1. 石田衣良の大人の放課後ラジオ
  2. 【オトラジ#282】SFはなぜ今、..
2025-05-29 23:00

【オトラジ#282】SFはなぜ今、必要なのか?日本SF作家と代表作を語り尽くす!(小説家SP#23)

spotify apple_podcasts youtube

日本SF 黄金の第一世代SP

アメリカSFゴールデンエイジを受けて
小松左京・筒井康隆・星新一・光瀬龍・平井和正・豊田有恒を生み出した
ハヤカワSFマガジンが1959年に創刊

各作家の代表作を語りながら
日本SFの特色と素晴らしさを熱く語ります

いやぁ、みんなほんとにおもしろかったなぁ!......衣良

 

▼番組で紹介した本
『マイナス・ゼロ』(広瀬正/集英社) https://amzn.to/4jcs3Ig
『復活の日』(小松左京/KADOKAWA) https://amzn.to/4kxWbPs
『果しなき流れの果に』(小松左京/KADOKAWA) https://amzn.to/3SehFoo
『日本沈没』(小松左京/KADOKAWA) https://amzn.to/3Fqsalr
『虚無回廊』(小松左京/徳間書店) https://amzn.to/44SeESd
『戦争はなかった』(小松左京/新潮社) https://amzn.to/4jhFuXo
『日本アパッチ族』(小松左京/KADOKAWA) https://amzn.to/44GIEAi
『悪魔のいる天国』(星新一/新潮社) https://amzn.to/4kfAW4Q
『エヌ氏の遊園地』(星新一/新潮社) https://amzn.to/4dqGNln
『ボッコちゃん』(星新一/新潮社) https://amzn.to/43qqCzU
『時をかける少女』(筒井康隆/KADOKAWA) https://amzn.to/4kmL4Zm
『家族八景』(筒井康隆/新潮社) https://amzn.to/3H4J8GD
『東海道戦争』(筒井康隆/中央公論新社) https://amzn.to/4dxlUVU
『旅のラゴス』(筒井康隆/新潮社) https://amzn.to/44MqeOx
『虎よ、虎よ!』(アルフレッド・ベスター/早川書房) https://amzn.to/4jbhyF2
『石の血脈』(半村良/KADOKAWA) https://amzn.to/43geVND
『雨やどり』(半村良/集英社) https://amzn.to/43qViRN
『戦国自衛隊』(半村良/KADOKAWA) https://amzn.to/4k56c6A
『妖星伝』(半村良/祥伝社) https://amzn.to/439Zx5j
『産霊山秘録』(半村良/早川書房) https://amzn.to/44P5aXS
『たそがれに還る』(光瀬龍/早川書房) https://amzn.to/3YWi7eF
『百億の昼と千億の夜』(光瀬龍/早川書房) https://amzn.to/4krmtCF
→漫画『百億の昼と千億の夜』(画:萩尾望都、原作:光瀬龍 /河出書房新社) https://amzn.to/3Sgj1iq
『寛永無明剣』(光瀬龍/早川書房) https://amzn.to/45hXSfc
『8マン』(画:桑田次郎、原作:平井和正/講談社) https://amzn.to/3SbJlKz
『メガロポリスの虎』(平井和正/早川書房) https://amzn.to/43ll8GE
『サイボーグ・ブルース』(平井和正/KADOKAWA) https://amzn.to/3Fd9vJW
『ウルフガイ・シリーズ』(平井和正/祥伝社) https://amzn.to/3SRgD1z
『幻魔大戦』(平井和正/KADOKAWA) https://amzn.to/3H4jMZj
『モンゴルの残光』(豊田有恒/講談社) https://amzn.to/3H6voLr
『タイムスリップ大戦争』(豊田有恒/KADOKAWA) https://amzn.to/43oDCpP
『飛騨のヤマトタケル』(豊田有恒/祥伝社) https://amzn.to/4mw4ugu

▼人生は、もっと自由にデザインできる
早川洋平 著『会う力』(新潮社)好評発売中!
➡詳細(特典&試し読み):https://yohei-hayakawa.com/auchikara.html

