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2025-12-05 25:06

【著者の声 #25】『テヘランのすてきな女』 金井真紀さん(文筆家/イラストレーター)

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▼今回の対談について

今回のゲストは、文筆家・イラストレーターの金井真紀さん。最新刊『テヘランのすてきな女』では、イランの銭湯、美容院、女子相撲クラブといった場を訪ね歩き、現地の女性たちの声を聞き、描きとめていく。報道では語られにくい“日常”の豊かさと、制約の中に息づくしなやかな知恵やユーモアを伝える、異色の聞き書き&スケッチ集だ。
相撲好きがきっかけでイランを訪れたという金井さん。旅を続けるなかで出会った「アフガニスタンの人から見れば、イランは自由」という一言が、「自由とは何か?」という根源的な問いを投げかけてくる。
40歳で「面白いことで食べていけるか」実験を始め、今もその途中にあるという金井さん。取材のジレンマ、聞き手としての矜持、絵本制作の裏側や、お金との距離感まで。話は軽やかに飛びつつも、「自分のまま生きるとはどういうことか?」という静かな軸が通う。
「役目が終わったら森に帰る」——その言葉ににじむ、手放す強さと、自分を信じる柔らかさ。聞くことと描くことの、その先にあるものを語っていただいた。

 

▼インタビューフル版はこちら
271 前編
YouTube https://youtu.be/IhmBlFY--CM

Spotify https://bit.ly/4atSOaf
Amazon https://bit.ly/4ovDWvg
ApplePodcast https://bit.ly/49UW6mG

 

▼ゲスト略歴
かない・まき/1974 年、千葉県生まれ。文筆家・イラストレーター。著書に『パリのすてきなおじさん』(柏書房)、『世界はフムフムで満ちている 達人観察図鑑』(ちくま文庫)、『聞き書き 世界のサッカー民 スタジアムに転がる愛と差別と移民のはなし 』(カンゼン)、『日本に住んでる世界のひと』(大和書房)、『おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った 世界ことわざ紀行』(岩波書店)など多数。「多様性をおもしろがる」を任務とする。難民・移民フェス実行委員。

▼最新刊
『テヘランのすてきな女』(晶文社)
https://amzn.to/4irVBCK

 

▼インタビュアー略歴
早川洋平(はやかわ・ようへい)/1980年横浜生まれ。中国新聞記者等を経て2008年起業。羽生結弦、よしもとばばな、髙田賢三、ケヴィン・ケリーら各界のトップランナーから市井の人々まで国内外分野を超えてインタビュー。13年からは戦争体験者の肉声を発信するプロジェクト『戦争の記憶』にも取り組む。『We are Netflix Podcast@Tokyo』『横浜美術館「ラジオ美術館」』『石田衣良「大人の放課後ラジオ」』等メディアプロデュースも多数。

▼最新刊『会う力-シンプルにして最強の「アポ」の教科書』(新潮社)
https://amzn.asia/d/cakhSAh

 

▼「著者の声シリーズ」について
人生を豊かにする一冊を書いた著者のお話を届けることで、
ひとりでも多くの人に本と著者の方の魅力を知ってもらいたい。
そして本の世界を元気にしたい……
石田衣良と編集部の思いから立ち上がったプロジェクト。プロインタビュアー早川洋平が聞き手をつとめます。
(著者の声 再生リスト https://x.gd/wZHkz

 

【石田衣良 大人の放課後ラジオ】
小説家石田衣良が、若い仲間たちと大人の放課後をテーマにお届けする、自由気ままな番組です。映画・マンガ・本、音楽など最新カルチャーから、恋愛&人生相談、ほんのり下ネタまで、日常のひとときを、まったりにぎやかにするエイジレスでジェンダーフリーなプログラムです。

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▼お問い合わせ
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サマリー

金井真紀さんが自身の経験や作品について語る中で、特に『テヘランのすてきな女』に焦点を当てています。彼女は海外での体験や文化的な交流の重要性を取り上げ、移民や難民の人々とのつながりを通じて新たな視点を得ることの重要性を強調しています。『テヘランのすてきな女』では、相撲とイランの女子スポーツに関する文化の違いや社会的背景について語られ、彼女はイランでの実際の経験を通じて女性たちの強さや挑戦を浮き彫りにしています。また、金井真紀さんは『テヘランのすてきな女』に関連して、テヘランでのインタビューや地元の人々との交流についての洞察を提供し、イランの政治状況とそれに対する印象の変化にも触れています。

