電力・ガス業界の基礎知識
インベストメントブリッジがお届けする、いろはにマネーのながら学習。
この番組では、インターン生2人が株、投資、経済関連の気になる情報を分かりやすくお伝えしていきます。
インターン生の会話をながら聞きする感覚で、一緒に勉強していきましょう。
おはようございます。インターン生のあしえです。
おはようございます。インターン生の斎藤です。
あしえさん、ちょっと突然なんですけど、最近自宅の電気料金が思ったよりも高くなっていて、
政府の電気・ガス料金支援もあって、ちょっとなんとも言えないなという状況なんですけど。
そうですよね。僕もちょっとそれこそ一人暮らし今後していった時とかちょっと不安だなって思いますね。
やっぱり電気・ガス業界って私たちの生活に直結している一方で、
社会動向だったりっていうのが業績に大きく影響する、とても興味深い投資対象なんです。
今日のテーマは電気・ガス業界についてお送りしていきたいと思います。
はい。電力会社ってなんだか堅実で変化がない、変化が少ないっていうようなイメージがあったんですけど、実際はどうなんでしょうか。
はい。それが意外と動きがありまして、実は昨年度のものなんですが、2024年3月期には、
なきなみ過去対向域を更新したんです。
特に関西電力なんて前年比25倍の巡礼記を記録しました。
25倍、それはすごいですね。一体何が起きたんでしょうか。
はい。それはこれから詳しく解説していきます。
社会動向だったり業界の構造変化、さらには投資面までしっかり見ていきましょう。
はい。よろしくお願いします。
その前に恒例のちょこっと株辞典のコーナーです。
今日の用語は何でしょうか。
はい。今日の用語はインフレヘッジ効果です。
これはインフレが進行した際にその影響を回避または軽減できる投資効果のことを指します。
インフレが進むと現金の価値は巡りしてしまいますが、インフレヘッジ効果のある資産に投資することで購買力を維持することができますね。
そうなんです。おっしゃる通りで。
具体的には不動産、コモディティ、そして今日のテーマである電力・ガス株などのインフラ株が代表例です。
これらの資産はインフレでもし費用が上昇しても価格転換により収益を維持しやすいというような特徴があります。
電力・ガス業界がインフレヘッジになる理由も後ほど詳しく聞かせてください。
政府政策の影響
それでは本編に入っていきましょう。
はい。まず電気・ガス業界を取り巻く社会動向から詳しく見ていきましょう。
電気・ガス業界は製作業界と言っていいほど政府の方針に左右される業界なんです。
製作業界というとどのような政策が影響するんですか?
最も大きな影響を与えていたのが原子力政策です。
GXグリーントランスフォーメーション実行会議が統設された際には、
政府は原子力発電をダット炭素の重要な選択肢として明確に位置づけました。
これにより既存原発の再稼働だけでなく、
次世代型の新たな発電所の開発・建設まで政策として推進されています。
原発政策の転換が電力会社の業績に直結するということですね。
はい、その通りです。
原子力発電の発電コストは燃料費が非常に安いため、
火力発電に比べて圧倒的に収益性が高いんです。
なるほど。再稼働によって業績に大きな影響があるということですね。
そうなんです。また重要なのが、2050年のカーボンニュートラル政策です。
政府は2050年までに温室効果ガス・愛室量を実質ゼロにする目標を掲げていまして、
再生可能エネルギーの導入目標を2030年度に36パーから38パーセントまで引き上げました。
これにより太陽光、風力、さらには洋上風力発電の投資が急拡大しています。
なるほど。再エネ関連企業にとっては大きなビジネスチャンスということですね。
そうなんです。そして3つ目として、エネルギー安全保障政策も重要になってきます。
ウクライナ情勢やエネルギー価格の高騰を受けて、
政府はエネルギー持久率向上を最重要課題として位置づけています。
LNG調達先の多様化、国内資源開発の促進、そして省エネ・蓄エネ技術への投資支援が拡充しているんです。
国際情勢が国内のエネルギー政策に大きな影響を与えているということですね。
投資対象としての電力・ガス業界
指標面ではどのような変化が起きているんでしょうか。
こちらでは結構大きな変化が起きていまして、2024年3月の決算を見てみますと、
東京電力と沖縄電力を除いた主要発車全てが過去最高駅を更新しました。