時代や環境に振り回されず、自分らしく生きたい──
そのための“会い方”の技術とマインドを、一冊に凝縮しました。
「会う前」「会った時」「会った後」という時系列にそって、
人付き合いに苦手意識をもっていた僕の実体験から、
誰でもすぐ実践できる方法を紹介しています。
営業・士業・ライター・YouTuberなど対話を仕事にする方はもちろん、
「人と会うのが少し苦手」と感じている方にもおすすめです。
年齢や立場を問わず、人生を見つめ直したいすべての方へ──
“オーダーメイドの自分”をつくる第一歩として、ぜひ。
(早川洋平)

★お知らせ「過去の名作アーカイブを無料公開!」
(第14弾:2025年4月5日〜6月3日まで! http://bit.ly/3IsmMM2
第130回 『ブルシット・ジョブの謎』〜「クソどうでもいい仕事」からこれからの働き方を考える〜
第133回 『禁猟区』発刊記念!日本で不倫バッシングが激しいのはなぜ? 
第168回 書けないときにどうするか?〜小説家SP第12弾〜  

▶番組の全編視聴方法
①YouTubeメンバーシップ 
http://bit.ly/youtuotorazi
→Webブラウザからの登録がお得です!
②Apple サブスク
https://bit.ly/Apple_otoraji
③ニコニコ動画 
http://bit.ly/nicootorazi
④オーディオブック 
→vol.1(1~100回) 
https://audiobook.jp/audiobook/260800
→vol.2(101回~) 
https://audiobook.jp/audiobook/262371
→vol.3(201回~) 
https://audiobook.jp/audiobook/266961

▶石田衣良の書籍情報
新刊『男女最終戦争 池袋ウエストゲートパークXX』(文藝春秋) 
https://amzn.to/3yXsEMJ
文庫『ペットショップ無惨 池袋ウエストゲートパークXVIII』(文藝春秋) 
https://amzn.to/3z3cEsv

▶オトラジで取り扱ってほしいテーマ募集中です
https://forms.gle/H6Wz9N2kR5atoRVM7

▶メールレター登録(サイン会・新刊予定をお届けします!)
http://ishidaira.com/

▶『著者の声』配信開始!
https://bit.ly/3quYEj5

▶早川洋平から石田衣良へのインタビューシリーズ
https://youtube.com/playlist?list=PLh7eiOWS7pyiTBDN_YtbwfQF0g6g7MjGJ

▼小説家・石田衣良を育てた50冊
https://hb.homesha.co.jp/m/m0c07621c3320

★お知らせ
タメになる健康エンタメ『すぽきゃすTV』のゲストに石田衣良が出演しました!(第13回~第16回)
https://www.youtube.com/@spocasTV
同番組はオトラジでおなじみ早川洋平のプロデュース、
番組の登録とフォローをお願いいたします!

【石田衣良への「人生相談」&ご意見・ご感想投稿フォーム】
①YouTube メンバーシップ
http://bit.ly/otoraziqa1
②ニコニコ動画 会員様
http://bit.ly/otorazinico
③一般の方
http://bit.ly/otoraziqa2
*有料会員の方のご質問を優先して、番組内でご質問を取り上げさせていただきます。

▶お問い合わせ
https://forms.gle/rw7AwUAFXU4BXGZR6

サマリー

日本のSF小説とその歴史に関するディスカッションが進んでおり、特に広瀬正や筒井康隆の作品に焦点が当てられています。参加者たちは、黄金時代の日本SFの魅力や特徴について語り合い、その中で生まれた作品の独自の世界観についても触れています。また、日本のSF文学の歴史や重要性についても述べられ、早川書房がSFに力を入れ、多くの作家がデビューした背景が紹介されています。さらに、SFの定義やその進化、さまざまな作家の影響について深く掘り下げられ、日本とアメリカのSFの比較も行われています。このエピソードでは、現代文学と古典文学の違いや文学における天才の稀有さについて議論が行われ、特に20世紀文学の評価や日本文学の最近の動向に焦点が当てられています。