金井真紀との対談
スピーカー 2
さあ、今日はですね、文筆家でイラストレーターの金井真樹さんにお話を伺います。金井さんよろしくお願いします。よろしくお願いします。
今日はですね、横浜港未来の収録ブースに来ていただいたんですけど。はい、ありがとうございます。
スピーカー 1
金井さん、横浜、港未来も含めて来ることってあんまり普段ないですか?
スピーカー 2
普段あんまりないんですけど、昔、本当に昔なんですけど、中華街で生まれ育った中国の先生がいて、大好きな先生がいて、
その周りにいる人たちも大好きで、自分がすごい若い時にその人たちも大人だったんで、よく遊んでもらってたんですよね。
すごい今日も横浜桜木町で降りて、久しぶりだなぁと思って、その先生はもう亡くなっちゃったんで、それも含めて懐かしいなぁと。
そうなんですね。なんかそれだけでまた一冊書けそうなんですね。本当ですよね。
スピーカー 1
今日はですね、いろいろ話を聞いていきたいんですけども、金井真樹さんといえばですね、ちょっとプロフィールをあえて読みますね。よろしくお願いします。
はい、1974年千葉県生まれ、文筆家イラストレーター、著書にパリの素敵なおじさん、世界はふむふむで満ちている。聞き書き世界の作家ミニ。
日本に住んでる世界の人、おばあちゃん猫でテーブルを拭きながら行った世界ことわざ機構など多数、多様性をもしろがるを任務とする難民フェス実行委員ということでですね。
スピーカー 2
今日いろいろお話を伺っていきたいんですけども、今日はね、最新刊になるんですか?また次出そうですけども。
スピーカー 1
いやいやいや、もたもたってことは多分ね、いっぱい執筆中なのかなと思うんですけど。
小文社から2020年、去年ですね、リリースされたテヘランの素敵な女ということで、主にこの本にフォーカスして伺っていきたいんですけども、
その前に全然長いんですけど、やっぱりね、金谷さんといえば海外にしょっちゅう行っているイメージがあって、今回もですね、あと撮らせていただく際も、また海外ちょっと行ってきますって感じだったんで、どちらへ行かれてたんですか?
スピーカー 2
最近はブラジルとエチオピアに行きました。
スピーカー 1
そうなんですね。それはお仕事?
スピーカー 2
仕事になるといいなって。
スピーカー 1
すごくわかりました。
スピーカー 2
わかります。
そういうスタイルな感じですか?
仕事になるのを待ってたら一生いけないんでね、先走った方がいいですね。
スピーカー 1
もうちょっとだけ言える範囲でいいんですけど、なるといいなだけど、ブラジル、今日メインじゃないですけど、ちょっと行ったきっかけというか、行って何をされてきたか。
スピーカー 2
ありがとうございます。
最近その日本に住んでいる、難民移民フェスってお祭りをちょっとやったりとかしていることもあって、日本に住んでいる難民とか移民の人たちの友達がすごい増えたんですね。
アフリカから来た人とか東南アジアとか南アジアとか南米とか中東とかいろんな国の人いるんですけど、中東はちょっとないかもしれないんですけど、アフリカとか南米とか東南アジアの人とかが、キャッサワってわかります?
スピーカー 1
お芋みたいな。
スピーカー 2
キャッサワお芋みたいなの、みたいじゃなくて、あれをごちそうになりに行くと、ご飯作って、まずアフリカの友達だったんですけど、キャッサワ料理を作ってくれて、最初なんか珍しいと思って、こんなんどうしたの、輸入したのかなと思ったら、そうじゃなくて、
もう日本の移民の人たちは、結構キャッサワ育ててる人、日系ブラジル人の人とかもキャッサワ畑で作ってたり、それも流通してて、いろんな国の人たちがそれで料理をしててですね、日本人である私は知らなかったのに、もうすでに日本の愛知県とかの日系ブラジル人とかペルー人とか多いような団地とかだと、そのスーパーだとキャッサワ売ってるんですよね。
新大久保にも売ってるんですね、東京だったら。なんかちょっと完全興味が出てきて、キャッサワを追いかけたら、なんか移民の歴史っていうか、いろんな姿が見えるのかなとか思ってきて騒いでたんですよ、キャッサワキャッサワってこの1年ぐらい。