これは業界史上初めてのことなんです。
ほとんどの企業で過去最高駅ってすごいですね。驚きです。
そうなんですよ。具体的な数字を見てみますと、売上トップの東京電力は7兆円規模、
関西電力は4兆円規模の売上を記録しています。
なるほど。業績の好調差は分かりましたが、
投資対象として電気・ガス業界が注目される理由を詳しく教えてほしいです。
こちらが注目される理由はいくつかありまして、
まず1つ目は絶対的な需要基盤の安定性が挙げられます。
電気やガスは低滑インフラとして欠かせないもので、
景気が悪化しても需要が急減することはありません。
むしろテレワークの普及やデジタル化の進展により、
電力需要は中長期的に増加傾向にあります。
確かに今の時代、電気なしに生活なんて本当に考えられないですもんね。
そうなんですよね。景気に関わらず常に需要があるというところで特徴があるかなと思います。
2つ目は魅力的なハイトリ回りです。
多くの電力ガス会社はハイトリ回り3%以上維持していまして、
中には6%を超えるというような企業もあるみたいです。
これは非常に魅力的な投資リターンです。
なるほど。6%ってすごいですね。
他の業界の広範囲透明化だと比べても圧倒的に高いリ回りですよね。
はい、そうなんです。
3つ目として雑炭素ビジネスの爆発的成長期待というところも挙げられます。
最低可能エネルギー市場は2030年までに2022年比で4倍規模に拡大するというような予測がありまして、
関連企業の成長ポテンシャルは非常に大きいものがあると思います。
4倍成長となるとまさに成長株としての魅力もありますね。
そうなんですよ。意外と特徴があるかなと思います。
もう1つ株試験で解説したインフレヘッジ効果の高さも挙げられます。
電力ガス料金には燃料費調整制度というものがありまして、燃料価格が上昇すると自動的に料金に転嫁される仕組みになっています。
これによりインフレが進行しても収益を維持できるんです。
なるほど。ちなみに電気ガス業界の銘柄はディフェンシブ銘柄としても有名ですよね。
はい。1つ目でも少し申し上げましたが、ディフェンシブ性を語る上でまず理解しておきたいのが需要の価格弾力性の低さです。
電気やガスの使用量は価格変動に対して非常に反応が鈍くなっています。
例えば電気料金が10%上がっても使用量は1%から2%程度しか減らないというようなデータもあります。
本当にこの時代電気は不可欠なので価格が上がっても使用量はそれほど減らないということですね。
そうなんです。消費者としてはちょっと耳が痛い話になっちゃうんですけれども。
さらに規制による安定性というのもあります。
電力ガス事業は公益事業として料金設定や事業運営が厳格に規制されています。
そのため過度な価格競争や急激な業績悪化というのはあまり起こらないような構造になっているんです。
なるほど。規制があることで逆に安定性が保たれているということですね。
でも完全にリスクがないというわけじゃないですよね。
もちろんです。原子力政策や最低可能エネルギー政策は常に変わるリスクもありまして業績が大きく対応されるということです。
またLNGや石炭価格は急激に変動したり地震台風豪雨などによって設備が被害にあったり
さらには停電によって業績も大きく変わる可能性があります。
なるほど。でもこれらのリスクを考慮したとしてもディフェンシブ株としての魅力は十分にあるということですね。
そうですね。多業界に比べるとマイナス要素は少ないですし
資産の安定性を重視する投資家にとっては非常に魅力的な銘柄だと思います。
それでは具体的な銘柄について教えてください。
今回は対象的な特徴を持つ2つの企業を詳しく分析します。
伝統的な電力会社の代表として関西電力、そして新進企業の再生可能エネルギー専業企業としてレノバを取り上げます。
まずは前者の関西電力です。
2025年3月期の売上高は4兆3000億円程度でして、さらには営業利益は約4700億円とまさに業界のトップランナーです。
本当に規模が大きいですね。まさに巨大企業です。
関西電力の最大の特徴は原子力発電依存度の高さです。
原発事故前の2010年度には電源工程の多くを原子力が占めていました。
現在も高浜原発や大井原発、三浜原発などが稼働していまして、原子力発電の比率がある程度回復しています。
他の電力会社と比べて原子力の比率が高いということですね。
