佐藤 将史
1時半になりましたので始めたいと思います。 こちらですね、SFから現実へということで、今日3本目ですかね、このステージの3回目のセッションになります。
岡島礼奈
モデレーターを務めさせていただきます、BEYOND NEXT ADVENTURESの佐藤と申します。よろしくお願いいたします。
佐藤 将史
はい、SFから現実へということで、今日は多分SFファンの方とかですね、アニメファンの方とか、たくさんいろんな結構変わった趣味を持っている方が多く集まっているはずじゃないかなと思いますけど、
スピーカーの方々もだいぶエッジ効いていらっしゃるメンバー揃っているので、これから紹介をしていきたいというふうに思っております。
ではですね、まずはじめに私のお隣にいらっしゃいます、阿部さんから自己紹介をお願いしていきたいなというふうに思っております。
阿部圭史
日本維新の会の阿部圭司さんになります。よろしくお願いいたします。
佐藤 将史
じゃあこちら、お使いください。
阿部圭史
はい、ありがとうございます。皆さん初めまして、日本維新の会で、今選挙区神戸なんですけども、衆議院の支部長をしております阿部圭司と申します。よろしくお願いします。
私のこれ簡単なバックグラウンドですけども、もともと医者をやった後にですね、厚生労働省で行政関係の政策をやっておりました。
そこでは主にヘルスケア関係ですね、医療介護、そういった関係の政策もやっておりましたし、あとは外交関係、そういったこともやっておりました。
その中で一番取り組んでいたのが、危機管理、本当に国家の危機にどういうふうに対応するのか、例えばテロとかですね、あとは感染症、武力攻撃事態、いろいろありますけども、そういったことをやっておりました。
その後、国連に移りまして、コロナの最中はWHOでいろんなオペレーションをしたりしておりまして、その後、おまっきん税とか、いろいろ民間に移ってですね、事業をやった後に、今政治の道でやっている人間でございます。
こんな形で、私の専門のポートフォリオはですね、医療公衆衛生分野と外交安全保障危機管理ということで、2つ専門があるという形になっています。
まさに自分で医者として診療したりというのもありますし、この2つの分野をまたがるような形で政策をやったりしていることもございます。
また同時に左下軍服を着ていますけども、安全保障分野もやっているということで、いろんな軍事関係、防衛関係、そして外交関係をやっている人間です。
今日この2つの観点からいろいろお話をさせていただこうかなと思っておりまして、今日SFということですので、MySFポートフォリオということで書いてきました。
私の専門2つと言いましたけども、大体バイオテクノロジーとリスク、セキュリティ、安全保障と危機管理というところで、私の一番推したいSF作品ということで、また後でもちょっとお話ししますけども、ガンダムシードですね。
ガンダムいろいろありますけども、私ガンダムシードの大ファンでして、私の人生はガンダムシードが作ってくれたというふうに思っています。
そのくらい好きですね。あとは攻殻機動隊と、皆さん知ってますでしょうか、銀河英雄伝説というアニメでもありまして、小説でも非常に長い小説なんですけどね、宇宙の対戦の小説ですけども、今日この観点からいろいろお話をさせていただきたいと思っています。以上です。
佐藤 将史
はい、安部さんどうもありがとうございました。なかなか政治家の方でここまでアニメのレパートリー持っている方少ないですよね。後で詳しくお伺いしたいと思います。
佐藤 将史
ストーリーも全然違うんですか?
