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2018-12-14

Q.122 自分と年の差がある主人公の小説を書く時のコツはありますか

イラさんとIWGPのマコトの年の差は20歳以上ありますが、細かい描写がとてもリアルで、自分には描ける気がしません。

【パブリッシュサロン、はじめました】
 
世界は先が見えず、ネットには攻撃的で強い言葉ばかりはびこっています。
「普通」にしっかりと生きている人が生きづらい困った時代です。
でもほんとうは迷いながら、毎日をしっかりと生きている「普通」の人こそ、主役なのです。

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そんな想いからサロンは始まりました。

ユーザとして−−−石田衣良の世界観を味わう。生まれたコンテンツを体験する。
クリエイターとして−−−サロンでの出会いを通じて、創作に打ち込む。
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それぞれがそれぞれの関わり方で、フィクションを楽しみ、自分の生活を豊かに、展開するためのホームグラウンド。

誰もがクリエイターで、誰もがユーザーで、そして誰もがプロデューサーになれる時代です。
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00:16
こんにちは、早川洋平です。石田衣良、恋と仕事と社会のQ&A、今日は第122回です。皆さんお願いします。
はい、よろしくお願いします。
さあ、前回20歳の女性でしたが、今回は30歳、沙織さんポッドキャストネームからいただいています。
はい。
IWGPの新刊を読ませていただきました。今回もとてもワクワク、ページをめくる手が止まりませんでした。
IWGPを読むたびに、本当に誠は書いているんじゃないかと思います。
誠は私と同世代なのですが、細かい描写がとてもリアルなんです。
イラさんと誠の年の差は20以上あると思いますが、もし私が10歳の主人公の小説を主人公の語り口で書こうとしても書ける気がしません。
何か文章を書くコツなどありますか。
ああ、これね。
いいですね。
いや、よく言われるんですけど、年齢とか性別とかあんまり本当に関係ないんですよね。
だから例えばカラオケの時考えてみてくださいよ。
この方30歳じゃないですか。
で、例えば、まあちょっと年いった女性歌手っていないもんな。
北島三郎さん、70歳過ぎてますよね。
北島さんの歌を歌う時に、70歳になろうとかって思わないじゃないですか。
ただその歌を真似だったり丁寧に歌うだけで、一生懸命やるだけで。
なので年齢にも性別にも僕はそんなにこだわらなくていいんじゃないかって思ってるんですよね。
彼女はその10歳の主人公の小説を書いてみようと思ったら、自分なりの10歳の小説はちゃんと書けると思いますよ。
あとはそれにいかにその想像力であったり、自分のセンスだったりを流し込んでいくか、落とし込んでいくかっていうのが勝負で、それは意外とできるんですよね。
だって警察小説を書く人で、警官出身の小説家は一人もいないですよね。
そうですよね。
で、残酷な殺人鬼ものって今すごくあるじゃないですか。
レクター博士。
レクター博士以降。
でも人を殺してる人は誰もいない。
で、読み手の方だって別にロシアの小説を読んで、アリオシア・カラーマーゾフってロシア人だからわからないなとか思わないじゃないですか。
なので人間って誰にでもなれる力があるし、誰にでも共感できるすごい力があるんですよね。
なのでそこは意外とできると思います。
イラさんにも何度もこの質問させていただいてますし、他の小説家の方にもやっぱり同じように聞いたことがあるんですけど、
やっぱり皆さんそう言いますよね。
その人の全部体験取材する人全然なくて、ある意味想像というか共感というか。
小説は一つ大きな嘘をつくことなので、嘘をつこうと思ったらもう徹底してつけばいいんですよね。
なので細かなところでリアルなのはその嘘をちゃんと補強していくための小道具って言ってもいいかもしれませんね。
03:04
だからそうでもないとやっぱりなんか女性の主人公の小説とか書けないじゃないですか。
でも意外とね、できますよね。
嘘を補強するための小道具っていうのは別に取材とか経験しろってこととも違うわけですか。
もちろんそういうのがあるといいですよ。
警察小説だったら警察の機構だったり、その書の中でどういう事件がどういうふうに動いていくのかっていうのは知識が必要じゃないですか。
でもそうだけど、そういう部分だけじゃなく、
例えば、
そうそう、例えば殺人事件の捜査会議。
殺人事件の捜査会議の中に入っていく、例えば遅刻とかしていって、5分とか10分遅刻して入っていって、パッて全員がこっちを向いて、じろって睨んだりするような雰囲気の決まってさみたいなのを書くと、これすごくリアルになるでしょ。
確かに。
なので、リアリズムっていうのは、場所場所、その状況に応じてね、いろいろと拾ってきて使えるものなんですよ。
それに関しては取材して得た知識だったり、経験だったりとは全く別なものなんだよね。
なので、逆にリアルな感じが出せるっていうのは、その作家の腕がいいからだってことだと思います。
ちなみにね、まさにこの誠の話がありますけども、誠書くときって、昔も今も変わってないですか?
いや、あんまり変わってないよね。慣れちゃったからね。誠の語り口はこれだっていうのがわかってるし、それをあんまりブレさせない方がいいっていうのもわかってるんで、
変に大人になって、物語が良くなっちゃってもしょうがないですから、
変にあんまり動かさないようにはしてますね。
なるほどね。
まあ、他の小説も書いてるから、それができるんじゃないかな。これだけ書いてたら、ちょっといろいろやりたくなっちゃうからね。でも、変えない方がいいことってあるから。
そういう意味で、いずれにしても、この彼女、書ける気がしないとありましたが、ちょっと書いてみて、できるってことですね。
でも、本当に超短編とかで書いてみたらどうかな。全然できると思うけど、自分の10歳の頃のことをちょっと思い出しながら。
面白そうだな。ちょっとやってみてもいいかもしれないですね。
いや、本当ですね。
この番組では、皆様からの質問を募集しています。また、イラさんと倉庫で繋がれるオンラインサロンの会員も募集しています。詳しくは、イラさんのホームページをご覧ください。
今日は、第122回でした。イラさん、ありがとうございました。
はい、ありがとうございました。

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