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2025-12-24 13:06

非財務情報で見る企業価値!サカタのタネから学ぶ投資の新視点

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サマリー

本エピソードでは、非財務情報が企業価値に与える影響について探求し、企業サカタのタネを事例として取り上げています。また、PBRなどの財務指標との関連性にも触れ、投資判断に役立つ新たな視点を提供しています。非財務情報が企業価値を評価する上で重要な要素であることを強調し、サカタのタネの事例を通じて持続可能なビジネスモデルや信頼の重要性について議論しています。特に、企業の統合報告書が投資家にとって価値ある情報源であることが紹介されています。

非財務情報の重要性
インベストメントブリッジがお届けする、いろはにマネーのながら学習。
この番組では、インターン生2人が株、投資、経済関連の気になる情報を分かりやすくお伝えしていきます。
インターン生の会話をながら聞きする感覚で、一緒に勉強していきましょう。
メリークリスマス!
プレゼントは、IBMの株が欲しいインターン生の塚田です。
メリークリスマス!
サンタさんからのクリスマスプレゼントはまだ欲しいですよね。
インターン生の渡辺です。
渡辺さんって結構モテモテで彼女とか絶えないじゃないですか。
クリスマスプレゼント選びとか結構大変かなって思うんですけど。
彼女が絶えないっていうのは訂正しつつ、クリスマスプレゼント選びやっぱり迷いますよね。
自分結構優柔不断で、何を基準に選んだらいいか全然わかんなくて。
意外と優柔不断なんですね。
投資で企業を選ぶ時とかって何見てたりするんですか?
いきなり来ますね。
そうですね、まず決算情報というか売上高とか営業利益とか。
あと配当を気にするのであれば利回りとか。
あとは決算書に載っている数字っていうところを中心に見てるかなっていうところです。
いわゆる財務情報ってやつですね。
もちろんそれも大事なんですけど、実は最近非財務情報がすごく注目され始めてるんですよね。
クリスマスツリーに例えると木のデカさだけじゃなくて、飾り付けだったり美しさや輝きも大切っていうような価値観なんですけど。
非財務情報ですか。クリスマスに例えてますけど、それって結局何なんですか?
簡単に言うと決算書には載らない企業価値のことです。
例えば従業員の働きやすさとか企業が持っている技術力、地域社会との信頼関係とか、
数字では表しにくいけど企業の将来を左右する重要な要素なんです。
確かに数字だけじゃ見えない部分ってありますもんね。
でもそれってどうやって投資判断に活かせばいいんですか?
やっぱりこのクリスマスに素敵な投資先を見つけたいです。
そうですよね。すごい良い質問ということで、
今日はまさにそのテーマで非財務情報で見る企業価値について、
財務指標と企業評価
証券コード1377、逆たの種という企業例に解説していきたいと思います。
私たちからのクリスマスプレゼントとして、投資の新しい視点をお届けしますよ。
逆たの種ですか。野菜の種の会社ですよね。楽しみです。
その前に恒例のちょこっと株指定のコーナーということで、
今日の用語は何ですか?
本日の用語はPBRです。PBRとはプライスブックバリューレシオの略で、
日本語では株価純資産倍率と言います。
株価が1株当たり純資産の何倍まで買われているかを指す指標です。
計算式だと株価割る1株当たり純資産になりますね。
その通りです。PBRが1倍を下回ると、理論上は企業が保有する資産よりも
株価が安く評価されている状態を指します。
逆にPBRが高いということは、市場がその企業の将来性を高く評価しているということなんです。
つまりPBRが低い企業は割安、高い企業は期待が高いということですね。
でも今日のテーマとはどう関係するんですか?