ガンダム、ファーストガンダム派の人、シード派の人。
あんま勝負つかなかったですね。
後で深めていきたいと思います。
じゃあ次お隣ですね、合同会社機械経営の庵野さんになります。
いろいろ庵野さん肩書き持っているのでなかなか表現しづらいんですけど、今日は機械経営の庵野さんということでお願いします。
安野 貴博
今日は機械経営の庵野としておしゃべりします。
3つ今まで職業をやってまいりまして、一つはAIエンジニアというところです。
東大の工学部の松尾研究室というところを卒業して、AIのエンジニアをしておりました。
特に自然言語処理の分野でいろいろやってまいりました。
2つ目がそのAIの技術を使って起業家というところです。
2社ほど自然言語処理と機械学習の技術を組み合わせたスタートアップを創業しておりまして、
1社目が株式会社ベドアというところでチャットボットですね、コールセンター向けのチャットボットを提供しているような会社でした。
2社目が株式会社モンテスキューというところで、契約書を機械に読ませて、弁護士の先生とか法務部の方をサポートするツールを作っておりました。
3つ目がSF作家というところで、早川SFコンテストという国内のSFの新人賞では最も規模が大きいものがあるんですけど、
そこでサーキットスイッチャーという作品で受賞いたしましてデビューをいたしました。
やはりAIなどを使った近未来の東京を描いております。
これバラバラにいろいろやっているように見えるかもしれないんですけど、基本的にはテクノロジーを使って未来を描くという職業をやってまして、
そういう軸で今いろいろとチャレンジをしております。
実は今東京都知事選に出ておりまして、7月7日に投票日があるんですけど、
それも実はこのテクノロジーを通じて未来を描くという活動の一環でございます。
佐藤 将史
ありがとうございます。
コメントをしていいのかどうか迷ってたんですけど、ご自分で切り出されたので。
実はさっきまでタスキをかけられていてですね、タスキで出てくるのかなと思ってどうやって突っ込むのかと思ったんですけど、タスキだけは外されて。
安野 貴博
タスキはちょっとやめてって言われたんで。
佐藤 将史
ということで、更野杏野さんとして来ていただきました。ありがとうございます。
ではその隣、エールCEOの岡島さんよろしくお願いします。
岡島礼奈
株式会社エールの岡島と申します。
私たちはですね、人工衛星を打ち上げて流れ星を作ろうっていうそういうスタートアップをやっています。
私はですね、もともとバックグラウンドが天文学をやっていてですね、
何のためにこれやっているのかっていうと、やっぱり科学技術を進化させないと人類の文明の存続っていうのが限られてしまうっていうのを本気で思っていて、
なので、科学を発展させるために民間企業でできることっていうのをいろいろ考えてですね、
まずは第一弾として人工的に流れ星を作るというところをやっています。
ちなみにですね、SFとの関わりっていう意味で言うと、
あんまり私、会社の経営とSFっていうのをそんなにくっつけては考えていないんですけれども、やっぱり未来を考えるっていうところと、
あとはですね、実は個人的にSFの映画をプロに物理学者だったりとか、大学の教授だったりとかそういう方々に解説してもらうかいっていうのを主催していて、
こないだ3体でそれをやったら大盛り上がりでした。
こういったようなことを考えていてですね、今日は皆さんとお話しできることを今日楽しみにしてまいりました。
あと余談なんですけれども、私と石井さん実は鳥取出身で、
なんと、あのガンダムの主人公のアムロ・レイも鳥取出身という噂があるのをご存知でしょうか。
ということで、今日はよろしくお願いいたします。
佐藤 将史
はい、ありがとうございます。
なんとなく石井さんがアムロ・レイに見えてきたみたいな感じなんですけど。
はい、ではですね、ちょっと私も僭越ながら少しだけ自己紹介させてください。
改めまして今日のモデレーターを務めます、ビヨンド・ネクスト・ベンチャーズの佐藤と申します。
自分はですね、もともと社会人としては野村総合研究所というところで経営コンサルタントをやってきたので、
ビジネスバックグラウンドの人間で、今ですね、いろいろ運用曲折を経てビヨンド・ネクスト・ベンチャーズに昨年ジョインしまして、
大学初スタートアップの投資のアドバイザーだったりとか、あと大学初のですね、そういった社会実装の環境整備ということで政策提言とかのお仕事をさせてもらっています。
今日ここのモデレーターになっているバックグラウンドを多分選ばれている理由の一つがですね、
自分のメインの領域が宇宙なんですね。
大学時代にちょっと天文学っぽいことをやっていて、実は岡島さんも似たようなことを同じところで勉強していたんですけれども、
