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2024-06-03 20:54

【著者の声 #21】『英語多読』│酒井邦秀さん(『英語多読』共著者/NPO多言語多読理事)

▼映像版はこちら
https://youtu.be/epy5G5qCsYE

【酒井邦秀さんへのインタビュー(全編)】はこちら!
再生リスト | https://www.youtube.com/playlist?list=PLh7eiOWS7pyj2kBn-y0x5o5Ngn9PEVLwg

【著者の声シリーズ】
人生を豊かにする一冊を書いた著者のお話を届けることで、
ひとりでも多くの人にほんと著者の方の魅力を知ってもらいたい。
そして本の世界を元気にしたい......

石田衣良と編集部の思いから立ち上がったプロジェクトです。

【酒井邦秀】さかい・くにひで
NPO多言語多読理事長。元電気通信大学准教授。2002年、多読三原則に基づき絵本から始める多読を提唱し、以来、数千人以上に多読指導を行う。著書に『快読100万語! ペーパーバックへの道』(ちくま学芸文庫)、『教室で読む英語100万語』(共著、大修館書店)などがある。
『英語多読』 (著者:繁村一義、監修:酒井邦秀/アルク) https://amzn.to/3USZaXr
HP https://tadoku.org/english/

【聞き手/早川洋平】
はやかわ・ようへい/1980年横浜生まれ。新聞記者等を経て2008年キクタス株式会社設立。羽生結弦、コシノジュンコ、髙田賢三など世界で活躍する著名人、経営者、スポーツ選手等ジャンルを超えて対談。13年からは「世界を生きる人」に現地インタビューするオーディオマガジン『コスモポリタン』を創刊。 海外での取材を本格化するいっぽうで、戦争体験者の肉声を世界へ発信するプロジェクト『戦争の記憶』にも取り組む。
公共機関・企業・作家などのパーソナルメディアのプロデュースも手がけ、キクタス配信全番組のダウンロード数は毎月約200万回。累計は3億回を超える。『We are Netflix Podcast@Tokyo』『横浜美術館「ラジオ美術館」』『石田衣良「大人の放課後ラジオ」』などプロデュース多数。近年はユニクロやネスレ、P&GなどのCMのインタビュアーとしても活躍。 外国人から見た日本を聞く番組『What does Japan mean to you?』で英語での発信もしている。
https://linktr.ee/yoh.haya

【石田衣良 大人の放課後ラジオ】
小説家石田衣良が、若い仲間たちと大人の放課後をテーマにお届けする、自由気ままな番組です。映画・マンガ・本、音楽など最新カルチャーから、恋愛&人生相談、ほんのり下ネタまで、日常のひとときを、まったりにぎやかにするエイジレスでジェンダーフリーなプログラムです。

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サマリー

英語産業には恐怖心があり、多読では言葉を育てるだけでいいと酒井邦秀さんが話しています。NPO多言語多読は2002年から存在し、多読の普及を図っています。絵本を読むという授業方法について考察し、絵本を読んだ人たちの成果について話しています。著者は、ディープラーニングやAIが蓄積した情報を整理して出力するだけであり、新しいものを生み出すことはできないと指摘しています。また、生成AIによって作られた作品の著者性や価値について考え、読む人と作品の関係性が重要であることを述べています。