はい。実は非財務情報がしっかりと評価されるとPBRが上昇する可能性があるんです。
今の日本企業は見えない資産が十分に評価されていないケースがとても多いんですよね。
それでは本編に入っていきましょう。
早速、サカタの種について詳しく見ていきましょう。
まず私が考える最も将来性がある企業の定義なんですが、
それはどの時間軸で見ても持続的に成長する企業だと思っているんですよね。
なるほど。今とかじゃなくてどの時間軸でもというのがポイントなんですね。
そうなんです。短期的な業績だけじゃなくて、10年後、20年後も成長し続けられる企業。
そしてその成長を支えるのが財務資本だけでなく非財務資本なんです。
非財務資本と言われますけど、具体的にはどんなものがあるんですか?
大きく分けると人的資本、知的資本、そして信頼や社会関係資本と呼ばれるもので、
これらは数値では見にくいんですけれども、企業の持続的成長には欠かせない要素なんですよね。
なるほど。これがサカタの種が条件に合致するみたいなところなんですかね。
まずは財務面の方をとりあえず教えてください。
まず売上高ですが、近年着実に成長続けています。
2023年5月期の772億円から、2025年5月期には929億円まで成長しました。
成長率で見ると結構すごいですね。
獅子ビジネスって景気に左右されにくかったりするんですか?
食料というのは人間が生きていく上で必要不可欠ですから、景気変動の影響は比較的受けにくいという側面があります。
ただし、種苗ビジネス特有のリスクもあるんです。
どんなリスクですか?
最も大きいのが天候自然災害リスクです。
種苗の生育は天候に大きく左右されますし、世界的に異常気象が増加傾向にあると会社も認識しています。
暴風などの自然災害や天候不良による不作は生産者の活動に影響を与え、販売が減少するという可能性があるんですね。
景気の面よりも気候変動のリスクというのが大きいんですね。
そうなんです。サカタの種は世界170カ国以上に販売地域を広げたり、厳しい生育環境にも適応する品種を開発することでリスク軽減に努めています。
こうした自然要因は常に念頭に置く必要があるんですよね。
次に財務の安定性ではどうですか?
こちら非常に健全です。
自己資本比率はなんと84.5%と非常に高いですよね。
総資産約1937億円に対して有利支付債は2025年5月期でわずか22億円。
ほぼほぼ無借金経営といってもいいようなレベルなんですよね。
それは結構安心感ありますよね。
配当とかはどうですか?
配当も安定的に継続していて、投資家目線でも長期保有に適した企業だといえます。
こうした財務基盤の強さがあるからこそ長期的な投資ができるんです。
結構今聞いている財務面だけでもちゃんと力のある企業だなと思うんですけれども、さっき言ってたようなPBRの話が気になりますね。
いいところに気づきましたね。
ここが今日の一番重要なポイントです。
米国市場、つまりS&P500の平均PBRは約4.7倍なんですけれども、サカタの種のPBRは約1.0倍なんです。
それ聞くとめちゃくちゃ低くないですか?
日本のトピックスの平均PBRが約1.5倍なので、それと比べても結構低いかなというような印象ですね。
つまりサカタの種は市場から十分に評価されていないという可能性もあるんですよ。
でもなんでそんなに低いんでしょうか?業績はいい感じはしましたけど。
一応1倍はあるんでめちゃめちゃ低いというわけではないんですけれども、やっぱり冒頭にも出した非財務資本である見えない資産が正当に評価されていないという可能性もあると思いますね。
逆に言えば今後これらが適切に評価されれば株価が大幅に見直されるという方向もありえるかなというふうに思います。
サカタのタネの競争力
それじゃあその見えない資産についてもちょっと詳しく教えてください。
まず一つ目が知的資本です。サカタの種はブロッコリー種子の世界市値は約65%を誇っているんです。
65%ってもう結構独占状態?
そうなんですよね。これってやっぱり長年の研究開発と品種改良の積み重ねで築いたもので、他者が簡単には真似できない技術力の証なんですよね。
こうした知的資本は決算書には載らないんですけど、企業の競争力の源泉になっているんです。
本当ですね。技術力って数字では測りにくいですけどめちゃくちゃ重要ですよね。他にどんな強みがあるんですか?
二つ目がグローバル展開における先見性です。サカタの種は1990年代かなり早い段階でアフリカ市場に進出しているんです。
1990年代ってことはもう30年近く前ですね。なんでアフリカだったんですか?