日本SFの魅力
はい、こんばんは、石田衣良です。 こんばんは、美水望亜です。
こんばんは、早川洋平です。大人の放課後ラジオ、この番組はYouTube、ポットキャストなど各プラットフォームでお届けしています。
もしまだの方は、チャンネル登録、番組フォローよろしくお願いします。
さあ、ということで、衣良さん、今日は282回です。
今回はですね、日本SF、黄金時代っていうかな、第一世代なんですけど、その人たちのことを中心にガンといきたいと思います。
きっかけはですね、実はこれです。僕が、この広瀬正さんの『マイナス・ゼロ』をお二人に勧めたら、お二人が読んでくれて、でね、どうだったんだっけ?
めちゃくちゃ面白かった。
そう、これね、めちゃくちゃ面白いの。
僕、今まで番組でやってるぐらいSF苦手で、短編しか読めなかったんですけど、初めて、一応長編、前の目で一気に読みました。
いや、面白いよね。これすごいんだよ。
あの、広瀬正ってちょっと変わった経歴の人で、1924年生まれなんだけど、サクソフォンのプレイヤーなのね。
で、自分でジャズバンドのバンマスになってやってるんだけど、バンドのほうはうまくいかず。で、SFも好きだからSF書こうかなって言って書いたのがこれなの。
え、そんなんで書ける本なの?これ。
いや、ものすごく広瀬さんって多才で、すごい人だったの。で、ちゃんとこの頃、ナオクションの候補にも2,3回入ってんだよね。
だから、もうあげておけばよかったのに、広瀬さん自身がもう47歳で亡くなっちゃったから、もう本当に日本のSFの初期の早く亡くなってしまった天才だよね。
モーツァルト型かな。いろんなことが多才で。でもこのお話さ、なんて言えばいいんだろうね。ともかくよくできてんだよね。
タイムマシンものなんだけど、そこに恋愛も絡んできて。
しかも戦前の銀座の街並みとかがすごくよく描かれてるのね。
そういうか、なんか土の色と風の香りが感じるみたいなね。昭和の。
そう、なかなかね、そういう本ってSFでは少ないんだけど、これはそれがあるんだよね。ノスタルジー感の良さ。
それと、出てくるのがね、絶世の美人の映画女優なんだけど、嫌味がないの。
ないですね。
これ映画化すればよかったのに。これ映画化でいいとこまで行ったんだよ。
あ、そうなんですか。やっぱり。
ただ、銀座の街並みを再現するのにものすごいお金がかかるってポシャったの。
あ、でも今ならできるじゃないですか。
渋谷の街並み再現して、銀座の街並み再現して。
できる、今ならできる。だから誰かこれ映画にしてほしいな。
ヒットすると思うけどね。
そう、『マイナス・ゼロ』素晴らしいよね。ひどい素晴らしい。
ということで、この話をしてたら、いやそれだったらその時代、60年代から70年代にかけて
日本のSFがめちゃめちゃ面白かった時期があるっていうのを話したらそれをやりましょうっていうことで、今回のこれです。
第282回日本SF黄金の第一世代っていうのをちょっと掘っていこうかなと。
懐かしいんじゃない?読んでる人には。
でもそもそもね、今回望亜さん自身がね、このオトライジェムずっとSFの話をしてて、僕らも衣良さんから教えてもらってましたけど、
筒井康隆の作品
やっぱりね、特にちょっと最近もう読みたい、読んでるってことで。
そうなんですよ。
今回ね、どっさり持ってきてくれたんだけど。
急に何が刺さったの?
一番最初に読んだのは、
筒井康隆さんの、これも衣良さんに紹介してもらったんですけど、
家族発見っていう七瀬っていう。
七瀬のシリーズね。
主人公の女の子が、
テレパスなんだよね。
そう、漢字が読めるのね、人の心の。
っていうので、お手伝いさんとしていろんな家に回ってって、その家のゴタゴタとか、人間臭さとか、
七瀬にもちょっと危険が及んだりとかするんですけど、
とにかく筒井康隆さんの文章の書き方っていうか、読ませ方っていうのは。
ドライでサクサク進むんだけど、洒落てるんだよね。