英語産業と恐怖心
要するに、英語産業っていうのは恐怖産業って言ってるんですけど、そういう恐怖心で英語に向かう人がいっぱいいると思うんですよ。
今、ますますかもしれないですね。
そうですね。細かくすればするほど、それ用の参考書、それ用のCD、それ用のチャンネルが必要になって、それにずっと生まれた時から触れてるわけだから、みんなそう思うのは無理ないと思うんですよ。
多読ではそういうふうに分けないわけです。実は一つの言葉を育ててるだけなんだから。
さあ、今日はですね、NPO多言語多読理事で、全ての悩みや量が解決する英語多読の共著者でいらっしゃいます、酒井邦秀さんにお話を伺います。酒井さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。ありがとうございます。
さあ、この番組、映像と音声、両方で配信しているんですけども、音声の方はぜひYouTubeの方見ていただきたいんですけども、今日はですね、この後ろ、皆さん見てください。本がこれ何冊ぐらいあるんでしょう?酒井さん。
英語が1万5千ぐらい?
すごいですね。今、英語がってありましたが、スペイン語の本なんかもあったりとかね。
スペイン語もあります。
あとCDもあったりですね。
韓国語もあります。
ですよね。本なんですけど、ここはですね、今ご紹介したNPO多言語多読の事務所というか。
事務所です。
NPO多言語多読にお邪魔して、今日お話を伺っているんですけども、今回はですね、アルクからリリースされている、英語多読全ての悩みや量が解決するのお話を中心にいろいろ伺っていきたいと思うんですけども。
そもそも今ね、今日ここでお邪魔させていただいて、酒井さんが理事を務めていらっしゃって、このNPO多言語多読ってのはこれどういう団体なんでしょうか?
最初に多読ということを世の中に向かって言い出したのは、2002年に解読100万語、ペーパーパッケンの道という本を出していたんですよ。
その本が出た直後ぐらいに、NPO多言語多読の今理事長で、日本語多読の方の担当をしているアーノさんが、日本語多読研究会というNPOを立ち上げた。
その10年後に僕が電気通信大学を退職して、英語の先生してたんですけど、退職して、そこに合流して英語多読が加わって。
あ、じゃあ日本語多読の方が先なんですね。
NPO多言語多読の始まり
NPOとしては先なんです。研究したり授業したりっていうのは英語の方が先なんですけど、それをいち早く一つの組織にして普及していこうっていうのを始めたのが今の理事長のアーノさん。
今お話を伺いつつ、文字通り多言語多読、そしてこの本自体は英語多読なので、2002年当初に比べて多読っていう言葉自体が聞いたことあるって方がたくさんいると思うんですよね。
学習したい方も多いですし。そういう中で坂井さんが提唱される、このNPO多言語多読が大事にしている多読、英語多読っていうことは、また一般的に言われている部分と通ずる部分、また違う部分もあったりすると思うんですけども、
なぜ多読なのかっていうのを坂井さんなりにお伝えいただけますか。
僕が授業でやっていたくらいの量では、1年間で例えばこのぐらいの厚さの本を読んだとしますね。100ページも足りないようなもの。実際にはこういうもので始めて、50ページぐらいで終わるっていう授業をやってたわけですよ。
その授業っていうのは?
普通の英語和訳の家族の前の授業。それを25年間やってたんですけど、25年間ずっとこれじゃ量が足りないって真剣に思ってたわけです。量を増やすためには、授業ももちろん変えなきゃいけないんだけど、学生たちが家で読む時間を増やさなきゃいけない。
じゃあ学生たちはどんな本だったら家で読むだろうか。強制されずに。そういうところで絵本に至ったということですね。楽しくなければ絶対家で読むはずはないので、宿題なんかにしたって絶対ごまかしますからね、当然。
やりたくないんだから。そうじゃなくて、自分の方から面白いしやってみようって思うには、どういうものを読むのか。なぜ読むだけかっていうと、その頃まだ聞くとか見るとかっていうのはほとんど不可能なぐらいに高かった。
それこそYouTubeもないですね。
