確かに書店でもかなり並んでるし。
今まで当然小説スペシャルということで、
以前も小説の書き方の本をいろいろ出したりもしてますけど、
この本も小説に役立ってありますけど、
どちらか脚本とかシナリオセンターだけあって。
脚本もいわゆるアートフィルム的な脚本ではなくて、
連ドラとか2時間ドラマみたいな、
本当にごく普通のエンタメのわかりやすいドラマの作り方に関する
一つのメソッドが書いてあるって感じかな。
そういう脚本の書き方みたいな本っていうのは、
小説の書き方よりは少ない?
いや。
結構ある?
逆に実は脚本の書き方の本の方が僕が見る限りは多い。
それこそ以前紹介していただいた。
ハリウッドスタイルの脚本の書き方みたいな本は何冊も出てるし、
向こうではそっちの方が小説より増えてるんじゃない?
だからこの本はね、技術としてどうやったら書けるようになるかってことは書いてないんですよ。
帯の裏に書いてある様々な創作分野に共通する表現技術が誰でも身につくっていうのはこれは言い過ぎ。
表現技術は身につかないの。
要はそのシナリオを作るときの技法としてこういうのがあります。
だから言ってみればこういうことです。
俳句というのは575の17文字でできていますって書いてあるの。
でも俳句の作り方は書けないじゃん。
それはどんなにやったって本当の大元のところ、一歩ジャンプするところは書けないので、
この人はそういう例えば起承転結があります。
キャラクターの作り方としてはこういうタイプがあります。
ただどんな風にキャラクターを作ったらいいかは当然書いてない。
ストーリーも書いてない。ドラマも。
なのでそこで階層的にストーリーがありますよ、ドラマがありますよ。
テーマ、モチーフ、素材とどんどん細かくなっていきますよっていうようなことが書いてあるんだよね。
起承転結のこのスタイルだと真ん中の小の部分が7割で最後は10%ぐらいですよみたいなことが書いてあります。
正直こういうことを自分で考えたことがない人にとっては面白いところはあると思う。
ただプロの作家としてこれを読んで何か参考になるかって言われるとちょっと厳しいかなっていう。
あと書いてないことがいっぱいある。
例えばドラマ、漫画、小説、それぞれでリアリティのレベルが違うじゃん。
漫画だとリアリティレベルってそんなに上げなくていいじゃん。
ファンタジー的な要素がいっぱいあるし。
でリアリティレベルってそのドラマだったりなんかの中で決めて動かせないものなのよ。
でそれに関してはあんまり書いてないんで、
でもドラマの場合でもコメディと例えば政治物とかミステリーとかと全く違うじゃない。
なのでそこらへんはもうちょっとフォローしてくれてもよかったかな。
だからなんかあれですよね。
野間さんにも意見聞き取って。
とにかくその辺もあえてなのかな。
すごいデフォルメして本当に入門の入門で。
最初にやっぱり何を書けるかどう書くか。
これが面白い物語だってワクワクさせて、
テンプレみたいになってるんでこれなら書けそうって思いましたね。
そこまでは思ったけど、じゃあその後っていうところ。
その後はやっぱり本当に書く人しか書かないんで。
ただ脚本業界の中で常識的だなっていうようなことに関しては一通り書いてあるんで、
例えばシークエンスって言われてシークエンスってわかんないなっていう人にはいいと思う。
業界研究みたいなところもありますねこれちょっと。
そうだね。
研究ってちょっと違うけど。
私一番そこが良かったところで、
仕事柄映像制作会社さんとかと話すこと機会が多いんですけど、
やっぱり共通言語がないと自分の思っている考えとかっていうのが上手く伝わらないことがあって、
作ってる人たちがこういうキーワードでこういうことを想像するんだとか、
この言葉を言えばこういうことが伝わるんだっていうことがこの中からすごく読み取れたので、
そういう意味ではすごく勉強になった本だったなって思いました。
シナリオの現場の用語解説集だと思うと優秀だと思う。
だからそれと創作とは全く違うことなので。
でもさらっと読めるよね。
前に紹介した橋本忍の福岡の思想だっけ。
ああいうのに比べるとあるアイデアが湧いてきて、
それが実現したときのものすごいドキドキ感とか面白さとか、
それを実現するときの超大変さみたいな、
うわーそういうことなんだみたいな実感はないんだよね。
この人自身がその脚本を書く人ではないので。
創業者のおじいさまがね。
そう、孫なんだよね。
だからあれなんですよ。
じっちゃんの名にかけて脚本のことを説明してくれているっていう。
なるほどなるほど。
なので本当に写真家の人には良いと思います。
今回は小説家スペシャルということで、
せっかくなんでもちろんこの本について何か知るべきことがあって、
この本編でも話あると思いますけども、
個人的にはね、やっぱりイラさんがさっきおっしゃったように、
心の中に書かれていないこととか、
石田イラとしてはこういうことが大事だと思うっていうのをね、
本編で色々探してきた。
やっぱり今キャラクターが大事だからね。
キャラの作り方とかあんまり書いてないんだよね。
それと今さ、ここにキ・ショ・テン・ケってあるけど、
今ここさ、違うからね。
ここでテンをさ、2つか3つ入れなきゃいけないんだよ。
でもやっぱりテンが大事なんだ。
テン、テン、テンとかになってないとみんな面白いと思ってくれないじゃん、ドラマ。
確かに2段3段ないと厳しいですね。
それと、ここのテンのところのピークが、
今はCGとかアクションが激しいから、
動きのピークがここなんだけど、
そこの前に感情とか感動のピークみたいなのが、
心のピークがここでどっかで作らないといけないの。
要はここのピークがずれてるのが大事。
どういうこと?
