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サマリー
本エピソードでは、日米両国の中央銀行がほぼ同時に利上げに踏み切る可能性について解説します。アメリカでは、堅調な雇用統計と原油価格の高騰を受けて利下げ予想から利上げ予想へと転換しました。一方、日本では円安の進行と資源価格の上昇がインフレ懸念を高め、利上げ観測が強まっています。過去の事例を振り返りながら、利上げが株価や住宅ローン、為替に与える影響、そしてスタグフレーションのリスクについても考察します。
はじめに:日米利上げ観測の高まり
インベストメントブリッジがお届けする、いろはにマネーのながら学習。
この番組では、インターン生2人が株、投資、経済関連の気になる情報を分かりやすくお伝えしていきます。
インターン生の会話を流れ聞きする感覚で一緒に勉強していきましょう。
おはようございます、インターン生の竹井です。 おはようございます、インターン生の松井です。
竹井さん、最近ニュースを見ていると利上げっていう言葉を本当によく聞くんですけど、
アメリカも日本も何だか金利を上げるんじゃないかということで支えられているのを見たんですけど。
はい、そうなんですよ。実は今、世界の金融市場でかなり珍しいことが起きようとしているんです。
はい、珍しいことですか。
はい。アメリカと日本、両国の中央銀行がほとんど同じタイミングで利上げに動くかもしれない。
という状況なんです。しかもアメリカはつい最近まで利下げが予想されていたのに、
わずか数日で見方が利上げへとガラッと反転しました。
数日で利下げ予想から利上げ予想に変わったんですね。
そうなんですよ。そこで今日のテーマは、ズバリ日米の中央銀行が利上げをしたら何が起こるのかです。
株式市場や私たちの生活にはどのように影響があるのかを、過去の事例も振り返りながら一緒に見ていきましょう。
めっちゃ気になりますね。ぜひ最後までよろしくお願いします。
中央銀行の役割と目的
その前に恒例のちょこっと株式展のコーナーです。今日の用語は何ですか?
今日の用語は中央銀行です。
中央銀行とはその国の金融システムの中心にある特別な銀行のことで、いわゆる銀行の銀行とも呼ばれる存在です。
日本では日本銀行、いわゆる日銀、アメリカではFRBがこれに当たります。
お札を発行したり、金利を動かす金融政策を担っていて、今日のテーマである利上げを決めるのもまさにこの中央銀行なんです。
私たちが普段使っている銀行のさらに上にいて、国全体のお金流れを管理しているというイメージですね。
でも中央銀行って何を目的に動いているのか正直いまいちわからなくて。
そうですよね。中央銀行の目的は大きく2つあります。
1つ目は物価の安定です。
物やサービスの値段が上がりすぎたり下がりすぎたりしないようにコントロールすることです。
物の値段が昨日と今日で全然違うなんてことが起きたら、国民の生活は大変なことになりますよね。
なので物の値段を安定させることというのが1つの仕事です。
そしてもう1つが金融システムの安定です。
銀行や金融市場全体が混乱なくきちんと機能し続けるように見守る役割ですね。
この2つの目的を頭に入れておくと、今日の利上げの話がぐっとわかりやすくなると思います。
はいわかりました。物価の安定と金融システムの安定。
この2つを覚えておけばいいんですね。
はいその通りですね。
アメリカの利上げ観測:雇用統計と原油価格
それでは本題です。
まずさっきおっしゃっていたアメリカが利下げ予想から利上げ予想に逆転したという話すごく気になります。
一体何があったんですか。
はい天気になったのは6月5日に発表された5月の雇用統計です。
アメリカでは毎月景気の温度計と言える雇用のデータが出るんですが、
これが市場の予想を大きく上回ったんです。
どれくらい上回ったんですか。
景気の動きに敏感な非農業部門の就業者数が前の月から17万人増えました。
市場の予想は8.5万人増えたのでほぼ倍ですね。
直近3ヶ月で見ると月平均で18.8万人増えました。
これは2年2ヶ月ぶりの伸びでした。
つまりアメリカの景気は思っていたよりずっと強いぞとなったわけですね。
なるほど景気が強いっていうのはめっちゃいいことに聞こえるんですけど、
なぜそれが利上げにつながるんですか。
はいいい質問ですね。
景気が強すぎると物やサービスの需要が増えて物価がどんどん上がる。
つまりインフレが再び燃え上がる心配が出てきています。
中央銀行は物価の安定が一番の仕事なので、
インフレを抑えるために金利を上げるという流れなんです。
なるほど熱くなりすぎていた景気に利上げという冷却水をかけるイメージですね。
まさにその通りですね。
しかも今回はもっと大きな要因があります。
それは皆さんも知っている通り、
中東でのイラン戦争に伴って原油価格が高騰しているということです。
原油の国際的な指数であるWTIは1バレル90ドル台まで上がってきました。
金油が上がるとガソリンや輸送費、いろんなものの値段に響きますので。
そうなんですよ。強い雇用に原油価が重なって、
これはインフレが再燃するぞという見方が一気に強まりました。
結果市場の予想が利下げから利上げへと変わったんです。
実際市場はどれくらい利上げを織り込んでいるんですか?