前職の時からですね、ちょっと兼務で社団法人でスペースサイドという団体をやっていて、
宇宙ビジネスの全体を業界に盛り上げるような活動をもう10年近くやっているんですけれども、
iSpaceという、おそらく今日のオーディエンスの層の方は知っている方が多いんじゃないかと思うんですが、
月面着陸をするスタートアップにおりまして、IPO等を経てですね、ちょっと卒業しているんですけれども、
そういった宇宙のバックグラウンドがあるからということで、ちょっとSFと近いということで選んでもらったんじゃないかなと思っています。
この辺はビヨンドの紹介でさらっとしますけれども、
うちの今200億円から250億円ぐらいの新しいファンドの蘇生をしてですね、投資の方を始めております。
特にディープテックにかなり力を入れているVCでございまして、大学の先生や研究者、こういった方々との付き合いが多いVCじゃないかなと思います。
ちょっとユニークなところが、もう創業の前段階から研究者の方とリリエーションを取りながらやっていくということで、
割とやっぱりそういう企業家の方ってSF思考の方がすごい多いんですよね。
なのでこういう方々とお話というのは非常に実は日常的にあったりする職場環境だったりします。
領域はもう本当それぞれで、多分今日の登壇者の皆様がそれぞれお得意としている領域があるんじゃないかなと思いますけど、
本当にウェットサイエンスから宇宙やロボティックス、クライマットに至るまで様々なところをカバーしている感じです。
ちょっとここがインプットという意味なんですけど、宇宙が実はSFの中で現実を起こしている最たる例の一つじゃないかなと思っていて、
ここに書いてある出来事って全て実はリアルでビジネスになっているんですね。
よくニュースとかで見ていらっしゃると思いますけど、イーロン・マスク、ジェフ・ベーソス、宇宙のスタートアップをやっていて、
ここに書いてある6つは全部彼らがやっているんです。
佐藤 将史
20,30年前から放送としてはずっとあったんですけれども、彼らは2000年代前半に会社を作って20年でビジネスにしちゃったんですね。
彼らの幼少期のSF体験というのはすごくこれに生きていて、こういうのって本当にリアルになるんだなということで、
SFというのはSFで終わらないよということの例かなということでちょっとご紹介させていただきました。
ということで自己紹介を終わりにしたいと思いますけれども、ディスカッションの方に移っていきたいと思っています。
画面の切り替えをお願いします。
今もうそれぞれいろんなお話を伺ったところなんですけど、改めて皆さんが一押しのSFの作品なんていうのをちょっとお伺いしていきながら話を膨らましていきたいなと思っているんですね。
小説、映画、アニメ、漫画、いろいろあると思うんですけど、
ご自身のこれまでの人生の中で一番インパクトを与えてくれたもの、何か、その理由は何かというところをちょっとお伺いしていきたいと思うんですけれども、
もう安倍さんは先ほどすでに出ているなと思うんですが、改めてその魅力をお語っていただけますか。
阿部圭史
はいどうもありがとうございます。
私も先ほどマイSFポートポリオというところでお話ししましたけれども、私の人生に影響を与えたSF3つ、
ガンダムシードと攻殻機動隊と銀河英雄伝説ですね。
やっぱりガンダムシードはですね、ガンダムの世界は全部そうですけども、いろんな戦争があるんですよね。
その中でやっぱりいろんな困難に立ち向かいながら、できることをやっていくと。
やっぱりその中でできること、望むこと、やらなければならないこと、この3つの高点にこそ進むべき道があるんだというのを主人公のキラー・ヤマトが言っていてですね、
まさにその通りだと思って、私はもうこの言葉に人生のキャリアとかですね、
自分が事業をやる上での選択肢を導いていただいたという感じです。
銀河英雄伝説はそれこそ宇宙大戦の話なんですけども、やっぱり権威主義対民主主義、
それの大きな構造をどう戦っていくかということで、私の民主主義の考え方に非常に影響を及ぼしました。
あとやっぱり攻殻機動隊は今後100年どういうふうな社会を作っていくかというので、
非常にSFプロトタイピングとして材料を提供してくるものですので、挙げさせていただきました。
佐藤 将史
ありがとうございます。いずれの作品も多分共通した影響というのは、やっぱりその世界観みたいなところなんですかね。
その世界観がどういう世界を作っていくかという思想の勉強になったという感じですかね。
阿部圭史
そうですね。やっぱり個人の人生、そして今私政治の道にいますけども、