費用がかかったので、それはもうなしで。読む方に絞って、じゃあそれが家で楽しくできて、しかもこの結果大量にっていう、どうしたらいいだろうかっていうことを考えて、そしてこういう絵本にたどり着いた。
簡単に言えば、量が足りない。今までの英語の勉強の仕方では。あ、そういえばこれ、全ての悩みは量が解決する。
まさにその考えで、量を増やすにはどうしたらいいか。楽しくなくちゃ長い時間やらないだろう。楽しいためにはどうしたらいいだろうか。そういうふうにして、量を増やすっていうところから全て出発したっていうところが今までと違うところだろうと思います。
ありがとうございます。まさに今日のさすが、もう一言で語っていただいて、本当に肝をお伝えいただいたと思うんですけど、僕もやっぱり個人的にも今も実践させていただいてて、やっぱり思うのが、この本の中にも書いてありますけど、多読は学習じゃないと。
読書、楽しむことだよ。読るのはNGってあったので、やっぱりね、日本で英語の教育を受けてくると、多かれ少なかれというか、勉強という形が染み付いちゃって。
そうですね。
やっぱり私ごとですけど、僕も英語でインタビューしたいと思って、10年くらい前、半年くらいちょっと集中して、いろいろ思うところあって、トーイックを頑張って、そこは300点から半年900まで持っていったんですけど、でもその後、会話は多少はできるんですけど、要書が全く読めなくて。
もうそれこそ、このふーわーずシリーズの薄いものすら読めなくて。で、その後もこの10年にわたって、ずっと苦しみながらも、ここまで時間とお金かけてきたからということに、なんとかやってきたんですけど、この本の中にもそういう方たくさんいらっしゃって。だから、英語学習がやっぱり辛く成果がなかなか見えないというか。
それはね、楽しくないから。
やっぱりそこ。
昔と違って、今は音も入るようになった。映像も随分安くなった。そうするとね、難しい本、辞書を引いてね、日本語に訳してるね、意味も全くないんですよ。だから、ぜひぜひこれからはワクワクするような、頭刺激されるような、そういうものを追いかけていくといいと思いますが。
学校、英語の勉強ってそうじゃないでしょ。辞書を引かなきゃいけない、訳せなきゃいけない、そして何しろとにかく正しくなくちゃいけない。楽しみが増えてくるとね、そのうち正しくなるんです。
坂井さんご自身が、当然その大学で英語を教えらっしゃって、英語のプロフェッショナルであって、それまでもずっと学生時代から英語をお勉強もしてきたと思うんですけど、どこで楽しむことの方が大事っていうのは気づいたんでしょう。教える方になってからなんですか。
そうですね。僕は英語の成績すっごく良かったんですよ。高校の時も大学の時も。それをそのまま授業に持ち込んだわけですよね。
ただ、学生が楽しそうにしてないと僕不満なので、学生が楽しめるようにってことは、昔ながらの英文和訳の授業だけれども考えていた。でもそれがちっとも学生楽しそうじゃないし、第一、1年間僕の授業を受けて何か得たかっていうと、どう考えても何も得てない。
だから僕は最初、25年間ずっと何をやったらいいかって、それこそいろんなことをやったんですよ。でもちっとも手応えがない。授業が終わったらいなくなって、俺一体何したんだろうっていう。そういうのを25年続けたわけですよね。
電気通信大学の学生ってみんな英語得意じゃないですかね。だんだん優しいものにしていったんですが、ある年の1年間当時の授業で、一番最後の授業の時に学生に向かって、1年間どうもありがとうございました。この先もできれば英語を勉強していってくださいって言ったんですね。
そしたら一人の学生がツカツカツカと僕のところに来て、坂井さん熱心なのはわかりますが、僕たち英語が得意だったら電通代来てませんって言ったんですよ。で、いなくなったんですね。つまり坂井さん空回りしてるよと言ってくれたんですよ。
それで僕はあっという間に気がついて、楽しくやれるようにと思ってやってきたつもりだったけど、学生のこと全然考えてなかったなと思って、そこからすっかりやり方を変えて優しいものを持っていくようにしたんです。辞書もどうしてもこれが必要だなと思うところだけ引きなさい。全部引いたらダメだよっていう風に言うようにして、これ以上は優しくない、優しいものはないっていうところまで優しくなったんです。