アメリカの短期金融市場では年内の利上げをほぼ完全に織り込んでいます。
ブルームバーグの報道によると、
金利スワップという市場では12月の会合までに0.25ポイントの利上げ、
さらに10月の利上げも6割くらいの確率で織り込んでいるそうです。
FRB、つまりアメリカの中央銀行の交換からも、
年内に利上げすべきだという声が出てきています。
もし本当にそれが利上げしたら、それってどれくらい久しぶりなんですか?
もしFRBが実際に利上げに踏み切れば、
2022年3月以来の利上げ局面入りになります。
ここ最近はむしろ利下げをしてきたので、市場にとっては大きな転換点なんです。
アメリカのFRB議長交代とその影響
なるほど、あとFRBのトップが変わったっていう話も聞いたんですけど。
はい、そこも結構聞いてきてるんですね。
5月22日にケビン・ウォーシュさんがFRBの新しい議長に就任しました。
6月16日、17日のFOMC、金融政策を決める会合ですが、
就任後初めての会合になります。
ウォーシュ議長は、物価の安定を重視する姿勢を示していて、
トランプ大統領がパウェル前議長に仕切りに求めていた利下げも最近は影を潜めているんです。
なるほど、トップが物価重視の人に変わったっていうことで、
利上げの可能性がより現実的になったっていうことですね。
アメリカ側の事情はよくわかりました。
日本の利上げ観測:円安と資源価格
じゃあ、日本はどうなんですか?
日本も利上げしそうな雰囲気なんですよね。
そうですね。日本で利上げ観測が高まっている理由は大きく2つあります。
1つ目は円安の加熱です。
円安もずっと続いてますもんね。
本当そうですよね。
海外旅行とか行けないです。
象徴的なのが、政府・日銀が円外ドル売りの為替りをしたにも関わらず、
すぐにまた1ドル160円台まで円安が進んでしまったということが、
つい数ヶ月前にありましたね。
買い入って円を買い支えて円中に戻そうとする大規模な措置ですよね。
それをやっても効かなかったと。
そういうことですね。
これはつまり、今の円安が一時的なものではなく、構造的に長引く可能性が出てきたということを表しています。
円安が続けば輸入品の値段が上がってインフレにつながるというのが1つの理由です。
なるほど。では2つ目は?
2つ目は実はアメリカの利上げ理由と重なるんですが、
原因を含むコモディティ、つまり原材料やエネルギーといった国際商品価格の上昇です。
これでインフレが再燃すると考えられていて、その熱を冷ますためにも利上げが必要だという見解が強まっています。
なるほど。日本もインフレを冷やすための利上げという構造なんですね。
実際のところ、市場はどれくらい日本の利上げを見込んでいるんですか?