そしたらブラジルのパラー州っていう、ブラジルの中で一番北のアマゾン川とかの河口のところにある州があって、そこでブラジルもみんなどこでもキャッサワ食べるんですけど、そこのキャッサワ文化がすごいとかって、そこに住んでる人から連絡が来まして、絶対来た方がいいって言って。
これ以上話すとキャッサワトークが延々届くので、みんなちょっとついていけないというか、辛いと思うんであれですけど、本当に細かいキャッサワの食べ方とか、加工の仕方とかがあって、それを見に行ってどうするんだって話ですね。
スピーカー 1
じゃあそれを見に行ってきて。
スピーカー 2
それが一番の目的でした。
スピーカー 1
じゃあ行ってきて、今は素材としてもたくさんあって。
スピーカー 2
でも誰も興味持たないじゃないですか。
スピーカー 1
ってことはチャンスってことじゃないですか。僕は社会の説法になっちゃいます。
スピーカー 2
そうですか。
スピーカー 1
世界がキャッサワでできているか、わからないですけど。
スピーカー 2
そう思うんですけど。
スピーカー 1
なるほど。
じゃあそれでブラジル行って。
学問と作家活動
スピーカー 1
ブラジルとイチロピアって近いな。
スピーカー 2
意外と南米から。
ブラジルに行こうと思って、初めて行ったんですけど、ブラジルに。
一番多い民はアメリカ合衆国経由の民が一番検索すると出てくるんですけど、
私はこのテヒラの本のおかげもあって、イランに何度か行っていて、
イランに行くとアメリカ合衆国入りづらいんですよね。
エスタが取れないんですよね、2年間とか。
なのでアメリカ合衆国に行けないんで。
スピーカー 1
そうか、イランファーストで考えると。
スピーカー 2
もうすぐに入れないんで。
それでアメリカ合衆国を踏まずに安い方法を見てたら、
イチロピア航空っていうのがあって、
イチロピア経由でブラジルに行ったんですけど、
トランジットだけだとアフリカに失礼かなと思って。
スピーカー 1
アフリカ今後色々開拓していきたいってラジオとかで仰ってましたよね。
スピーカー 2
だから帰りに寄ってゴロゴロして帰ってきました。
スピーカー 1
本編入るのかな?
エチオピアってちょっとモンジャ焼きみたいな、
ここでラジオで言うのもあれですけどね、
一見日本人にはかなりきついみたいな。
言ったことありますか?
ないんですけど、それが昔誰かの本で読んで結構。
スピーカー 2
モンジャラテの。
スピーカー 1
食べました?
スピーカー 2
もちろん食べました。
どうでした?
美味しいですよ。
ちょっと発酵してるんで酸っぱいとかね。
色もちょっとクレープとかの白い感じに似てる。
形状はクレープとかに似てるけど、
色がちょっと何て言うか、ネズミ色っていうか、
そういう感じなんで、酸っぱいんで、
スピーカー 1
ちょっとびっくりする人いるかもしれないです。
お金さん最初から大丈夫?
大丈夫です。美味しいです。
スピーカー 2
絶対みんなが悪口言うんですよ、あれをね。
最初からね、もしかしたら変なの食べちゃうとそれだけど、
普通に現地で食べる分には美味しかったです。
スピーカー 1
そうなんですね。
じゃあちょうどブラジルエチオピアから帰ってきて、
スピーカー 2
今もう1週間ぐらい、もうちょっと経ちました?
そうですね、1週間ちょっとですか。
スピーカー 1
時差ボケ結構ひどかったんじゃないですか。
スピーカー 2
そうですね、いまだに昼寝して暮らしてます。
じゃあ今眠い時間かもしれない。
スピーカー 1
幸い昼寝できる商売なんで、昼寝して。
本編になかなか入れないんですけど、
やっぱり今プロフィールでも拝見したんですけど、
ここには出てないんで、僕の情報が間違ってたらすいませんなんですけど、
金井さん、学習院大学、日本語学部、日本語学科出られてますよね。
そもそも、なんでこの学部、学科だったのかなって。
これも話すなおでなるかもしれないですけど。
スピーカー 2
私とにかく落ちこぼれてまして、
10代の頃すごいいじけた人生で、
自分に得意なものも何もないって思って、