この社会、日本社会と世界、この社会をどういうふうに形作っていくかというのは非常に影響を及ぼしていると思います。
佐藤 将史
ありがとうございます。石井さんも最初から分かってますけど改めて聞きますが、何の作品が一番でしたか。
石井啓範
はい、先ほどもちょっと当然お話しさせていただいたんですけど、ガンダムですね。
ガンダムの中でも特にファーストガンダムが一番影響を受けてまして、意外とそのきっかけで言うとですね、
私小学校1年生ぐらいの時よりガンプラブームの時に直撃した世代でですね、
小学校1年生なんであんま話はよくわからないんですよ。結構難しい話なので。
なので一番最初やっぱり圧倒的にそのモビルスーツのデザインのかっこよさで、特にその相手側ですね。
ジオン公国の、連邦じゃないガンダムじゃなくて相手側の、私はドムっていうモビルスーツが一番好きなんですけど、
すごいやっぱりミリタリチックなデザインにすごい心を打たれたという感じで、
それがやっぱりものづくりの興味の原点がやっぱりガンダムのジオン側のモビルスーツっていうところが最初のきっかけですね。
佐藤 将史
いやガンダムはやっぱり話がすごく難しいから、そのデザインとかかっこよさから入るのはすごくよくわかるんですよね。
自分も全然わからなかったけど、でもドムなんですね。
石井啓範
ドム、ドムですね。
皆さんドムはわかる方はドム?
佐藤 将史
半分もいませんよ。
石井啓範
あのそうですね、劇中でランバラルっていうパイロットがですね、グフっていうザクが出てきて、
ザクとは違うのだよザクとはっていう名台詞を言うんですけど、子供ながらに見ててザクが青くなっただけじゃんっていうのがあって、
その後にドムが出てきて、ザクと全然違うって思って。
そのマッチョな感じで、その登場とかもすごいかっこよかったので、それで好きになりました。
じゃあ御社のロボットがちょっとマッチョなのはそういう影響もあるんですか?
まあいや、あれデザイナーのもあるんですけど、はいそうですね。
佐藤 将史
はいありがとうございます。
安野 貴博
じゃあ庵野さんもぜひ。
いやこの質問めちゃくちゃ難しくないですか。
一番影響を受けたSFですよね。
まあそれで言うと、いろんな面でいろいろあるんですけど、
一番は私の場合は、中学2年生の時にやったメタルギアソリッド2ですね。
佐藤 将史
ゲームですね。
安野 貴博
ゲームですね。
すごくSF的な発想がいろいろ込められている作品で、
そのメタルギアソリッドっていう作品にさらに影響を受けた伊藤圭角さんっていう人が、
日本のSFのゼロ年代を作っているんですけど、
その人が虐殺機関っていうのとハーモニーっていうすごいベストセラーを出したんですよね。
で実はそれが早川書房という会社から出てまして、
その2冊を出したことで潤った早川書房が作ったのが早川SFコンテストなんですよ。
で私その賞をもらっているんで、まあその元祖をたどっていくとやっぱりメタルギアになるっていう。
佐藤 将史
児島秀夫監督。
安野 貴博
児島秀夫監督をちょっとものすごい影響を受けてますね。
佐藤 将史
あの方はどちらかというとSFの人なのか、なんか戦争のイメージがあったけど。
安野 貴博
まあいろんな見られ方されてますけど、やっぱりメタルギアの中でも
MEMEとかAIとかいろんなSFの発想が詰まっているので、
SFファンの方はぜひやられるといいと思います。
佐藤 将史
なるほど。ありがとうございます。
ちょっと想像しないところから作品が出てきてびっくりしました。ありがとうございます。
小川島さんいかがでしょうか。
岡島礼奈
好きなSF作品とかじゃなくて影響を受けたですもんね。
だからそれ、庵野さんおっしゃったようにすごい難しいなと思っていて。
そういう意味で言うと私は、マイクル・クライトンのジュラシック・パークですね。
映画じゃなくて小説の方です。
何が影響を受けたかというと、あれ中学校か高校の時に読んだんですけど、
理学系の知識をもとに、サイエンスを本当にベースに話が発展していて、
結構リアリティがあるなって学生時代に思ったっていうのがあって。
なので、このサイエンスを使って、科学技術を使って未来が作れるみたいな、
そういうものを目の当たりにした体験っていうのがジュラシック・パークだったっていうのがあります。
全然SFじゃないんだけど、やっぱり影響を受けたのはホーキングの宇宙論とかで、
あれも結局まだ実現されてなかったりとかするので、ある種フィクションも入っているとは思うんですけど、
全力で科学なんですけど、ああいうのを見て、本当に宇宙の壮大さとか、そういうのを見て影響を受けたっていう、そういう世代です。
佐藤 将史
ありがとうございます。ジュラシック・パーク、懐かしいですね。
あれ結構続編も作られて、結構息に長い作品になってたんでしたっけ?