筒井康隆さんのこれ、言ってみれば、家政婦はみたいな感じなのよ。
ただし、それが七瀬っていうヒロインの女の子で、その子は超能力があるっていう設定なので、
しかも3部作いくことにどんどん話が展開していくので、面白いのよ。
3番の作なんですね。
それが1作目。
1作目ですね、これがね。
これがとにかく面白くて、日本のSFって面白いな。
急に宇宙に、それこそ早川さんがよく言ってるような、宇宙行かれるとちょっと。
地に足ついてないもんだ。
難しいみたいなことはよくおっしゃってますけど。
そうだね。日本のSFって考えたらあんまり宇宙行かないね。
地に足ついてない。
アメリカ行くもんね。
自分たちの生活の中にある、ちょっとしたSF感のある出来事をうまく書いていくっていうのが、すごいドハマりしちゃって。
あーあるね。でもそれ言ったらさ、これもそうじゃん。これも宇宙行かないもんね。
これめちゃめちゃ面白いかも。
じゃあね。
ていうかこれ私も途中まで、SFなのこれ?って思いながら。
確かに、そう。
僕今半分だから。
そうなの。
そんな感じ。
そうやって読んでいくんだけど、途中からどんどんSFになってくる。
そうなの。
じゃあこっからか。
これもね、めちゃめちゃ面白いのよ。
すごいよ、ほんとに。
アメリカSFの影響
『石の血脈』ね、これ半村良さんなんだけど、僕の高校ってさ、半村良さん卒業者なの。
あ、そうなんだ。
で、芥川龍之介と堀辰雄と半村良と僕と。
すごい。
すごいすごい。
芥川氏を取ったね、名前出てこないな。
誰だっけ?
名前出てこないほど。
何人かいるんだよ、作家が。あと久保田万太郎とか。
いるんだけど、一番好きなのは半村良なんだよね。
で、僕が高校1年の時に読んで、こいつは面白いって震えたのが『石の血脈』です。
これすごかった。
これすごかったよね。しかもエロがいっぱいあんだね。
エロいっぱいありましたね。
そこだけでも入っていっちゃいますね。
これ吸血鬼の話なんだけど、血を交換すると強烈に性欲が上がるのよね。敏感になって。
で、吸血鬼同士で、いろいろやらしいこといっぱいしまった上で、
たくさん人間の血を飲んで、最後は赤化するっていう。
それがまだ全然なかったっすよね。
その赤化から覚めると不露不死になるっていう設定なの。
もうエロの方に持ってかれてて、全然ちゃんと文明分からない。
エロにもちゃんと裏があるんですよ。
そうなんですよ。
ってことか。
そういう謎の種族がいて、それがめくめくと時代を越えて生き抜いてきたっていう。
ちょっとポーのあれみたいじゃないですか。
そうそう。
萩本さんの。
でも『ポーの一族』は、どっちかっていうとここから。
あーなるほど。確かにそうかもしれない。
これ私設定が素晴らしいなと思って。
ただの吸血鬼としてじゃなくて、下から性液みたいなのを出すとか、
そういう裏の設定っていうか、ちゃんとしてるのにめちゃくちゃ設定が。
これもね、誰かがちゃんと映画にして欲しいんだよな。
今こそこの辺マイナスでもできそうですよね。
今こそそれこそネットウェブとかでお金かけて作ったらめっちゃ面白くなると思う。
石抜き血脈な、いいよな。
不思議なのが、最初言った通りで、全然最初のストーリー的にSF感は全くないじゃないですか。
日本の新宿画舞台で、裏社会の人たちの話なのかなと思って見ていくと、
すんなり、どう考えてもこっからSFに持ってくって無理やりすぎるし、
また大した話じゃないんじゃないかなみたいな予感をまるで覆すっていうか、
ぬるっとこっからSFに持ってくる。
俺、そろそろ脱落しそうだったけど、こっからですね。
奥さんは失踪した?
してるしてる。
スミダーの奥さんが失踪して、奥さんが失踪する話って、村上春樹チークなのよ。
あー、そっか。
で、旦那が必死になって奥さんを探すっていうその後。
とにかくエロの描写に引っ張られなくて、スミダー俺もやられてるとか。
でもオシャレじゃないですか、すごく。
いや、面白かったわー。
