって申し訳ないですが、
石井さんお願いできますでしょうか。
石井 芳明
ありがとうございます。
中小機構の場合、一定のスキームプロセスが決まっているんですね。
まずその政策的意義があるかどうか、
それが現在の政策のトレンドと比べてどうなのか、
それから基本的な要件、
これは機構の業務方法書で決まっているんですけど、
基本的な要件は満たしているかどうか、
そういうふうなところをチェックして、
ちゃんとチェックしてますよっていうのを、
ちょっと内部では説明するっていうのがあるんですけど、
もう一つはデューディリジェンスチェックをしていく段階で、
やっぱり機構の職員だけでできないところがあるんですね。
だからそれは弁護士さん、会計士さん、専門家に頼んでデューディリジェンスやっていただく。
それからもう一つ、それだけじゃなくて、
政策性とかデューディリがちゃんといってるかどうかを、
外部の評価員の方に入っていただいてやっていただく。
そういう機構の職員だけじゃなくて、外部専門家、外部有識者、
その辺の話も入れた上で、最後は直接役員に会っていただくんですけど、
役員に会っていただいて通していくっていう感じですね。
松永 将幸
かなりでは外の目も入れてらっしゃるんですね。
石井 芳明
そうですね。これはやっぱり公的ファンドっていうのもあるんですけれども、
一定の外の目も入ってますよっていうのは、
僕らとしても説明しなきゃいけないんで、それはやってますし、
またその外の目を入れることによって、今まで気がつかなかった。
どうしてもずっと同じGP見てると近視眼的になっちゃうんですけど、
それでどうなんですかって、外からチェック入れていただくのも大事かなと思ってます。
松永 将幸
ありがとうございます。
高橋 理衣
石井さんにちょっとお聞きしたいんですけど、なんか知的事項とかで、
こういうのがあったみたいな、こういう観点があったのかみたいな、もし驚き。
石井 芳明
それはね、やっぱり多いのは利益相反ですね。
だから、例えばファンドが何本か走ってる、あるいはこのファンドのLPとか、
他のね、LPとか、他のファンドとファンドの投資先との関係とか、
なんかいろんなところで純粋にこのファイナンシャルリターンを上げるパートで、
歪みが出るんじゃないのっていう心配の利益相反なんかはよく指摘がありますね。
大丈夫ですかっていうのはチェックするという感じです。
高橋 理衣
ありがとうございます。
松永 将幸
長谷でぜひ高橋さんにも、LP出資される際の社内の説明の仕方、説得の仕方について、
秘訣があればぜひ教えてくださいませ。
高橋 理衣
そうですね、弊社はいわゆる投資委員会、ICを通して出ないと出資できないので、
あんまりその説得というよりかはフラットに、
投資委員会のところでかけるっていうような形を取っているんですけれども、
よく議論の中で出るのが、
例えばGP一人に成績が偏っていないかみたいな、
ちゃんと継続的にパフォーマンスが出るのか、再現性があるのかっていったところですとか、
DBPIだけじゃなくてちゃんとDPIが過去のファンドで出ているのかですとか、
あとはLPAのタームもしすでに一部出ている場合は成功報酬の水準感ですとか、
そういったところは議論には出ます。
仮にそこの議論を経てファンドを出資してもいいよとなった場合でも、
きちんとそれは契約締結のクロージング前での間に、
GPに対して交渉していく、既適していくというような取り組みを行っております。
石井 芳明
成功報酬とか管理報酬、なかなか難しいですよね。
僕らも結構悩みながらやっているので、
そういうのもLP間で連絡取れるといいなと思ったりするので。
高橋 理衣
実は弊社はすごくレファレンスチェックを受けることが多くてですね、
今検討しているような事業会社さんとかに、
実際どうなのかというところの話をさせていただくことが多いので、
もし検討されている場合はそういうレファレンスチェックも、
もしくは他のVCがどう見ているかみたいなところ、
またLPの目線、VCの目線みたいなところを、
松永 将幸
総合的に判断いただくのも良いかなと思いました。
まさに先ほどの外の目を見れるというところの中で、
皆様がLP収支を検討されている際に、
既にそのLPに入っていらっしゃるグリー様であったりだとか、
もしかしたら弊社であったりだとか、