要はここの前で例えば、これから勝ち込みに行くぞ。
敵のボスをぶっ殺すぞって言ってアクションで盛り上がるけど、
その前に例えば一緒に戦っていた仲間がここで死んでグッと悲しくなる。
ここで感情のピークを作ってから、
次はアクションの激しいピークになる。
あるいは怪獣で街を壊すシーンになるみたいな。
心のピークとアクションのピークっていうのが今二重になってるんだよ。
それこそよくできてる。
みなさん進めてくれる韓国映画とかドラマも面白いとかよくできてますよね。
その上でこのテンのところで、
一回ひねって、もう一回ひねって、なるほどそうきたかっていうところで、
別ルートのサブを落とすの。
これ例えば殺し屋がいるよね。
殺し屋A、そこで師匠がいる。
この師匠を殺したこのAの先輩がいるとするじゃない。
今Aは組織と揉めていて、
その組織がここで戦うわけね。
この組織がこの師匠を殺したBを雇っている。
そうすると組織対この人の戦いの上に個人的な復讐が絡んでくるじゃん。
だから例えば今の点々で言えば、
一回目のクライマックスで組織のボスを殺す。
その後に一対一ですべて解決した後に、
師匠の仇を取る。
さらに激しいワンアクションが入るっていう形に持っていくわけ。
なるほど。
そうするとほらずれてるでしょ。
点々でこういう風になる。
そういう作り方をもっと教えてくれた方が良かったかな。
点々めちゃくちゃあるのはありますよね。
そうそう。点々点血ぐらいにしたいんだよね。
感情のピークは別のところにちゃんと用意しておく。
ぐらいのことが書いてあると、現場の今の感じだよなっていうね。
そうなんだ。
じゃあそうするとこれは割とベーシックなことが書いてあったかなって感じですね。
いわゆる普通のシナリオの作り方みたいなことが全くわからない人に説明するっていう。
だから間口を広げてみんな読んでねっていう本があるのでそれでもちろんいいんだけど、
ただもうちょっと突っ込んだところも欲しいかな。
1700円とかするんで、1600円か。
そうですね。
面白い。ちょっと面白い話が。
でもいろいろ話盛り上がりそう。
ということでこの後本編に入っていきたいと思いますが、
その前にのあさんお便りご質問来てますでしょうか。
まずお便りから行きたいと思います。
くまぐすの本が受賞して、テレビドラマが作られて、
くまぐすが守ろうとした珍酒の森でしたっけ。
珍酒の森ね。
珍酒の森が世界的に再評価されれば面白いなと思っていましたが受賞できませんでした。
私は電気が好きでいろいろな方の電気を読んでいますが、
作者の人柄によって人物像が全く違ってきます。
その人物のどこに共感するか、どこに魅力を感じるか、
その人物をどう書いたら読者を感動させられるか。
作者の感性や世界観が作品の隅々にまで行き渡って、
読者の心を掴んだり話したりするわけですから、
直樹賞を受賞できるかどうかは、くまぐす本人とは別なのでしょう。
今回は一智宏一さんの短編集が受賞しましたが、
少し気になるのは大河小説というイメージが消えてしまっているところです。
直樹賞作家の書く本が映画やテレビドラマになって、
日本のソフトパワーを爆上げさせる。
芸術性が高くなった分、スケールが小さくなっている気がします。
まあ短編だからね。
一雄さんのは今回一応受賞候補に入っていたから、
僕としては半分満足なんだけど、
たださ、やっぱり電気って難しいよね。
その人が持っている人間を見る幅が出るんだよね。
今回さ、くまぐすの本を読んで、
くまぐすのなんかエロいところとかさ、
スケベなところが全く書いてないよねって言ってたじゃん。
あれが一番面白い。
イギリスの作家がさ、HGウェルズっていう、
宇宙戦争とか地底旅行を書いたSF作家の表現を書いてるんだけど、
それがめちゃめちゃ面白いのよ。
ウェルズめちゃやる気なの。
こんなに女好きだったんだこの人っていう。
もちろんちゃんとした世界文明史みたいな本も書くんだけど、
女好きが止まらないっていうところもちゃんと抑えてるんで、
やっぱイギリス人は大人だよなと思った。
そこがあったらナークションにとれてたと思う。
ほんとだ。タイトルいいでしょ。
絶倫の人。
絶倫の人。最高でしょ。
もうそれだけで読みたいわ。
読みたいでしょ。
ちょっと気になる、これは。
文庫になってない?まだ。
なってますね、たぶん。
なってるか。
未来を作った男の腹のバンジョーの書類。
もう女好きで、次から次へと。
これは女性編でしょ。
これはちょっと読みたいですね。
質問が3つ。
1つ、活字にわっかファンが突然執筆することを活字界隈の中心におられるお三方はどのように思われますか?