僕ね、本当に15歳で読んで感心したもん。
そんな面白い小説あるんだ。
すげーわって。
かなりレベル高い。
だからやっぱり衣良さんがおっしゃってるのは、そういう意味で第一世代っていうのはみんな今挙げたような人たち。
そうそうそう。
だからね、ちょっとザクッとした説明から入るけど、やっぱりね、始まりはアメリカなのよ。
アメリカの1950年代って、トランプが戻りたいって言っている一番グレートな時代ってここなの。
製造業世界一、金融世界一、広告、ハリウッド、映画世界、音楽世界一の頃、SFのもう黄金期だったの。
アシモフ、僕と。
アシモフはもうあれで今やってるもんね。
アイアップルだっけ?銀河帝国工房紙。
やってるやってる。
僕はロボットとか色々あったけど。
そうそう。僕はロボットとか。
一番有名なのは何だっけ?
いや、銀河帝国。
僕はロボットも有名だね。
映画にたくさんなってるし。
僕とは、みんな知らないと思うけど、一番有名なのは宇宙船ビーグル号の冒険です。
なぜかというと、これがエイリアンの元ネタだから。
その名前からエイリアンの元ネタがないんですね。
無敵の宇宙人に寄生されてしまった宇宙船が、もうこのままじゃヤバいって言って、船を捨てて全員で外に出るの。
それを慌てて追ってきたエイリアンを、宇宙の外で撃ち殺して、みんなでまた船に戻るっていう。
その設定ってエイリアンとそっくりじゃん。
そして、僕の大好きなハインライン。
このアシモフ、僕とハインラインが、アメリカSFの御三家だったの。三大巨匠。
そこに、当然、四年期のワイのクラークが入る。
日本SF文学の発展
ただ、これクラークをなぜ最後にしたかっていうと、クラークだけイギリス人なんだよね。
ただ、クラークはイギリス人でもゲイだったから。
スリランカでしたね。
イギリスにいられなくてスリランカに行くんで、この人はもうあんまり国籍とか関係ない人なの。
なので、こういう人たちが大活躍して、SFがものすごく面白いよっていうので、
日本人も、じゃあアメリカでSFが面白いみたいだし、センスのいい若い子はみんなSFを読んでいるっていうことで、
早川が、
そっからSFマガジンができてるんだ。
早川書房がSFマガジンを作るわけよ。
で、なりものりで始まったのがこれなのね。
早川SFコンテストっていう。
ここから全員デビューするの。
ショーを取って。
本当だ。
小松左京、小松さんね。
筒井さん、半村さん、光瀬龍。
で、平井和正さん、豊田有恒って。
で、これの文明とは別に、さっき挙げた広瀬正もいて、星新一もいるっていう感じ。
で、この第一世代ってみんなすごい仲良しだから。
で、ここからその後のさ、例えばSFアニメ。
SFの定義と特性
平井和正さんがやったのが『8マン』とかだから。
で、豊田有恒が『宇宙少年ソラン』とか作ってるんで。
もうね、ここから平井和正さんが『ウルフガイ』っていうのを書いて、ライトノベルが始まるんで。
ライトノベル、SFアニメは全部ここから始まってんの。
そうなんだ。
早川ってもともとSFは使ってたわけじゃなくて。
じゃあないんだけど、早川は翻訳モノの出版社だったから。
アメリカで売れてるのがあると訳すわけよ。
で、まあ元はミステリーが強かったんだけど、
ミステリーよりこれからはSFだぞって言ってSFに力を入れたのね。
で、それがこんなことになって、とんでもない巨小をどんどん生み出していくことになるっていう。
すごいラインナップですよね。
すごいラインナップ、本当に。
だってもう映画だけだってすぐわかるじゃん。
復活の日、日本沈没、スイさんのもいろいろなってるからね、映画。
時をかける少女も。
七瀬も映画になってるんじゃないかな。
で、半村さんはね、映画とはあんま縁がないのかな。
でも半村さんもこの力だからね。
で、光瀬さん。
で、ライトノベル。
豊田さん。
豊田さんはね、日本志者なんだけど。
山本たけるの活躍とか。
あ、面白そう。
なんて感じで来るんだけど、本当に僕この時期に青春期だったので、震えた。