LP収支をたくさんされている方にお話を聞いてみるというのも、
すごくいい手段だなというふうに聞いていて思いました。
松永 将幸
ありがとうございます。
では次に坂さんに、
坂さんの聞き方が難しい部分であるんですけども、
このような形で、
LPの皆様の社内投資決議を支援されているというか、
バックアップされているだとか、
このような形でやると比較的スムーズに進んだといったお話がありました。
ぜひお伺いさせてください。
坂祐太郎
ありがとうございます。
お二方がいわゆるストラクチャーだったりとか、
いろんなロジカルの部分でお話をいただいたんですので、
あえてちょっとエモーショナル部分のお話をすると、
本当にLPの収支を決めてくださったご担当者の方々と接していると、
本当にベンチャー投資にすごく似ているなと思っていて、
どうしてもジャフコンのファンに出資したかったんですよ、
みたいなことをすごく言っていただくケースがあって、
そういう、本当に一緒にやりましょう、
一緒に新しい事業だったりとか、
石井 芳明
本当にこの出資を通じて会社を変えられると思っているんですよ、
坂祐太郎
みたいなことを本当に言っていただく機会があって、
そうすると私たちとして非常に身が引き締まる、
絶対この担当の方に成功してもらいたいな、
みたいなっていうのを思いますし、
自分たちも絶対パフォーマンスで返さなきゃいけないのと、
戦略リターン両方返さなきゃいけないなっていうふうに思いますし、
コツっていうとストレートに質問に答えられてないと思うんですけど、
本当に当事者の熱い気持ちはやっぱり私たち側にも本当にありがたいなと思って、
一緒になんとか、
いざ組で出資できるようなように、
あらゆる指導だったりとか、あらゆる情報を出しますねって、
本当にワンチームで利益決済を乗り越えていただいているような印象があります。
松永 将幸
まさに担当の方の裏にもお客様もついてくださって、
一緒に社内を通しに行くみたいな形ですよね。
坂祐太郎
そうですね。
松永 将幸
その担当の方の熱意を、
社内のLPを決済される社内の意思決定者、
決済者の方々に届けに行くのはなかなか大変な部分もあろうかと思っているんですけども、
こうするとうまくいったとか、こうやることが大事だというところも、
もし…
坂祐太郎
やっぱり一番刺さるなっていうのは、
私たちGPを呼んでいただいて、
石井さんも先ほどお話、出資者総会の話ありましたけれども、
これどうなるんですか、5年後はみたいなっていうことを直接話しに行って、
こういう5年後になるんで、今御社自体はこういうチャンスがあって、
世の中こういうふうに動いていて、
まさにIVSでさまざま話されているような一時情報を元になったりとか、
キャピタリストそれぞれのスタンスを通じて、
どうなると思うのか、
だから何をするべきなのか、みたいなっていうのを、
意思決定者の方に直接お話しさせていただくっていうことが非常に…
そのストーリーを一緒にこう作っていくみたいなのが非常にいいかなと思っています。
松永 将幸
ロジカルなところとか数値面を詰めた後は、
最後はやっぱり会っていただいて、
そこを感じていただいてという部分でしょうかね。
坂祐太郎
そうですね、もちろんパフォーマンスが全然出ないとか、
管理方式とかその辺のストラクチャーだったり、
管理体制がちゃんとしてないっていうところも、
だいぶ全然お話にならないって話なんですけど、
その最前線の前提、最初もうミニマム達成しなきゃいけないことを達成して、
前提でそこから先どうするかみたいな、
そこは割とエモーショナルな部分が多分に含まれてくるなっていうのはすごく思っています。
石井 芳明
それね、もう本当僕らも思うんですけど、
多分ベンチャーキャピタルがスタートアップに投資するのと同じような形なのかなと思って、
先ほど申し上げたような要件が合致する、
プラスこの人たちと10年間一緒に走れるかどうかっていうのが、
やっぱり担当のフィーリングとしてあるんですよね。
そこはエモーシャル、エモーショナルなところで、
そこがうまくマッチしてくるといいですよね。
坂祐太郎
本当にそこ同じだなというように、
石井 芳明
そうですよね。
坂祐太郎
拝見させていただいています。
松永 将幸
そうした場合にやはり会場で今回、
石井 芳明
それから、これVCの話も言っていいですか?