BBC放送に置いてある理科系の初心者向けの記事、それを1年間ぐらいやって、その次の年も始めて、ある4月の最初の授業のときにそれをプリントアウトして持って行って学生に配って、次の時間に学生たちに優しいけれども英文和訳をやらせたんです。
それ終わったら1人の学生が先生、今日のお話何にもわかりませんでしたって言ったんですよ。まだわかってないなと思って、そこでそれがもう非常に大きな僕にとって大事な一言で、絵本は好きだったので、授業に使うとまでは考えてなかったけれども、かなりたくさんいろいろ集めてあったんです。
絵本の分類
で、それをね、みかん箱ぐらいの2つ、それを次の時間持って行って、2つ並べて、そして学生に、実は先週の僕の授業で全然わからなかったっていう人がいたと。これから1年間、前回の授業と同じようなことをやるっていう人と、ここに今置いてある絵本、絵本を持って帰って勝手に読んでるっていう人たちと2つに分けたいとも言ったんですよ。
絵本をずっと読んでればいいっていう人は、1年間ずっと読んでてください。その人たちには一切何の話も話しかけないけれども、1年間そうやって絵本をずっと読んでてくれたら、蚊をあげますって言った。2つに分かれてもらったら、なんとね、ちょうど半々ぐらいになったんですよ。1年間ありますからね。だんだんだんだんこっちの絵本の人たちのことが、僕は気になって気になってしょうがなくなった。
結局、1年間絵本を読んでもらった人たちの中からですね、なんとね、2人ね、最後にペーパーバッグ読めるんだと。要するに僕が教えるからいけないんだと。学生たちはやっぱり、自分が何か必要な、生きていくのにね、必要な技とか、学生だけじゃない子供も、本当に必要なものっていうのが意識できていればね、何もしなくたって自分でね、掴みに行くんだなって。
そういうようなことを実際に見て、僕らが学ぶとか、技を獲得するってのはどういうことなんだろうっていうのが、だんだんわかってきた。
今のところちょうどね、僕が次伺いたいことのほぼ半分答えていただいて。やっぱりこのね、全ての悩みはりょうが解決する。英語をたどる。この後のサブタイトルで、暗記も努力も我慢もゼロなのに英語力が伸びるって。正直ここの部分だけを見ると、それこそ英語を学習して、一生懸命お勉強してきた僕たちからすると。
本当って、そういうこと信じられないと。ちょっと大げさに書いてるんじゃないのって、正直思ったとこあったんですよ。でも僕は今読ませていただいて、もちろん坂井さんに直接お話伺えてて、すごく腑に落ちてるんですけど。そうするとでも、改めですけど、暗記も努力も我慢ゼロなのに英語が伸びるっていうのはなぜそう言えるんですか。今の話にもちょっと通じてると思いますけど。
いや、まず最初に僕もすごく驚いたっていうことを言っておかなきゃいけない。じゃあ、なんで教えないのに。別に試験しないわけですよ。読んだ本が面白かったかって。面白ければ続けなさい。面白くなかったら違う本にしなさいって言ってあるだけなんで。何かを身につくことは間違いないんですよ。
それは僕らが日本語を喋れるようになった時に、まだ字も知らないわけだから、単語帳ももちろん使えない。文法も何言っても教わってないのに、僕ら言葉が使えるようになるわけなんで。それをモデルと考えれば、何かが起きるんですよ。文字を使ったら辞書だとか文法だとかっていうものが。
なければ大人は子供と違って外国語は身につかないんだっていうふうに思い込んでるだけで、実は子供と同じようにゼロから始めれば大人も同じようになるというふうに思います。一言で言うと答えはわかりませんです。つまり何が起きてるかは。
【岡田】逆にでも説得力がありますね。ただ結果として教えてきた学生さんもそうですし、この本の中にもたくさんの方が例を書いてありますけど、それなりに勉強したけど要書を読めなかった方も逆に読めるようになったり、逆に全く英語力ゼロの方でもそのペーパーワークを読めるようになった方が事実としてたくさんいらっしゃるわけですね。
【佐藤】そうですね。それ怪しいですよね、そういうのってどう考えたって。努力しなくていい、辞書もいらない、やっくさなくて勉強とにかくしなくていい、それなりにこうなりますって。怪しいんだけど、実際にものすごくたくさんの人がそれで上手くいってるんですよ。