そういう意味ではちょっとぼかえるんですけど、いい時代に生まれましたね。
本当ですね。
日本のSFすごい面白い。
まあアメリカのも面白いけど、日本のも負けてないなっていう感じだった。
これちなみに、さっきもご飯食べながら話しましたけど、
改めてど真ん中ですけど、SFの定義って意外と曖昧なんじゃないかな。
これね、難しいのよ。
だから隣接して似てるのはファンタジーじゃん。
なのである物事が起きるじゃない。
例えば指をこうやってパチンって鳴らすと、ザノシじゃないけど、人が消えた。
ファンタジーだったらそれは魔法です。
でもSFだったらそれは指を鳴らすのがスイッチで、
どこかで次元転送装置みたいなものを誰かがスイッチを入れていた。
みたいな科学的なちょっとホラ話でもいいから、
裏が取れる話をちゃんと解説をするのがSFだと言われてるんだけどね。
だからサイエンスフィクション。
そう。なので一つだけ科学の要素を入れる。
例えば全ての人間が試験管から生まれるようになったら、
世界はどう変わるかっていうのを描く。
それが外装法って言うんだけど、エクストラポレーションっていうかな。
要は一つこうやってある出来ている世界に新しいアイディア、
別な切り口を一個だけ入れてその世界がどう変わるかを描く。
そういうのもSFなんだよね。
確かに近しいですよね。
Amazonのカテゴリーを言ってもしょうがないですけど、今見たらSFファンタジーホラーなんですね。
近いっちゃ近いですよね。
でもSFホラーみたいなのもあるじゃん。
エイリアンだってSFホラーじゃん。
最強の宇宙化物と宇宙船の中に閉じ込められるって話だから。
そういう風に言われてるんだけど、ただ今はものすごく幅が広がってるんで、
わからないし、定義にこだわらなくてもいいかもね。
今回の『マイナス・ゼロ』もそうですけど、面白かったらあんま関係ない。
そうそう、ほんと関係ない。
ただ一つ言えるのは、何か大きなアイディアを一個入れることで、
世界を再構築して、ある種世界に対する新しい見方をもたらそうとする。
ある種、哲学的な再構成みたいなのがSFの肝だなって思うんだけど。
SFの未来と作家の役割
なので、よくアメリカのSF好きの人たちは、SFはサイエンスではなくスペキュレーションだって言うんだよね。
スペキュレーションというのは、深く考えるっていうのかな。
世界のあり方を深く考え直すみたいな意味なの。
思推するっていう。
なので、そっちの意味の方が近いかなっていう気は僕もする。
そういう意味で、SFって僕も読まずげやし、なかなか読みづらかったんですけど、
やっぱりどうでしょう?ちょっと技術的なことかもしれないですけど、
やっぱり筆力とか、そういうもの問われません?
問われるし。
他の作品より。
SFって未来だし、架空の世界を描く。
例えば、宇宙の果てに住んでいるエイリアンなんかを描くんで、
逆に言えば、そこからどれだけリアリズムを作れるかっていうのが大きいんだよね。
ってことは、腕じゃん。
本当、だから難しい話をいかに誰でも読みやすくっていう。
それこそイラさんに書いてほしいですよ。
でもSF大変なんだよね。
今は。
昔と違って、科学の範囲がものすごく広がったんで、
ほぼあらゆる科学の知識がないと、書けないぐらい今難しくなってるんだよ。
あと膨大で分厚くなりそうじゃないですか。
だからそれを、中身が違うと、ヒロシさんとかこのサイズを収める。
ただヒロシさんは理系の人ではないだけあって、
タイムマシンはできたって言うんだけど、
その原理に関しては一切入り込まないんだよね。
それは賢い手かもしれない。
でもそこだけでもSFって言っていいわけですね。
いいよいいよ、もちろん。
だって僕たちだってスマートフォン使いながら、
スマートフォンがどう動いてるかって原理は完全にわかってないでしょ。
じゃあそういう意味ではこれから本編入ってきますけど、
一応冒頭で、これ一応小説家スペシャルなんで、