松永 将幸
もちろんでございます。
石井 芳明
ベンチャーキャピタルの方々に、
そのLP目線でこれからレイズする時に
どうするかっていうお話もちょっと申し上げたいんですけど、
これ今業界で多分話題になってると思うんですけど、
金融庁でベンチャーキャピタルに関する有識者会議っていうのがあって、
ベンチャーキャピタルにおいて推奨を期待される事項っていうのが、
いろいろ議論になってるんですね。
これあんまり言うとまた業界の方から怒られるんですけど、
これ何かっていうと、ベンチャーキャピタルとはこうあるべきだっていうのを
金融庁が有識者会議を使って示すっていう話なんですけど、
それを金融庁が言うかどうかは別として、
それから言い方も今ちょっと不思議な言い方で、
これは推奨される事項です。
これは期待される事項ですっていう不思議な言い方をしてるんですけど、
でもぜひこれからレイズされる方で、
もちろんちっちゃいファンドで運営を続けるっていう方は全然気にしなくていいんです。
ちっちゃいファンドのままやる方は、
それはあんまり考えなくていいんですけど、
これから機関投資家も含めて大きなお金をレイズして、
グローバルに出ていくスタートアップを育成しようっていうファンドの方、
GPの方はぜひそれ見ていただきたいんですね。
こんなことが求められてるんだなっていう風なところ。
推奨される事項としては受益者責任ですよね。
基本的にはガバナンスをちゃんとやりましょう。
それから経営体制を継続的にやっていくっていうことで、
キーパーソン、キーマンクローズと関係するんですけど、
その人が本当にファンドをずっと背負って、
専任でやってくれるんですかっていうのを、
LPU側は見てるっていう風な話なんですね。
そして先ほど選ぶときに重要って申し上げましたけれども、
コンプライアンス、利益相反、それから情報提供、レポーティングの話です。
ちょっと議論があるのが、レポーティングのところで公正価値評価をやるかどうかっていうのは議論があります。
でもこれはやっぱり大きいファンドはできるんですけど、
小さいファンドはできないっていう話なんで、
大きいファンドの場合は公正価値評価もやりましょうねっていう話ですね。
それから期待される事項として金融庁が言っているところが、
投資契約の話を言ってます。
これはぜひGPの皆さんに注意していただきたいんですけれども、
フェアかどうかっていう話なんです。
スタートアップに対してフェアかどうかっていうところ。
当然そのGPはものすごく百戦錬磨です。
スタートアップは初めての人たちです。
だから情報の格差があるわけですね。
割とありがちなのが、これが当たり前ですよっていうことで、
GPに対して有利な投資契約になっちゃうケースがあるんですね。
それは僕らLPの側から見たら、
リターンを確保する上では必要かもしれないけど、
そこまでやりますかっていう。
例えば一つあるのが、会社に対して出資するのに、
経営者の個人的な買取情報を入れてるケースがあるんですね。
もちろんルール違反とか表明保証違反で買取はあってもいいのかもしれないですけれども、
ただこれも微妙ですよね。
そこのところをどう考えるか。
それから収益分配のところで過度にVCに有利になってないか。
財産分配で過度にVCに有利になってないか。
ちょっと専門的になって恐縮なんですけど、
そういうふうなお話とかがあります。
だから本当にフェアにちゃんとこの投資先に対して
投資するような契約をやっているかどうかっていうのも
すごい重要だと思うんですね。
もう一つ期待される事項で言ってるのが、
金融庁の会議で言ってる話なんですけど、
投資先の経営支援をやりましょうとか、
資本政策を支援しましょうっていう話があるんですけど、
これはある意味VCにとって当たり前ですよね。
当然投資先にバリューアッドを済ますっていうのは当たり前なんですけど、
そこをちょっと深く考えてやっていただきたいんですね。
政策のところで今問題になっているのはスモールIPOです。
目先のところでちっちゃく上がるっていう風な話なんですけど、
それが本当にいいことなのかどうかを含めて、
エグジットはIPOがいいのか、逆にM&Aもあるじゃないかっていうのも含めて、
ちゃんと会話をする、そして選択肢を提示する、
同じ船に乗っている人として意見を言う、
こういう風なことをしていただきたいっていうのがLPの願いでもあるんですね。
あと、上場した後のクロスオーバーとか、
上場する前のフォロー温投資とか、
そういったことも金融庁の会議で書いていて、
ちょっとうるさいかなっていう風に思われるかもしれないんですけれども、
LPとしてはそういう風なところを見ていきたいと思っています。