そうですね。そして注目すべきはグローバル事業の積極展開です。
関西電力の海外展開
関西電力は早くから海外展開に注力していまして、現在だと20カ国以上で発電事業やコンサルティング事業を手掛けています。
特に東南アジアでは大規模な石炭火力やLNG火力の運用実績があります。
海外にも電力事業を展開しているんですね。というとこれは将来性も高いのかなというふうに思ってきます。
先ほどの注目ポイントにもあった株主政策についてはどうなんでしょうか。
そうですね。関西電力は配当還元に結構積極的でして、2025年3月期の配当は1株あたり60円です。
また還元配当を30%に引き上げる方針を示していまして、安定した株主還元が期待できるんです。
それはすごい魅力的ですね。関西電力の安定性と成長性がよく分かりました。
では続いてレノマについて教えてください。
レノマは2000年設立の再生可能エネルギー専業企業で、またに脱炭素時代の申し子ともいえる成長企業です。
2025年の3月期売上高は前年比57%増加の約700億円。
営業利益は約230億円と前年に比べ4割増加していて圧倒的な成長性が特徴です。
再生可能エネルギー事業というのは珍しいですね。事業内容を詳しく教えてください。
レノマの事業は大きく4つに分かれているんですけれども、こちらでは2つ紹介します。
まず太陽光発電事業では全国で13箇所の太陽光発電所を運営しています。
また風力発電事業では陸上風力に加えて今最も注目されている洋上風力発電の開発に注力しています。
洋上風力発電というと海上に風車を立てる事業ですよね。この企業にはどんな強みがあるのでしょうか。
最大の強みはプロジェクト開発力です。再生可能エネルギー事業では敵地の確保、環境アセスメント、資金調達など非常に複雑なプロセスがあるんですけれども、レノマはこちらを全て自社で手掛けることができる日本では数少ない企業なんです。
一貫してプロジェクトを手掛けることで競争優位性を確保しているということですね。
おっしゃる通りです。またテクノロジーを活用するというところも注力していまして、レノマはAIを活用した発電量予測システムやIoTセンサーによる設備監視システムなど最新技術を積極的に導入しています。
また2030年までに再生可能エネルギー設備容量を2025年3月期の約5倍に拡大するというような計画も発表しています。まさしく今後に期待できる企業だと思います。
電気・ガス業界の将来展望
最後に電気ガス業界全体の将来展望について教えてください。
業界全体として大きな構造変化の的の中にあります。従来の集中電源、一方的な供給から分散電源、双方向の供給というパラダイムシフトが起きていて、これは投資機会の観点でも非常に重要です。
具体的にはどのような変化が予想されますか?
はい。先ほどもちょっと申し上げたんですけれども、2030年に向けて再生可能エネルギー比率が36から38%に伸ばすというような政府の目標を達成するため、約50兆円規模の設備投資が必要とされています。
50兆円とはまさに巨大市場の誕生ですね。
そうですね。また、2050年のカーボンニュートラルに向けて水素エネルギー、アンモニア発電、炭素固定技術など新たな技術分野への投資も本格化しています。
これらは従来の電力会社にとっても、新しい企業にとっても大きなビジネスチャンスと言えると思います。
技術革新が新たな成長機会を生み出しているということですね。
今日の話を聞いて、電気・ガス業界への見方が大きく変わりました。
安定性と成長性を兼ね備えた、とても魅力的な投資領域ですね。
本当におっしゃる通りで、脱炭素政策という長期的なメガトレンドが追い風となっていまして、向こう10年から20年の成長ストーリーが描きやすいのが特徴です。
今回ご紹介できなかった業界最大手の東京電力については、インベストメントブリッジが運営する投資系メディアのカブリッジで紹介されています。
長期的な見通しも含めて詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
なお、投資判断はあくまでご自身の責任にてお願いいたします。
本日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
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それではまた次回お会いしましょう。