これからいろいろ厳しいかもしれないけど、
SFを描いてみたいな人に最初にイントロで一言。
SFを描いてみたい人に?
やっぱりね、僕SFの本当の肝はやっぱりアイディアだと思うんだ。
だからアイディアを研ぎ澄ますことが一番大事じゃないかな。
なんでもいいんだけどね。
さっき言った、男と女から子供が生まれなくなった世界の話って言うんだったら、
村田さんじゃないけどさ、いろいろ展開があるじゃない。
あるいは逆に女尊男卑の世界。
女の方が圧倒的に偉い世界っていうのは世界にいくつかあるので、
女性がすべての経済的な権利を握っていて、
男は本当にフラフラしながら種付けの作業しかしない世界になって面白そうじゃない。
面白そうですね。
確かにね、ちょっとありですね。
なので、自分が科学的なこととか苦手だったら、
そういうふうにリアルな世界の方に寄せる。
科学とか得意で宇宙物理とかがわかる方だったら宇宙の話にするっていうような、
自分の得意なジャンルでアイディアを研ぎ澄ますっていうのが一番大事だと思うな。
逆に言うと、自分がSF苦手だと思っても、
さっきイラストの人に言ったように、
広瀬さんは理系バリバリじゃないじゃないですか。
そういった書いた本だと、僕も理系バリバリじゃないと入っていきやすい可能性はあると思うんですよね。
物語としてちゃんと出来上がってるものだと。
だから、半村さんだって理系じゃないから、
この中でちゃんと理系なのは小松さんぐらいだからね。
小松さんはもうさ、バリバリハードSFを書く人なので。
でもそれこそ、マイナスにも出てくるHGウェルズ、タイムマシン。
その原作自体どうなんですか?
HGウェルズは面白いよ。
やっぱり面白い。
タイムマシンっていう、時間を遡って旅をする機械っていうのを考え出したのがHGウェルズだし。
だから、HGウェルズとジュール・ベルヌ。
地底世界に探検したり、月に行ったりして。
その頃のSFから始まって、
どんどん精度が上がって面白くなっていくっていうのがSFの歴史なので。
やっぱりそれがアメリカも日本も70年代、80年代ぐらいでピークをつけて、
ちょっと落ちてきてるっていうのが今の感じかな。
この40年ぐらい、だらだらゆっくりと、だら下がりになってきてるっていう。
70年代ぐらいまでがピークなのかな。
結構もう半世紀ですね。
だからSFもさ、生まれた瞬間に、そのジャンルの最高の人って生まれちゃうじゃん。
一番生まれそうですね。
音楽で言うと、バッハ、音楽の父みたいなのが生まれると、
それ以降、シンドイッテンと一緒で。
やっぱりさ、日本SFの父たち、この6人、7人、8人ぐらいから、
ここを超えるのは超大変だよね。
今SFの短編、ショートショートが上手い人が現れたとしても、
それは素晴らしいけど、
例えばケンリュウがさ、星新一を超えられるかって言ったら、
ケンリュウが1000本書くとは思えないじゃん。
現代文学と古典文学の違い
まず本数がね。
そう、星新一は1001本書いてるからね。
すごいよ、これ。
話はつきませんが、今聞きたいことが思いつきましたから、
本編で書きたいと思います。
じゃあここでお便りご質問お願いします。
277回、うつ病の原因はウイルスだった。
疲労とは何か特集のYouTubeにコメントいただいています。
40度の高熱が数日続いて、その後うつ病になりました。
症状も頭痛から始まったので、この説正しいような気がします。
大丈夫なのかな。
その後どうなんだろう。
この本に書いてあった、着火剤みたいなのが、
その高熱というか、続いて生まれちゃったってことですよね。
やっぱりあまりにも高い高温で脳が温められると、
脳もやっぱり生きている細胞なので、そこに影響があったのかもしれないね。
大変だね。でもいいといいんだけど。
じゃあ次質問。
ルルさん、40代の女性の方からです。
いつもありがとうございます。
現代文学と古典文学の違いについて教えてください。