【岡田】やっぱりね、さっきの子供が、うちも子供いますけど、子供に日本語なんて一切教えたことなくて、それこそ絵本は読んであげてたんで、そこと通ずるところがありますよね。ただ実際この本も読ませていただいて、その効果なんかも書いてありましたけど、やっぱり実際のもうちょっと細かい効果のところで、この多読を続けていくと、読むだけじゃなくて、聞くとか話すとか書くまで引いては伸びていくって書いてあったと思うんですけど、
そのあたりはどういう坂井さんなりに解釈というかなんでしょうか。
多読による言語習得
【坂井】僕も最初からそういう風になるとは思わなかったんです。2002年に多読というのを世に問うて、そしてそれで実際に多読というのを社会人が始めた頃には、音、聞く、話す、それから見る、書く、これはもう頭にありませんでした。読むことだけだったんです。
ところがね、社会人に向かって多読というのを広め始めて、たぶんあれは1年半ぐらい経った頃だと思いますけれども、ある人がね、多読始めて何ヶ月かですと、その前に聞いてわからなかったものを、多読3ヶ月ぐらいやってからもう1回聞いたらわかるようになってた。それもまたびっくりしてて、あれ俺は聞くって話はしてないんだよ、まだと思って。
そのうちにね、あらゆるところにつなげたいとは思ってたけれども、まだそれはやってないのにと思ってびっくりして、そしたらそれと似たような話が、その当時SSSの掲示板という昔のインターネット上の交流の場を通じて、何百人何千人という人が多読を実際にやってみて、で自分の場合こういう風になってる、今こういうのを読んでる、ここから先どうしたらいいだろうか、交流があったんですけど、
その交流の中で聞く方ができるようになったって人がどんどん出てきた。これは北海道のアズキさんという人なんだけれども、お連れ合いがアメリカに行くことになるかもしれないので、英会話を勉強しなきゃいけなくなったと。実際に英会話学校に行ってみたら普通の人よりも喋れるって言われたと。やったことないのに。
聞く訓練をやるわけではない。話す訓練をやるわけではない。書く訓練をやるわけではないけれど、たくさん読んでそれから聞くのはある程度やった人たち多いと思いますけど、ここにある絵本にもほとんど全部朗読がありますのでね。そういうものを並行してやっていくうちに、どれもこれもできるようになってきた。
要するにいわゆる4技能っていうのが今世の中では大流行りで、でもあの4技能っていうのは実はエセでありましてね、言葉っていうのは一塊なんですよ。それをどっから見るかで、こっちから見ると読む、こっちから見ると書く、こっちから見ると話す、こっちから見ると聞くっていう風になるわけで、言葉の力っていうのは一塊で分けられないものだと思う。
おだしょー 便宜上分かれちゃってるだけですよね。
山本 いや便宜上じゃなくて、儲けるために分ける。つまり細かく分ければ分けるほどそれ別々の本だとか。
おだしょー それだけで参考書問題書めちゃくちゃありますよね。試験もね、リーディング、リスニング試験もね。
山本 そうですそうです。要するに英語産業っていうのは僕恐怖産業って言ってるんですけど、これできないともうあんたの子供はもうダメだよ、あんたのキャリアも将来ないよとかって、そういう恐怖心で英語に向かう人がいっぱいいると思うんですけど。
おだしょー 今ますますかもしれないですね。
山本 そうですね。細かくすればするほどそれ用の参考書、それ用のCD、それ用のチャンネルが必要になってどんどん儲かるって言う。
おだしょー 確かに。
山本 それにずっと生まれた時から触れてるわけだからみんなそう思うのは無理ないと思うんですが、家族ではそういうふうに分けないわけです。実は一つの言葉を育ててるだけなんだから。
おだしょー すごい風に落ちますね。子供が日本語を覚えるときにそんな4議論なんて考えてもいないですよね。
山本 考えてるわけないですね。言葉は一塊で、その力の現れ方は今言ったように、読むに現れたり、書くに現れたり、話すに現れたり、聞くに現れたりっていうのはあるけれども、言葉の力そのものは一塊だろうと思います。