アフリカは今もそうなんですけど人口が急増していて、将来的に大きな市場になると予想されていたんですよね。
サカタの種はそこに着目して現地企業を買収し、高品質な種種を提供することで現地の食料安全保障だったり、農家の所得向上に貢献してきたんですよね。
単なるビジネスじゃなくて社会貢献的なところになっているんですね。
そこもポイントですね。単なる援助じゃなくて本業を通じた社会課題解決っていうところ。こんな取り組みが長期的な市場開拓につながるっていう、これが大きな強みっていうふうにも考えられます。
なるほど。じゃあ結構利益を追求しながら社会に貢献するということで、これぞ持続可能なビジネスモデルですね。
はい、まさにその通りだと思います。そして3つ目が信頼という非財務資本です。
信頼ですか。これどういうことなんですか?
例えばその会社の理念に共感できること、過去にその会社の製品だったりサービスで良い経験をしたこと、そういった感情的なつながりから生まれる応援したいっていう気持ち、これも立派な投資理由になるんです。
確かに自分もやっぱり子供の頃、なんかこう親に連れて行ってもらったディズニーがずっとこう記憶に残ってたことがあって、すごい嬉しかった記憶はあります。
はい、やっぱりディズニーなんかは応援投資っていう名目でめちゃめちゃ投資して、持ち続けるもんだからなかなか値が下がらないみたいな言われたりしてますし、やっぱりこういう体験があるとこの会社を応援したいっていうふうに思ったりするんですよね。
これは数値化はできないんですけれども、長期投資においてはとても大切な要素なんです。
投資ってただ儲かりそうな株を買うだけじゃなくて、自分が応援したい企業に投資をするっていう考え方もありなんですね。
はい、まさにその通りだと思いますね。特に長期投資の場合、株価の上限に一揆一揆せずに応援っていう名目で保有し続けることができますし、その企業への信頼だったり共感っていうのも長期投資においては重要になってきますね。
でも信頼とか共感だけで投資先決めちゃっても大丈夫なんですか?
もちろんそれだけではダメなんですけど、今日お話ししたように、まず財務基盤がしっかりしていること、それがあった上で知的資本や将来性がある、それも確認して、最後のプラスアルファとして信頼だったり共感があると、より正確で自分に合った投資判断ができるようになるっていうお話ですね。
統合報告書の役割
そういうことですよね。なので財務情報と非財務情報の両方をバランスよく見るっていうのが大事なんですね。
そのバランスが大事ですね。興味を持った方はぜひ自分でも調べてみてください。
今日の話を聞いて投資の見方がすごく変わりました。決算書の数字だけじゃなくて、企業が持っている技術だったり社会への貢献、そして自分との関わりまで考えていくっていうのが必要なんですね。
特にこれからの時代、企業には統合報告書というものの開示が進んでいて、そこには非財務情報というのがたくさん載っているんですよね。
統合報告書というのは何でしょうか?
財務情報だけじゃなくて、ESGへの取り組みだったり人材育成、技術開発など、企業の持続的成長に必要な情報がかなり広く網羅的にまとめられている報告書ですね。
投資家にとって企業を多角的に評価するための重要な資料となっています。
これどこで見られるんでしょうか?
多くの企業が自社のウェブサイトのIR情報ページとかIRライブラリ、資料室なんかで公開してたりしますね。
サカタの種含めて興味のある企業の統合報告書を読んでみると、新しい発見があるかなというふうに思いますね。
じゃあ僕も早速チェックしてみようかな。
今日の話をまとめると、サカタの種は財務面でも安定していて、なおかつ知的資本や社会貢献という比、財務資本も充実している。
でも現在のPBRは低めで、今後の評価見直しに期待もできるということですね。
はい、完璧なまとめです。
ただしこれはあくまでも一つの視点であって、最後の投資判断は皆さん自身でしっかりと調査をした上で行ってください。
本日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
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皆様の投票をお待ちしております。
それではまた次回お会いしましょう。
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