ドストエフスキーやトーマスマンといった世界文学、
日本ではおそらく谷崎や芥川、夏目、三島、大江かなといった作家の作品と、
星の数ほど書かれては消えていく現代の文学とは、
根本的に何がどのように違うのか。
和尾石黒や村上春樹など、世界的に有名な現代文学者ももちろんいます。
本屋大賞を取るような作品にもいいものはあるはずで、
なのにそれらがどうにも浅く思えるのはどうしてなんでしょうか。
労力はおそらく同じぐらいのはずなのに、
作品として100年後に残らないだろうことが悲しいです。
これでもすごく難しいところで、
古典になっているのは本当に100年200年という時間を生き延びてから古典になっているので、
現代文学って言っても、昔だったら20世紀の文学が現代文学だったの。
音楽の世界でいうと、20世紀の音楽とそれ以前の古典音楽の世界っていうのがあるわけよ。
200年か300年分の。
それで分けられたんだけど、小説もほぼその感じで来てたんだけど、
それがもう今21世紀になっちゃったじゃん。
20世紀の文学みたいなことで言うと、かなり幅があるんで、
そうなると、現代文学と古典文学みたいなのを今は分けるのは難しいかな。
特に20世紀というのは評価が受けづらいっていうか、ちょっと損なところがあるかもしれない。
天才の稀有さ
20世紀の半ばぐらいまで、文学は古典に入り始めてると思う。
河童康成とか谷崎とかはもう古典に入ってるんだけど、
それ以降の70年代、80年代以降だと、今それを振り分けしている最中で分からない。
今のところの日本文学の感じでは、70年代、80年代だったら、
ハルキ、リュウのダブル村上と大江さんぐらいの感じかなっていう雰囲気なんだけど、
でもそれまでは分からないからね。
意外と時代的に150年に3人とかそんな感じなのか?
そうだね。でも、例えばピアニストとかテニスのプレーヤーを見て。
スウェーデンから生まれたのってボルグでその後もう一人ぐらいじゃない?
アルゼンチンから生まれたのもギル・ウィラスの後はもういないし、
スペインだって、なんだっけ?
テニス?ナダル?
ナダルともう一人今現れた、なんだっけな?名前出てこないな。若い。
僕テニス分かんないっす。
なので、要するに50年とか60年で1人か2人しか出ないもんなの。
本当の天才プレーヤーってテニスとかピアニストでは。
日本ではピアニストに関してはまだ現れてないんじゃないかっていう感じかな。
近代100年やったけど上手い人はいる。
ウチダ・ミツコみたいなすごい人もいるけど、
本当に時代を隠する天才っていう感じのはいないんじゃないかな。
でもイタリアだってそうだよ。
イタリアだってポリーニとミケランジェリしか生まれてないし、
アメリカの天才ピアニストって言ったらカナダでグールドがいるけど、
アメリカ人天才がいるかって言われたらアメリカのピアニストあれだけいて、
まだアメリカの天才はいないからね。
なので本当の天才ってそういう頻度でしか来ないから、
なのでそういう意味では現代の小説が残らないのは当然だよね。
ものすごい数は生まれてるけど、
本当の天才は20,30年に1人だから1つの国で、
世代で1人現れるか現れないかぐらいの感じなんで、
テニスとかピアニストとかで見れば、あれはバレエのダンサーとかね、
で見ればそんなもんだよっていうことで、
天才は出ないんだよっていうのが正しい意見かな。
ありがとうございます。
ということでね、SFいろいろ聞きたいこと、本の紹介もたっぷりあると思うので、
本編の方をご視聴いただければと思います。
続きは4通りご視聴法がございます。
YouTubeメンバーシップ、
audiobook.jp、
Apple Podcasts、
ニコ動、
いずれかの方でご視聴ください。
詳しくは概要欄からどうぞ。
それでは本編で。
と言いつつですね、今一言付け加えたいんだけど、
今僕その天才説の話をしたけど、
天才のものが、
23:00

コメント

スクロール