20代、30代までだいぶ長くそう思ってたんですけど、
特に10代の頃そういう感じで、
だからこれをやりたいとか、
この学びたいとかっていうのがぼんやりしてまして、
あまりなくて、唯一国語が好きだったんで、科目でいうと。
今やり直せるなら違う学問を習いたいなっていうのがあるんですけど、
文化人類学やりたいですね。
スピーカー 1
納得ですし、それをまたちょっと一言で言えないかもしれないんですけど、なんでですか。
スピーカー 2
そういう学問があるとか、昔の自分に教えたいですよね。
それで女の15歳くらいの自分に、
そういうすごい面白い学問があるから、
ちゃんと語学を学べとかって言いたいけど、ほんとぼんやりしてたんで。
それでそこの日本語・日本文学科に行ったんですけど、
でもその最初に話した中国語の先生も大学で出会って、
すごいその先生の影響を受けたんで、
それも良かったですし、結果すごい良かったです。
それでその卒論が、草野新平っていう詩人だったんですけど、
ちょっと流れ流れで、
詩書っていうと、それで昔、草野新平さんが作った酒場を訪ねてて、
そこのまま見習いをやることになったんで、
全部そういう繋がりがあるんで、結果良かったんですけど、
その時はどうしてもそこで何かをやりたいと思っていたわけじゃないんです。
スピーカー 1
今の話でもやっぱりあって、
少し酒場の話も出てきましたけど、やっぱりすごいなって思ったのと、
僭越ながらというか、僕今45なんですけど、
僭越さんがやっぱりそのね、酒場閉店して40歳の年末、
41歳で文筆家で、いろんなところで見ましたけど、
本当にすごいし、ちょっと夢がありますよね。
スピーカー 2
そうですよね、そうです。
スピーカー 1
ご本人はその当時どういう心情だったのかっていうのはまた別かもしれないですけど。
スピーカー 2
そうですね、だから本当に遅く始めたんで、
夢というか、そう言いたいですね。
本の背後にある背景
スピーカー 2
もし今ちょっとこう、うまくいかないとか何したらいいかとか、
いじけた気持ちの10代、20代、30代の方いたら、
いやいやそこで終わりませんよと。
展開していきますよってことをお伝えしたいです、本当に。
スピーカー 1
何かの本で読むんですけど、
ご本最初の本ではされたのもつまり40代からで、
ご友人から30代で本はみたいな。
スピーカー 2
そうですね、20代の先輩で、編集者の先輩がいて、
20代で自分の本を出せよとか言われて、
終わり20代が過ぎて、30代でって言われて30代もすぐ過ぎて、
本当にぼんやりしてた。
スピーカー 1
ぼんやりが今生きてるわけですよね。
スピーカー 2
そうですよね、そうです。
スピーカー 1
その辺りもまた次回もしゲストで来ていただいたら詳しく伺いたい。
スピーカー 2
ハンカリさんの転身も聞きたいけど、
スピーカー 1
ストーリーがあるんですけど、
今日ね、このテーラーの素敵な女にフォーカスしていきたいんですけど、
この本はそうすると何冊目になるんですか?
スピーカー 2
ごめんなさい、わからない。
いや、性格じゃなくていいですけど。
スピーカー 1
でも10冊くらい出してるとしたら10冊目くらい。
スピーカー 2
そうです、教書とか、絵を描かせてもらってるとかそういう本もあったりするんで、
ごめんなさい、ちゃんと数えてなくて10冊くらい。
こちらはリサーチしてないんでごめんなさい。
ちょっとよくわかんないと思います。数え方がよくわからない。
スピーカー 1
その中で2024年に出たんですけど、
そもそもこの本を本当に書いたきっかけというか着想があったのか、
誰かとの出会いがあったのか。
スピーカー 2
ありがとうございます。
本にも出てくるのが相撲なんですよね。
はい。
私はそもそも日本の大相撲を見るのが好きで、
今日も場所中なんで今。
スピーカー 1
そうですか、失礼しました。場所中にアポートしちゃってすみません。
スピーカー 2
大丈夫です。
場所中になるとソワソワする中学生だったんですけど。
見るだけです、もちろん。見るのが好きだったんです。