中心にいませんよ。
活字界隈に中心はないです。
それから言っとくけど、
なんかよくさ、代表曲ってさ、その人が最初に書いた曲ってこと多くない?
シンガーソングライターとかフォーク歌手とか。
そうかもしれない。
なので全く気にしないほうがいい。
なるほど。
中心にいる人はいないんです。
誰かに人気を切ってここで商売させてもらっていいですかとか言う人は全くいない。
一番ないかもしれない。
はい次。
32歳の時点でこの程度の読書経験で作家志望というのは難しい傾向であるのでしょうか?
例えば読書のきっかけになった二次奏作者さんの作品を読んでいると、
全体の構成や語彙力とそれを選び取るセンスにどうしても超えられないだろうという壁を感じてしまいます。
これに関しても全然問題ない。
だからプロの作家でも自衛隊員で小説って本当に生まれてから読んだことがなくて、
30手前で初めて読んで宮部さんの本を。
それでプロになった人いるから。
関係全くないです。
何にも遠慮することはないし、ぶちかまして。
それと今持っている二次奏作系のもののセンスとかが好きだったら、
それを活かしてそれを別のところに持っていって。
だから例えばボーイズラブの話をやってもいいから、
それを例えば第二次大戦中にするとか、
ビュッて舞台を飛ばしちゃうの。
そうすれば二次奏作をそのままでいけるから。
もうずっとゲイの話でいいから。
例えば第二次大戦中の憲兵と民主活動家。
かつての親友が憲兵と活動家になって尋問をしなければいけない。
この尋問で死刑になるかどうかが決まるみたいな設定に追い込んだ。
愛する人同士の。
なんていう風にすれば、宮部でも全然面白いから。
一瞬でそんなの思いついちゃう。
次3つ目。
私は執筆作業中で小説内の背景、景色を描くことが一番好きなのですが、
石田さんが執筆していて楽しいなと思うパーツありますか?
これはこの人才能がすごくあるの。
センスのいい人しか背景描写が好きって言わないんだよ。
難しいって思っちゃう。
私が小説を書いていて最も今日を覚えるのは、
主人公の行動ではなく、舞台と背景を描くときである。
って言ったのは永井嘉夫。
僕も本当にその通りだと思う。
だからあの人東京を描くのすごく綺麗じゃん。
うまい市、たまのい古い貧しい街を描くのが。
なのでそれがわかる人はプロとしてやっていける可能性はある。
ともかく今持っている自分が大好きなパターンを徹底的に磨いて、
それはもうそれ以外やんなくていいよしばらく。
最初はそれをいろんな設定とか世界に持ち込んで暴れてみて。
例えばある人がミビギシ伝を読んで、
それを特攻隊員に変えて日本で大ヒットするみたいなこともあるじゃん。
だからあなたはBLが好きだったらBLをさっき言ったように
第二次大戦でもいいし未来でもいい。
宇宙人と地球の男のBLでもいいから。
いろんな設定にぶっ飛ばして変えながら、
一番好きで燃えるパターンを使って。
それが一番面白くなる小説は。
そこは動かさない方がいいよ。
経験が少ないとか業界がどうかなんて全然気にしなくていいから。
そうするとこの方には質問ないですけど、
最初にあった新人賞に出すのこが欲しいのではないかっていうところがあったんですけど、
一つの基準としてこの方の中でどうしたら出していい?
それか何かイラさながら今日ヒントを
これを一つぐらいしたら新人賞出していいみたいなのある?
もう何をやっても何でもいいから。自由応募なんだから。
何も免許することはない。出せばいい。
出さないと始まらない。
ともかく自分が好きな一番これがいいパターンだっていうのを
二次創作とか一次創作をやっている世界とは別なところに移してやって。