はい。具体的な数字を見ていくと、マネースクエアによると5月末の時点で、
翌日モノ金利スワップ、いわゆるOISという市場の指数では、
6月15日、16日の金融政策決定会合での0.25%の利上げを75%前後の確率で織り込んでいます。
別の集計では約77%という報道もありました。
7割を超える確率ですか。結構高いですね。
そうなんですよね。これを後押ししているのが物価のデータで、
生鮮食品と特殊要因を除いた、いわゆるコアの消費者物価指数は、
4月に前年比2.8%まで伸びが高まりました。
2月が2.2%、3月が2.5%だったので、じわじわ加速しているんです。
さらに第一生命経済研究所の予想では、
日銀の政策金利は2026年6月に1%、
2027年7月には1.5%を超えていくという見立ても出ています。
市場も専門家も、日本の利上げをかなり本気で見ているということですね。
そうなりますね。そしてここでポイントなんですが、
日米金融政策決定会合の時期と歴史的珍しさ
アメリカのFOMCが6月16日、17日、
日本の日銀の会合も6月15日、16日とほぼ同じ時期なんです。
ということは、
早ければ同じ週に日米の中央銀行が揃って利上げに動くという展開もあり得るということですね。
これは歴史的に見てもかなり珍しい状況なんですよ。
なるほど。
過去の利上げ事例:バブル崩壊と令和のブラックマンデー
日米揃って利上げって聞くとめちゃくちゃ株価が心配になってくるんですけど、
過去に利上げをしたときにマーケットってどうなったんですか?
はい、これ結構気になりますよね。
日本はもともと利上げをする局面自体が少なかったんですが、
だからこそ教訓になる事例がいくつかあります。
今日は2つ紹介しますね。
はい、お願いします。
まず1つ目は最悪のケースとも言われる1989年から1990年ですね。
当時日本はバブル経済の真っ只中で、
その加熱を抑えるために日銀が急ピッチで利上げを行いました。
あの頃のバブルですね。
日経平均はどうなったんですか?
日経平均は1989年12月に市場最高値の38,915円をつけました。
実はこの1989年の1年間の上昇幅8,756円というのは当時として過去最大だったんです。
ところがその反動でよく1990年は約1万5千円も下落しました。
1年で1万5千円も上がった分以上に落ちてしまったんですね。
そうなんですよね。
そしてここから日本はいわゆる失われた数十年、
今失われた30年なんて言われますが、そういう時代に入ったとされています。
なんと3万8千円台を回復したのはようやく2024年のことでしたね。
30年以上ですか。
利上げでバブルを崩すとそれだけ長い傷が残ることもあるんですね。
はい。まさにそこが教訓ですよね。
実は日銀が長年利上げにものすごく慎重だったのは、
このバブルの崩壊を招いたのが自分たち。
日銀だったというトラウマによるものだという見解もあるそうですね。
なるほど。過去の失敗が今の慎重さにつながっていると。
では2つ目の事例はありますか。
2つ目は記憶に新しい2024年8月5日、令和のブラックマンデン、
あるいは上田ショックと呼ばれる出来事ですね。
あれはめちゃくちゃ覚えてますね。
僕が持ってた株とかも大暴落が起きて。
そうなんですね。
すごく忘れられない日になりましたね。
その7月末に何が起きたかというと、
日銀が利上げを決めて、さらに追加の利上げを示唆したところに、
アメリカの雇用統計の弱さが重なったタイミングだったんです。
結果、日経平均は前日比12.4%安。
下落幅は4451円で、これは過去最大級でした。
下落率は1987年のブラックマンデンに次ぐ、
史上2番目の大きさでした。
あの時、結構12%超えも下がってたんですね。
はい。
1日でってことですよね。
はい。
凄まじいですね。
そうなんですよ。
しかもスピードもすごくてですね。
7月11日の高値、42224円から8月5日の31458円まで、
わずか16営業日で25.5%も下落したんです。
たった3週間ちょっとで4分の1が吹き飛んだ。
これはもう立ち直れないんじゃないですか。
そうなんですよ。
ここからが面白いところで、よく6日には何と約10%高、
上げ幅3217円という、これまた最大級の上昇幅で急反発したんです。
今度は過去最高の上昇ですか。
凄いですね。
驚きですよね。
ここからもわかるように、
利上げが生活に与える影響:住宅ローンと為替
利上げそのものがいつも株価を大暴落させるわけではありません。
ただ1989年のように急速な利上げ、泳ぎなくされるような場面は非常に危険だったということなんです。
そうだったんですね。株価についてはわかったんですけど、株以外にはどんな影響があるんですか。
まず身近なところで住宅ローンです。
変動金利でローンを借りている人は、金利が上がると毎月の返済額が増えていきます。
マイホームを変動金利で買った人にとっては結構な切実な話ですね。
そしてもう一つが為替ですね。これがなかなか奥深くて。
為替って金利が上がる通貨は買われて高くなるというイメージがありますけど。
教科書的にはまさにその通りなんです。
金利の高い国の通貨を買って、その国で預金や国債を買う動きによって通貨の価値が高くなる。
ただ日米が両方とも利上げをする時に聞いてくるのは、
金利の水準そのものではなく、日本とアメリカの金利差なんです。
そしてここに今大きなねじれがあるんです。
ねじれですか?