大相撲さんを見るのが好きだったんですけど、
それがこうして、相撲好きの先輩のライターの和田静香さんという方と一緒に
世界のお相撲さんという本を書いたことがあります。
その本の取材の時にアマチュア相撲の世界大会みたいなのを取材したんですけど、
そこに世界中のアマチュアの選手が女性も男性も来て大会をするんですけど、
それを見に行った時にイラン選手団も来てまして、
とにかくそれだと女子相撲の選手がすごい素敵なんですよね、世界中から来て。
日本だと女の子が相撲するなんてっていうのがあるけど、
あんまり他の国だとそういう逆にバイアスがなくて、
男のものっていうのもあんまり持ってなくて、
みんななんか面白いとかっていう感じの女の子たちも相撲をやってて、
それでそれを興味があって取材したんですけど、
イランからは女子は来てなくて、男性の選手だけが来てたんですけど、
その人とお話ししてて、さすがにイランは女子相撲はないですよねって言ったら、
いや、ありますって言って、
今日は来てないけど、国に帰れば女子チームがありますって言って、
その時にイランの男子選手が写真を見せてくれたら、
イランの女の人の相撲が、
イランは女の人の髪の毛とか肌を見せちゃいけないので、
髪をスカーフで覆って、肌、長袖、長ズボンみたいなのをまず着て、
その上にまわしをしめて、相撲をやってる姿を見たんですよ、写真で。
それでそれ以来、なんでこれやと思って、
日本人の感覚と相撲って裸でやるようなもので、
イランでの体験
スピーカー 2
女子選手はTシャツ着たりしますけど、
こんなに肌と髪を隠してまで、相撲をやってる女の人なんなんだと思って、
いつか行きたいなと思ってて、思ってたんです。
スピーカー 1
まさに想定の女性たちが、
スピーカー 2
そうです、そうです、相撲部の。
スピーカー 1
でもその今の文脈を伺ってなくて、
俯瞰してみてると相撲って気づかなくて、結構馴染んでますよね。
スピーカー 2
誰、何なのって感じですよね、この辺はね。
そうなんです。
スピーカー 1
そういうふうに思いつつ、本当にイラン一回行かないかっていうのは、
また別の何かターンポイントあったんですか。
スピーカー 2
ありがとうございます。
それで以前、また別のパリの素敵なおじさんっていう本を書いたことがあって、
その担当編集だった竹田さんという方なんですけど、
その担当編集の方が会社のときちょっと移られて、
また新しいところに行ったんで、そこで何か一冊作りましょうって声をかけてもらって、
何がいいかねって竹田さんと企画会議みたいにしてて、
なかなかいい案出なかったんですけど、
ふと思い出したのが、竹田さんってベルシャ語学科を出てるんですよね。
スピーカー 1
すごい、イランにいらっしゃった。
スピーカー 2
イランに留学したこともあって、
大阪外大かな、今は大阪大学になってますけど、
大阪外大のベルシャ語学科出てらっしゃる方だったんで、
この人にイランネタを振ったらその企画が通るかもしれないと思って、
それで、実は私相撲を見に行きたいんですよね、イランに。
とか言ったら竹田さんが、それは面白いってなって乗ってきてくれて、
ただし、どうせなら金井さんも相撲をやったほうがいいですよとか言ってきて。
さすが編集者だましちゃって。
本を読む人っていうのは、書き手が困れば困るほど嬉しいんですよって言ったんですよ。
すごい名言じゃないですか、これ。
確かに、確かに。
で、と思って、その時私48歳だったんですけど、
しょうがないと思って48歳で初土俵を踏みまして。
すごい、年女にしてる。
それで、日本で女子相撲をちょっとだけ教えてもらったり、
相撲大会がたまたまあるっていうので、出させてもらったりして、
それでイランの女子相撲の道場に、
練習一緒にさせてくださいとか言いに行くっていうような、
相撲旅行記みたいな企画だったんですよ、最初。
だけど、こっちが相撲をやってる間に、
イランでは実は大変なことが起きていて、
それがその2012年の秋から、
大体その年の暮れぐらいまでですかね、
一番盛んだったのは、
反スカーフデモっていうデモが起きて、国中が、