岡島礼奈
続編は普通にアクションが多くなるんですけど、
一段目ってやっぱりどうやってDNAの技術を応用するかみたいなのをかなりリアルに話していて、
あと結構カオス理論とかを混ぜながら話していくので、すごい楽しかった記憶があります。
佐藤 将史
岡嶋さんは基本的にサイエンスバックグラウンドがすごいあるので、本当そういうの大好きですよね。
さっきの3体もそうですしね。
岡島礼奈
だから皆さんが結構、人間の心の話とかは、科学技術のテクノロジーの話をされているんですけれども、
岡島礼奈
私は本当にサイエンスの方で好きなタイプです。
佐藤 将史
はい、ありがとうございます。
こういったSFの話なんですから、まず私良かったと思ったのは、一応全部拾えるので、
皆さんのアンサーが何とかわかる作品ばっかりで良かったんですけど、
こういったSFの発想ってもちろん個人の趣味、子供の頃からの夢だったりとか、
影響っていうのはあると思うんですけど、なかなか大人になるとこれを仕事に活かしたり、
リアルな人生に反映するって難しいと思っていて、
お読ん方それを胸張って表で喋れるような活動をされていらっしゃるのは素晴らしいことだなと思うんですけど、
他方でオーディエンスの方の中には大器用お勤めの方だったりとかいらっしゃると思いますし、
私も妻にいい歳していつまでもアニメ見てんじゃねーとか言われるわけですけれども、
そういう中でSFってどうして大事なのっていうのを、
ここに今日いる皆さんとシェアして家に帰ってもらえると嬉しいなと思っているんですが、
やっぱり今日はIBSなんでビジネスとの繋がりっていうのをちょっと考えていきたいと思うんですけども、
このSFがこれまで現実にどれくらいインパクトを及ぼしてきたんだろうかと、
確実にこの4人に対して人生上の影響を与えてきたわけなんですけども、
ちょっとそれを改めて再現性を持って考えたいと思うんですけど、
ちょっと資料の画面切り替えをお願いしてもいいですか。
これ三菱総合研究所さんが整理されていらっしゃるSF思考とはっていうチャートがあってですね、
ビジネスとか社会をこれから創設、いろいろイノベーションを考えていく上でこういう考え方あるよねっていうことをまとめたやつなんですけど、
よくあるのはロジカルシンキングとか言ったりとかシナリオプランニングとか言って、
今これ軸で整理されているのが、
左と右でいうと、縦ですね、縦で上と下でいうと、
確実な今ある既存のものから延長線上で考えたらこうなるよねって話と、
頭を一回吹っ飛ばして不確実なところ、断続的な未来を描いたらどうなるかっていう軸がありますと。
そうするとSFって当然上のほうになるんですけど、
よくシナリオプランニングも同じようなことを言われるんですね。
未来を描いてどういうことが起きていくかをシナリオとして描いていきましょうと。
SFってこれ、自分もこれを見て初めて理解したんですけど、
SFって物語なんで、主人公の目線とかキャラクターが出てきて、
その技術をどう使うかみたいなことがシナリオとか語弊がある、ストーリーで書かれるので、
人間中心で分かりやすいんですよね。
庵野さんの小説の冒頭とかも読ませていただきましたけど、
どういうふうに10年後のテクノロジーを使っているかって確実に書かれていて、
こういうふうに使うんだ、こういう社会なんだってことが、
なんとなく客観的にまとまっているシナリオプランニングで分かりやすいと。
というのがSF思考学で、
最近これがビジネスの業界でもSF思考とか、
SFプロトタイピングっていう言葉が出てきているんですけれども、
まずこれが本当に使えるのか大事なのかというところを、
ちょっと皆さんにお伺いをしていきたいと思っているんですが、
まず安部さんにお伺いをしたいと思うんですが、
これから社会作りの中でSFの思想みたいなのも、
これから訴えていかれるんじゃないかと思うんですけど、
これはいかにして重要なんでしょうか。
阿部圭史
そうですね、SF思考というのは一番代表される単語としては、