はい。2025年は日銀が2回利上げをして、逆にFRBは3回利下げをしました。
これで日本とアメリカの金利差は1.25%縮まったんです。
普通なら金利差が縮まれば円高に触れるはずですよね。
ところがドル円は円高にならなかったんです。
あれおかしいですね。理屈に合わないですね。なぜですか?
はい。理由はいくつかあって、
一つ目は高市政権の拡張的な財政政策と、
日銀の利上げペースが緩やかなことを背景にした陶器的な円売り。
もう一つは日本の家計が資産を海外に分散させる動き、
いわば構造的な円売り圧力です。
これらが金利差の縮小を打ち消してしまったんですね。
これに関しては新任意差によって、
アメリカのS&P500などに投資をする人が増えて、
ドル買いの動きにつながったという面もあります。
なるほど。じゃあ日銀が利上げをすれば即円高とは限らないということですか?
まさにそこなんです。
今回はむしろアメリカが利下げから利上げへと転換する一方で、
日銀が利上げは緩やかで、しかもすでに市場に織り込まれている。
だからドル高円安がむしろ続きやすい状況なんです。
160円が強固な防衛ラインとして意識されています。
為替を読む上でのポイント:スピードの差
なるほど。じゃあ為替を読む上で一番大切なものは何でしょうか?
今日一番覚えてほしいのは、
為替は両国の利上げの速さの差で決まるということです。
水準ではなくスピードの差。ここが今回の肝ですね。
なるほど。株だけでなくて生活にも影響していくのがよくわかりました。
まとめ:利上げの影響と今後の注意点
最後に今日の内容をまとめてもらってもいいですか?
はい。まず利上げは基本的に株などのリスク試算にとってはマイナス要因になります。
特に景気が良くて物価が上がる良いインフレではなく、
戦争による原油高のようにコストが上がって物価が押し上げられていくインフレの場合はその傾向が強くなります。
景気が伴わないのに金利だけが上がるという形ですもんね。
そうなんです。
2つ目はさっきの為替の話。
日本が利上げをしたからといって必ずしも円高に振れるとは限らないというところですね。
はい。速さの差で決まるでしたね。
はい。そして3つ目。
これは少し怖い話ですが、最悪の場合景気が悪いのに物価だけが上がるスタグレーションというものに落ちる可能性もあるということです。
不景気とインフレが同時に起こる一番厄介なパターンですね。
特に最近は日本もアメリカも株価がかなり上昇してきています。
だからこそどこかで大きな調整が入ってもおかしくないという心構えは知っておいた方がいいと思います。
なるほど。利上げのニュースをただ金利が上がるんだって終わらせずに株や為替、生活への影響まで立体的に見れるようになった気がします。
はい。それが今日一番の収穫ですね。
なお今日お話しした内容は情報提供を目的としたもので特定の投資を推奨するものではありません。
最終的な投資のご判断はぜひご自身の責任でお願いいたします。
はい。リスナーの皆さんも6月の日米の地方銀行の動き、ぜひ注目してみてください。
本日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
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また概要欄にはご意見フォームのURLも貼っておりますので番組へのご意見もお待ちしております。
いただいたコメントにより改善を進めてまいります。
引き続き楽しんでいただけるよう頑張りますのでこれからもよろしくお願いいたします。
それではまた次回お会いしましょう。
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