その後もイラン、いろんなことがあったんですけど、
とにかくその年はそれで大変なことになって、
女の人たちを中心に、男性もですけど、路上に出て、
スカーフを強制されているっていうことに対する反発なんですけど、
スカーフだけじゃなくて、
いろんな窮屈な政治体制に我慢ができないっていう感じで、
デモをされてたんですね。
それ、日本でも報道されてたんで、
こんなとこに行っていいのかなっていうのもありますし、
相撲やってる場合かみたいになって、
相撲だけじゃなくて、相撲も見たいけど、
パリのおじさん方式の応用
スピーカー 2
女の人たちがデモをしてたんで、
デモの人も、でも参加してる人も参加してない人も、
見守ってる人も、もしかしたらデモに反対してる人も、
いろんな人たちがいると思うんですけど、
そういう女の人たちがどう生きてるのかを、聞きに行ってみようじゃないかって。
スピーカー 1
この本にも、もちろん細かくその経緯も書いてあるので、
またぜひ皆さん読んでいただきたいんですけど、
この方式自体はパリのおじさん方式?
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
これをわからない方のために、解いているのも簡単に。
スピーカー 2
パリのおじさん方式っていうのは、
パリのおじさんっていう本を書いた時は、パリに行きまして、
ちなみに私はペルシャ語はもちろんフランス語も何語もできないんですけど、
フランス語できないので、フランス語の通訳の人がいて、
その人もおじさんなんですけど、
その通訳兼パリでジャーナリストをやっているおじさんと2人、
日本人の男性のおじさんと2人で街をぐるぐる回って、
これぞというおじさんを見つけたらナンパして話し聞かせてくださいっていう、
そういう方式でインタビューしようみたいなのを作ったんですね。
それがパリの素敵なおじさんで、
その本の作り方も誰の話を聞けるかわからず言って、
すごいドキドキ、これで一冊できるのかっていう。
スピーカー 1
やっぱりカナエさん思ってしてもドキドキはするんですね。
スピーカー 2
緊張感ありましたよね。
スピーカー 1
即興方式、インプロビゼーションですね。
スピーカー 2
そうですよね。
女の人に会えるのかもわからないし、
ただその時も案内人のパリのおじさんが平岡さんというんですけど、
平岡さんがパリにすごく長く住んでるから、
この界隈に行けばアフリカ人が多いとか、
この界隈はユダヤ教の品ごう具があるとか、
いろいろそういうのを知ってたんで、
それでそのバリエーションを見つけるっていうか、
いろんな地域に連れて行ってもらって、
ナンパして話し聞くっていう方式だったんですけど、
そういう感じで行き当たりばったりも含めて、
いろんな町の人っていうか、
何ていうのかな、
市政の人で、それでいろんな職業のいろんな、
パリの場合はいろんな職業、いろんな出身地、いろんな宗教とか、
いろんな性的指向とか、
そういうののバリエーションみたいなのを意識しながら、
おじさんたちを見つけたんですけど、
イランの場合はそんな宗教とかあんまりバリエーションないか、
あとルーツもあんまりないかなとは思ったんですけど、
テヘランでのインタビュー
スピーカー 2
そういういろんな階層、いろんな年齢の人たち、
町の人っていうか、すごい有名人とかじゃなくて、
そういう人たちの声を集めるっていうような方式というのが似てるんですけど、
ただパリと違ってやっぱりテーランでは、
まず話聞かせてくださいっていきなり言って、
特に政治的なこととか語れないですし、
パリほど外国人もいないからびっくりするし向こうも、
なかなかナンパが難しいというか、
スピーカー 1
いきなりフランクにみたいなちょっと難しい感じですね。
スピーカー 2
だから割と仕込みっていうか、
こういうどういう人がいるかって事前に、
こういう人に話聞きたいんですけどって言って、
通訳の方とかに相談して、
ここに行ってみようって言って、
ちょっと一回行って話を、様子を見てから声かけるとか。
スピーカー 1
ある程度当たりはちゃんとつけて。
スピーカー 2