バックキャスティングというのがあると思うんですね。
やっぱり今の現在がこうなっているから、
次こうなるかもねという考えというのは、
フォーキャスティングと言いますけれども、
やっぱりそれだと50年後、100年後の社会、
未来をどう作っていくか非常に難しいと思うんですよね。
で、やっぱりバックキャスティングで、
やっぱりこういう社会を作ろうじゃないかと、
こういう未来を作りたいなというビジョンがまずあって、
そこで現在に立ち返って何をやらなきゃいけないかというのがSF思考かなと思いまして、
やっぱり今後の社会を作っていく、
企業の皆さんリーダーになられる方々がたくさんいらっしゃると思いますので、
そういった方ですとか政治家とか、
そういったリーダーになる方々はやっぱりSF思考が重要なんじゃないかなと私は思っています。
佐藤 将史
やっぱりリーダーだからこそ持つべき考え方というところですかね。
阿部圭史
そうですね。
佐藤 将史
はい、庵野さんにもちょっとお伺いしたいんですけども、
実際にもうSF小説も書かれていらっしゃると思うんですけど、
やっぱりああいうのを書く時っていうのは、
あそこで込められたメッセージをいろんな社会経営者とかビジネスの人にも使ってもらいたいなみたいな、
佐藤 将史
そういう思想もあったんですかね。
安野 貴博
そうですね。
自分が書く時はもう楽しんでもらうことを第一に最適化しているんですけど、
それでもSFだからできることってやっぱりたくさんあるなと思っています。
今の社会を見た時に、
最近私が思ったのは、
技術が進化するスピードってどんどん増えて、
スピードが速くなっているじゃないですか。
今までって社会が変わるボトルネックって、
その技術が発明されるっていう技術の進化スピードがボトルネックだったと思うんですけど、
多分この10年くらいでそのボトルネックが移り変わって、
人間の社会が新しくいろんな出てきている技術を取り入れる、受け入れるスピードに変わってきたと思うんですよね。
なので、ある意味技術のスピードじゃなくて、
我々社会が変わるのは、
我々が新しい技術を受け入れるスピードがこの社会の変化を規定している時代だと思っていて、
そういう意味でSFっていうのは、
個人の目線で技術がどう使われるのかっていうのを、
たくさんの人に頭の中でシミュレートさせる機能を持っているので、
社会を加速させるのに一役買っている気は私はしています。
佐藤 将史
ありがとうございます。
そういう意味では、受け入れるってすごく重要なキーワードだと思うんですけれども、
だからありものの技術もそうかもしれないけど、
やっぱりリーダーのような方がちょっと進んだものを提唱して、
それをみんなでやっていこうぜっていう空気を作れるかどうかっていうところですかね。
石井啓範
個人的にSFが何か産業にどう貢献しているかっていうところの、
サイタルで私はやっぱり宇宙産業っていうのが、
元々要はジュール・ベネルの月世界旅行っていうSF文学があって、
それに影響を受けたゴダードでした。
研究者がロケットを打ち上げようっていうところからスタートして、
すごい長い年月を経て、
今これだけ宇宙産業、先ほどスライド見せていただいたぐらい発展していると思うんですけど、
ゴダードなりはそこまで宇宙産業が広がるっていうのは考えていなくてですね、
SFの影響を受けて、やっぱり宇宙に行ってみたいみたいなチャレンジ、
ロマンを大切にしたところからスタートしていって、
それが繋がっていってこれだけの大きな産業になっていると思うので、
このグラフがそのままだと思うんですけども、
人間中心に、人間がロマンとしてやりたいことっていうのを、
もちろん社会規定で社会課題を解決するっていうのも重要なんですけど、
人間がそうじゃない面で、純粋に夢を追い求めるっていうところも大切にしていけば、
その中の何かが50年、500年後に繋がれるのかなっていうふうには考えてますね。
阿部圭史
そうですね、やっぱりリーダーはビジョンの種というかですね、