おだしょー これはせっかくなんで、この英語家族の本からもうちょっと先の話ですけど、この本の後に、まさに今で言えば、やっぱり今日一番伺いたいことの一つで、チャットGPT出てきて、翻訳ツール出てきてると思いますけど、そういう意味では、坂井さんはこの翻訳ツールとか、この辺りはどう捉えてますか?
今の話を伺った上だと、個人的には楽しむことによりも特化して、必要なものはそういうツールに任せてもいいのかなとか、その辺はどんなお考えでしょうか?
坂井 AIっていうのが話題になって、英語教育関係は大騒ぎになった。つまり、日本語を入れると英語で出てくるから、宿題とか試験とかレポートとか、そういったものが意味なくなってしまう可能性がある。
僕がその時に言ったのは、宿題とか試験とかレポートとか、そういったものが必要な授業をやるからいけないんだ。そもそも。フェイスブックだったかな、その記事を書いて、最後にNPOラベルの家族では、宿題も試験もレポートもありません。
そんなものなくたって、人々は伸びていくんです。だから、まず第一に、変われるものだったら変わってもらえばいい、その通りです。非常に大きな問題はもちろんあると思うんですけども。じゃあ何が残るかっていうと、一人一人に合わせたものは難しい。
ディープラーニングとAIの限界
要するにディープラーニングとかAIっていうのは、今までの蓄積を整理して出してくれるだけ。その問題はもう今から言うと、50年くらい前に僕のおじさんと話題にした。40年くらい前か。コンピューターが出始めた頃に話題にしたことがあって、僕のおじさんはドボック工学の人だから、エンジニアで。
僕のおじさんだから僕の国秀くんって言うんですけど、国秀くん、コンピューターでいろんなものができるようになったよ、どうすんだ?って挑戦してきたわけです。だから僕が言ったのは、今までのものを整理して出してくることはできても、新しいものを作り出すことはできない。
今、チャットGPTや生成AIで問題になっていることは、一つはこういった作品って何なんだっていうところがあると思うんですよ。これを生成AIで作り出したものがあったとしたら、例えばこのアーノルド・ロベルっていう人の作品を全部読み込んで、その文体を真似して何か作ったとする。そしたらそれは誰のものなんだ?見分けられるのか?とかっていう話になるわけです。
実はその問題を僕は40年前に考えて、ものすごく単純にしたんです。俳句ってありますね。あれ5、7、5、17の字ですからね。あらゆる俳句を例えば作ってしまうことは簡単なんですよ。
あーって17並ぶものから、うーんって。17並ぶものまで全部打ち出せばいいわけですよ。
彼らならできますよね。
その中に場所が言った俳句も出てくるはず。そうすると問題は、こういった作品っていうのはどこにあるのかっていうと、有限な数のプリントアウトされた俳句の中にあるか、実はないんです。
この作品はここにあるんではなくて、この作品と読んだる人との間にあるんですよ。
だから早川さんこれを読みになったらここにあるんですよ。僕が読んだらここにあるんですよ。そうやって読む人が半分加わって作るものだから、ただ17文字の俳句が可能なものが全部並んでたからって、それは作品にはならない。
誰が良いとするかっていうことで、やっとそこで俳句になるわけなんで。だから新しいものはできない、もし可能なものすべてを打ち出したとしても、誰がその中から、これは読むに値する、これは自分の人生を豊かにしてくれるっていうものを選んでくるか、言って違ってくるわけだから、我々の関係を生成愛は全く変えることはないんです。
確かにちょっと根本が違いますよね、もう立っているというか。
あれは今までのものを集めただけ。しかも可能なものが全部あったとしても、誰が見るかによって、存在しない。
相手の数だけまた違う作品が生まれるってことですよね。
だからそこの2つをはっきり分けて、つまり今までのものを集めれば済むことは、それはもうどんどんやってもらえばいい。そうじゃなくて本当に自分にとって大切なもの、自分が豊かになるために必要なものっていうのは、それはやっぱり結局自分で選び取る。
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