そうですね、そんな感じ。
だからちょっとパリとは結果は違ったんですけど、
スピーカー 1
本の作りは似てる。
この一冊できるまでに、
現実的にここに出てるインタビュー自体は、
一回の手並んで全部?
スピーカー 2
そうです。
スピーカー 1
その時の手並み、滞在期間ってどこに行くんですか?
スピーカー 2
2週間。
スピーカー 1
すごい、2週間で。
しかもここに載せられなかった人もいるんですか?
スピーカー 2
僅かにいるかもしれませんけど、ほとんど載ってますね。
スピーカー 1
そうなると、すみません、僕も数えてないんです。
スピーカー 2
私も数えてないです。
じゃあ何人だろう。
20人くらいは聞いてますね。
そうですね。
スピーカー 1
すみません、パッと見なんでちょっと間違ってるかもしれないですけど。
スピーカー 2
あとなんか、病院に行ってとかだと、
美容師さん何人かとか、
お風呂に行ったらお風呂の人とか、
だから一人でじっくりの場合と、
何人かにまとめてお会いしてっていう時もありましたから。
スピーカー 1
やっぱり、かなりさんの本全部面白いのはもう言うまでもないですけど、
僕はやっぱり今回特にこのテヘラン、
その性情のいろんなこともあったんですけど、
個人的な話で恐縮なんですけど、
やっぱり海外行った時に、
なんかたまにイランの人と、
例えば2年前にアイスランド行った時に、
アイスランド、温泉が水着で入るみたいなところで入ったら、
イランの、テヘランの出身の女性が入ってて、
すごい英語ペラペラで、
ちょっと国際的な方だったかもしれないですけど、
すごいオープンで、
なんかやっぱり、僕からすると今ちょっとこう、
イランとか怖いみたいなイメージがあったんですけど、
あれ全然違うな、みたいな感じで、
すごくフランクで、
だったらなんかあれイラン面白いなって、
あとはユーネクストとかで、
キアロスタン監督の映画もちょっと見たり、
なんか少しずつ印象変わったところで、
さらにアップルTVで、
テヘランっていうドラマがやってて、
スピーカー 2
何かメールくださったか知らないです。面白いですか?
めちゃくちゃ面白くて、
スピーカー 1
ただイスラエルとの戦いで結構ガチなんで、
実はシーズン1、2すごい人気あったんですけど、
3が今多分、今の政治を反映して、
なんか話止まっちゃってるみたいで、
なのでそれはちょっとどちらかというと、
政治的な話なんですけど、
ただそんなこともあって、
あれイラン行きたいな、みたいに思ってた矢先に、
もうカナエさんがこれ書いてくださったんで、
なんかすごく個人的に興味深く配読させていただいたんですけど、
実際こう、カナエさんもこの行く前と行ってから、
そのイラン、やっぱり行ってみて、
ありにイメージ通りだったなっていうことと、
いや全然これ違ったわって、人にもよると思うんですけど、
イランの印象の変化
スピーカー 1
でももしそれぞれ挙げていただけると、どんな感じですか?
スピーカー 2
私も本当に知識もほぼなくて、
皆さん怖いって思ってるのも分かりますし、
自分の中でも、
そうですね、なんかどんな感じか。
政治状況もそうですし、
デモとかそういうニュースとかね、
その時はまだイスラエルとのドンパチャなかったです。
古くからはあるでしょうけど、
でもなんか周りのイランイラク戦争とかですね、
なんかこう聞くワードがみんな暗いから、
そういうイメージですよね。
なんかこう暗くて、
人々が監視し合ってるとか、
そういう国ありますよね。
そういうイメージとか、
女の人たちも窮屈で、
ちょんぼりしてるのかなっていうような、
勝手なイメージは確かにありました。
言ってみたら、
なんて言ったらいいんでしょうね。
今日の著者の声はいかがでしたか?
トークのフルバージョンは、
早川陽平のライフアップデートより、
無料でお楽しみいただけます。
概要欄のURLより、ぜひお聞きください。
それでは、またお耳にかかりましょう。
ごきげんよう、さようなら。
25:06

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