本当にどういう方向に組織を持っていくか、社会を持っていくかって常に考えなきゃいけないと思いますので、
リーダーこそSF作品いっぱい見て読むべきだと思いますね。
石井啓範
リーダーはすごいですね、発想が飛んでる必要性があると思う。
私はどっちかというとエンジニアなので、リーダーの発想をどう実現するかみたいなポジションでですね、
エンジニアって割と真面目なんでですね、どうしても積み上げ方で考えてしまうんで、そうすると飛ばないんでですね。
佐藤 将史
そこを伺っていいですか。
まさに大企業としてのエンジニアでもあられた石井さんに聞きたいのが、やっぱりこういうSFの話って大きな企業とかだと、
イノベーター的な役割の人が最近でこそ認められるようになりましたけど、やっぱり最後に事業開発する人とかエンジニアとの間で絶対摩擦が生まれると思っていて、
さっきの妻に怒られた私の話じゃないんですけど、社内でも怒られるみたいなケースあると思うんですよ。
そういうのって実装するために何が必要なんですかね。
石井啓範
そういう意味で言うとやっぱり技術が当然必要になってくるんですけど、
常々難しいところだと思ってるんですけど、うちもそういううちの代表とかが結構飛んでることとか言うんですけど、
それが全部否定してしまうと終わってしまうので、なので結構アンテナを張ってどこまでだったらできるかみたいなところを、
その線引きですね、次の開発の狙いどころをどこに持ってくるかっていうのはすごいポイントだと思います。
先ほどの動くガンダムの話も、あれもサンライズの宮川さんっていう社長やられた方がガンダムを動かそうっていうことを言い出して、
どう動かすかとか何もないんですけど、5年後に動かそうっていうことを言い出してプロジェクトが立ち上がって、
それでエンジニアが試行錯誤した結果が横浜の穴形に落ち着いたんですけど、
そこはだからそのそれぞれのポジションがあってっていう役割が結構2つ明確にあるかなと思います。
佐藤 将史
そういう意味では動かそうというトップダウンも重要だし、もう1個感じたら見せたってことですかね。
石井啓範
そうですね。
佐藤 将史
動かして見せたことによって変わったっていうのはありますよね。
石井啓範
そうですね、それがだから最初から自立しないじゃないかみたいなのは当然わかってる話なんですけど、
今ある技術で動かすと言うとここまでできますよっていうのを見せることによって、特に子供たちがあれを見ることによって、
じゃあそれを見た彼らが次に何を目指すかっていうところに先ほどの宇宙開発と同じなんですけど、
次の世代に繋がっていけばいいかなっていうのも1つの大きなミッションだというふうに考えています。
佐藤 将史
安部さんにもお伺いしたいんですけど、おそらくこれからその政策を作っていく時とかにもやっぱりテクノロジーとかこういうSF基建のものに投資をしようとか、
予算つけようとかっていう時に絶対その反対派とか国民の理解が難しいとかってあると思うんですけど、そういうのはどう乗り越えていくものなんですかね。
阿部圭史
そうですね、やっぱりSFの世界を考えて進めていく上で、今技術の話ありましたけども、やっぱり2つ制約があると思っていて、
技術的制約を解除していくという話と、社会的制約をどういうふうに乗り越えていくかっていう話ですね。
例えば私が好きなガンダムシードの世界でも、ナチュラル対コーディネーターってありますけども、
普通に生まれた人間と、遺伝子操作して生まれた人間と、その対立が描かれるんですけども、
やっぱりそういった新しい技術に対して社会的な需要って非常に大事だと思っていてですね、
また本当に生命倫理をアップデートするですとか、そういったことも議論になるのかなと思うんですが、
やっぱりこれは時間がかかるんですよね、社会的な基盤、条件をアップデートするっていうのは。
なのでこれは国民的な議論ももちろん必要になってきますし、最終的には、
臓器移植法の改正って昔あったんですけども、
佐藤 将史
お言葉でいいですか、臓器?
阿部圭史
臓器、脳死管飾とかですね、そういう関係ありますけども、
やっぱり生命倫理のところについては、議員一人一人の良心に基づいて投票しようじゃないかとか、
そういったことになってくるので、やっぱり本当に世界の中でも非常に大きな議論になるんじゃないかなと思います。
佐藤 将史
そういう時にSFを見て育った世代が多いかどうかで色々変わったりします?
阿部圭史
それは結構あると思いますね。
SFを見て育った人だと、こういう世界観ねっていうのはすぐ思い浮かぶんだと思うんですよ。
それはもちろん良い点もそうですし、それに伴う負の側面もそうですね。
佐藤 将史
庵野さんもしこの辺、まさにSFの伝道師たるお一人としてどうでしょう?
安野 貴博
まさにSFで見ていたことがあるからすっと入ってくる概念ってたくさんあると思ってて、
今日本って結構AIに対して神話的な国だって言われてるんですけど、
それ何でかっていうのを色々議論されている中で一つあるのは、
アメリカとかヨーロッパとかだと、AIとかロボットって聞いた時にターミネーターのことをまず思い出すんだと。
だけれども日本だとアトムとかドラえもんを思い出す。
これによって神話性みたいなのが結構変わってきてるんだっていう話があって、
それはすごいあり得る話だなと私も思いますね。
佐藤 将史
面白いですね。受けたカルチャーによってイメージするものが全然違うってことですね。
そういう意味では岡島さん、我々がいる宇宙業界もアメリカの場合確かにスターウォーズとスタートレックに影響を受けてて、
岡島礼奈
日本の宇宙業界の人はガンダム派が多くてみたいなのありますよね。
ありますね、本当。あとスターウォーズ、スタートレックでエヴァの人もいます、たまに。
たまにエヴァンゲリオン好きの宇宙好きがいる気がしますね。
岡島礼奈
私が一緒に研究してもらっている大学の先生が、エヴァンゲリオンの映画版の最初、
安野 貴博
宇宙空間からの先頭でスタートするじゃないですか。
岡島礼奈
エヴァ級ですね、エヴァ級ですよね。
佐藤 将史
エヴァ級のあれの科学講師をやってたりとか、さはら先生がしてましたね。
そうなんですね。
でも4月に行ったコロナで行われている宇宙業界の最大のスペースポジウムっていう行政とか防衛省とかが集まるイベントがあるんですけど、
そこでやってた一番注目を集めたセッションが、
宇宙業界スターウォーズファン対スタートレックファンっていうセッションをやっててですね、
普通にNASAの幹部が激論化してるんですよ。
これの素晴らしい文化だなと思って。
石井啓範
海外ってすごいスタートレック人気ですよね。
佐藤 将史
そうなんですよ。
石井啓範
日本は圧倒的に、私の認識ではスターウォーズなんですけど、海外は本当にスタートレック人気ありますよね。
佐藤 将史
結構こういうカンファレンスにいいシニアの方が映画のシャツ着て現れるみたいな。
でもああいうのがあるからやっぱり、すごい理解度が深まるし、
いろんな人に宇宙の理解が示されてるんだろうなっていうふうには感じましたね。
じゃあちょっと次のトピックに移りたいと思うんですけども、
SFで未来をちょっと皆さんに描いていただきたいなというふうに思っているんですけれども、
これからの10年ぐらいですね、2030年前後から以降っていうのを足元で見ていければと思うんですけども、
何が最初に起きていくだろうか、ということをまず伺いたいと思っていて、
宇宙に人が住むとかって、ガンダムとかスターウォーズの世界はまだちょっと先かなと思うんですけど、
その手前の未来の中で一番最初に起きること、少し何人かにお伺いしていきたいと思うんですけども、
安野 貴博
まず私の中では庵野さんかなと思っていて、サーキットスイッチャーという本が2029年ですよね。
佐藤 将史
あの辺の世界観からかなと思うんですけども、何が最初に起きるんでしょうか。
安野 貴博
そうですね、私がサーキットスイッチャーという本の中でも書いたんですけど、
一つものすごい社会にインパクトを及ぼすのが、自動運転の普及だと思っています。
実は先週これサンフランシスコでWAYMOっていう自動運転タクシーの会社が一般に営業を開始してですね、